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帰宅しましょう④
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「特別ボーナス?」
「はい。ホークさんのおかげで無事に着いたし」
「いやいや、本来の契約ですから気にしないでください」
「そんなわけにはいきませんよ」
あれだけ、ノワールに乗り、私という荷物を抱えてくれたのに。
ホークさんはたくましい腕を組み、散々悩んで、新しい弓と言うと、私は必要経費と答える。どうやら付与の着いた弓が欲しい様子、もう、私が武装責任者なのに。言ってくれたら良かったのに。
結局、直ぐに決まらず、ちょっと考えますと。
それから、今後の鷹の目の皆さんの奴隷契約についてだ。それも話し合うが、皆さん継続希望を出された。
「俺達は、許される限り、ユイさんに仕えたいと思っています」
と、コクコクと、ぶれない皆さん。
「それにコウタさんの支援魔法のスキルアップもあります」
「私達で役に立つなら、出来るだけの事をします」
「まだまだ、恩を返しきれてないし」
「俺っ、役に立ちたいっ」
「私だってっ」
「皆さん、ありがとう。これからもお願いしますね」
感動してしまい、ちょっとうるっと来てしまった。
でも、晃太の支援魔法のスキルアップに関しては、鷹の目の皆さんの協力が必要だ。おそらく1年後にアップするとは思えない。晃太はスキルが上がってから、もっとどうにか出来ないか考えている。それに関してはお任せしている。
さ、神様のお言葉が終わり、早速帰ることに。
カルーラのサブ・ドアをこちらに着けてしまっているから、両親と花が心配だしね。
イシスとオシリスが残り、ホルスだけが着いてくる。
『ホルス、ビアンカトルージュノ言葉ハ母ノ言葉。ヨク、聞キナサイ』
「クルッ」
「じゃあ、イシス、終わったら警報器押してね」
『分カッタ』
鼻水君にも、何かあれば押すように念押し。当人はビアンカに再びなにやらでっかい爬虫類を、献上………………………………なんで、ドラゴンやねんっ。前回と違う種類のドラゴンやねんっ。あれ、絶対蜥蜴やないっ。そんなにここにはドラゴンおるとっ。
仕方なく、晃太のアイテムボックスに。
「なあ、姉ちゃん」
「なんね?」
「アイテムボックスの魔物一覧が凄かことなになっとる」
「そうね。小出しするしかなくない?」
「そうやあ。ドラゴンなんてそうそうおらんけど。これで助かる人も多かしなあ」
「ギルドで相談やな。向こうも簡単には買い取れんはずやし。一体は、マーファで出してもよくないね?」
「そうやなあ」
晃太が悩んでいる。まあ、帰ったら大騒ぎだわな。
ある程度覚悟しとこう。ドラゴン出す前に、大騒ぎにはなったけど、ね。
もう一つのサブ・ドアを使い、ショートカット。ふう、便利。
数日かけて魔の森を抜けて、カルーラに向かう。魔の森の中で、何度アレスが脱走したか。そして何度ビアンカとルージュが追いかけた事か。最終的には、アリスの物言わぬ圧力マックスの視線で、やっと落ち着く。町に着いたらどうしよう。これ、本当に大丈夫やろうか?
