もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
上 下
599 / 851
連載

○○説⑨

しおりを挟む
 よし、新しく購入した炊飯器達を設置。稼働チェックオッケー。
 夕御飯はウサギ肉のカレーだったが、大鍋に作ったカレーが綺麗になくなった。作るのに大量の野菜を私とエマちゃんとテオ君で皮剥き。その間もルーティのウサギ部屋で、ちゅどんドカンバキバキ。
 どうするん、この毛皮達。お肉は食べるからいいけど。お肉は魔境のウルフ達も食べるし、骨は出汁にする。角は漢方薬とかに使うから、何かしらの理由を付けて、提出するけど。小山になりそうな毛皮達、小さいのは4桁突入してるけど。母やミゲル君が手袋にしてくれた。ふっかふか。それでも余るので、花のクッションにしてた。超高級クッション。ふかふか大好きな花は、そこでよく丸くなっている。それからシルフィ達の玩具のぬいぐるみを作ったら、あっという間に破壊された。うん十万もするような毛皮のぬいぐるみがー。しかし、花同様クッションは気に入ったようで、ふかふかと寝ている。
 毛皮はそのうちどうにかしようかね。
 でもって、宝箱の中身は凄まじい。キラキラと並んだ宝石達が凄まじか。化粧ポーチに、子供用のリュックサイズのポーチは普通のポーチやない。魔法の水筒。父の鑑定まちのマジックアイテム。その他諸々。
 夕御飯の後も、ちゅどんドカンバキバキ。その間に後片付けして、と。
「わふーん」
『ねーちゃん、わい、寝たいー』
『ねえね、ヒスイも~』
「くぅーん」
「くぅーん」
「くるぅ」
「はいはい、もう寝ようかね」
 ちゅー、と。シルフィ達はおねむだ。
 従魔の部屋で寝てる姿を見ていると、ほっとする。
「あのー、ユイさん」
 のほほーん、仔達を見ていると、ルーティのウサギ部屋に行ってたマデリーンさんだ。
「はい?」
「ご褒美の宝箱、出ました」
 わー、七回以上挑んだん?
 晃太が一旦アイテムボックスに入れて、ルームに。
 今日はこれでおしまいよ。と、言うと、ぶー、と言われたが、サブ・ドアを閉める。
『罠は解除したわ』
「ありがとうルージュ」
 晃太が渡してくれたのは、掌サイズ。よし、ぱかり。
 キラキラッ、だいたい分かっていたけどっ、キラキラッ。
 青い宝石が1粒、鎮座している。
「うーん、立派なパライバトルマリンじゃなあ」
 と、ツヴァイクさん。
 でっかあ、幾らになるんやろ?
「どうする姉ちゃん?」
「気軽に紛れ込ませるようなものやなかろう。今度リィマさんに見てもらおうかね。ん? あら、なんや下にまだある」
 私は慎重に宝石を取り出して、晃太の掌に。
 宝石の下に敷かれた布を取り払うと、ペンダントと指輪。シンプルなデザイン。
「うーん。魔力は?」
『感じるのです』
『感じるわ』
 はい、父の鑑定まちに入れましょう。父は現在本日持ち込まれたマジックアイテム鑑定中。
 ミゲル君が運んでくれる。
「さ、皆さん、お疲れ様です。今日もありがとうございます」
 きゅうん、とアレスが来るが、
「アレス」
 と、低音で言うと。
『はいなのだ』
 服従の姿勢に。
『ユイ、どうしたのですか?』
『アレスがこんなにおとなしく従うなんて』
 色々あったんよ。
 さ、今日はこれまでよ。

