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布確保⑥
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暑い日々が続きますね。
皆さん体調お気をつけください。
コメントありがとうございます。返信はできませんが、読ませていただき励みになっています。
「こ、これをギルドに卸して頂けるとっ」
タージェルさんが並んだエリクサーを前に興奮。リティアさんは晃太のリストと、依頼書を素早く確認して、スマイル炸裂している。タージェルさんも素早く、エリクサーをチェック。もちろんきちんと査定するために、薬師ギルドの担当者が後から来る。ダワーさんはフレアタートルの肝が来るからと、すでに作業準備に入っているって。
「はい、どうぞ。それから色々な布も出ましたので、見ていただけますか?」
「はい。もちろん」
私は晃太に合図をする。出す場所を確保するため、ゴロゴロしているアレスのお尻を押す。
「アレスや、どいてちょうだい」
『暇なのだ~』
「はいはい。帰ったらご馳走にするけん、どいて」
アレスのお尻が移動。うん、ビアンカより痩せ型なので、お尻のぽちゃぽちゃ具合が。
………………皆、元気かな?
アレスのお尻の跡地に、タージェルさんが職員さんに指示して布を敷き詰める。そこに晃太がシルク地やレース生地を出していく。
「これはっ、素晴らしいっ」
タージェルさんが感嘆の声をあげる。もちろん、手で口を塞いでね。私はルーティーンの書類のサインと魔力を流す。それをすべて終えてから、リティアさんも布査定に参加している。
熱心に見ている2人に、私は話を切り出すタイミングを失う。
転移門、どうしよう。
「やはり、この生地は外せませんね」
「そうですね。色合い的には。それにこの柄が素晴らしいです」
タージェルさんとリティアさんが熱心にお話している。
「あの~」
「はっ、申し訳ありませんミズサワ様。布の査定が終わりました」
タージェルさんが慌て顔をあげる。リティアさんもだ。
「どれかお眼鏡に叶うものは?」
「すべて素晴らしく、どれを献上しても問題はございませんが。私としては、この鈴蘭が浮かぶ緑の生地、そしてこの星の輝くようなレース生地を推薦します」
と、タージェルさん。
「理由は」
何となく聞いてみた。
「緑はジークフリード王太子殿下の瞳の色です。そして鈴蘭はアスラ王国の国花であり、ファクル侯爵家の家紋。これ以上適した生地はないかと思います。そしてこのレース生地のきめの細かさ、輝き、この緑の生地を際立たせるでしょう」
成る程。
こちらではあまり披露宴をする人はいない。お金や地位のある人達がする。今回はいずれ国王とその正室になられるお二人の結婚式だ。フェリアレーナ様の時の倍以上の規模になる。各国の主要な方々が来るって。
こういった立場にある人達が披露宴となると、新婦となる方はお色直しに制約が出てしまう。結婚式は白のウェディングドレスだけど、お色直しのドレスや装飾品には必ず新郎の色を使用する。例えば金髪なら黄色のドレス、もしくはそう言った色合いの宝飾品を身につける。今回はレティシア嬢は予め、ジークフリード王太子殿下の瞳にあわせて、緑のお色直しのドレスを着ると、発表されていた。招待客の皆さんはそれをきちんと理解して、参加するお衣装を決める。被らないようにね。
へー、そうなんだー。いいなあ、お色直しのドレス。私は白無垢にして、なんて思うが、いかん、今はそれどころではない。邪念を追い出す。
「しかし、鈴蘭の柄の生地が手にはいるとは。きっとアスラ王国とファクル侯爵家にとっても、国交間を保つのにうってつけの生地ですね」
と、タージェルさん。へー。
鈴蘭はアスラ王国の国花でもあるし、ファクル侯爵家の家紋でもある。レティシア嬢のお母さんが、アスラ王国縁のお姫様だし、なによりミッシェル王太后様自身がアスラ王国の元王女様だしね。この生地を使って、お色直しのドレスを着たら、アスラ王国とファクル侯爵家、ユリアレーナ王家は仲良しなんですよ、と知らしめる事ができるんだって。へー。正に願ったり叶ったりやね。
まあ、これで、あのダメになってしまった生地の替わりになればよかか。これは敍爵の時に、お渡ししよう。マテオさんがうまい具合に伝えてくれているといいな。
「明日、セザール様がこちらにいらっしゃいますから、私の方からも話しておきます」
リティアさんも協力してくるし、良かった。
「それと、ですね、ミズサワ様。こちらは憶測になりますが」
珍しく歯切れの悪い話し方のリティアさん。なんやろ?