「なあ、アレス」
何となく私が言う。
『ぬ、なんだ?』
「もしね。街中で私の許可なくやらかしたら」
『ぬ』
「強制送還やけんね?」
『ぬ?』
説明すると、鼻水たらり。
『嫌なのだっ、嫌なのだっ、妻と我が子と妹達と離されるのはーっ』
「なら、言うこと聞いてね? 神様に言われたこと、覚えとる?」
『う、うむう………』
明後日、向く。忘れてるなこりゃ。
「無闇に走らない、食べない、牙を剥かない、傷つけない。分かった?」
『わ、分かった…………』
「ビアンカ、ルージュ。しっかり監視してね」
『分かったのです』
『ビシビシするわよ』
『妹よ~』
森を抜けて、よし、ノワールに馬車を繋げる。そう言えば、レディ・ロストークはどうなんやったんやろ? パーヴェル様に聞きに行くわけにはいかんしなあ。
「アリス、少し歩くけど大丈夫ね? 赤ちゃん達は馬車に乗せるけん、心配せんでいいけんね。ホルス、あんまり離れて飛ばんでね」
「クルッ」
ホルスは飛びながら返事をして、頷くアリス。赤ちゃん達は、馬車の中で晃太達に見てもらう。まだまだ赤ちゃんだからね。手綱をホークさんが握り、私はとなりに座る。
カルーラに着いたら、直ぐにパーティーハウスに戻りたいが、ホークさんが、待ったをかけた。これだけの上位魔物が新たに従魔になっているので、直ぐに登録した方がいいと。それもそうだね。
カルーラの城壁近くになり、私はホルスを呼ぶ。間違って攻撃されたら、嫌やもん。ホルスは素直に馬車と並走する。
時間的に多いのか、入るために行列が出来ている。申し訳ないが、私の冒険者ランクを使わせてもらう。とりあえず並び、ホークさんが城門に走っていく。
アレスは私の脅しが効いたのか、ビアンカとルージュに両サイドを固められておとなしい。だけど、2人ににへら、にへら、してて、そっぽ向かれる。
直ぐ前の馬車の人達が、ものすごい形相で振り返る。
「こんにちは」
笑顔でご挨拶。
「こ、こんにちは」
護衛の冒険者が、上擦った返事をしてくれる。
元気が尻尾ぷりぷりご挨拶すると、数人がぱあっ、と顔を緩ませる。うちの元気はかわいかのよ、どやあっ。
あ、ホークさんが帰って来た。警備の人達と一緒や。
「ユイさん。先行通過の許可が出ました」
「ありがとうございます」
警備の代表者が前に出る。
「テイマーのミズサワ様、どうぞお通りください」
「ありがとうございます」
私達は列を抜けて、前に出る。先に並んでいる方にぺこりして、と。
ああ、約4ヶ月ぶりのカルーラや。
「はい。ホークさんのおかげで無事に着いたし」
「いやいや、本来の契約ですから気にしないでください」
「そんなわけにはいきませんよ」
あれだけ、ノワールに乗り、私という荷物を抱えてくれたのに。
ホークさんはたくましい腕を組み、散々悩んで、新しい弓と言うと、私は必要経費と答える。どうやら付与の着いた弓が欲しい様子、もう、私が武装責任者なのに。言ってくれたら良かったのに。
結局、直ぐに決まらず、ちょっと考えますと。
それから、今後の鷹の目の皆さんの奴隷契約についてだ。それも話し合うが、皆さん継続希望を出された。
「俺達は、許される限り、ユイさんに仕えたいと思っています」
と、コクコクと、ぶれない皆さん。
「それにコウタさんの支援魔法のスキルアップもあります」
「私達で役に立つなら、出来るだけの事をします」
「まだまだ、恩を返しきれてないし」
「俺っ、役に立ちたいっ」
「私だってっ」
「皆さん、ありがとう。これからもお願いしますね」
感動してしまい、ちょっとうるっと来てしまった。
でも、晃太の支援魔法のスキルアップに関しては、鷹の目の皆さんの協力が必要だ。おそらく1年後にアップするとは思えない。晃太はスキルが上がってから、もっとどうにか出来ないか考えている。それに関してはお任せしている。
さ、神様のお言葉が終わり、早速帰ることに。
カルーラのサブ・ドアをこちらに着けてしまっているから、両親と花が心配だしね。
イシスとオシリスが残り、ホルスだけが着いてくる。
『ホルス、ビアンカトルージュノ言葉ハ母ノ言葉。ヨク、聞キナサイ』
「クルッ」
「じゃあ、イシス、終わったら警報器押してね」
『分カッタ』
鼻水君にも、何かあれば押すように念押し。当人はビアンカに再びなにやらでっかい爬虫類を、献上………………………………なんで、ドラゴンやねんっ。前回と違う種類のドラゴンやねんっ。あれ、絶対蜥蜴やないっ。そんなにここにはドラゴンおるとっ。
仕方なく、晃太のアイテムボックスに。
「なあ、姉ちゃん」
「なんね?」
「アイテムボックスの魔物一覧が凄かことなになっとる」
「そうね。小出しするしかなくない?」
「そうやあ。ドラゴンなんてそうそうおらんけど。これで助かる人も多かしなあ」
「ギルドで相談やな。向こうも簡単には買い取れんはずやし。一体は、マーファで出してもよくないね?」
「そうやなあ」
晃太が悩んでいる。まあ、帰ったら大騒ぎだわな。
ある程度覚悟しとこう。ドラゴン出す前に、大騒ぎにはなったけど、ね。
もう一つのサブ・ドアを使い、ショートカット。ふう、便利。
数日かけて魔の森を抜けて、カルーラに向かう。魔の森の中で、何度アレスが脱走したか。そして何度ビアンカとルージュが追いかけた事か。最終的には、アリスの物言わぬ圧力マックスの視線で、やっと落ち着く。町に着いたらどうしよう。これ、本当に大丈夫やろうか?
