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行動計画④
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「ここに魔力を流すとですね」
「なるほど」
父とホークさんが熱心にお話している。
それは矢筒だ。
これは随分前、鷹の目の皆さんを、うちに迎えた時から構想を練っていた。ホークさんが武器に弓を希望したので、その時から考えていた、自動補填矢筒。弓士って、矢が尽きると、攻撃手段が減る。ホークさんみたいに、剣とか別の攻撃手段を併用するんだって。なので、ケルンさんやエリアンさん、リィマさんは別の攻撃手段を持つ。現在、ハジェル君は剣術の訓練中だ。
ダンジョンとかに長期間挑む際には、どうするんだろって思ってた。晃太みたいに大きなアイテムボックスがあれば持ち込めるけど、皆が皆アイテムボックス持ちではないし、マジックバッグだって制限がある。中にはダンジョンの中で自作する人もいるらしいけど、そうそうピンポイントに素材が手に入ることはない。
てっきり矢筒タイプのマジックバッグあるのかなって、思っていたけど、聞いたホークさんがきょとんとしてた。
「弓士の夢みたいな矢筒ですね」
なんて言ってた。ないんや、魔法で、ファンタジーな世界なのに。マジックバッグは、サイズが小さければ錬金術師が作れるって聞いた。この世界はファンタジーの世界だけど、純粋な錬金術師は少ない。なぜか、と言うと、皆さんメインの職業と平行してサブ的錬金術師をしている。魔力を使用した作業や魔力を宿した素材を扱う為に、錬金術師の作業が必要になる。特に薬師はその分野が強い。錬金術師は大器晩成の職業の為に、純粋な錬金術師だけで食べていくまでには大変なので、ダブルワークが基本。マジックバッグが作れたら、錬金術師として独り立ちなんだって。
「お父さん、作れん?」
マジックバッグが人工的に出来ると聞いて、なんとなく言ってみたら、父の技術者魂に火が着いた。
試行錯誤の末に、なんとか出来上がったのが、今、ホークさんが手にしている黒い矢筒だ。
「一応試作品なので、まずは実際に使って見てください」
「はい」
この矢筒が、この後、色々騒ぎになる。
「皆さん、いいですかー?」
夕御飯のセッティングオッケー。
「「「「「はーい」」」」」
「では、いただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」
ぱくり。
ふう、シチュー美味しい。やっぱり、貝柱の出汁が出て美味しい。前はかしわで作っていたけど、今では貝柱でしか作らない。仔達が大好きだからね。特に最近寒いから、染み込んでいく。今日のシチューには鮭も入っているから豪華や。追加で貝柱の酒蒸しも作られ、お酒のおつまみや。この貝柱の酒蒸しが本日の一番人気みたいで、あっという間になくなっていた。
「やっぱり、ケイコお母さんのご飯、美味しいなあ」
「シチュー、いくらでも入るっすっ」
マアデン君とハジェル君がパクパク食べてる。母が嬉しそうだ。仲良く食べてる山風だったけど、各テーブルの中央の皿に盛られた色々パンで、一悶着。たった1つのカレーパンで、壮絶なじゃんけんをして、ラーヴさんが勝者となっていた。
貝柱の酒蒸しが人気なので、ホットプレートで追加作成する。
「なあ、姉ちゃん」
「ん、なんね?」
蓋をしていると、アルコールで赤くなった晃太から、残念なお知らせが。
「貝柱な、後、10きったばい」
「あら、そうな。仕方なかね。他に少ないのは?」