「この布を献上するなら、披露宴に呼ばれるかと思います」
「無理です」
ピシャッ。
だいたい、セザール様とフェリアレーナ様の披露宴でさえも、畏れ多くてお断りしたのに。それに結婚式・披露宴は今年の秋。私達はその頃にはヤマタノオロチにかかりっきりになっているから、いくらぶひひん特急ノワールがいても間に合わない。
「その頃、私達はカルーラの魔境に籠っていますから。前々から決まっていたんです。それに一般人の私には、荷が重いと」
「そうですか。そうなると単にお断りだけでは済みませんし…………」
えっ? 出席出来ません、で良くないの?
「良くはないですね。これが伯爵クラスならまだしも、王家の披露宴。しかもいずれ国王夫婦になられる方々の披露宴ですから。王家の皆様は、ミズサワ様をご理解していると思いますが、周りがそう思わないでしょう」
めんどくさかっ、貴族社会っ。
「ど、どうしたら穏便にお断り出来ます?」
あまり、王家の皆様に、ご負担的なのかけたくない。
「ならば、こちらの残りの生地を何点か献上されてはどうでしょうか? 後、こちらに卸していただく予定のエリクサーを2本程付ければよろしいかと」
タージェルさんが、助け船を出してくれる。
「ギルドに回す分が少なくなりますよ?」
「元はミズサワ様のものです。ミズサワ様が憂いなく、魔境に籠られるために使用されるべきです」
タージェルさんは、まったく淀みなく言ってくれる。
『その雄、半分がっかりしているのだ』
やめて、タージェルさんのご好意を。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
「なんね?」
「あれば出す時やないね?」
「あれ……………あ、そうやねっ。リティアさん、タージェルさん、今回ですねご褒美部屋からこんなのを手に入れましてっ」
晃太に合図する。
アイテムボックスから慎重に取り出すのは、細身の折り畳み式傘。
「ミズサワ様、これは…………」
リティアさんは何か分からないのか戸惑いの表情。
「転移門です」
タージェルさんとリティアさんの目が、点になった。
「こ、これが、転移門……………」
「初めて見ましたが、展開する前はこんな形なんですね…………」
へー、と見つめるお二人。
「これを献上したら、披露宴、お断り出来ます?」
私はおずおずと聞く。
「そうですな。これなら十分かと思います」
タージェルさんが太鼓判を押してくれた。
良かった。
「ただ、そうなりましたら、どの様な形で献上するかですな。このままギルド経由で、国に献上してもよろしいですが……………ミズサワ様、ハルスフォン侯爵様との面会予定でしたね」
確認するように聞いてくるタージェルさん。
「はい、父の敍爵の件で」
「でしたら、その際に必ず披露宴出席の依頼があるはず。その時に、こちらの転移門を出してください。そうですね、この度の御成婚のお祝いと、今後のユリアレーナ王国の繁栄を祈って、と」
「なるほど、ありがとうございます」
この場合はハルスフォン侯爵家経由で、国に献上することになる。以前の転移門は、スカイランのギルドと役場が、国に献上してくれた。
なんとかなったね。
ふう。
布も一旦は晃太のアイテムボックスに入れる。それから倉庫に向かう。
