240 / 775
パニック?⑥
しおりを挟む
「にゃあにぁあ」
「クゥンクゥン」
「クゥンクゥン」
ヒスイ、ルリ、クリスも来てペロペロもふもふ。かわいかあ、たまらん。
「迎えに来てくれたんね~」
もふもふ。
ルリとクリスは満足したのか、すぐにシュタインさんや山風の皆さんの元に。ヒスイは私にすり寄ったまま。あはははははん、そうね、お姉ちゃんがよかね。もふもふん。そこに、母の抱っこ紐から出た花が短い足で駆けよって来た。
「クゥンクゥンクゥン」
ぽちゃぽちゃお腹を出して、牛蒡みたいな尻尾をパタパタパタパタ。あはははははん、たまらん。
「花ちゃんただいまあ」
「花ちゃん」
私と晃太が人目も気にせず、もふもふん。
「テイマーさん、それは?」
置いてけぼりの金の虎の皆さん、あ、忘れてた。
「ああ、紹介しますね。まず、この子が花、小型犬です。ちょっと人見知りで」
「わんっわんっ」
びびりの花は、金の虎の皆さんを見て後ずさる。
「え? 小型犬? テイマーさん、爵位あるんですか?」
ファングさんが疑うように聞いてくる。小型犬は貴族しか飼育してないからね。この為の設定を。
「違いますよ。花は飼育放棄されたのを、私達が引き取ったんです」
「そうなのか。飼育放棄か、かわいそうな目に合ったんだな」
花を見るファングさんの目に同情が浮かぶ。当の花は後退り、吠える吠える。
「すみません、知らない人には吠えちゃって」
「いいや、あんなに小さいんだ、警戒するのは仕方ないさ」
分厚い肩をすくめるファングさん。その隣でアルスさんが興味深そうに見ている。
「後はこの子はヒスイ。ルージュの娘です。あそこにいる茶色の目の子がコハク、ルージュの息子です」
私が順番に説明する。
「ビアンカの娘が、青い目がルリ、片目が赤いのがクリス、で、一番大きいのが息子の元気です。元気はとにかくやんちゃで、人見知りしないし、飛びかかるので気を付けてください」
「ああ。アルブレンで噂を聞いたが、揃うと圧巻だな」
アルブレンか、あれからずいぶん大きくなったしね。豆柴サイズだったヒスイも、何倍も大きくなってるし。かわいかのよ。
「皆、挨拶ばしい」
なんとなく声をかけるが、人見知りのルリ、クリス、ヒスイは後退り。
金の虎の皆さん、触りたさそうだけど。特にアルスさんが。キラキラ青い目で、私に訴える。触っちゃだめ? みたいな。キラキラ。キラキラ。魔法にかかりそう。
「わんっ」
「にぁあ~」
私の声に答えたのは元気とコハク。
止める間もなく、ばぁっ、と来て飛びかかる。
「おわあっ」
飛びかかり先はガリストさん。リードを持っていた晃太が、引っ張られて「肩、肩」言ってる。
元気が後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。コハクも後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。
「あ、すみませんっ」
「い、いや、いや、いいんだ。はは、かわいいですな」
ガリストさんはごつい満面の笑みを浮かべる。わざわざ足を着いて、元気とコハクをもふもふ。なんだか、慣れてるけど。
「ガリストさん、犬か猫飼ってました?」
「ん? 昔な、子供の頃に大型犬を。こんなに柔らかい毛質ではなかったが、懐かしいな」
「へっへっ」
元気がペロペロするが、ガリストさんはごつい笑顔のまま舐められている。それから皆さん順番に撫で撫で。
「柔らかいんだな」
「本当だね、ふわふわしてる」
「まさか、クリムゾンジャガーに触れるなんて。なんて滑らかなのかしら」
「姉ちゃん、欲しい」