何だかんだと冷蔵庫ダンジョンから得たドロップ品の消費が早い。まさか冒険者25名と行動すると思っていなかったし、何より必要なのは魔境にいるウルフ達のだ。現在、栄養となる魔物が少なくなる周期に当たり、私達が定期的にドロップ品を提供している。そして、かわいか赤ちゃんウルフ達。この間の悪い時期の死亡率が、通常より格段に高い、そしてお母さんウルフもだ。ただでさえ上位魔物は成体になるまでの確率は半分なのに。
知った以上、知らん顔出来ないので、私達が出来る事をしている。
春になれば、通常に戻り、狩りも出来るから、今回の冬のみやっている。あまりやると、狩りをしなくなってしまうからと、イシスに言われてしまった。生態系に影響するかもだし、本来の流れに戻す方がいいなら、私達が口出せないしね。たまに、おやつを持っていくくらいにしないとね。鼻水君や、補佐ウルフ達も頑張っているしね。
「後な、牛乳が19階のが100きったばい」
「えっ?」
いま、赤ちゃんウルフやお母さんウルフ達を考えていたのに。
冷蔵庫ダンジョンでかなりの量をゲットしたけど、やっぱり出ていく量が多いせいかな。ホルスを除く仔達は冷蔵庫ダンジョンの牛乳が大好きやし。特にルリとクリスは。シルフィ達も補助的に飲ませている。孤児院の炊き出しにも使用しているから、減るわな。
「まだ、21階のがあるけど、このペースやと、2ヶ月ちょっとしかもたんばい」
晃太が消費量を計算する。
大好評の貝柱はまだ我慢できる、牛乳はなあ。栄養価高いし、必要やし。ディレックスの牛乳を混ぜる量を増やすしかないか。
「他は?」
「肉系はあるよ。ただ、19階の肉は少なくなっとるけど、他のがあるし、ルーティのダンジョンでも結構手に入ったしね」
「分かった。牛乳は節約やな」
仕方なか。
よし、貝柱の酒蒸し、もういいかな。
「皆さん、酒蒸し出来ましたよー。おかわりの方ー」
シュバッ、と出てきたのはお酒大好きドワーフのツヴァイクさん。それから痩せの大食いアルスさんとハジェル君。さりげなくビアンカとルージュが並ぶも、さっき食べたやん。きゅるん、と来たのでちょっとだけよ。
食後、毎日定例の話し合い。いつもは長くはかからないが、今日はヤマタノオロチの目視もできたので、全員参加。
紅茶やコーヒーを手分けして配布。セレクトショップダリアから、お茶請けのお菓子もあるしね。恨みがましい目で、こちらを見るビアンカとルージュ。母に釘を刺されていたから、従魔の部屋から見ているだけ。
まずは、父の鑑定で分かった事を説明する。皆さん真剣な顔や。
「アルコールに弱いなら、使わない手はないですね」
リスみたいな頬っぺのケルンさん。本当にこの人が最高齢なんよね。
「お酒を入手する手段はありますが、問題は桶ですね。どこかの工房にお願いしようかと思ってます」
仔達のプールって事で。
「しかし、それだけの大型の桶、かなりの作成に時間がかかるのではないですか? しかも1つや2つではないでしょう?」
紅茶にレモンを浮かべているフェリクスさんが、現実的な問題点を出す。
そう、作成時間。
寿司桶サイズなら、そう時間はかからなそうだけど。
「おそらく、材料の選定からすれば、年単位はかかるじゃろうなぁ」
黙ってブラックコーヒーを傾けていたツヴァイクさんが、話に入ってくる。
視線が集まる。
「儂は元木工職人でな」
詳しくは語らなかったけど、ツヴァイクさんはマデリーンさんとミゲル君と同じシーラ出身。元々冒険者と職人を兼業していたツヴァイクさん。ケルンさんに誘われて旅に出て、いろいろあってAランクまでかけ上がったから、才能があったんやろうね。
「じゃあ、ツヴァイクさん。職人目線で、例えばですが、7メートル超えの桶を7つ作るとして作成期間は?」
まるで、算数の問題みたいに聞いてみた。