 次の日、役割分担する。
 まずは父は出勤。現在、自動補填矢筒の次にポーションをそれに出来ないか、確認作業をしているが、上手く行ってないみたい。それ以外にケトルや給食センターに置く新しい魔道具を設計している。パンを捏ねるやつね。現在あちこちのパン屋さんに依頼しているが、それでは2回通ううち、1回しか給食が提供できない。パンの生地って、こねこねするの大変だからね。この労力が減って、パンを給食センターである程度数が焼けたら、給食が2回に増やせるって。それ以外にも問題あるけど、子供達が通うきっかけになってるから、ハルスフォン侯爵様が考えてくれてる。
 母は花とパーティーハウスでお留守番。チュアンさんとマデリーンさんが残る。アリスとシルフィ達もだ。
 晃太はルーティのウサギ部屋に。ノワール、オシリス、仔達、エドワルドさん、ミゲル君、エマちゃんとテオ君が付いていく。
 アレスはツヴァイクさんと中庭で桶の作業ね。
 で、私は魔境に向かう。ビアンカとルージュの紹介待ちの若手ウルフ達を迎えにいかんとね。ホークさんが付いてくれる。
 よし、いいかな。
「じゃあ、ビアンカ、ルージュ、お願いね」
『いいのです』
『任せて』
「ホークさん、お願いします」
「はい」
 魔境側のサブ・ドアを開ける。
 開けて直ぐにシヴァが出迎えてくれる。
「わふーんっ」
 尻尾バタバタ。
 ビアンカをちら、ちら、と見てる。尻尾バタバタ。
 視界の隅で、あの若手達が駆けてきて並んでる。
 うーん、壮観やなあ。
「おはよう、皆」
「「「「「「「「「「「「「わんっ」」」」」」」」」」」」」
 躾られた感が。
「あー、ビアンカ、ルージュ、紹介してくれる」
『そうなのですね』
『まずは自ら志願した、こちらの雌』
 レベルの高い順に紹介してくれる。
 まずは、志願して参加した雌ね。フォルムはグレートピレニーズの垂れ耳大型犬。
『ロックバイカラーウルフなのです、珍しい個体なのですよ』
『あのアレスの伴侶候補だった雌の娘よ』
「へー」
 かわいか、垂れ耳大型犬。わぁ、目が綺麗やあ。シルフィ達のように一色でもなく、ビアンカやアレスのようなオッドアイでもない。目の上から紫で下は青のグラデーション。でもって、一番大きい。もふもふっ。
「ちなみに、その伴侶候補は?」
『ユイも会っているのです』
『今、奥で授乳しているのです』
「そうな」
「わふーん」
「よろしくね」
『で、次なのです』
『兄弟よ、フォレストガーディアンウルフよ』
 次に紹介されたのは、見慣れたフォルムのウルフ。2匹とも緑の目。
「よろしくね」
「「わんっ」」
 そっくり。
『次なのです。アーマールークウルフなのです』
『雌よ。あそこにいる補佐ウルフの娘よ』
「へー」
 じーっとこちらを見ている補佐ウルフ。心配しているんやね。赤と茶色のオッドアイやね。
「よろしくね」
「わんっ」
『次なのです』
『ロックルビーウルフ、雄よ』
 垂れ耳来たっ。まさにルビーの目。
「よろしくね」
「わんっ」
『次も珍しい個体なのです』
『アーマービショップウルフよ。雌よ。魔物ではすごく珍しい治療魔法が使えるの』
「そうなん?」
 基本的に魔物、特に上位種になれば回復系の魔法は持ってない。自己回復力が高いからだって。ふーん。そうなんだ。この中ではやや小柄かな? 青とやや灰色のオッドアイ。
「よろしくね」
「わふっ」
しおりを挟む
感想 673

あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

復讐はちゃんとしておりますから、安心してお休みください、陛下

七辻ゆゆ
ファンタジー
「フィオネよ、すまな……かった……」 死の床で陛下はわたくしに謝りました。 「陛下、お気が弱くなっておいでなのですね。今更になって、地獄に落とされるのが恐ろしくおなりかしら?」 でも、謝る必要なんてありません。陛下の死をもって復讐は完成するのですから。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

「奇遇ですね。私の婚約者と同じ名前だ」

ねむたん
恋愛
侯爵家の令嬢リリエット・クラウゼヴィッツは、伯爵家の嫡男クラウディオ・ヴェステンベルクと婚約する。しかし、クラウディオは婚約に反発し、彼女に冷淡な態度を取り続ける。 学園に入学しても、彼は周囲とはそつなく交流しながら、リリエットにだけは冷たいままだった。そんな折、クラウディオの妹セシルの誘いで茶会に参加し、そこで新たな交流を楽しむ。そして、ある子爵子息が立ち上げた商会の服をまとい、いつもとは違う姿で社交界に出席することになる。 その夜会でクラウディオは彼女を別人と勘違いし、初めて優しく接する。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。