もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
上 下
213 / 851
連載

パニック?③

しおりを挟む
 ぞろぞろと移動する。
 あれから話し合い、今日は20階に挑戦することに。ノワールは今日はお留守番だ。本当は15階の予定だったけど、Bランクパーティーの金の虎がいるしね。今までの冒険者パーティーの中で最高ランクだ。山風もCランクで、マーファでは堅実で有能なパーティーだ。
 改めて山風は男性5人のパーティー。
 リーダーさんは強面ロッシュさん、Bランク直前で剣と盾を使い、発動系の身体強化・武器強化の無属性魔法を使う。サブリーダーの剣士のラーヴさん。こちらも発動系の無属性魔法を使う。先日大ケガをしたのはシュタインさん、発動系・発現系火魔法を使う剣士。見習い槍士マアデン君と弓士ハジェル君。2人のランクはGランク。最近剣術訓練中だそうだ。全員人族。
 金の虎は、ランクはB、今までで最高ランクだ。
 金虎の獣人のファングさん。大型の剣を使う剣士。発動系の無属性魔法を使う。ランクはB。サブリーダーはガリストさん、大柄な強面人族さんで盾士。発動系の土魔法と無属性魔法を使う。こちらもランクB。赤虎の獣人さんのリィマさん。きつい顔立ちの美人で、剣と弓を使う斥候、発動系の無属性魔法を使う。人族の穏やかな女性はフリンダさん。メインはヒーラーだけど、水・光魔法も使うため魔法使いも兼務している。2人ともランクはC。で、キラキラ青い目のアルストリアさんは風魔法剣士、赤虎の獣人だ。歳は16だが、冒険者になってすでに3年。なんでも未成年なら13歳から登録可能、ただし、保護者とCランク以上の冒険者が保証人として必要。保護者はお姉さんのリィマさん、保証人はファングさんだ。発動系の風魔法を使う剣士、ランクはE。
 冷蔵庫ダンジョンに向かい、いつものスキップシステムに。
 警備の人が、さっとドアを開けてくれる。いつもありがとうございます。
「皆さん、はみ出さないでください」
『いいみたいね、流すわよ』
 ルージュが魔法陣に魔力を流し、景色が変わる。
「スキップシステムは初めてですが、便利ですね」
 感心したようにシュタインさんが呟く。
「そうですね。ビアンカとルージュの魔力保有量が多いので、気軽に使えるから最近ありがたみが薄くなって来てますけど」
 ボス部屋近くのセーフティゾーンで、皆さん準備に入る。
 18階以上は上級者向けのため、挑む冒険者の数は一気に減る。皆さん安全策を取り、17階で引き返すそうだ。
 ボス部屋、蛇部屋には誰も並んでない。
 軽くストレッチや武器の確認をしている。後は誰が開けるかだ。話し合い、初回なのでファングさんが開けることに。これだけメンバーいるが、レベル3桁はいない。ビアンカとルージュ曰く、この中で一番レベルが高そうなのはガリストさんらしい。次がファングさん、その次がロッシュさんだと。
『この童がよくわからないのです』
『そうね。まずまず強いようだけど』
 ビアンカの左右に揺れる尻尾を目で追うアルスさん。
 ビアンカとルージュはゴロリして、あくびをかいてる。ここ、ダンジョンなんですけど。
 しばらくして準備完了。
「では、開けるぞ」
 晃太が支援魔法をかける。
 ファングさん、ガリストさん、リィマさんには無属性の物理攻撃力、物理防御力アップ。フリンダさんには水・光魔法アップ。アルスさんには風魔法アップ、物理防御力アップ。ロッシュさん、ラーヴさん、マアデン君、ハジェル君には無属性の物理攻撃力・物理防御力アップ。晃太は無属性のスピードアップ。私はビアンカとルージュがいるのでなし。
「シュタインさん、私の近くが一番安全ですから」
「はい」
 シュタインさんは私の隣で待機。ここが最も安全だ。ビアンカとルージュがいるけんね。
 リィマさんとハジェル君が弓を構え、フリンダさんが杖の先に魔法を宿す。
『ユイ、童の様子がおかしいのです』
「はい?」
『あれ、戦闘モードよ』
 ビアンカとルージュが教えてくれ、アルスさんを見ると、パーカーがふわふわと翻っている。あ、目が、おかしか。青いキラキラ目が、瞳孔が縦に細くなっている。
「ガリストさん、アルスさんの様子が」
 一番近くにいたガリストさんに声をかけると、振り返ったガリストさんがしまった、みたいな顔をする。
「ファングッ、アルスがモードに入ったぞッ」
「何ッ、ち、仕方ない。すまん、あいつの側での戦闘は避けてくれッ」
「はあ?」
 ロッシュさんがよく分からない顔をする。リィマさんが弓を構えていたハジェル君を後ろに下げる。
「え? 何するんすか?」
「いいからっ」
 フリンダさんも魔法を解除する。
 なんやなんや。
「アルスッ、開けるぞッ」
 ファングさんが扉を押し開けた瞬間、アルスさんが身を低くし、走り出す。すごいスピードで。まるで短距離走選手並みのスピードで、扉を押し開けそのまましゃがみ込んだファングさんの肩に足をかけて一気に加速。嘘やん。ファングさん、後ろに派手に尻餅ついたよ。そして蛇部屋よ、蛇部屋。1人で突っ込んで行ったよ。
 素早く体勢を整えたファングさん達が、アルスさんに続いて飛び込み、ロッシュさん達も続く。晃太もデバフのために続く。
『ユイ、あの童、恐らく最後まで保たないわ』
『元気みたいな魔力の使い方なのです』
「ええ? ちょっとフォローに回ってよ」
 私が言うと、お馴染みの光のリンゴが現れて、アルスさんの周りに。
 そのアルスさんは一切の迷いなく、剣を振り回し、蛇をスパスパ斬ってる。すでにドロップ品になっているのもある。身軽に跳躍し、身を翻し、アクロバティックに剣を振り回す。ワイヤーアクション顔負けや。もう、アルスさんの独壇場。晃太も必死にデバフをかけているが間に合っていない。