「そうじゃなあ。工房の抱える職人のレベルと数にはよるが……………」
うーん、と悩むツヴァイクさん。
「2、いや3年はかかるじゃろうな。一番の時間がかかるのは材木の確保じゃ。これだけのサイズで、かなりの耐久性があるものを揃えんといかんだろうしな」
あ、無理やん。
「あの、材料を魔境から確保したりしたらどうなります?」
と、晃太が意見を出す。
「魔境から?」
「そうです。うちのビアンカなら、魔法で一発で材木になると思うんです。材料持ち込んだら、かかる時間も少なくなりません?」
なるほど。薪とか直ぐに出来上がるもんね。
だけど、ツヴァイクさんは首を横に振る。
「それはオススメ出来ん事じゃ。確かにテイマーさんの従魔の木魔法は素晴らしいが、魔法で加工をするならば、木材に負担がかかる。薪を作る分なら構わんじゃろうがな」
「負担とは?」
「木材は水分を含む。建材や桶等に加工するなら乾燥させなければならないのじゃ。魔法でこれを強引にすると、割れてしまうし、歪みが出る事が自然乾燥の比でない。魔法は便利じゃが、こればっかりは自然に任せなければならないことじゃ」
なるほど。
「しっかりした材料さえあれば、桶をいざ作る時にはテイマーさんの従魔の木魔法があればかなり時間が短くはなるじゃろうが、な」
木材かあ。
冷蔵庫ダンジョンの25階のドロップ品、木材あったなあ。
「材料あったら、ツヴァイクさん、作れたりします?」
何気なく聞いてみた。
「そうじゃな。テイマーさんの従魔が全面協力してくれれば、可能かもな」
かっかっか、と笑うツヴァイクさん。多分無理だろうなあって、思っているんやろう。自分の言うことを、ビアンカが聞くことないし、何より怖いと思っているだろうから。
でも、そう言われて私の頭の中で、色んなワードが駆け抜ける。
木材、冷蔵庫ダンジョン、25階のドロップ品、木魔法、貝柱、牛乳、レティシア嬢、そして、何より。
お父さんであるロッシュさんを待つ、マシュー君。
「マーファに帰りましょう」
「なるほど」
父とホークさんが熱心にお話している。
それは矢筒だ。
これは随分前、鷹の目の皆さんを、うちに迎えた時から構想を練っていた。ホークさんが武器に弓を希望したので、その時から考えていた、自動補填矢筒。弓士って、矢が尽きると、攻撃手段が減る。ホークさんみたいに、剣とか別の攻撃手段を併用するんだって。なので、ケルンさんやエリアンさん、リィマさんは別の攻撃手段を持つ。現在、ハジェル君は剣術の訓練中だ。
ダンジョンとかに長期間挑む際には、どうするんだろって思ってた。晃太みたいに大きなアイテムボックスがあれば持ち込めるけど、皆が皆アイテムボックス持ちではないし、マジックバッグだって制限がある。中にはダンジョンの中で自作する人もいるらしいけど、そうそうピンポイントに素材が手に入ることはない。
てっきり矢筒タイプのマジックバッグあるのかなって、思っていたけど、聞いたホークさんがきょとんとしてた。
「弓士の夢みたいな矢筒ですね」
なんて言ってた。ないんや、魔法で、ファンタジーな世界なのに。マジックバッグは、サイズが小さければ錬金術師が作れるって聞いた。この世界はファンタジーの世界だけど、純粋な錬金術師は少ない。なぜか、と言うと、皆さんメインの職業と平行してサブ的錬金術師をしている。魔力を使用した作業や魔力を宿した素材を扱う為に、錬金術師の作業が必要になる。特に薬師はその分野が強い。錬金術師は大器晩成の職業の為に、純粋な錬金術師だけで食べていくまでには大変なので、ダブルワークが基本。マジックバッグが作れたら、錬金術師として独り立ちなんだって。
「お父さん、作れん?」
マジックバッグが人工的に出来ると聞いて、なんとなく言ってみたら、父の技術者魂に火が着いた。