「ミズサワ様、少しお時間よろしいですか?」
「あ、はい」
リティアさんが改まる。
「ランクの件です。このままでしたら、いずれミズサワ様にもSランクの話が出るかと」
「ああ、やっぱり」
さっきエドワルドさんとお話したばっかり。
「それ、お断りは」
「一度目はなんとかなるでしょう。まだ、ミズサワ様は冒険者になって日が浅いですから」
なるほど、経験不足によるものを理由にすればいいかな。
「それでもミズサワ様を、Sランクにと話が出るでしょう。そうなった場合、爵位のある方に保証人をお願いしなければなりません」
あー、さっき話したやつー。
「それ少し考えていたんです。うちの父も名誉伯爵になるけど、その、やっぱり日が浅いにわかですし。私の保証人を引き受けてくれそうな方となると……………」
ハルスフォン侯爵以外にも、心当たりが一つ。
「ハルスフォン侯爵様か、イコスティ辺境伯様くらいしか思い付かなくて」
実際に力になってくれて、爵位が、高い人はこの2家しか思い付かない。
「そうでございますか。確かにイコスティ辺境伯も、ミズサワ様の保証人にはふさわしい人物でございます」
「リティアさん的には、どちらがいいと思います?」
「私のような者が口を出せる問題ではないのですが。身内の贔屓目となると、やはりハルスフォン侯爵家を推します」
そうなるかあ。実際に、リティアさんはハルスフォン侯爵家の皆さんと接しているだろうからね。
「私としては、ハルスフォン侯爵家が保証人になっていただけたら、いつかミズサワ様がマーファを思い出して、帰って来て頂けるのではないかと、思っています」
「帰って来るって。マーファはすでに第二の故郷みたいなものですし」
ぽろり、と出た私の言葉は本心だ。冷蔵庫ダンジョンがあるからではない。マーファの人達が、ビアンカやルージュ、仔達を受け入れてくれているからだ。とても過ごしやすいから。
「そうでございますか」
一瞬、リティアさんの目がいつもと違う感じにキラリしたのは気のせいかな?
それから今回のドロップ品の話をする。依頼があったものはすでに処理されて、依頼料を私の冒険者カードにいれてもらう。他のドロップ品は、後日となる。
晃太が戻って来たので、私達は挨拶してギルドを後にした。
皆さん体調お気をつけください。
コメントありがとうございます。返信はできませんが、読ませていただき励みになっています。
「こ、これをギルドに卸して頂けるとっ」
タージェルさんが並んだエリクサーを前に興奮。リティアさんは晃太のリストと、依頼書を素早く確認して、スマイル炸裂している。タージェルさんも素早く、エリクサーをチェック。もちろんきちんと査定するために、薬師ギルドの担当者が後から来る。ダワーさんはフレアタートルの肝が来るからと、すでに作業準備に入っているって。
「はい、どうぞ。それから色々な布も出ましたので、見ていただけますか?」
「はい。もちろん」
私は晃太に合図をする。出す場所を確保するため、ゴロゴロしているアレスのお尻を押す。
「アレスや、どいてちょうだい」
『暇なのだ~』
「はいはい。帰ったらご馳走にするけん、どいて」
アレスのお尻が移動。うん、ビアンカより痩せ型なので、お尻のぽちゃぽちゃ具合が。
………………皆、元気かな?