「なあ、アレス」
何となく私が言う。
『ぬ、なんだ?』
「もしね。街中で私の許可なくやらかしたら」
『ぬ』
「強制送還やけんね?」
『ぬ?』
説明すると、鼻水たらり。
『嫌なのだっ、嫌なのだっ、妻と我が子と妹達と離されるのはーっ』
「なら、言うこと聞いてね? 神様に言われたこと、覚えとる?」
『う、うむう………』
明後日、向く。忘れてるなこりゃ。
「無闇に走らない、食べない、牙を剥かない、傷つけない。分かった?」
『わ、分かった…………』
「ビアンカ、ルージュ。しっかり監視してね」
『分かったのです』
『ビシビシするわよ』
『妹よ~』
森を抜けて、よし、ノワールに馬車を繋げる。そう言えば、レディ・ロストークはどうなんやったんやろ? パーヴェル様に聞きに行くわけにはいかんしなあ。
「アリス、少し歩くけど大丈夫ね? 赤ちゃん達は馬車に乗せるけん、心配せんでいいけんね。ホルス、あんまり離れて飛ばんでね」
「クルッ」
ホルスは飛びながら返事をして、頷くアリス。赤ちゃん達は、馬車の中で晃太達に見てもらう。まだまだ赤ちゃんだからね。手綱をホークさんが握り、私はとなりに座る。
カルーラに着いたら、直ぐにパーティーハウスに戻りたいが、ホークさんが、待ったをかけた。これだけの上位魔物が新たに従魔になっているので、直ぐに登録した方がいいと。それもそうだね。
カルーラの城壁近くになり、私はホルスを呼ぶ。間違って攻撃されたら、嫌やもん。ホルスは素直に馬車と並走する。
時間的に多いのか、入るために行列が出来ている。申し訳ないが、私の冒険者ランクを使わせてもらう。とりあえず並び、ホークさんが城門に走っていく。
アレスは私の脅しが効いたのか、ビアンカとルージュに両サイドを固められておとなしい。だけど、2人ににへら、にへら、してて、そっぽ向かれる。
直ぐ前の馬車の人達が、ものすごい形相で振り返る。
「こんにちは」
笑顔でご挨拶。
「こ、こんにちは」
護衛の冒険者が、上擦った返事をしてくれる。
元気が尻尾ぷりぷりご挨拶すると、数人がぱあっ、と顔を緩ませる。うちの元気はかわいかのよ、どやあっ。
あ、ホークさんが帰って来た。警備の人達と一緒や。
「ユイさん。先行通過の許可が出ました」
「ありがとうございます」
警備の代表者が前に出る。
「テイマーのミズサワ様、どうぞお通りください」
「ありがとうございます」
私達は列を抜けて、前に出る。先に並んでいる方にぺこりして、と。
ああ、約4ヶ月ぶりのカルーラや。
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