試行錯誤の末に、なんとか出来上がったのが、今、ホークさんが手にしている黒い矢筒だ。
「一応試作品なので、まずは実際に使って見てください」
「はい」
この矢筒が、この後、色々騒ぎになる。
「皆さん、いいですかー?」
夕御飯のセッティングオッケー。
「「「「「はーい」」」」」
「では、いただきまーす」
「「「「「いただきまーす」」」」」
ぱくり。
ふう、シチュー美味しい。やっぱり、貝柱の出汁が出て美味しい。前はかしわで作っていたけど、今では貝柱でしか作らない。仔達が大好きだからね。特に最近寒いから、染み込んでいく。今日のシチューには鮭も入っているから豪華や。追加で貝柱の酒蒸しも作られ、お酒のおつまみや。この貝柱の酒蒸しが本日の一番人気みたいで、あっという間になくなっていた。
「やっぱり、ケイコお母さんのご飯、美味しいなあ」
「シチュー、いくらでも入るっすっ」
マアデン君とハジェル君がパクパク食べてる。母が嬉しそうだ。仲良く食べてる山風だったけど、各テーブルの中央の皿に盛られた色々パンで、一悶着。たった1つのカレーパンで、壮絶なじゃんけんをして、ラーヴさんが勝者となっていた。
貝柱の酒蒸しが人気なので、ホットプレートで追加作成する。
「なあ、姉ちゃん」
「ん、なんね?」
蓋をしていると、アルコールで赤くなった晃太から、残念なお知らせが。
「貝柱な、後、10きったばい」
「あら、そうな。仕方なかね。他に少ないのは?」
何だかんだと冷蔵庫ダンジョンから得たドロップ品の消費が早い。まさか冒険者25名と行動すると思っていなかったし、何より必要なのは魔境にいるウルフ達のだ。現在、栄養となる魔物が少なくなる周期に当たり、私達が定期的にドロップ品を提供している。そして、かわいか赤ちゃんウルフ達。この間の悪い時期の死亡率が、通常より格段に高い、そしてお母さんウルフもだ。ただでさえ上位魔物は成体になるまでの確率は半分なのに。
知った以上、知らん顔出来ないので、私達が出来る事をしている。
春になれば、通常に戻り、狩りも出来るから、今回の冬のみやっている。あまりやると、狩りをしなくなってしまうからと、イシスに言われてしまった。生態系に影響するかもだし、本来の流れに戻す方がいいなら、私達が口出せないしね。たまに、おやつを持っていくくらいにしないとね。鼻水君や、補佐ウルフ達も頑張っているしね。
「後な、牛乳が19階のが100きったばい」
「えっ?」
いま、赤ちゃんウルフやお母さんウルフ達を考えていたのに。
冷蔵庫ダンジョンでかなりの量をゲットしたけど、やっぱり出ていく量が多いせいかな。ホルスを除く仔達は冷蔵庫ダンジョンの牛乳が大好きやし。特にルリとクリスは。シルフィ達も補助的に飲ませている。孤児院の炊き出しにも使用しているから、減るわな。
「まだ、21階のがあるけど、このペースやと、2ヶ月ちょっとしかもたんばい」
晃太が消費量を計算する。
大好評の貝柱はまだ我慢できる、牛乳はなあ。栄養価高いし、必要やし。ディレックスの牛乳を混ぜる量を増やすしかないか。
「他は?」
「肉系はあるよ。ただ、19階の肉は少なくなっとるけど、他のがあるし、ルーティのダンジョンでも結構手に入ったしね」
「分かった。牛乳は節約やな」
仕方なか。
よし、貝柱の酒蒸し、もういいかな。
「皆さん、酒蒸し出来ましたよー。おかわりの方ー」
シュバッ、と出てきたのはお酒大好きドワーフのツヴァイクさん。それから痩せの大食いアルスさんとハジェル君。さりげなくビアンカとルージュが並ぶも、さっき食べたやん。きゅるん、と来たのでちょっとだけよ。
食後、毎日定例の話し合い。いつもは長くはかからないが、今日はヤマタノオロチの目視もできたので、全員参加。
