もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
上 下
138 / 850
連載

軍隊ダンジョン④

しおりを挟む
 復活した33階のボス部屋をちゅどん、どかん。
『ふふ、レベルが500になったわ』
 ルージュがルンルンで出てくる。
「そうね、良かったね」
 なら、今日はドラゴンステーキどんぶりにしますかね。
 ドロップ品を拾う。今回は装甲を持つ猪軍団だったそうで、笹に包まれたお肉が出てきた。後は牙、肝、革だ。
 最後に出てきた宝箱をチェックしてもらい、ワクワクしながら開ける。
 びっしり詰まった竹の水筒。24本。ビールケースかい。買い取りに出そう。
「さ、今日はこれでおしまいよ。今から34階はきつかけんね」
 ルームを開けて、ブラッシングや夕御飯の準備をする。あらかじめ炊いてあるご飯に、軽く湯通ししたもやし、たっぷりドラゴンステーキをのせる。私達も便乗して頂くことに。
「「頂きます」」
『ガブガブッ、やっぱり美味しいのですッ』
『ドラゴン美味しいわッ』
 うん、うまかあ。ぐびぐび、チューハイ進む。
 ドラゴンステーキの夕御飯の後、デザートの銀の槌のケーキを出す。イチゴデコレーションケーキだ。私達は無花果のケーキ。食べながら、残りの日程を決める。
「明後日までやから、35階まで行くかどうかやね」
「そやなあ。ここは広かけん、無理して進んでもたどり着けるかね? 沼地はビアンカの魔法でショートカットできただけやから」
「そやね」
 ケーキを一口。
『パクパク、もっと潜っても大丈夫なのです』
『そうね。ペロリ』
「いやいや、1週間って決めたやん」
『最後まで行きたいのです』
『せっかくレベルが500になったから、もっと行きたいわ』
「ダメダメ、1週間って約束やん。伸びるとお母さんが心配するけんね」
『『ぶーぶー』』
「おやつ、抜きよ」
『仕方ないのです』
『そうね。お母さんが心配するわ』
 本当に現金やね。
 結局、残り日数は33階のボス部屋の前で過ごすことになった。

 晃太が購入した地図に色々手を加えている。
 何でも29階以上の階層の地図は、精巧ではないので、もし正確な情報なら冒険者ギルドが買ってくれると。なので、晃太は自分の収入になるからとせっせと書き込んでいる。
『終わったのです』
「そうね。晃太、悪かけどお茶ば」
「ん」
 晃太にお茶をお願いして、ボス部屋に。
「なんやったね?」
『オーガよ』
 ルージュが教えてくれる。
『人型の魔物よ。オルクより強いわよ』
「へえ~」
 オーガは額に角があり、オルクより強い。ただし、普通は魔の森の奥地に生息していると。
 ドロップ品は武器と魔石だ。
 剣やら柄の長い斧。金属の棍棒。あれだよ、鬼が持つギザギザのついた棍棒だ。お、重い。ルージュが咥えて持って来てくれる。重くないの?
『はい』
「ありがとうルージュ」
 途中から晃太も参加。
 最後に出てきた宝箱はかなり大きい、ルージュにチェックしてもらう。
 晃太が開けると、まずは白い箱が並ぶ。18色の絵具だ。全部で5個。下には金属の塊が並ぶ。鉄、銅、銀。その銀より輝くように綺麗な銀色の塊。晃太のアイテムボックスに入れるとミスリルだと表記される。
 それからも、33階のボス部屋をちゅどん、どかん。復活する間に、ノワールはビアンカかルージュに付き添われて走り回る。あれ、オーガだよね、空高く舞い上がっていますがね。
『ユイ、レベル上げるのですか?』
 散歩でもしましょうと、誘ってくれる。
「人型は、ちょっと勘弁してほしいがな」
 そうは言ったが、次回の軍隊ダンジョンは私達のレベルアップの為だ。そうなれば緑とかの対応しないと、いけなくなる。
 晃太と話し合い、ビアンカとルージュにボス部屋の数匹残してもらうことに。晃太に色々支援をかけてもらう。
 ビアンカとルージュがちゅどん、どかん。
『ユイ、コウタ、どうぞなのです』
『2匹残してるわ』
 どうもー。
 フライパンを握り締めて、ボス部屋に。
 うわあ、ブスブスと煙を上げて、白眼剥いてるー。えぐいぃぃ。晃太の支援で何とか直視できる。
 鬼や、昔話に出てくる鬼や。人型って言われるけど、化け物やん。立ち上がったら、3メートル近くあるんじゃない?
 へっぴり腰でフライパンで、ちょいちょい。
 すると、オーガが消える。

 てってれってー。
【レベル50にアップしました】
【レベル51にアップしました】

 凄い罪悪感。
「晃太、上がった?」
「まあなあ。38になったよ」
 凄い罪悪感。
 黙々とドロップ品を拾う。
 最後に出てきた宝箱。中には革のポーチだ。子供のリュックくらいの大きさだ。
 只のリュックのはずない。
「魔力は?」
『感じるわよ』
 ルージュのお墨付きあり。きっとマジックバッグだね。サイズは父に鑑定してもらおう。
『マジックバッグなのですね。これがあれば便利なのです』
『そうね。わざわざ咥えて来なくてすむわ』
 買い取り方向にしようかな?
 それから期限ギリギリまで、ちゅどん、どかん。
 私のレベルは53、コウタはレベルは43まで上がった。
 凄い、罪悪感。
 こうして、やっと軍隊ダンジョンを出た。
しおりを挟む
感想 669

あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

押し付けられた仕事は致しません。

章槻雅希
ファンタジー
婚約者に自分の仕事を押し付けて遊びまくる王太子。王太子の婚約破棄茶番によって新たな婚約者となった大公令嬢はそれをきっぱり拒否する。『わたくしの仕事ではありませんので、お断りいたします』と。 書きたいことを書いたら、まとまりのない文章になってしまいました。勿体ない精神で投稿します。 『小説家になろう』『Pixiv』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。