もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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木材確認⑦

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 ルームを開けて、のんびりすることにする。
「ぶひひん、ぶひひん」
 ホークさんに連れられたノワールが何やら訴える。
「ユイさん、走りたいようです」
「なら、中庭で」
「ブヒヒヒーンッ」
 なんね、ノワールや。やけに不機嫌やね。いつもならホークさんに大人しくしてるのに。
 長い尻尾をパタパタしながら、鼻先をサブ・ドアに向けてる。ルーティのダンジョンに繋がった方。
 …………………………………………
 なんで、君はそんなに闘いたいん? 元々好きやったけど、更になってない? 
「はあ、オシリス、付き合ってくれる?」
「くうっ」
「ホークさん、すみません」
「構いませんよ」
 花をもふもふしていた晃太もため息つきながら行ってくれた。その前に、罠付き宝箱を出している。シルフィ達が触ったら大変だからね、従魔の部屋に。
「アレス、今から罠解除やから、シルフィ達ば見とってよ」
『分かったのだっ、さ、娘よ、息子よ、父と遊ぶのだっ』
「「「「わんっ」」」」
 わーっ、とシルフィ達がアレスに集まる。
 いいかな。
 ルーティダンジョンには晃太、ホークさん、チュアンさん、マデリーンさんが、ノワールが行く。 
 ミゲル君、エマちゃん、テオ君は母のお手伝いだ。母は早速孤児院への炊き出しの準備。それから教会の戦闘部隊への差し入れの準備だ。
 晃太達を見送って。
「アリス、お願いね」
「わふん」
 並べられた宝箱は5個。サイズは様々。
 エドワルドさんとツヴァイクさんは興味津々、父はのほほんと見学。
 アリスは鼻先から黒い霞を出して、罠解除をしていく。
 まずは1つ目、直ぐに、ぱきっ、と音が鳴る。
「わふん」
 細やかに、どやっ。
 2つ目は少し時間がかかるが、無事に解除。
 3、4つ目も無事に解除。凄かやん。
 最後の5つ目が手強いのか、時間がかかってる。

