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冷蔵庫ダンジョン③
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ビアンカが扉を押し開け、ルージュが突撃する。
ちゅどどどどどんッ
開けた扉から、炎が噴き出す。
離れていたけど、息がきついくらいの熱気。
「すごかっ」
ビアンカの後ろに隠れているけど、凄い熱気。
『いつもより凄いのです』
「そうなん?」
『そうなのです。いつもの倍くらいの威力なのです』
「流石、神様のブーストやね」
あの赤い髪の小さな右の魔法神様のブーストは効果抜群のようだ。
『終わったようなのです』
「そうね」
あっという間やね。
ルージュがとことこ出てくる。
『終わったわ。やっぱり神様のブーストは違うわね』
「お疲れ様ルージュ。休んどって。なんやったん?」
『蛇よ』
あ、やっぱり。
覗き込むと転がるドロップ品。不思議と熱さは治まっている。
晃太と手分けして拾う。もちろん、軍手を着けて、トングで。お肉は笹に覆われているからまだいいけど、何、このグロテスクな赤い液体の瓶は? 結構な数だけど、数えません。拾い終わると、出てきた宝箱。悩んだけど、開けてみた。ビロードの箱があり。開けて見ると、立派な真珠の指輪とネックレス、髪飾りだ。なかなかお上品なデザイン。
「姉ちゃん、いらんと?」
「よか。換金してビアンカとルージュに何か美味しいもんば食べさせよう」
私は基本的にはアクセサリーはしない。しても、ピアスくらいだ。シンプルなデザインが好き。今は日本でしていたピアスと、神様からもらった木製のブレスレットで十分。
晃太のアイテムボックスに入れて、階段を上がる。
やはり草原だ。まばらに木がある。
流石に上級者向けなのか、出てくる出てくる。
猪に、何故か角を生やしたとんでもなくデカイウサギや、牙むき出しの鹿や、目を吊り上げた牛やらが。
我等のビアンカとルージュに勝てる訳もなく。私と晃太はドロップ品を拾って回る。
「あれはうさこやない、うさこやない」
晃太がぶつぶつ言ってる。
途中で洋梨みたいのがたくさんなっている木を発見。蛇がいないかチェックして回収。パーカーさんや山風の皆さんに持っていこう。それからオレンジもあり回収。本当に冷蔵庫ダンジョンだ。
その日は19階のボス部屋付近でルームを開けた。セーフティーゾーンで、他の冒険者の皆さんと鉢合わせしたくなかったから。
ルームを開けると、5匹の仔達が、わっと集まって来る。お目当てはお乳だ。
従魔の足拭きを選択し、タップ。
「ビアンカ、ルージュ、ご飯の準備するけんゆっくりしとって。晃太、軽くブラッシングば。そうや、今日手に入った、お肉焼こうかね。晃太、先にサーロイン出して」
「ん」
ダイニングキッチンで晃太にサーロインを出してもらい、手を洗って笹をめくる。変な虫が入っていないか心配だったけど、大丈夫だ。
「おお、立派なさしが入っとうやん」
生でも食べれるというビアンカとルージュ。でも、念のため、火を通そう。
私はせっせと切り分ける。10キロ程のサーロインをなんとか切り分けて、ホットプレートの準備をして、焼き始める。うわあ、ふわっと脂が出てくるけど、美味しそう。これは軽くでいいかな?
