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○○説⑦

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『美味しいのですっ』
『美味しいわっ』
『母のメシは、変わらず上手いのだっ』
「くぅっ、くぅっ」
 貝柱の炊き込みご飯と焼き鯖、玉子焼きが並んだ専用のお皿。勢いよく食べてる。オシリスとホルスはおにぎりね。
「わんっわんっ」
「がるぅっ、がるぅっ」
『ばあばのご飯っ、美味しいっ』
『わーいっ、ばぁばのご飯ーっ』
『クリス、もっと玉子食べたいーっ』
「くるっ、くるっ」
 うん、仔達もよく食べる。ほのぼの。
 おかわりをよそい運ぶのが大変だけど、それも嬉しい。
『ばくばく、やっぱりお母さんのご飯が美味しいのです』
『そうね。何度食べに帰ろうかって思ったわ』
 母が嬉しそうや。
 おかわりをせっせと食べる2人の姿を見ると、帰って来たんやなあって再実感。
「ビアンカ、ルージュ」
『ん? なんなのです?』
『どうしたのユイ』
「お帰り」
『『?』』
「お帰り、ビアンカ、ルージュ」
 一瞬の間。
 ふわあ、と笑うビアンカとルージュ。
『ただいまなのです』
『ただいまユイ』
 ああ、本当に無事に帰って来たんやなあ。
「なあ、優衣」
「ん?」
 のほほんと食べている姿を見ていると、母が真剣な顔でやって来た。
「どうしたん?」
「炊飯器が足らん」
「え?」
 現在5.5合炊きが3台、1升炊きが3台。結構稼働率高いんやけど。
「貝柱の炊き込みご飯、全部なくなったんよ」
「………………え? うちらの朝御飯分は」
 無言で指し示したのは、ガツガツと食べる仔達。
「わんわんっ」
「がふんっ、がふんっ」
『ヒスイ、貝のご飯すきー』
『ルリ、もっと食べたいー』
『クリスも、ばーば、もっと食べたいー』
「くるっ、くるっ」
 にっこにっこと食べている。
 更にビアンカとルージュに指先が移る。
『美味しいのですっ』
『お母さんのご飯、美味しいわっ』
 そして、空っぽになったお釜を見て、ちょっと寂しそうなエマちゃんとテオ君。
 うん、そうだわなあ。食べるわなあ。あんなにちっちゃかった仔達が、ものすごい量食べてる。
 必要なものやな。
 ………………………………待った、これにプラス、13体の若手ウルフが加わる。
「マダラ電気が開いたら、炊飯器買って来るね」
「頼むね」
 結局、晃太のアイテムボックスにあるご飯で、朝御飯を済ませることに。
 お腹一杯になったビアンカとルージュ達は食休みに入る。シルフィ達はアリスのお乳に吸い付いて満腹。かわいか。
「いただきます」
「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」
 父の挨拶でいただきます。
 カボチャと豆腐と揚げのお味噌汁を一口、カボチャが甘い。
 食べながら、晃太に昨日の話を聞く。
「驚いたばい。姉ちゃん、いきなり気絶やもん」
 警報器の音が凄すぎて、もたんかったんよね。
 やけど、それを間近で見た晃太とホークさんにしたら、それは肝が冷えたはず。
 しかも直ぐに意識が戻らなかった。
「1時間待ったけど、姉ちゃん起きんけん。とにかく親父に見てもらおうって話になって」
「なんや、迷惑かけたね」
 焼き鯖をぱくり、ご飯も一口。海苔も巻いて一口。
「リティアさんにも見られたよ」
「わあ、きっとびっくりしたろうなあ」
 いつもダンジョンから出てきたら、狙い澄ましたようにすっ飛んでくるからなあ。
「で、親父に見てもらったら、日頃の疲れも溜まっとるけど、目を醒ますって」
 それを聞いてから、山風の皆さんは帰宅。
 いろんな方に心配させてしまった。
 今日は朝御飯の後に、ギルドに行こうかな。リティアさん、心配させてしまったからね。
 朝御飯終わった後に、父はお弁当を持って、御用聞きの冒険者さんと出勤。片付け、支度していると。
『『『ダンジョンダンジョン』』』
「ぶひひんっ」
「くうっ」
「わんわんっ」
『ねえねー』
『ダンジョン~』
『ダンジョン~』
「くるっ、くるっ」
『ねーちゃんっ、わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
 バトルジャンキー、増えてるー。
 えー、ギルドに行かんといけんけど、それに魔境の若手ウルフ達の紹介とかさ。若手達に関しては、ビアンカとルージュがダンジョン終わってから行けばいいって。今頃のびのびしてるだろうってさ。私の体調も心配して、明日紹介するような旨を伝えてるって。
『ねーちゃんっ、にーちゃんっ、ばーちゃん、わいなー、火の魔法が使えるようになってーん』
 コハクが必死に訴える。くっ、かわいかっ。
 なら、コハクの火魔法の披露が先やね。
 アリスはシルフィ達が寝ているので、ルームに残ることに。
 行き先はルーティのウサギ部屋。
 この時、かるーく考えていたが、これで私はしばらくパーティーハウスに籠ることになってしまい、妙な噂の原因となってしまった。
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