紅茶やコーヒーを手分けして配布。セレクトショップダリアから、お茶請けのお菓子もあるしね。恨みがましい目で、こちらを見るビアンカとルージュ。母に釘を刺されていたから、従魔の部屋から見ているだけ。
まずは、父の鑑定で分かった事を説明する。皆さん真剣な顔や。
「アルコールに弱いなら、使わない手はないですね」
リスみたいな頬っぺのケルンさん。本当にこの人が最高齢なんよね。
「お酒を入手する手段はありますが、問題は桶ですね。どこかの工房にお願いしようかと思ってます」
仔達のプールって事で。
「しかし、それだけの大型の桶、かなりの作成に時間がかかるのではないですか? しかも1つや2つではないでしょう?」
紅茶にレモンを浮かべているフェリクスさんが、現実的な問題点を出す。
そう、作成時間。
寿司桶サイズなら、そう時間はかからなそうだけど。
「おそらく、材料の選定からすれば、年単位はかかるじゃろうなぁ」
黙ってブラックコーヒーを傾けていたツヴァイクさんが、話に入ってくる。
視線が集まる。
「儂は元木工職人でな」
詳しくは語らなかったけど、ツヴァイクさんはマデリーンさんとミゲル君と同じシーラ出身。元々冒険者と職人を兼業していたツヴァイクさん。ケルンさんに誘われて旅に出て、いろいろあってAランクまでかけ上がったから、才能があったんやろうね。
「じゃあ、ツヴァイクさん。職人目線で、例えばですが、7メートル超えの桶を7つ作るとして作成期間は?」
まるで、算数の問題みたいに聞いてみた。
「そうじゃなあ。工房の抱える職人のレベルと数にはよるが……………」
うーん、と悩むツヴァイクさん。
「2、いや3年はかかるじゃろうな。一番の時間がかかるのは材木の確保じゃ。これだけのサイズで、かなりの耐久性があるものを揃えんといかんだろうしな」
あ、無理やん。
「あの、材料を魔境から確保したりしたらどうなります?」
と、晃太が意見を出す。
「魔境から?」
「そうです。うちのビアンカなら、魔法で一発で材木になると思うんです。材料持ち込んだら、かかる時間も少なくなりません?」
なるほど。薪とか直ぐに出来上がるもんね。
だけど、ツヴァイクさんは首を横に振る。
「それはオススメ出来ん事じゃ。確かにテイマーさんの従魔の木魔法は素晴らしいが、魔法で加工をするならば、木材に負担がかかる。薪を作る分なら構わんじゃろうがな」
「負担とは?」
「木材は水分を含む。建材や桶等に加工するなら乾燥させなければならないのじゃ。魔法でこれを強引にすると、割れてしまうし、歪みが出る事が自然乾燥の比でない。魔法は便利じゃが、こればっかりは自然に任せなければならないことじゃ」
なるほど。
「しっかりした材料さえあれば、桶をいざ作る時にはテイマーさんの従魔の木魔法があればかなり時間が短くはなるじゃろうが、な」
木材かあ。
冷蔵庫ダンジョンの25階のドロップ品、木材あったなあ。
「材料あったら、ツヴァイクさん、作れたりします?」
何気なく聞いてみた。
「そうじゃな。テイマーさんの従魔が全面協力してくれれば、可能かもな」
かっかっか、と笑うツヴァイクさん。多分無理だろうなあって、思っているんやろう。自分の言うことを、ビアンカが聞くことないし、何より怖いと思っているだろうから。
でも、そう言われて私の頭の中で、色んなワードが駆け抜ける。
木材、冷蔵庫ダンジョン、25階のドロップ品、木魔法、貝柱、牛乳、レティシア嬢、そして、何より。
お父さんであるロッシュさんを待つ、マシュー君。
「マーファに帰りましょう」
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