 バンッ

 あ、木っ端微塵。
 アリスが、きゅうん、と申し訳なさそうに振り返る。
「よかよか、お疲れ様アリス」
「わふーん」
 まさに粉々。でも、仕方ないよね。私はアリスを撫でて、大丈夫だと伝える。
「さ、寒いけん、ルームに行って」
「わふん」
 アリスを見送って、さ、宝箱開けましょ。宝箱は一旦、Sサイズのマジックバッグに入れてルームに移動する。改めて、4つの並んだ宝箱。
 このワクワクは変わらない。
 ダイニングキッチンで作業していた母達も覗き込む。
 さ、1つ目、大きな箱だ。ぱかり。
 ずらーっ、と、並んだ武器類。危ないからと、エドワルドさんとツヴァイクさんが取り出してくれる。ロングソードとショートソードが10本ずつ。小型斧が5本、ナイフが30本。
「引き取りやね」
 ヤマタノオロチ後のモンスターボックスで、必要になるはずや。
「お父さん、鑑定してくれる? 属性の付与があるかもしれんけん」
「分かった」
 父は付箋紙片手に鑑定開始。
 さ、2つ目。買い物かごサイズ。ぱかり。
 え? たった1つ? ビロードの箱、私の手のひらサイズのビロードの箱。なんや、キラキラやない?
 開けると、やっぱり、キラキラッ。指輪とピアス。タイピンとカフスや。母が綺麗やねー、と呟く。
「これは、えっと何の宝石やろ?」
 青っぽいキラキラ。でも、サファイアって感じやない。指輪は小さなダイヤモンドが、ピアスには小さなダイヤモンド、そして米粒サイズのダイヤモンドが左右対称になるように青い石に沿うように並んでいる。うーん、石が小さかったらほしかったかなあ。ルリの目の色みたいやし。流石に大きいかな。
「これは、ブラックオパールじゃな。しかし、品質のいいものじゃな、流石ダンジョン産」
 覗き込んでいたツヴァイクさんが見てくれた。
「ツヴァイクさん、宝石分かります?」
「多少な。査定までは出来んが」
 うーん、リィマさんみたいな査定は無理なんやね。
「これは買い取りやね」
 次は、と。
 次は26階の宝箱。
 サイズは買い物かごの半分。ぱかり。
 ずらっ、と並んだ化粧ポーチ。はい、来た、パターン。ダンジョンの宝箱からただの化粧ポーチなんて出ない。全部で4つ。下に指輪サイズのビロードの箱が6つ。確認すると、シンプルな指輪だ。私の小指にしている元解毒の指輪にデザインが似ている。
「エマちゃん、テオ君、お父さんにこれば見てもらって」
「「はいっ」」
 手分けして運んでくれる。
 よし、次、と。
 最後はサイズは、花の胴体のサイズかな。
 ワクワク、ぱかり。
 はい、少し大きめ化粧ポーチ。指輪サイズのビロードの箱が7つ。化粧ポーチはミゲル君が父の元に。ビロードの箱には更に袋が詰まってる。荒い石が入っている感じ、久し振りや。開けると案の定、小さい宝石がびっしり詰まってる。ツヴァイクさんに見て貰うと、皆宝石。はい、分かってましたよ。ターコイズ、シトリン、アメジスト、アクアマリン、ペリドット、レッドベリル。買い取りやな。
 しばらくして父の鑑定は終了。全部にそれぞれ属性魔法補助、強化硬化あり。ロングソードは火属性が2、風属性が1、水属性が2、土属性が1、光属性が1、無属性が3。ショートソードは火属性が1、水属性が1、風属性が2、土属性が2、闇属性が1、無属性が3。斧は水属性が1、土属性が2、闇属性が1、無属性が1。ナイフは火属性が6、水属性が2、風属性が7、土属性が1、光属性が3、闇属性か4、無属性が7。豪勢や。鷹の目皆さんにサブ・ウエポンにして、と。あ、エドワルドさんとツヴァイクさんにもね。いずれ他の皆さんにも渡すからと言って選んで貰う。早い者勝ちと言うと、真剣に見ていた。エドワルドさんは風属性のロングソードと水属性と無属性のナイフ。ツヴァイクさんは土属性のショートソード、土属性の斧、火属性のナイフ。
 化粧ポーチは全てマジックバッグ。
 3つ目の宝箱から出たのは、全て時間停止のCサイズ。よし、各パーティーに配布決定。指輪は解毒の指輪が5つ。魔力回復が1つ。これも各パーティーに、だけど、私の小指サイズだ。男性は無理なサイズ。それに解毒系アイテムはエドワルドさんとツヴァイクさんはすでに身につけている。ドーラさんやリィマさん達のやね。
 4つ目の宝箱から出た宝箱の化粧ポーチ。サイズAの時間停止。これも引き取りやね。
「姉ちゃん」
 買い取り、引き取り分けると、晃太が戻って来た。
「お疲れ様」
「宝箱出たんやけど、罠があって」
「そうなん。アリス、お願い出来る?」
「わふーん」
 中庭で再び罠解除。
 ノワールが納得した様子で戻って来た。ホークさんが直ぐにブラッシングに入る。
 皆に見守られて、アリスは時間をかけて罠解除。
 ぱきっ、と音がして。
「わふんっ」
 アリスが細やかにどやっ。
「ありがとうアリス」
「わふん」
 よしよし。
 晃太が開けると、ずらーっ、と並んだビロードの箱。まるで冷蔵庫ダンジョンのご褒美部屋みたいのや。
 総出で確認。皆宝石や。576もあった。種類もサイズもカットもバラバラ。買い取りやな。全て晃太のアイテムボックスへ。
「あの、ミズサワ殿」
 エドワルドさんがおずおずと聞いてくる。
「はい」
「全て、ギルドに?」
「そうですね。私には販路はほぼギルドしかないし。個人的に卸しているのは仕立て屋さんだけなので」
 パーカーさんね。
「だからですか」
 なんや、納得してる。
 エドワルドさんはあのリティアさんの態度が気になってたみたい。確かに、私達には特別対応だよね。さっきのドロップ品の数もそうだけど、宝箱も必要なポーションや武器以外はほとんど回してるからね。
「さ、ご飯にしましょう。今日は寒いから、おでんにしましたよ」
 と、母が声をかけてきた。
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