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木材確認①
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ずうーん。
と、馬車内の空気が重い。ずうーんと、晃太は馭者台。母はずうーんと、花を抱っこしてもふもふ、父はうつらうつらしている。私はイフリィを撫でながら、ずうーん。
レクスを出て、後は最終目的地のマーファまで、ノワールなら今からなら昼過ぎには到着する。
昨日、初めてビアンカやルージュ、仔達がいないのでいつもより静かで、もの寂しかった。
花やシルフィ達がいるからわんわん賑やかなんだけど、何か足りない。アレスはずうーんとはせず、変わらず、ひたすら中庭走り回ってた。
足りない、わんわんがうがうねえねが足りない。
無事にビアンカとルージュ達が魔境に向かった事を報告したら、母はやっぱり目元をハンカチで拭った。私は昨日はあんまり眠れなかった。寒くないだろうか、とか、ケガしてないだろうか、とか、お腹減ってないかとか。ぐずぐず考えていた。
本来なら、魔境にすむ魔物なんだから、当たり前なんだけど、うちの仔達は立派な箱入りやしなあ。
必要な事だとは、頭では分かっているんだけど。
「ユイさん、元気だして。ヒスイちゃん達、きっと頑張ってるよ」
「そうやね」
エマちゃんまで気を使わせてしまった。テオ君や他の皆さんも心配の眼差し。
「ユイさん、マーファが見えてきました」
馭者台にいるホークさんの声。
いかん、いかん。私は顔をぱんと叩く。
「はい、分かりました」
身支度チェック、よし。今は信じよう。ぐだぐだ考えたって明日帰って来るわけやないんしね。
しばらくして、馬車が止まる。
先行通過の許可をホークさんがもらい、城門に移動する。そこで私と冒険者全員下車する。オシリスも既に着陸している。
「お帰りなさいテイマー様」
と、警備の方が寒い中ご苦労様。
「従魔に関しては連絡を受けております。確認だけ、お願いします。他の冒険者の皆さんは、こちらで」
エドワルドさん達には、別の警備の方が対応する。
「こちらが新しく従魔になりました。フォレストガーディアンウルフのアレスとアーマークイーンウルフのアリスです。後は馬車に子供が4匹います」
「すみませんが、確認を」
「はい」
ドアを開けると、花がけたたましく吠える。シルフィ達は呑気に寝てる。両親がどうも、と頭を下げる。
「はい、ありがとうございます」
「そして、あそこにいるのがグリフォンのオシリスです」
オシリスは後ろ足で首をかきかき。エドワルドさん達も確認済んだみたい。
「はい、確認出来ました。ギルドまで同行します」
「ありがとうございます」
ノワールの手綱をホークさんが持ち、久しぶりのマーファの城門を抜けた。
『新しい人の巣なのだなっ』
嫌な予感。アレスがワクワクしてる。
「アレス。分かっとるよね? やらかしたら、強制送還よ」
『そ、それは困るのだっ』
アレスはしゅばっ、と私の側に。おっと、はい、もふもふ。
やはり、予想していたが、視線が来た。
「え? なんか違う?」
「ジャガーは?」
「あれ、グリフォンじゃない?」
「子供はどうしたんだ?」
「あれ? ウルフ、なんか違う、よね?」
そうでしょうね。
いつもなら、ビアンカとルージュ、仔達がいるけど。今、横にいるのはアレスとアリス。そしてオシリスだ。
通いなれたマルシェを通ると、そんな言葉が出てきた。そうだと思うよ。かろうじて、ビアンカとアレスが似ているけど、雄と雌の差があるし、何より更にデカイからね。
「あ、テイマーさんっ、お帰りなさいっ」
いつも焼き小籠包の屋台のご主人が声をかけてきた。お帰りなさい。嬉しか。
『ぬっ、いい匂いなのだっ』
アレスが屋台に顔を突っ込もうとするので、慌ててバンダナを引っ張る。
「アレス、ダメよ」
『いい匂いなのだ~、主よ~』
きゅる~ん。
屋台のご主人は、アレスを見て、ん? みたいな。
「えっと、ウルフの坊や、大きくなりました?」
あ、そう思いましたか。
「こちらは元気の伯父にあたるんですよ」
「伯父? じゃあ、フォレストガーディアンウルフですか?」
「そうです」
「ユイさん」
話していると、ホークさんに呼ばれた。いけん、ギルドに到着報告が先や。
私はぺこり、してアレスを引っ張る。びくともしない。
『主よ、主よ~』
「はいはい。後でね後で。今はギルドよ」
アリスがアレスの尻をパンチ。
『わ、分かったのだ』
しぶしぶ歩きだすアレス。ちゃっかりアリスに、べったり、くっついて。
「ありゃあ、尻にしかれてるなあ」
と、誰かが呟いたのを私の耳が拾った。
と、馬車内の空気が重い。ずうーんと、晃太は馭者台。母はずうーんと、花を抱っこしてもふもふ、父はうつらうつらしている。私はイフリィを撫でながら、ずうーん。
レクスを出て、後は最終目的地のマーファまで、ノワールなら今からなら昼過ぎには到着する。
昨日、初めてビアンカやルージュ、仔達がいないのでいつもより静かで、もの寂しかった。
花やシルフィ達がいるからわんわん賑やかなんだけど、何か足りない。アレスはずうーんとはせず、変わらず、ひたすら中庭走り回ってた。
足りない、わんわんがうがうねえねが足りない。
無事にビアンカとルージュ達が魔境に向かった事を報告したら、母はやっぱり目元をハンカチで拭った。私は昨日はあんまり眠れなかった。寒くないだろうか、とか、ケガしてないだろうか、とか、お腹減ってないかとか。ぐずぐず考えていた。
本来なら、魔境にすむ魔物なんだから、当たり前なんだけど、うちの仔達は立派な箱入りやしなあ。
必要な事だとは、頭では分かっているんだけど。
「ユイさん、元気だして。ヒスイちゃん達、きっと頑張ってるよ」
「そうやね」
エマちゃんまで気を使わせてしまった。テオ君や他の皆さんも心配の眼差し。
「ユイさん、マーファが見えてきました」
馭者台にいるホークさんの声。
いかん、いかん。私は顔をぱんと叩く。
「はい、分かりました」
身支度チェック、よし。今は信じよう。ぐだぐだ考えたって明日帰って来るわけやないんしね。
しばらくして、馬車が止まる。
先行通過の許可をホークさんがもらい、城門に移動する。そこで私と冒険者全員下車する。オシリスも既に着陸している。
「お帰りなさいテイマー様」
と、警備の方が寒い中ご苦労様。
「従魔に関しては連絡を受けております。確認だけ、お願いします。他の冒険者の皆さんは、こちらで」
エドワルドさん達には、別の警備の方が対応する。
「こちらが新しく従魔になりました。フォレストガーディアンウルフのアレスとアーマークイーンウルフのアリスです。後は馬車に子供が4匹います」
「すみませんが、確認を」
「はい」
ドアを開けると、花がけたたましく吠える。シルフィ達は呑気に寝てる。両親がどうも、と頭を下げる。
「はい、ありがとうございます」
「そして、あそこにいるのがグリフォンのオシリスです」
オシリスは後ろ足で首をかきかき。エドワルドさん達も確認済んだみたい。
「はい、確認出来ました。ギルドまで同行します」
「ありがとうございます」
ノワールの手綱をホークさんが持ち、久しぶりのマーファの城門を抜けた。
『新しい人の巣なのだなっ』
嫌な予感。アレスがワクワクしてる。
「アレス。分かっとるよね? やらかしたら、強制送還よ」
『そ、それは困るのだっ』
アレスはしゅばっ、と私の側に。おっと、はい、もふもふ。
やはり、予想していたが、視線が来た。
「え? なんか違う?」
「ジャガーは?」
「あれ、グリフォンじゃない?」
「子供はどうしたんだ?」
「あれ? ウルフ、なんか違う、よね?」
そうでしょうね。
いつもなら、ビアンカとルージュ、仔達がいるけど。今、横にいるのはアレスとアリス。そしてオシリスだ。
通いなれたマルシェを通ると、そんな言葉が出てきた。そうだと思うよ。かろうじて、ビアンカとアレスが似ているけど、雄と雌の差があるし、何より更にデカイからね。
「あ、テイマーさんっ、お帰りなさいっ」
いつも焼き小籠包の屋台のご主人が声をかけてきた。お帰りなさい。嬉しか。
『ぬっ、いい匂いなのだっ』
アレスが屋台に顔を突っ込もうとするので、慌ててバンダナを引っ張る。
「アレス、ダメよ」
『いい匂いなのだ~、主よ~』
きゅる~ん。
屋台のご主人は、アレスを見て、ん? みたいな。
「えっと、ウルフの坊や、大きくなりました?」
あ、そう思いましたか。
「こちらは元気の伯父にあたるんですよ」
「伯父? じゃあ、フォレストガーディアンウルフですか?」
「そうです」
「ユイさん」
話していると、ホークさんに呼ばれた。いけん、ギルドに到着報告が先や。
私はぺこり、してアレスを引っ張る。びくともしない。
『主よ、主よ~』
「はいはい。後でね後で。今はギルドよ」
アリスがアレスの尻をパンチ。
『わ、分かったのだ』
しぶしぶ歩きだすアレス。ちゃっかりアリスに、べったり、くっついて。
「ありゃあ、尻にしかれてるなあ」
と、誰かが呟いたのを私の耳が拾った。
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