「旨そうやな」
ブラッシングを終えた晃太がやって来る。
『いい匂いなのですッ』
『お腹すいたわッ』
お乳を終えたビアンカとルージュが、ダイニングキッチンの前で、落ち着きなくお座りしている。元気がまだ、ぶら下がってますよ。
「ちょっと待ってね。ビアンカとルージュの皿に、ご飯盛って、どんぶりにするけん」
「ん」
晃太がアイテムボックスから炊きたてのご飯を出して、ビアンカとルージュ専用の皿に盛る。ご飯に焼き上がったお肉を乗せて、ステーキソースをかけて、おお、いい感じ。サーロイン全部焼いて乗せた、超大盛ステーキどんぶりだ。重い。落としそうや。
「元気ば先に従魔の部屋に入れて」
「ん」
晃太が暴れる元気を抱えて、従魔の部屋に連れていってもらう。
超大盛ステーキどんぶりを、二人で運び、私は後片付け。
『ガブガブッ、美味しいのですっ』
『本当っ、生より断然美味しいわっ』
そう言って頂いたら、作ったかいがあった。
「わいらも、サーロイン?」
「お父さんの鑑定待ちや、多分大丈夫やろうけど、念のためにね。今日は異世界のメニューにしよう」
「そやな」
後片付けしている間に、お風呂を入れてもらう。ビアンカとルージュも満足してくれたみたいで、元気達を走らせる為に中庭に出ていった。
「何にする?」
「そやなあ、あ、わい、これにする」
液晶画面を見て、晃太が即決。
「なら、私もそうするかね」
さくら庵の佐賀牛のステーキどんぶりだ。それから、単品で天婦羅と刺身の盛り合わせを選ぶ。合計4980。
うん、美味しい、ご馳走さま。あ、そうや、デザート食べよう。
「晃太、デザート食べる?」
「そやなあ、抹茶のロールケーキがよか」
「なら、私はそやなあ、抹茶ティラミスにしよう」
デザートは合計1020。
久しぶりにデザートまで食べた。ご馳走さますると、皿がなくなる。めっちゃ便利。
夕御飯後は私は買い物に回り、晃太はお風呂。
明日のご飯をどうしようか悩みつつ、買い物終了。
買い物した品を片付けて、私も中庭に出る。不思議と薄暗くなっていた。この冷蔵庫ダンジョンは時間の経過が、外と変わらないらしく、こうやって夜は暗くなり、朝は明るくなる。
ルリとクリス、ヒスイと大型犬のおもちゃで遊ぶ。あははん、可愛いかあ。途中でじゃれていた元気とコハクが突撃してきて引き倒されたけど、可愛かけん、許そう。ビアンカとルージュが注意してくれたからね。撫で回していると、やっぱりくさか。本格的にシャンプーを考えんといかんかも。あ、予防接種。あ、魔物だからいらんね。とにかく帰ったら、父に鑑定してもらおう。
「にぁあ、にぁあ」
「ん、なんねヒスイ? 抱っこね?」
考えていると、ヒスイが膝に乗ってくる。あはははははん、可愛いかあ。でれれれと私は頬擦りした。あ、やっぱりくさか。
ちゅどどどどどんッ
開けた扉から、炎が噴き出す。
離れていたけど、息がきついくらいの熱気。
「すごかっ」
ビアンカの後ろに隠れているけど、凄い熱気。
『いつもより凄いのです』
「そうなん?」
『そうなのです。いつもの倍くらいの威力なのです』
「流石、神様のブーストやね」
あの赤い髪の小さな右の魔法神様のブーストは効果抜群のようだ。
『終わったようなのです』
「そうね」
あっという間やね。
ルージュがとことこ出てくる。
『終わったわ。やっぱり神様のブーストは違うわね』
「お疲れ様ルージュ。休んどって。なんやったん?」
『蛇よ』
あ、やっぱり。
覗き込むと転がるドロップ品。不思議と熱さは治まっている。
晃太と手分けして拾う。もちろん、軍手を着けて、トングで。お肉は笹に覆われているからまだいいけど、何、このグロテスクな赤い液体の瓶は? 結構な数だけど、数えません。拾い終わると、出てきた宝箱。悩んだけど、開けてみた。ビロードの箱があり。開けて見ると、立派な真珠の指輪とネックレス、髪飾りだ。なかなかお上品なデザイン。
「姉ちゃん、いらんと?」
「よか。換金してビアンカとルージュに何か美味しいもんば食べさせよう」
私は基本的にはアクセサリーはしない。しても、ピアスくらいだ。シンプルなデザインが好き。今は日本でしていたピアスと、神様からもらった木製のブレスレットで十分。
晃太のアイテムボックスに入れて、階段を上がる。
やはり草原だ。まばらに木がある。
流石に上級者向けなのか、出てくる出てくる。
猪に、何故か角を生やしたとんでもなくデカイウサギや、牙むき出しの鹿や、目を吊り上げた牛やらが。
我等のビアンカとルージュに勝てる訳もなく。私と晃太はドロップ品を拾って回る。
「あれはうさこやない、うさこやない」
晃太がぶつぶつ言ってる。
途中で洋梨みたいのがたくさんなっている木を発見。蛇がいないかチェックして回収。パーカーさんや山風の皆さんに持っていこう。それからオレンジもあり回収。本当に冷蔵庫ダンジョンだ。
その日は19階のボス部屋付近でルームを開けた。セーフティーゾーンで、他の冒険者の皆さんと鉢合わせしたくなかったから。
ルームを開けると、5匹の仔達が、わっと集まって来る。お目当てはお乳だ。
従魔の足拭きを選択し、タップ。
「ビアンカ、ルージュ、ご飯の準備するけんゆっくりしとって。晃太、軽くブラッシングば。そうや、今日手に入った、お肉焼こうかね。晃太、先にサーロイン出して」
「ん」
ダイニングキッチンで晃太にサーロインを出してもらい、手を洗って笹をめくる。変な虫が入っていないか心配だったけど、大丈夫だ。
「おお、立派なさしが入っとうやん」
生でも食べれるというビアンカとルージュ。でも、念のため、火を通そう。
私はせっせと切り分ける。10キロ程のサーロインをなんとか切り分けて、ホットプレートの準備をして、焼き始める。うわあ、ふわっと脂が出てくるけど、美味しそう。これは軽くでいいかな?
