583 / 851
連載
バタバタ⑧
しおりを挟む
ケルンさん達を見送って、三日後。
やっとエドワルドさんと晃太が解放される。解放と言っても、監視されていたわけではないけどね。それぞれの弁護士さんとしっかり話し合いも済んだし、首都のアルベルトさんから転移門を使用して、エドワルドさんへ手紙が来た。例の今回の黒幕、ギーリアッシュ伯爵については心配いらないって。エドワルドさんが文面を見て、怒ってますね、と一言。
正式に決着がつくのは、3週間後。それまで、マーファから出られないけど、冷蔵庫ダンジョンはオッケーが出た。
なので、明後日からまた冷蔵庫ダンジョンだ。ギルドの掲示板に伝言残したしね。シルフィ達のスライム部屋も済ませた。相変わらず、ウインディだけ、アリスに首根っこ咥えられて、ぽんっ、とされているけどね。それでもちゃんとスライムプチプチしているんだけどね。
今回の冷蔵庫ダンジョンは蛇部屋メインで一週間だ。リティアさんからお願いされたからね。お世話になってるし。やっぱり、あの目玉の依頼が殺到しているみたい。話を聞いたら、エルフが治める国、クラインの一部地域で、特殊な毒を発する植物系魔物が大量発生したようで。魔物自体は強いわけでないし小さいし、道端にいてもスルーされる。発する毒もとっても微弱なんだけど、知らず知らずに吸い込んで蓄積すると、いきなり視力が低下する。それが最近たくさんの人達が発病して、駆除に国を挙げて行っている。魔物は駆除出来ても、落ちた視力は直ぐに回復しない。蓄積した毒で落ちた視力は、即効性の毒に効く解毒ポーションが効かない。その為の蛇のポーションだ。特に身体の小さな子供が症状が酷いらしい。
昨日、ギルド管理の転移石を使って挑んだ冒険者パーティーが帰って来たが、とても足りないそうだ。
頑張って拾おう。軍手よし。
「アレス」
『ん? 何なのだ?』
「今回ばかりは、ボス部屋たくさん挑んでよかけんね」
『ん? やったのだっ』
「今回、だけ、やからね?」
『うっ、分かっているのだ…………』
そんなこんなで冷蔵庫ダンジョン。
『戦闘モード 魔狼の牙(ナダジオン)』
はい、ちゅどん、ドカン。
はい、拾います、拾います。
アレスがボス部屋開けると出てくるジャイアントバーザタイラントは、大層な名前だけど、蛇ね。この目玉、常に出る蛇の目玉で作るポーションが10倍できるそうで、リティアさんと話をしていたら、わざわざダワーさんまで挨拶に来て、くれぐれもと頭を下げられた。
だから、アレスに頑張って貰わんと。
私はまず、アレスに水分補給させてから、ドロップ品を拾う。たった3日でいつもの目玉が4桁越えた。ジャイアントの方も、30越えた。
『主よ~』
アリスの罠解除を見ていると、アレスがすりすり。
「なんね?」
よしよし、もふもふ。
『蛇は飽きたのだ~』
きゅるるるるん。
あんた、ちょいちょい、ウサギ部屋行ってるやん。
はあ、今回はアレスのかわいか我が儘聞かんとね。
「なら、上の牛部屋行こうかね。やけど、1日したら、蛇部屋よ」
『分かったのだ~』
21階の牛部屋、ちゅどん、ドカン。途中でぶひひん、くぅっくぅっとクレーム入るので、宥めながら交代でボス部屋に挑む。牛乳はシルフィ達が大好きだからね。幾つか確保。よし、数ヶ月は大丈夫だね。
約束通り、1日で蛇部屋に戻る。ノワールに騎乗するので、移動が早くて助かる。
それからも問題なくちゅどん、ドカン。時々魔境から補佐ウルフや錆び落としのお母さんウルフ、レベルアップしたいお父さんウルフが参加。なかなか忙しい一週間だったけど。休みなく動いていた気がする。
「姉ちゃん、目玉が2000越えたよ。大の目玉も83」
「十分かね」
もうしばらくは蛇はよか。
冷蔵庫ダンジョンを出ると、華麗にリティアさんがすっ飛んできたのは言うまでもない。
「ありがとうございますミズサワ様、クラインからの依頼が捌けます」
「いえいえ」
軍手して拾っただけ。これで子供達の目が治るならよかよか。サインと魔力もいいかな。
今回はアレスがメインでボス部屋開けたため、宝箱の中身もゴージャス。ご褒美部屋は出なかった。確率低いしね。武器とマジックアイテム、ポーション類は回収した。
せっせとタージェルさんが宝石や宝飾品をチェックしてくれているが、やはり時間かかるそうで、明後日となる。
なら、明日はゆっくり異世界の湯にでも浸かろう。皆さんを労らんと。
晃太と合流して、パーティーハウスに戻る。
ちらほらと、雪が降ってる。
魔境は、もっと寒いはず。
元気が具合が悪くなった時期や。
予定では、あと二週間位。
各エリアボスに警告に向かったイシスも。いくら元エリアボスとはいえ、こちらも心配や。
心配が尽きないけど、今は皆を信じるしかない。
