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討伐依頼③

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 戦闘しています、ご注意ください。




 栄養補給と休憩をし、作戦会議も済んでオルクの巣へ。
 結局、ノワールも参戦することに。ビアンカとルージュが根負けした。大丈夫だろうか?
 晃太がギリギリまで物理防御力を上げて、ノワールの周りにルージュの光のリンゴが取り囲む。
 私と晃太、仔達はルーム内で待機だ。晃太は支援をかけてダウンしてソファーに沈む。
「気を付けてね」
『分かっているのです』
『大丈夫よ』
 ビアンカとルージュ、ノワールを見送り、私はルームの中から見守ることに。
『ここは私のフィールド』
 ビアンカが集中する。
『私は誇り高き守護者、フォレスト『ガーディアン』ウルフ』
 白い毛並み、足元から模様が這い上がるように浮かび上がる。深い茶色の模様。
『大地よ、我が意思に従い、我に道を捧げよ』
 何の魔法だろう?
『クリエーターモード 大地の構築者(エザフォース)』
 発動と同時にビアンカが一歩前に出ると、オルクの巣のあちこちから土煙が上がる。オルクの巣の出入口付近の地面が、壁の様にせりあがる。巣の奥方面では地面が陥没。
 小細工ってこのことか。
 残っているのは、ルージュが待機しているところのみ。
 凄かあ。
『行くわよノワールッ』
『ブヒヒンッ』
 ルージュが光の貴婦人(リュミライトレディ)で、弾丸の様に飛び込んで行く。ノワールが、光のリンゴを従えて、突撃していく。
 オルクが、撥ねられていく。
 なす術(すべ)なく、オルクが撥ねられていく。
 ルージュが閃光を放つと、スポンジのように、光が貫通。ノワールは飛んできた矢を光のリンゴが弾き返して、強靭な脚が、オルクを踏みつける。えぐーい。まあ、晃太の支援が効いているようで、良かった。
 ルージュとノワールが、左右からオルクの巣をかけ上がる。
『戦闘モード 風乙女(シルフィリア)』
 ビアンカが一呼吸して飛び込んで行く。レベルが上がり、体調が万全の為、2回まで続けて発動できるようになっていた。しかも長く発動できると。
 オルクの悲鳴が上がる。えぐーい。
 なんとか起きた晃太も渋い顔だ。
 軽快に走っているノワール。なんだろう生き生きしてる。
 あら、なんだか、ノワールの走り方がおかしくなった。
 スピードを上げて、駆け抜けている。
 ノワールの後ろの地面が、鋭く、錐のように突き上がる。
 え? 何々?
「姉ちゃん、なんかおかしかよッ」
「そうやけど、どうするね? あ、なんか変なのおるッ」
 明らかに違うオルクがいる。
 かなり大きく、頭に羽飾り、首にごちゃごちゃしたネックレス、手には杖。

 厄介なオルク。

 あれのこと?
「どうしようか?」
 フライパンを抜いてみたが、私が役立つわけない。おろおろしていると、晃太はアイテムボックスから魔力回復ポーションを取り出し、一気飲み。冷蔵庫ダンジョンで、何本か手に入れていた。
「まずうぅ、姉ちゃんっ、ルーム開けてっ」
「わ、分かった」
 従魔の部屋の柵を確認。よし。
 私と晃太はルームを出る。
 晃太は手をノワールに向かって伸ばす。
「アップッ」
 晃太の支援が発動。ノワールのスピードが一気に上がる。
 おお、凄い。だけど、晃太が座り込んだため、ルームに入り、晃太をソファーに座らせる。
 それから窓に張り付く。
 オルクが次々に弾き飛ばされる中で、杖を持つオルクが火を放つ。だが、うちのビアンカに勝てる訳(わけ)ない。ビアンカが目で追うのがやっとのスピードで駆け抜けると、首が後ろに向く。一撃やねん。
 それから、しばらくしてオルクの悲鳴が聞こえなくなる。
 終わりましたか。
 ビアンカとルージュ、ノワールがトコトコ戻って来た。
 わあ、色々付着してるう。
「ケガはない?」
『問題ないのです』
『大丈夫よ』
「ブヒヒンッ」
 私はビアンカとルージュにお茶を出し、ノワールには水。
 気持ちよく飲み出す。
 落ち着いた頃に、晃太が回復して出てきた。
「晃太、大丈夫ね」
「ん」
「あのさ、オルクの死体お願いできん? ビアンカ達ば、シャンプーに連れていくから」
「ん」
 まず、ノワールをチーズクリームに連れていく。
 晃太はビアンカとルージュに守ってもらいながら、オルクを回収。
 ビアンカとルージュも交代で、シャンプー済み。
 うん、つるふわつやあ、ふわふわ、すべすべ。
 ふふふふふ、もふもふーん、すべすべーん。
 耳に残ったオルクの悲鳴が消えていく。
 は、いかん、晃太の所に。
 うう、えぐーい、光景が。
 私は首が後ろを向いた杖を持ったオルクの前に。
「これ、他のオルクと違うね」
「そやな」
『ハイ・オルクシャーマンなのです』
「「へー」」
『珍しいわよ。魔法も使えるし。森に痕跡がないのは、こいつの指示だと思うわ。ノワールを狙ったのは、一番弱いからね』
 成る程。
 他にも大きなオルクが2体。
『ハイ・オルクなのです』
「「へー」」
 ビアンカとルージュがいるし、ドラゴン見たから、もうあんまり驚かない。
「晃太。回収」
「ん」
 残りのオルクは、ビアンカの魔法で埋めた。
「オルクは残ってないかね」
『周囲には、いないのです』
『数匹逃げたようだけど、この数では事は起こさないわ。数年は森の中で大人しくしているはずよ。まあ、無事に生き延びれたらね』
「そうね」
 いいや、もうオルクは。逃げたなら、どうしようもない。
「帰ろうか」
「そやなあ。なあ、姉ちゃん、あの橋さ、落とした方がよくない?」
「あの橋?」
「ん。魔の森の中の橋なんて、明らかに人の為のやなかろう?」
「そやね」
『あれは、オルクが作ったはずなのです』
『そうね。臭いが染み着いていたわ』
「落とそう」
 私達はオルクの巣を後にし、橋を渡り、ビアンカに落としてもらう。
 これで、向こう側から、簡単には渡れない。
 それを見届けて、私はルームを開けた。
 サブ・ドアを開けて、両親と花を誘導。
「ありがとうね、ビアンカ、ルージュ」
 母が綺麗になったビアンカとルージュをもふもふ。
 晩御飯はドラゴンステーキどんぶりとなった。ノワールにはいつもの野菜にイチゴ付き。たらふく食べて、げふう、言ってた。
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