アレスのお尻の跡地に、タージェルさんが職員さんに指示して布を敷き詰める。そこに晃太がシルク地やレース生地を出していく。
「これはっ、素晴らしいっ」
タージェルさんが感嘆の声をあげる。もちろん、手で口を塞いでね。私はルーティーンの書類のサインと魔力を流す。それをすべて終えてから、リティアさんも布査定に参加している。
熱心に見ている2人に、私は話を切り出すタイミングを失う。
転移門、どうしよう。
「やはり、この生地は外せませんね」
「そうですね。色合い的には。それにこの柄が素晴らしいです」
タージェルさんとリティアさんが熱心にお話している。
「あの~」
「はっ、申し訳ありませんミズサワ様。布の査定が終わりました」
タージェルさんが慌て顔をあげる。リティアさんもだ。
「どれかお眼鏡に叶うものは?」
「すべて素晴らしく、どれを献上しても問題はございませんが。私としては、この鈴蘭が浮かぶ緑の生地、そしてこの星の輝くようなレース生地を推薦します」
と、タージェルさん。
「理由は」
何となく聞いてみた。
「緑はジークフリード王太子殿下の瞳の色です。そして鈴蘭はアスラ王国の国花であり、ファクル侯爵家の家紋。これ以上適した生地はないかと思います。そしてこのレース生地のきめの細かさ、輝き、この緑の生地を際立たせるでしょう」
成る程。
こちらではあまり披露宴をする人はいない。お金や地位のある人達がする。今回はいずれ国王とその正室になられるお二人の結婚式だ。フェリアレーナ様の時の倍以上の規模になる。各国の主要な方々が来るって。
こういった立場にある人達が披露宴となると、新婦となる方はお色直しに制約が出てしまう。結婚式は白のウェディングドレスだけど、お色直しのドレスや装飾品には必ず新郎の色を使用する。例えば金髪なら黄色のドレス、もしくはそう言った色合いの宝飾品を身につける。今回はレティシア嬢は予め、ジークフリード王太子殿下の瞳にあわせて、緑のお色直しのドレスを着ると、発表されていた。招待客の皆さんはそれをきちんと理解して、参加するお衣装を決める。被らないようにね。
へー、そうなんだー。いいなあ、お色直しのドレス。私は白無垢にして、なんて思うが、いかん、今はそれどころではない。邪念を追い出す。
「しかし、鈴蘭の柄の生地が手にはいるとは。きっとアスラ王国とファクル侯爵家にとっても、国交間を保つのにうってつけの生地ですね」
と、タージェルさん。へー。
鈴蘭はアスラ王国の国花でもあるし、ファクル侯爵家の家紋でもある。レティシア嬢のお母さんが、アスラ王国縁のお姫様だし、なによりミッシェル王太后様自身がアスラ王国の元王女様だしね。この生地を使って、お色直しのドレスを着たら、アスラ王国とファクル侯爵家、ユリアレーナ王家は仲良しなんですよ、と知らしめる事ができるんだって。へー。正に願ったり叶ったりやね。
まあ、これで、あのダメになってしまった生地の替わりになればよかか。これは敍爵の時に、お渡ししよう。マテオさんがうまい具合に伝えてくれているといいな。
「明日、セザール様がこちらにいらっしゃいますから、私の方からも話しておきます」
リティアさんも協力してくるし、良かった。
「それと、ですね、ミズサワ様。こちらは憶測になりますが」
珍しく歯切れの悪い話し方のリティアさん。なんやろ?
「この布を献上するなら、披露宴に呼ばれるかと思います」
「無理です」
ピシャッ。
だいたい、セザール様とフェリアレーナ様の披露宴でさえも、畏れ多くてお断りしたのに。それに結婚式・披露宴は今年の秋。私達はその頃にはヤマタノオロチにかかりっきりになっているから、いくらぶひひん特急ノワールがいても間に合わない。
「その頃、私達はカルーラの魔境に籠っていますから。前々から決まっていたんです。それに一般人の私には、荷が重いと」
「そうですか。そうなると単にお断りだけでは済みませんし…………」
えっ? 出席出来ません、で良くないの?
「良くはないですね。これが伯爵クラスならまだしも、王家の披露宴。しかもいずれ国王夫婦になられる方々の披露宴ですから。王家の皆様は、ミズサワ様をご理解していると思いますが、周りがそう思わないでしょう」
めんどくさかっ、貴族社会っ。
「ど、どうしたら穏便にお断り出来ます?」
あまり、王家の皆様に、ご負担的なのかけたくない。
「ならば、こちらの残りの生地を何点か献上されてはどうでしょうか? 後、こちらに卸していただく予定のエリクサーを2本程付ければよろしいかと」
タージェルさんが、助け船を出してくれる。
「ギルドに回す分が少なくなりますよ?」
「元はミズサワ様のものです。ミズサワ様が憂いなく、魔境に籠られるために使用されるべきです」
タージェルさんは、まったく淀みなく言ってくれる。
『その雄、半分がっかりしているのだ』
やめて、タージェルさんのご好意を。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
「なんね?」
「あれば出す時やないね?」
「あれ……………あ、そうやねっ。リティアさん、タージェルさん、今回ですねご褒美部屋からこんなのを手に入れましてっ」
晃太に合図する。
アイテムボックスから慎重に取り出すのは、細身の折り畳み式傘。
「ミズサワ様、これは…………」
リティアさんは何か分からないのか戸惑いの表情。
「転移門です」
タージェルさんとリティアさんの目が、点になった。
「こ、これが、転移門……………」
「初めて見ましたが、展開する前はこんな形なんですね…………」
へー、と見つめるお二人。
「これを献上したら、披露宴、お断り出来ます?」
私はおずおずと聞く。
「そうですな。これなら十分かと思います」
タージェルさんが太鼓判を押してくれた。
良かった。
「ただ、そうなりましたら、どの様な形で献上するかですな。このままギルド経由で、国に献上してもよろしいですが……………ミズサワ様、ハルスフォン侯爵様との面会予定でしたね」
確認するように聞いてくるタージェルさん。
「はい、父の敍爵の件で」
「でしたら、その際に必ず披露宴出席の依頼があるはず。その時に、こちらの転移門を出してください。そうですね、この度の御成婚のお祝いと、今後のユリアレーナ王国の繁栄を祈って、と」
「なるほど、ありがとうございます」
この場合はハルスフォン侯爵家経由で、国に献上することになる。以前の転移門は、スカイランのギルドと役場が、国に献上してくれた。
なんとかなったね。
ふう。
布も一旦は晃太のアイテムボックスに入れる。それから倉庫に向かう。
「ミズサワ様、少しお時間よろしいですか?」
「あ、はい」
リティアさんが改まる。
「ランクの件です。このままでしたら、いずれミズサワ様にもSランクの話が出るかと」
「ああ、やっぱり」
さっきエドワルドさんとお話したばっかり。
「それ、お断りは」
「一度目はなんとかなるでしょう。まだ、ミズサワ様は冒険者になって日が浅いですから」
なるほど、経験不足によるものを理由にすればいいかな。
「それでもミズサワ様を、Sランクにと話が出るでしょう。そうなった場合、爵位のある方に保証人をお願いしなければなりません」
あー、さっき話したやつー。
「それ少し考えていたんです。うちの父も名誉伯爵になるけど、その、やっぱり日が浅いにわかですし。私の保証人を引き受けてくれそうな方となると……………」
ハルスフォン侯爵以外にも、心当たりが一つ。
「ハルスフォン侯爵様か、イコスティ辺境伯様くらいしか思い付かなくて」
実際に力になってくれて、爵位が、高い人はこの2家しか思い付かない。
「そうでございますか。確かにイコスティ辺境伯も、ミズサワ様の保証人にはふさわしい人物でございます」
「リティアさん的には、どちらがいいと思います?」
「私のような者が口を出せる問題ではないのですが。身内の贔屓目となると、やはりハルスフォン侯爵家を推します」
そうなるかあ。実際に、リティアさんはハルスフォン侯爵家の皆さんと接しているだろうからね。
「私としては、ハルスフォン侯爵家が保証人になっていただけたら、いつかミズサワ様がマーファを思い出して、帰って来て頂けるのではないかと、思っています」
「帰って来るって。マーファはすでに第二の故郷みたいなものですし」
ぽろり、と出た私の言葉は本心だ。冷蔵庫ダンジョンがあるからではない。マーファの人達が、ビアンカやルージュ、仔達を受け入れてくれているからだ。とても過ごしやすいから。
「そうでございますか」
一瞬、リティアさんの目がいつもと違う感じにキラリしたのは気のせいかな?
それから今回のドロップ品の話をする。依頼があったものはすでに処理されて、依頼料を私の冒険者カードにいれてもらう。他のドロップ品は、後日となる。
晃太が戻って来たので、私達は挨拶してギルドを後にした。
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