やっとエドワルドさんと晃太が解放される。解放と言っても、監視されていたわけではないけどね。それぞれの弁護士さんとしっかり話し合いも済んだし、首都のアルベルトさんから転移門を使用して、エドワルドさんへ手紙が来た。例の今回の黒幕、ギーリアッシュ伯爵については心配いらないって。エドワルドさんが文面を見て、怒ってますね、と一言。
正式に決着がつくのは、3週間後。それまで、マーファから出られないけど、冷蔵庫ダンジョンはオッケーが出た。
なので、明後日からまた冷蔵庫ダンジョンだ。ギルドの掲示板に伝言残したしね。シルフィ達のスライム部屋も済ませた。相変わらず、ウインディだけ、アリスに首根っこ咥えられて、ぽんっ、とされているけどね。それでもちゃんとスライムプチプチしているんだけどね。
今回の冷蔵庫ダンジョンは蛇部屋メインで一週間だ。リティアさんからお願いされたからね。お世話になってるし。やっぱり、あの目玉の依頼が殺到しているみたい。話を聞いたら、エルフが治める国、クラインの一部地域で、特殊な毒を発する植物系魔物が大量発生したようで。魔物自体は強いわけでないし小さいし、道端にいてもスルーされる。発する毒もとっても微弱なんだけど、知らず知らずに吸い込んで蓄積すると、いきなり視力が低下する。それが最近たくさんの人達が発病して、駆除に国を挙げて行っている。魔物は駆除出来ても、落ちた視力は直ぐに回復しない。蓄積した毒で落ちた視力は、即効性の毒に効く解毒ポーションが効かない。その為の蛇のポーションだ。特に身体の小さな子供が症状が酷いらしい。
昨日、ギルド管理の転移石を使って挑んだ冒険者パーティーが帰って来たが、とても足りないそうだ。
頑張って拾おう。軍手よし。
「アレス」
『ん? 何なのだ?』
「今回ばかりは、ボス部屋たくさん挑んでよかけんね」
『ん? やったのだっ』
「今回、だけ、やからね?」
『うっ、分かっているのだ…………』
そんなこんなで冷蔵庫ダンジョン。
『戦闘モード 魔狼の牙(ナダジオン)』
はい、ちゅどん、ドカン。
はい、拾います、拾います。
アレスがボス部屋開けると出てくるジャイアントバーザタイラントは、大層な名前だけど、蛇ね。この目玉、常に出る蛇の目玉で作るポーションが10倍できるそうで、リティアさんと話をしていたら、わざわざダワーさんまで挨拶に来て、くれぐれもと頭を下げられた。
だから、アレスに頑張って貰わんと。
私はまず、アレスに水分補給させてから、ドロップ品を拾う。たった3日でいつもの目玉が4桁越えた。ジャイアントの方も、30越えた。
『主よ~』
アリスの罠解除を見ていると、アレスがすりすり。
「なんね?」
よしよし、もふもふ。
『蛇は飽きたのだ~』
きゅるるるるん。
あんた、ちょいちょい、ウサギ部屋行ってるやん。
はあ、今回はアレスのかわいか我が儘聞かんとね。
「なら、上の牛部屋行こうかね。やけど、1日したら、蛇部屋よ」
『分かったのだ~』
21階の牛部屋、ちゅどん、ドカン。途中でぶひひん、くぅっくぅっとクレーム入るので、宥めながら交代でボス部屋に挑む。牛乳はシルフィ達が大好きだからね。幾つか確保。よし、数ヶ月は大丈夫だね。
約束通り、1日で蛇部屋に戻る。ノワールに騎乗するので、移動が早くて助かる。
それからも問題なくちゅどん、ドカン。時々魔境から補佐ウルフや錆び落としのお母さんウルフ、レベルアップしたいお父さんウルフが参加。なかなか忙しい一週間だったけど。休みなく動いていた気がする。
「姉ちゃん、目玉が2000越えたよ。大の目玉も83」
「十分かね」
もうしばらくは蛇はよか。
冷蔵庫ダンジョンを出ると、華麗にリティアさんがすっ飛んできたのは言うまでもない。
「ありがとうございますミズサワ様、クラインからの依頼が捌けます」
「いえいえ」
軍手して拾っただけ。これで子供達の目が治るならよかよか。サインと魔力もいいかな。
今回はアレスがメインでボス部屋開けたため、宝箱の中身もゴージャス。ご褒美部屋は出なかった。確率低いしね。武器とマジックアイテム、ポーション類は回収した。
せっせとタージェルさんが宝石や宝飾品をチェックしてくれているが、やはり時間かかるそうで、明後日となる。
なら、明日はゆっくり異世界の湯にでも浸かろう。皆さんを労らんと。
晃太と合流して、パーティーハウスに戻る。
ちらほらと、雪が降ってる。
魔境は、もっと寒いはず。
元気が具合が悪くなった時期や。
予定では、あと二週間位。
各エリアボスに警告に向かったイシスも。いくら元エリアボスとはいえ、こちらも心配や。
心配が尽きないけど、今は皆を信じるしかない。
2,121
お気に入りに追加
7,874
あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。