「おバカ、恐ろしい事言うんじゃないよ」
その間に山風の皆さんと挨拶した両親がやって来る。
「おかえり」
母が空の抱っこ紐のままでおかえり、してくれる。
「ただいま、わざわざ来てくれたん。あ、こちらね金の虎の皆さん。アルブレンで緑の巣の時にお世話になったんよ。皆さん、うちの両親です」
私が両親に、金の虎の皆さんを紹介。元気とコハクをもふっていた皆さんが、あわてて立ち上がる。
「皆さん、アルブレンでは娘達がお世話になりました」
父が挨拶し、両親が頭を下げる。
「いや、俺達の方が世話になったようなものです。お気になさらないでください」
ファングさんの口調が、両親を前に丁寧になる。
「お父さん、これから私達ギルドに行くけど、一緒に行く?」
「いや、帰るよ」
「なら、ビアンカ一緒に帰って」
『分かったのです』
そんな話をしていると、マアデン君とハジェル君が母に何か言って、ロッシュさんがげんこつ落としている。
なんやなんや。
どうやら今日のカレーやアップルパイが美味しかったと、母に報告したら、上機嫌になった母が2人にリクエストを聞いたそうだ。ちょっと調子に乗ってきたので、ロッシュさんがげんこつ落としたと。
「いいんですよ。まだ、育ち盛りなんですから」
母はニコニコだ。
「なんばリクエストしたと?」
頭を押さえるマアデン君とハジェル君に聞いてみる。
「あのハンバーグと、唐揚げと、たれのついた肉の挟まったサンドイッチ」
「ポトフも食べたいっす。後、大きな鍋で食べた白いスープのも食べたいっす。あ、ビアンカさんとルージュさんが来た日に食べた、たれのついた肉も食べたいっす」
「なんね、それくらいね。じゃあ、メニューにいれようかね」
「「やったぁ」」
素直や。
で、後ろでロッシュさんがげんこつを構える。
ぴぁ、と私の後ろに隠れるマアデン君とハジェル君。
「これくらい、いいじゃないですか。ロッシュさんも何かリクエストあったら言ってくださいね」
「はあ、ユイさんは優しいですね。でも、昼飯楽しみにしてます。俺は好き嫌いないですから」
「はい」
さて、そろそろギルドに行こうとすると、すすす、とアルスさんが母の元に。
「アップルパイ、食べたい」
「?」
すかさずファングさんとリィマさんが回収。事情を知らない母は、いきなり未成年が近付いて来て、すぐに回収されたのに驚いている。
帰って説明しなくては。
花を母の抱っこ紐に入れて、ビアンカと仔達は先にパーティーハウスに戻る。
ギルドに行き、晃太だけ倉庫に向かう。量が多いからね。リティアさんは残念お休みなので、後日お土産渡そう。
山風や金の虎の皆さんの分は買い取り窓口が対応。待っている間に、明日からどうするか相談。ノワールを連れて行くかどうかだ。ルージュ曰く、ノワールを含めたら20階まではなんとかなるそうだ。なんせ、重かしね。それから開始時間も1時間早く繰り上げることになった。今まで最高戦力だからね。余裕を持ってボス部屋に何回か臨めるから、時間を繰り上げようと言うことになった。話が終わると、山風と金の虎の査定が終了。いくらか聞いたらいけないから離れる。ロッシュさんもファングさんも目を見開いていたけどね。晃太も戻ってきた。
「皆さん。1日ありがとうございました。明日からもお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「こんなに割合のいい依頼はそうない。出来るだけのことはする」
リーダーさん達頼もしい。
とにかく初日終了だ。
挨拶して別れようとしたら、キラキラ。
ん? 目の前に、キラキラ青い目。
あら、さっきまでリィマさんの隣におらんやったかね?