「何、あいつ………」
 シュタインさんが呟く。
 蛇は次々にアルスさんの剣の錆になり、最後の1匹。
 ぱたり。
 アルスさんがぱたり。
 ……………………ギャーッ。
 目の前蛇やねんッ。最後の一匹がーッ。
 ルージュの光のリンゴが全弾着弾し、怯んだ隙にファングさんとガリストさんがそれぞれの武器を構える。
「ダウンッ」
 ファングさんの剣とガリストさんの斧が、蛇の頭を刎ねる。一撃や。流石Bランク。
「アルスッアルスッ」
 リィマさんが倒れたアルスさんに走りより、身体を抱える。フリンダさんがアルスさんのチェックしている。
『魔力枯渇しているのです』
『そうね。本当に元気みたいな魔力の使い方ね』
「そう、魔力枯渇ならしばらくすれば回復するね」
 私がリィマさんとフリンダさんに声をかける。
「魔力枯渇みたいですね。いつもこんな感じなんですか?」
「いいや、しばらく大人しくて油断してたよ」
 大丈夫な事に安堵したリィマさんの説明によると、ごくたまにあるそうで、いつも突然モードに入り、こうやって途切れるそうだ。敵のど真ん中でぱたり。笑えない。これは呪い持ち独特の戦闘らしく、体力と魔力を意識失うまで使って戦い、途中で魔力と意識が持たずにぱたり。そんな戦い方して、からだに反動ないのかね?
「とにかく休ませましょう。セーフティに。晃太も大丈夫ね」
「ああ、何とかな」
「ルージュ、宝箱の罠チェックお願い。ビアンカ、来て」
『分かったのです』
 ぱたりしたアルスさんは、ガリストさんが横抱きして運ぶ。向こうではファングさんがロッシュさんと話をしている。
「すまない、あいつたまにああなるんだ。こんな事になったが、ドロップ品の半分はあんた達の物だ」
「何もしていないんだが…………」
「そういう契約だ。こちらもアルスの件を言ってなかったしな」
「ああ、そうだな」
 話がまとまる。
 私は晃太を連れて、セーフティゾーンに。ごろんとしたビアンカに寄りかかる。
「アルスさんもこちらに。ビアンカ、柔らかいですから。よか?」
『いいのですよ』
 リィマさんとガリストさんがぴく、としたけどそっとアルスさんをビアンカに寄りかからせる。よく、寝てるわ。うん、なんだか癒されるような寝顔、かわいか。
 は、いけない、変質者や。
 ふー、として落ち着いた私は晃太にお茶を飲ませる。
 程なくして蛇部屋から皆さんが出てきた。
「アルスは?」
 ファングさんがリィマさんに聞く。
「寝てるわ」
「そうか。しかし、油断したな。最近大人しかったからなあ」
「そうね」
 ため息をつく2人。
「皆さん、お疲れ様です。お茶どうぞ」
 私は冷えたストレートティーを出す。
 ルージュは、寝てるアルスさんの顔を覗く。リィマさんが、ひー、みたいな顔をする。
『じき、目を覚ますわ』
「ですって」
「そ、そう…………」
 そんなアルスさんをマアデン君とハジェル君がこそこそ見ている。
「さっきのあれ、何だろうな?」
「分かんないっす」
 ロッシュさんが黙ってろ、とピシャリ。
 それから1時間して、アルスさんが覚醒。ぼーっとしている。
「アルス、分かるかい? 私が分かるかい?」
「…………姉ちゃん」
「そうよ、ほら、飲みな」
 差し出されたストレートティーをごくごく飲み干すアルスさん。
 さあ、どうしようか? となる、アルスさん以外は不完全燃焼だ。
『私達が行くのです』
『そうね、お腹減らしに』
「ちょっと待って。どうします?」
 私、ファングさん、ロッシュさんで相談。
 まだお昼前だ。
 こちらとしては21階の乳製品が欲しい。それから実は薬師ギルドからお願いがあった。蛇の目玉を入れて欲しいと。ずいぶん納品したけど、隣国から依頼が来て不足していると。ダワーさんにはお世話になっているからね。受けないと。
 とりあえず、アルスさん抜きで、残りメンバーが蛇部屋に望み、昼休みを挟んで蛇部屋に、我らビアンカとルージュのちゅどん、どかんタイムだ。それから21階に移動して、牛部屋だ。
しおりを挟む
感想 672

あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜

言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。 しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。 それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。 「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」 破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。 気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。 「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。 「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」 学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス! "悪役令嬢"、ここに爆誕!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。