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魔境⑤
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あれから、私達はバタバタと動く。
ケガしたウルフ達は無事に回復したが、やっぱり栄養取らんとね。冷蔵庫ダンジョンでたらふくお肉があるから、肉塊のまま渡す。皆咥えて帰って行った。
残ったのはエンペラーグリフォンの『彼女さん』。お母さんウルフと赤ちゃん達、それから、私がエリクサーを使ったウルフのみ。もちろんお兄さんもいますよ。さっきからソワソワとビアンカとルージュにちょっかいかけようとしてパンチをくらい、次お母さんウルフにすりよりパンチをくらう。『彼女さん』曰くこの3日間、ずっと魔境を調べて回っていたそうだけど、疲れてないのかね?
それからルリとクリスにデレデレしたり、ヒスイにデレデレしたり。まあ、かわいか3人娘ですからね。元気とコハクを抱え込んで頬擦り。元気はへっへっ言ってるが、コハクはいやがりベビージャガーパンチを放ってる。全く効いてないようだけど。連発してるけど、痛くないのかね?
蜘蛛達に襲われたのは、エリアボスの間で、奥には更にエリアボスの巣や、他のウルフ達の巣がある。地形的に、ここは、その巣を守る位置にあるらしい。
お母さんウルフの消耗が激しいようなので、本来は巣に移動したいが大事を取り、エリアボスの間で過ごす。
地面に横たわっているから、ルームに移動させたい。その前に、私は『神への祈り』を使ってお母さんウルフの回復を図る。
『大丈夫なのですよ』
『ユイは、貴女を助けてくれるわ』
警戒心の強いお母さんウルフに、ビアンカとルージュが言って聞かせてくれて、無事に発動する。
お母さんウルフの疲労が浮かぶ顔に、ふわっと血色が浮かぶ。毛並みに覆われているけど、そんな感じだ。回復したが、お母さんウルフはルームに入ろうとしない、警戒しているんやろう。お兄さん、普通に侵入したけど。
仕方ない。私は出来るだけ大きなマットレスを購入して、運び出す。ビアンカとルージュに説得してもらい、マットレスにのってもらう。
その間に、両親は大忙しや。まずは、お母さんウルフに、必要な栄養をどうするか。父が鑑定、母が調理。それから赤ちゃん達や、お母さんウルフのお乳が足りないようで、これも父の鑑定頼りで、ミルクを作る。子犬用ミルクと、冷蔵庫ダンジョンの牛乳を混ぜて哺乳瓶で飲ませようとしたら、お母さんウルフが絶対に赤ちゃん達を手離さない。ビアンカとルージュに必死に説得してもらい、赤ちゃん達、全部で4匹、全部にミルクを飲ませたら、かなり時間がかかってしまった。あはははん、がちの赤ちゃん、かわいかあ。こっそりスマホで撮影。口元のかわいか事。終わると、辺りは真っ暗に近いよ。
他に魔物が襲って来ないか心配だが、お兄さんともう一匹のウルフもいるし、ビアンカとルージュもいるしね。エリアボスの『彼女さん』は、巣に戻る。
母がお母さんウルフのためにフレアタートルの鍋を作ったが、私達が近くにいると食べない。その鍋に顔を突っ込もうとするお兄さんに、ビアンカとルージュの容赦ないパンチが飛ぶ。
お腹減ったんやろう。ワイバーンのお肉を出すと、がっついて食べてる。私達も離れる。騒がしいとお母さんウルフが落ち着いて食べれないからね。もう一匹のウルフにもワイバーンのお肉を食べさせる。一瞬悩む仕草だったが、ビアンカをちらっと見てから、おずおずと食べ出す。うーん、鼻水垂らしてかわいか。
私達も疲れたので、ルームで休む事に。鷹の目の皆さんがブラッシングをしてくれた。ビアンカとルージュのリクエストを聞きながら準備していると。
ビーッビーッビーッビーッビーッ
【魔物の侵入を確認しました】
【厄災クラスの魔物の侵入を確認しました】
この警報音きつかっ。
案の定振り返ると、お兄さんがちゃっかり、ビアンカにすりすりしている。
花がけたたましく吠える吠える。
『しつこいのですっ』
パンチッ。
次にルージュにすりすり。
『鬱陶しいわっ』
パンチッ。
「へっへっ」