ちらり、と覗く、赤い舌。
あらあ、今朝のデジャブ。
『ダメよ、ユイが困るわ』
ルージュがアルスさんのパーカーの裾を咥えて止めて、硬直した私をシュタインさんが後ろに引き寄せてくれた。
は、いかん。キラキラ魔法で、麻痺しとった。しかもシュタインさん病み上がりなのに。
「す、すみませんシュタインさん」
「いいえ。だけどあいつ懲りないですね」
「アルスーッ」
「あんたって子はーッ」
ファングさんとリィマさんが真っ青になって怒ってる。
「すまないテイマーさん。あいつは日頃あんなこと絶対しないやつなんだ。よっぽどあんたが気に入ったみたいだ」
あら、未成年に気に入られる三十路女。週刊誌のネタみたいになってきたよ。やだあ、目だけ、太い横線入って掲載されそうだよ。
「ちゃんと言い聞かせておくから」
「まあ、本人悪気がないようですけど。私もいくら未成年とはいえ、ペロリは勘弁してください。変な世界に片足突っ込みそうになるので」
冷静に返したが、内心、はあはあ、犯罪者みたいな息づかいをしている。
腑に落ちないアルスさんを引きずり、金の虎の皆さんはペコペコしながら撤退。嵐のように去っていった。
「シュタインさん、もう大丈夫みたいですよ」
「あ、ああ、そうですね」
よっぽど心配したのか、シュタインさんは金の虎の皆さんの姿が見えなくなるまで、肩を抱いてくれていた。ありがたい。
山風の皆さんとも挨拶して、パーティーハウスに。
「クゥンクゥンクゥンクゥーン」
「花ちゃんさっき会ったやない」
「花ちゃん」
お腹出して尻尾パタパタしながら歓迎してくれる花。あはははん、かわいかあ。
仔達の歓迎を受けながら、パーティーハウスに入る。
「ねえ、お父さん」
「ん?」
居間のソファーに座って、ルリとクリスを撫でている父が顔を上げる。
「今日来たの、シュタインさんの具合見るためやろ?」
わざわざ、冷蔵庫ダンジョン前で待っていたのは、そうじゃないかと思っていたからだ。
「ばれたね。心配やったけんね。軽度の貧血くらいや、冒険者としても活動可能レベルやな」
「そうね、良かった」
なら、明日それとなく伝えるかね。
なんだか、大したことしてないのに、どっと疲れた1日やったなあ。
キラキラ青い目の魔法、まあ、今までの中でも強烈やったなあ。
あれ? なんかもう一つあったような……………思い出さないってことは、大したことないって事やね、うん。
「クゥンクゥン」
「クゥンクゥン」
ヒスイ、ルリ、クリスも来てペロペロもふもふ。かわいかあ、たまらん。
「迎えに来てくれたんね~」
もふもふ。
ルリとクリスは満足したのか、すぐにシュタインさんや山風の皆さんの元に。ヒスイは私にすり寄ったまま。あはははははん、そうね、お姉ちゃんがよかね。もふもふん。そこに、母の抱っこ紐から出た花が短い足で駆けよって来た。
「クゥンクゥンクゥン」
ぽちゃぽちゃお腹を出して、牛蒡みたいな尻尾をパタパタパタパタ。あはははははん、たまらん。
「花ちゃんただいまあ」
「花ちゃん」
私と晃太が人目も気にせず、もふもふん。
「テイマーさん、それは?」
置いてけぼりの金の虎の皆さん、あ、忘れてた。
「ああ、紹介しますね。まず、この子が花、小型犬です。ちょっと人見知りで」
「わんっわんっ」
びびりの花は、金の虎の皆さんを見て後ずさる。
「え? 小型犬? テイマーさん、爵位あるんですか?」
ファングさんが疑うように聞いてくる。小型犬は貴族しか飼育してないからね。この為の設定を。
「違いますよ。花は飼育放棄されたのを、私達が引き取ったんです」
「そうなのか。飼育放棄か、かわいそうな目に合ったんだな」
花を見るファングさんの目に同情が浮かぶ。当の花は後退り、吠える吠える。
「すみません、知らない人には吠えちゃって」
「いいや、あんなに小さいんだ、警戒するのは仕方ないさ」
分厚い肩をすくめるファングさん。その隣でアルスさんが興味深そうに見ている。
「後はこの子はヒスイ。ルージュの娘です。あそこにいる茶色の目の子がコハク、ルージュの息子です」
私が順番に説明する。
