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木材確認⑥

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 スマイルリティアさんに誘導されて、いつもの応接室に。
 アレスはつまらないと、床で背中をかいかい。やめて、でっかいカラダで。仕方ない、エマちゃんとテオ君で、かいかいしてもらう。
『あー、そこなのだ~』
 ですって。オシリスは大人しくお座り。
 私と晃太、エドワルドさん、ツヴァイクさんはソファー。ホークさんとマデリーンさんは定位置に立ってる。
 そして、ニコニコと笑うタージェルさんが。ご挨拶済ませる。お元気そうでよかった。
「で、今回のドロップ品と宝石です」
 まずは、宝石が並んだビロードの箱。最初に出てきた宝箱のものだ。そのあと出たのは全て罠つき。ツヴァイクさんが解除を試みたけど、無理だったみたい。
「拝見させていただきます」
 早速、タージェルさんが見ている。ぱかり、と開けて、ふわあ、と笑顔に。
「素晴らしい」
 ため息を出しながら呟く。
 次に、ドロップ品のリストをリティアさんに。もう、ワクワクとリティアさんから音が聞こえて来てる。
「実は、ちょっとご相談がありまして」
 まずは、25階のリストね。今回は3枚。いつもなら1枚のリストにまとめているけど、時間がなくて。1枚ずつ提出。リティアさんがリストを手にして、スマイルの精度が上がる。
「今回ですね。珍しいのが出まして」
 次に出したのは26階のリスト。化粧品の材料ね。それからマジックベリーね。
 リストをテーブルに出すとリティアさんのスマイルが極上に。
 しかしっ。
 私はリストの端を指で押さえたために、ぷるぷるとなる。
 リティアさんは、ん? みたいな。
「ちょっとお願いしたいことがありまして」
「なんでございましょうか?」
 ぷるぷる。リストは私に押さえられ、リティアさんも絶妙な力でぷるぷる。
「今回、マジックベリーが出まして、私もドーピング剤がほしくてですね。出来ましたら、優先購入権を」
「お任せください。薬師ギルドと掛け合います。全てを、と言うわけにはなりませんが、融通出来るように。このリティアにお任せを」
「お願いします」 
 私は指を離す。
 リティアさんはリストを手に、ニコニコ。
 そこに、タージェルさんが顔を上げる。
「ミズサワ様。こちらは全て買い取りでよろしいですか?」
「はい」
「ありがとうございます。全て買い取りさせていただきます」
 ルビーは600万、サファイアは450万、インペリアルトパーズは400万、エメラルドは1000万、ピンクダイヤモンドは850万、真珠は300万。合計3600万。これにあの5本下級エリクサーを加えたら単純計算で6300。ちょっとダンジョン行っただけなのに。
「お願いします」
 直ぐにタージェルさんが書類作成。隣ではリティアさんが分厚い書類の束から何枚もの依頼書を引き抜いている。
「ミズサワ様。こちらが依頼書でございます。残りは全てギルドが買い取らせて頂きます」
「はい」
 私はいつものルーティーン開始。晃太はマデリーンさんとオシリスに付き添われて倉庫に。
「リティアさん」
「はい、なんでございましょうか?」
「今回ですね、属性のある木材がありましたけど、売れます?」
「ほほほ、抽選になりますわ」
 そうなの?
 そう言えば、エドワルドさんが貴重なものだって言ってた。
 どういったものに使われるかは、主に盾や武器の柄、魔法使いの杖に使用される。そうすれば、潜在的に属性魔法補助があるんだって。しかも、他のトレントより丈夫だから、長持ちするって。
 なので、属性魔法を使う人達が欲しい一品なんだって。
 後日まずは抽選。競売なんてしたら、お金持ちしか買えないし、買い占められるから市場に回らない。競売する場合は、品が少ない場合のみだって。ふーん。
『主よ~、腹が空いたのだ~』
 ゴロゴロしていたアレスが起き上がり、私に鼻面押し付ける。
「はいはい。終わったら帰ろうね」
 私はてきぱきサインと魔力。ふう、終わった。
「ミズサワ様、細かい査定を」
 時間かかるね。
「あ、明日で構いません。また、来ますし。ドロップ品の1%は鷹の目に。あ。そうだ、エドワルドさん達にも」
「我々は今回はいいです。いい勉強になりましたから」
 とエドワルドさん。ツヴァイクさんもうんうんと。
 いいのかな?
 晃太達と合流して、挨拶してギルドを出た。
 通いなれた道を進み、パーティーハウスへ。
『あ、妻よっ。寂しくなかったかっ』
 アレスがダッシュ。道に誰もいなかったからいいけど。パーティーハウスの庭ではシルフィ達が、セーター着てチュアンさん達と遊んでいる。アリスはそれをのんびり見ている。柵をぴょんと飛び越えて、アリスに高速ですりすり。あー、みたいなアリス。
「ユイさん、お帰りなさい」
 チュアンさんがシルフィ達に囲まれながら、迎えてくれる。
「ただいま。何かありましたか?」
「トラブルはありませんが。先ほど、ユイさんに面会希望の方が」
 私に? 誰やろ? 後見人が付いてから、私に対してどうこうみたいな面会希望はない。たまに、豪商みたいな人達が、専属契約をって来るけどお断りしている。欲しいのがあれば、ギルドから買ってください、何か問題あれば、サエキ様に言ってねって。これで全てお帰り頂いた。最近そう言ったのはめっきりなかったのに。
「マーファ騎士団のオダリス様からです。いつ、お戻りになるか分からないので、はっきり返事はしていませんが」
「オダリスさんが?」
 まさか、ガーガリア元妃の事かな? それしか思い付かないけど。
 花がパーティーハウスから出てきて、歓迎のはみはみ、ローリングを披露する。私と晃太は撫で回す。
「また、夕方、使者の方が来られるそうです」
 どうしようか。内容によっては、明日はギルドがあるし、それからパーカーさん所に挨拶したいしなあ。
 でも、オダリスさんならお断りしない方がいいかも。向こうも私の後見人が誰か分かってからの面会希望のはず。
「分かりました。チュアンさん、ありがとうございます」
 母がパーティーハウスの入り口で待ってる。
「さ、入りましょう」
 寒いしね。
 シルフィ達も来た。よしよし、もふもふ、
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