き、効いてない。全然、効いてない。いや、あの牛の首、へし折るんやけど、このパンチ。
「ビアンカ、ルージュ、久し振りのお兄さんに、そんな事せんの」
『お、お母さん…………』
『だってぇ…………』
母がビアンカとルージュに、め。渋い顔になる2人。結局、お兄さんには再度ワイバーンのお肉を出して、ルームの外に誘導する。そう言えば、ルームの警報で、厄災クラスって言ってたけど。
ノワールや仔達のご飯、ビアンカとルージュのご飯を出して聞いてみる。
「お兄さんって、そんなに強かと?」
『ばくばく、そうなのですね』
『ばくばく、この魔境自体にいる魔物の中では、おそらく五本の指に入るわ』
「ソウデスカー」
因みにあの『彼女さん』はもっと強いそうだ。あははん、おそろしか。私達も夕御飯やお風呂を済ませる。仔達は疲れたのか、早々に寝てる。最後にお母さんウルフに出した鍋を確認。よし、空や。お水もたっぷり出して、ルームに引き上げる事に。赤ちゃん達、寝てる。
お母さんウルフは私をチラリと見て、目を閉じる。お母さんウルフもオッドアイだ。右が赤で、左が紫。そして、体格がビアンカとは少し違う感じがする。ビアンカはスレンダーな洋犬タイプだが、お母さんウルフはなんと言うか、闘犬の雰囲気がある。
何かあれば、ルームの中からなら分かるし、一旦ドアを閉める。
「ねえ、ビアンカ」
『ふわあっ、なんなのです?』
「あのお母さんウルフさ、フォレストガーディアンウルフなん?」
『違うのですよ。彼女はアーマークイーンウルフなのです。アーマー系ウルフの雌では最強クラスなのですよ』
「左様ですか」
恐ろしか。でも、赤ちゃんかわいか。
それからあの鼻水は、アーマーキングウルフ。アーマー系ウルフの雄では最強なんだって。お母さんウルフの弟なんやって。
やけど、しばらくはご飯のお世話せんとね。赤ちゃんのためやし。ビアンカにとっては甥や姪や。うん、私が主人やしね。ご飯くらいださんと。
私は今までの疲れがあったのか、次の日、寝坊助の晃太に起こされるまで寝てしまった。
次の日。
「くうーん」
『困ったのですねえ』
鼻水垂らしたウルフが、デカイ猪引き摺って来て、ビアンカの前に。お母さんウルフの朝御飯と、赤ちゃん達のミルクの間に、いなくなったと思ったら、これだ。因みにお兄さんは、朝からハイテンションで、お母さんウルフにすりより、しばらくしてからパンチを食らってる。それから元気とコハクと遊んでくれるから、ありがたい。
「くうーん」
『もらえないのです。私には、まだ、幼体の仔達がいるのです』
……………………………………?
え、まさか。うちのビアンカさん、迫られる? え、そりゃ、ビアンカは美人だし、未亡人だし。
「ルージュさんっ、ルージュさんっ」
『どうしたの?』
「ビアンカがあの鼻水に迫られてるんっ?」
『違うわよ。諦めてないだけよ。ほら、前に言ったでしょ、兄が私達の伴侶候補達を蹴散らしたって』
「うん。それで行き遅れるからって、魔境を出たって」
『そう。あの鼻水はね、最後まで兄に食い下がったけど、兄を納得させられなくてね。ビアンカも結局諦めたわけ。だけど、今回帰ってきて、チャンスだと思ったんじゃない?』
「そうなん」
一途やなあ。まあ、うちのビアンカさんに目をつけるのは、誉めてつかわすよ、おほほ。
「新しい伴侶になったりするの?」
『どうかしら。私達は同じ伴侶と最後まで過ごすことがほとんどだし。新しい伴侶は、あまり聞かないわ。まだ、元気達も成体じゃないしね』
「もし、元気達が成体になったら、あり得る話?」
『ビアンカ次第よ』
「そうな」
あり得るのかなあ。なんて思っていたら、鼻水がどーんと吹き飛ばされる。お兄さんだ。
うちの妹に、何、色目使ってるんやー、みたいや。
鼻水も負けてない、グルルッ、と唸る。
いやいや、止めて、せっかくケガが治ったのにっ。しかし、間に入る勇気はない。だって、恐ろしかもんっ。ビアンカ並みとそれ以上デカイウルフのにらみ合い、止めて恐ろしか。
『止めるのですっ』
ビアンカが雷を放ち、2匹は収まった。鼻水ピクピクしてる。お兄さんはプスプスしながらへっへっ言ってるけど。
もちろん手加減してるよね?
ケガしたウルフ達は無事に回復したが、やっぱり栄養取らんとね。冷蔵庫ダンジョンでたらふくお肉があるから、肉塊のまま渡す。皆咥えて帰って行った。
残ったのはエンペラーグリフォンの『彼女さん』。お母さんウルフと赤ちゃん達、それから、私がエリクサーを使ったウルフのみ。もちろんお兄さんもいますよ。さっきからソワソワとビアンカとルージュにちょっかいかけようとしてパンチをくらい、次お母さんウルフにすりよりパンチをくらう。『彼女さん』曰くこの3日間、ずっと魔境を調べて回っていたそうだけど、疲れてないのかね?
それからルリとクリスにデレデレしたり、ヒスイにデレデレしたり。まあ、かわいか3人娘ですからね。元気とコハクを抱え込んで頬擦り。元気はへっへっ言ってるが、コハクはいやがりベビージャガーパンチを放ってる。全く効いてないようだけど。連発してるけど、痛くないのかね?
蜘蛛達に襲われたのは、エリアボスの間で、奥には更にエリアボスの巣や、他のウルフ達の巣がある。地形的に、ここは、その巣を守る位置にあるらしい。
お母さんウルフの消耗が激しいようなので、本来は巣に移動したいが大事を取り、エリアボスの間で過ごす。
地面に横たわっているから、ルームに移動させたい。その前に、私は『神への祈り』を使ってお母さんウルフの回復を図る。
『大丈夫なのですよ』
『ユイは、貴女を助けてくれるわ』
警戒心の強いお母さんウルフに、ビアンカとルージュが言って聞かせてくれて、無事に発動する。
お母さんウルフの疲労が浮かぶ顔に、ふわっと血色が浮かぶ。毛並みに覆われているけど、そんな感じだ。回復したが、お母さんウルフはルームに入ろうとしない、警戒しているんやろう。お兄さん、普通に侵入したけど。
仕方ない。私は出来るだけ大きなマットレスを購入して、運び出す。ビアンカとルージュに説得してもらい、マットレスにのってもらう。
その間に、両親は大忙しや。まずは、お母さんウルフに、必要な栄養をどうするか。父が鑑定、母が調理。それから赤ちゃん達や、お母さんウルフのお乳が足りないようで、これも父の鑑定頼りで、ミルクを作る。子犬用ミルクと、冷蔵庫ダンジョンの牛乳を混ぜて哺乳瓶で飲ませようとしたら、お母さんウルフが絶対に赤ちゃん達を手離さない。ビアンカとルージュに必死に説得してもらい、赤ちゃん達、全部で4匹、全部にミルクを飲ませたら、かなり時間がかかってしまった。あはははん、がちの赤ちゃん、かわいかあ。こっそりスマホで撮影。口元のかわいか事。終わると、辺りは真っ暗に近いよ。
他に魔物が襲って来ないか心配だが、お兄さんともう一匹のウルフもいるし、ビアンカとルージュもいるしね。エリアボスの『彼女さん』は、巣に戻る。
母がお母さんウルフのためにフレアタートルの鍋を作ったが、私達が近くにいると食べない。その鍋に顔を突っ込もうとするお兄さんに、ビアンカとルージュの容赦ないパンチが飛ぶ。
お腹減ったんやろう。ワイバーンのお肉を出すと、がっついて食べてる。私達も離れる。騒がしいとお母さんウルフが落ち着いて食べれないからね。もう一匹のウルフにもワイバーンのお肉を食べさせる。一瞬悩む仕草だったが、ビアンカをちらっと見てから、おずおずと食べ出す。うーん、鼻水垂らしてかわいか。
私達も疲れたので、ルームで休む事に。鷹の目の皆さんがブラッシングをしてくれた。ビアンカとルージュのリクエストを聞きながら準備していると。
ビーッビーッビーッビーッビーッ
【魔物の侵入を確認しました】
【厄災クラスの魔物の侵入を確認しました】
この警報音きつかっ。
案の定振り返ると、お兄さんがちゃっかり、ビアンカにすりすりしている。
花がけたたましく吠える吠える。
『しつこいのですっ』
パンチッ。
次にルージュにすりすり。
『鬱陶しいわっ』
パンチッ。
「へっへっ」
き、効いてない。全然、効いてない。いや、あの牛の首、へし折るんやけど、このパンチ。
「ビアンカ、ルージュ、久し振りのお兄さんに、そんな事せんの」
『お、お母さん…………』
『だってぇ…………』
母がビアンカとルージュに、め。渋い顔になる2人。結局、お兄さんには再度ワイバーンのお肉を出して、ルームの外に誘導する。そう言えば、ルームの警報で、厄災クラスって言ってたけど。
ノワールや仔達のご飯、ビアンカとルージュのご飯を出して聞いてみる。
「お兄さんって、そんなに強かと?」
『ばくばく、そうなのですね』
『ばくばく、この魔境自体にいる魔物の中では、おそらく五本の指に入るわ』
「ソウデスカー」
因みにあの『彼女さん』はもっと強いそうだ。あははん、おそろしか。私達も夕御飯やお風呂を済ませる。仔達は疲れたのか、早々に寝てる。最後にお母さんウルフに出した鍋を確認。よし、空や。お水もたっぷり出して、ルームに引き上げる事に。赤ちゃん達、寝てる。
お母さんウルフは私をチラリと見て、目を閉じる。お母さんウルフもオッドアイだ。右が赤で、左が紫。そして、体格がビアンカとは少し違う感じがする。ビアンカはスレンダーな洋犬タイプだが、お母さんウルフはなんと言うか、闘犬の雰囲気がある。
何かあれば、ルームの中からなら分かるし、一旦ドアを閉める。
「ねえ、ビアンカ」
『ふわあっ、なんなのです?』
「あのお母さんウルフさ、フォレストガーディアンウルフなん?」
『違うのですよ。彼女はアーマークイーンウルフなのです。アーマー系ウルフの雌では最強クラスなのですよ』
「左様ですか」
恐ろしか。でも、赤ちゃんかわいか。
それからあの鼻水は、アーマーキングウルフ。アーマー系ウルフの雄では最強なんだって。お母さんウルフの弟なんやって。
やけど、しばらくはご飯のお世話せんとね。赤ちゃんのためやし。ビアンカにとっては甥や姪や。うん、私が主人やしね。ご飯くらいださんと。
私は今までの疲れがあったのか、次の日、寝坊助の晃太に起こされるまで寝てしまった。
次の日。
「くうーん」
『困ったのですねえ』
鼻水垂らしたウルフが、デカイ猪引き摺って来て、ビアンカの前に。お母さんウルフの朝御飯と、赤ちゃん達のミルクの間に、いなくなったと思ったら、これだ。因みにお兄さんは、朝からハイテンションで、お母さんウルフにすりより、しばらくしてからパンチを食らってる。それから元気とコハクと遊んでくれるから、ありがたい。
「くうーん」
『もらえないのです。私には、まだ、幼体の仔達がいるのです』
……………………………………?
え、まさか。うちのビアンカさん、迫られる? え、そりゃ、ビアンカは美人だし、未亡人だし。
「ルージュさんっ、ルージュさんっ」
『どうしたの?』
「ビアンカがあの鼻水に迫られてるんっ?」
『違うわよ。諦めてないだけよ。ほら、前に言ったでしょ、兄が私達の伴侶候補達を蹴散らしたって』
「うん。それで行き遅れるからって、魔境を出たって」
『そう。あの鼻水はね、最後まで兄に食い下がったけど、兄を納得させられなくてね。ビアンカも結局諦めたわけ。だけど、今回帰ってきて、チャンスだと思ったんじゃない?』
「そうなん」
一途やなあ。まあ、うちのビアンカさんに目をつけるのは、誉めてつかわすよ、おほほ。
「新しい伴侶になったりするの?」
『どうかしら。私達は同じ伴侶と最後まで過ごすことがほとんどだし。新しい伴侶は、あまり聞かないわ。まだ、元気達も成体じゃないしね』
「もし、元気達が成体になったら、あり得る話?」
『ビアンカ次第よ』
「そうな」
あり得るのかなあ。なんて思っていたら、鼻水がどーんと吹き飛ばされる。お兄さんだ。
うちの妹に、何、色目使ってるんやー、みたいや。
鼻水も負けてない、グルルッ、と唸る。
いやいや、止めて、せっかくケガが治ったのにっ。しかし、間に入る勇気はない。だって、恐ろしかもんっ。ビアンカ並みとそれ以上デカイウルフのにらみ合い、止めて恐ろしか。
『止めるのですっ』
ビアンカが雷を放ち、2匹は収まった。鼻水ピクピクしてる。お兄さんはプスプスしながらへっへっ言ってるけど。
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