「ビアンカの娘が、青い目がルリ、片目が赤いのがクリス、で、一番大きいのが息子の元気です。元気はとにかくやんちゃで、人見知りしないし、飛びかかるので気を付けてください」
「ああ。アルブレンで噂を聞いたが、揃うと圧巻だな」
アルブレンか、あれからずいぶん大きくなったしね。豆柴サイズだったヒスイも、何倍も大きくなってるし。かわいかのよ。
「皆、挨拶ばしい」
なんとなく声をかけるが、人見知りのルリ、クリス、ヒスイは後退り。
金の虎の皆さん、触りたさそうだけど。特にアルスさんが。キラキラ青い目で、私に訴える。触っちゃだめ? みたいな。キラキラ。キラキラ。魔法にかかりそう。
「わんっ」
「にぁあ~」
私の声に答えたのは元気とコハク。
止める間もなく、ばぁっ、と来て飛びかかる。
「おわあっ」
飛びかかり先はガリストさん。リードを持っていた晃太が、引っ張られて「肩、肩」言ってる。
元気が後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。コハクも後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。
「あ、すみませんっ」
「い、いや、いや、いいんだ。はは、かわいいですな」
ガリストさんはごつい満面の笑みを浮かべる。わざわざ足を着いて、元気とコハクをもふもふ。なんだか、慣れてるけど。
「ガリストさん、犬か猫飼ってました?」
「ん? 昔な、子供の頃に大型犬を。こんなに柔らかい毛質ではなかったが、懐かしいな」
「へっへっ」
元気がペロペロするが、ガリストさんはごつい笑顔のまま舐められている。それから皆さん順番に撫で撫で。
「柔らかいんだな」
「本当だね、ふわふわしてる」
「まさか、クリムゾンジャガーに触れるなんて。なんて滑らかなのかしら」
「姉ちゃん、欲しい」
「おバカ、恐ろしい事言うんじゃないよ」
その間に山風の皆さんと挨拶した両親がやって来る。
「おかえり」
母が空の抱っこ紐のままでおかえり、してくれる。
「ただいま、わざわざ来てくれたん。あ、こちらね金の虎の皆さん。アルブレンで緑の巣の時にお世話になったんよ。皆さん、うちの両親です」
私が両親に、金の虎の皆さんを紹介。元気とコハクをもふっていた皆さんが、あわてて立ち上がる。
「皆さん、アルブレンでは娘達がお世話になりました」
父が挨拶し、両親が頭を下げる。
「いや、俺達の方が世話になったようなものです。お気になさらないでください」
ファングさんの口調が、両親を前に丁寧になる。
「お父さん、これから私達ギルドに行くけど、一緒に行く?」
「いや、帰るよ」
「なら、ビアンカ一緒に帰って」
『分かったのです』
そんな話をしていると、マアデン君とハジェル君が母に何か言って、ロッシュさんがげんこつ落としている。
なんやなんや。
どうやら今日のカレーやアップルパイが美味しかったと、母に報告したら、上機嫌になった母が2人にリクエストを聞いたそうだ。ちょっと調子に乗ってきたので、ロッシュさんがげんこつ落としたと。
「いいんですよ。まだ、育ち盛りなんですから」
母はニコニコだ。
「なんばリクエストしたと?」
頭を押さえるマアデン君とハジェル君に聞いてみる。
「あのハンバーグと、唐揚げと、たれのついた肉の挟まったサンドイッチ」
「ポトフも食べたいっす。後、大きな鍋で食べた白いスープのも食べたいっす。あ、ビアンカさんとルージュさんが来た日に食べた、たれのついた肉も食べたいっす」
「なんね、それくらいね。じゃあ、メニューにいれようかね」
「「やったぁ」」
素直や。
で、後ろでロッシュさんがげんこつを構える。
ぴぁ、と私の後ろに隠れるマアデン君とハジェル君。
「これくらい、いいじゃないですか。ロッシュさんも何かリクエストあったら言ってくださいね」
「はあ、ユイさんは優しいですね。でも、昼飯楽しみにしてます。俺は好き嫌いないですから」
「はい」
さて、そろそろギルドに行こうとすると、すすす、とアルスさんが母の元に。
「アップルパイ、食べたい」