「旨そうやな」
ブラッシングを終えた晃太がやって来る。
『いい匂いなのですッ』
『お腹すいたわッ』
お乳を終えたビアンカとルージュが、ダイニングキッチンの前で、落ち着きなくお座りしている。元気がまだ、ぶら下がってますよ。
「ちょっと待ってね。ビアンカとルージュの皿に、ご飯盛って、どんぶりにするけん」
「ん」
晃太がアイテムボックスから炊きたてのご飯を出して、ビアンカとルージュ専用の皿に盛る。ご飯に焼き上がったお肉を乗せて、ステーキソースをかけて、おお、いい感じ。サーロイン全部焼いて乗せた、超大盛ステーキどんぶりだ。重い。落としそうや。
「元気ば先に従魔の部屋に入れて」
「ん」
晃太が暴れる元気を抱えて、従魔の部屋に連れていってもらう。
超大盛ステーキどんぶりを、二人で運び、私は後片付け。
『ガブガブッ、美味しいのですっ』
『本当っ、生より断然美味しいわっ』
そう言って頂いたら、作ったかいがあった。
「わいらも、サーロイン?」
「お父さんの鑑定待ちや、多分大丈夫やろうけど、念のためにね。今日は異世界のメニューにしよう」
「そやな」
後片付けしている間に、お風呂を入れてもらう。ビアンカとルージュも満足してくれたみたいで、元気達を走らせる為に中庭に出ていった。
「何にする?」
「そやなあ、あ、わい、これにする」
液晶画面を見て、晃太が即決。
「なら、私もそうするかね」
さくら庵の佐賀牛のステーキどんぶりだ。それから、単品で天婦羅と刺身の盛り合わせを選ぶ。合計4980。
うん、美味しい、ご馳走さま。あ、そうや、デザート食べよう。
「晃太、デザート食べる?」
「そやなあ、抹茶のロールケーキがよか」
「なら、私はそやなあ、抹茶ティラミスにしよう」
デザートは合計1020。
久しぶりにデザートまで食べた。ご馳走さますると、皿がなくなる。めっちゃ便利。
夕御飯後は私は買い物に回り、晃太はお風呂。
明日のご飯をどうしようか悩みつつ、買い物終了。
買い物した品を片付けて、私も中庭に出る。不思議と薄暗くなっていた。この冷蔵庫ダンジョンは時間の経過が、外と変わらないらしく、こうやって夜は暗くなり、朝は明るくなる。
ルリとクリス、ヒスイと大型犬のおもちゃで遊ぶ。あははん、可愛いかあ。途中でじゃれていた元気とコハクが突撃してきて引き倒されたけど、可愛かけん、許そう。ビアンカとルージュが注意してくれたからね。撫で回していると、やっぱりくさか。本格的にシャンプーを考えんといかんかも。あ、予防接種。あ、魔物だからいらんね。とにかく帰ったら、父に鑑定してもらおう。
「にぁあ、にぁあ」
「ん、なんねヒスイ? 抱っこね?」
考えていると、ヒスイが膝に乗ってくる。あはははははん、可愛いかあ。でれれれと私は頬擦りした。あ、やっぱりくさか。
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