「?」
すかさずファングさんとリィマさんが回収。事情を知らない母は、いきなり未成年が近付いて来て、すぐに回収されたのに驚いている。
帰って説明しなくては。
花を母の抱っこ紐に入れて、ビアンカと仔達は先にパーティーハウスに戻る。
ギルドに行き、晃太だけ倉庫に向かう。量が多いからね。リティアさんは残念お休みなので、後日お土産渡そう。
山風や金の虎の皆さんの分は買い取り窓口が対応。待っている間に、明日からどうするか相談。ノワールを連れて行くかどうかだ。ルージュ曰く、ノワールを含めたら20階まではなんとかなるそうだ。なんせ、重かしね。それから開始時間も1時間早く繰り上げることになった。今まで最高戦力だからね。余裕を持ってボス部屋に何回か臨めるから、時間を繰り上げようと言うことになった。話が終わると、山風と金の虎の査定が終了。いくらか聞いたらいけないから離れる。ロッシュさんもファングさんも目を見開いていたけどね。晃太も戻ってきた。
「皆さん。1日ありがとうございました。明日からもお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「こんなに割合のいい依頼はそうない。出来るだけのことはする」
リーダーさん達頼もしい。
とにかく初日終了だ。
挨拶して別れようとしたら、キラキラ。
ん? 目の前に、キラキラ青い目。
あら、さっきまでリィマさんの隣におらんやったかね?
ちらり、と覗く、赤い舌。
あらあ、今朝のデジャブ。
『ダメよ、ユイが困るわ』
ルージュがアルスさんのパーカーの裾を咥えて止めて、硬直した私をシュタインさんが後ろに引き寄せてくれた。
は、いかん。キラキラ魔法で、麻痺しとった。しかもシュタインさん病み上がりなのに。
「す、すみませんシュタインさん」
「いいえ。だけどあいつ懲りないですね」
「アルスーッ」
「あんたって子はーッ」
ファングさんとリィマさんが真っ青になって怒ってる。
「すまないテイマーさん。あいつは日頃あんなこと絶対しないやつなんだ。よっぽどあんたが気に入ったみたいだ」
あら、未成年に気に入られる三十路女。週刊誌のネタみたいになってきたよ。やだあ、目だけ、太い横線入って掲載されそうだよ。
「ちゃんと言い聞かせておくから」
「まあ、本人悪気がないようですけど。私もいくら未成年とはいえ、ペロリは勘弁してください。変な世界に片足突っ込みそうになるので」
冷静に返したが、内心、はあはあ、犯罪者みたいな息づかいをしている。
腑に落ちないアルスさんを引きずり、金の虎の皆さんはペコペコしながら撤退。嵐のように去っていった。
「シュタインさん、もう大丈夫みたいですよ」
「あ、ああ、そうですね」
よっぽど心配したのか、シュタインさんは金の虎の皆さんの姿が見えなくなるまで、肩を抱いてくれていた。ありがたい。
山風の皆さんとも挨拶して、パーティーハウスに。
「クゥンクゥンクゥンクゥーン」
「花ちゃんさっき会ったやない」
「花ちゃん」
お腹出して尻尾パタパタしながら歓迎してくれる花。あはははん、かわいかあ。
仔達の歓迎を受けながら、パーティーハウスに入る。
「ねえ、お父さん」
「ん?」
居間のソファーに座って、ルリとクリスを撫でている父が顔を上げる。
「今日来たの、シュタインさんの具合見るためやろ?」
わざわざ、冷蔵庫ダンジョン前で待っていたのは、そうじゃないかと思っていたからだ。
「ばれたね。心配やったけんね。軽度の貧血くらいや、冒険者としても活動可能レベルやな」
「そうね、良かった」
なら、明日それとなく伝えるかね。
なんだか、大したことしてないのに、どっと疲れた1日やったなあ。
キラキラ青い目の魔法、まあ、今までの中でも強烈やったなあ。
あれ? なんかもう一つあったような……………思い出さないってことは、大したことないって事やね、うん。
応援ありがとうございます!
734
お気に入りに追加
6,092
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる