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これから⑨
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神様が帰って行った。
まだ、たくさん聞きたいことがあったけど、聞けなかったし、きちんとお礼が言えなかった。
スキル『ルーム』のお礼が。
時間の許す限りなんて言ってたけど、そう簡単には来れないだろうから、神棚に毎日お供えすることになった。
それから、これからの行き先だ。
結局、マーファを目指すことになった。数少ない知り合いのパーカーさんがいる町だ。それに豊かな食糧事情もあった。聞いた時から気になっていたしね。アルブレンから馬車で約20日かかるらしい。
だが、今回は護衛を雇う必要はない。なんせビアンカとルージュがいますからね。
あの緑のゴブリンや可愛くないウルフは、2人に恐れをなして基本的には近づいてこないと。頼もしい。
「さて、ボーナスオプションは、と」
私は液晶画面をタップ。
追加ボーナスオプション
中庭(小)
中庭(中)
廊下
8畳間(エアコン付き)
6畳間(エアコン付き)
ウォーターサーバー
中庭って。
父の鑑定発動。
ルームと同じ別の空間だが、ルームを開けた場所の天候と連動している。つまりルームを開けた場所が雨なら、中庭も雨みたいな感じだ。だけど、馬車で移動するなら必要だ、いくら馬車内を広くしたといえ、多分元気達にはストレスのはずだからね。
「ボーナスオプションは任せるばい。晃太、買い物に行こう」
「ん」
私は晃太とディレックスへ。
「晃太、野菜となめ茸と飲み物と明日のパンよろしく」
「なめ茸のあるとこしらんばい」
「じゃあ、私が行くかね」
手分けしてカートを押して店内へ。
私はまっすぐ魚コーナーへ。
お、立派な鯵と鯛がある。鮭と鱈の切り身もあるし、イカとエビ、小さなホタテもある。イサキもある。鯵と鯛は三枚卸、イサキは内臓出してもらう。蒸し焼きにしたら美味しいもんね。あ、バターは、あっちね。
お肉コーナーでは、運良く焼き肉コーナーあり。味付けのかしわや豚肉をあるだけ入れる。多分、トンカツ用だろうけど、豚のロースやフィレも入れて、牛肉もステーキやサガリ、カルビを入れる。ウインナーも入れて、あ、高そうなウインナー、真空パックの大きなウインナーも入れる。チョリソーみたいだけど、無理なら父がピリ辛ウインナー好きだから大丈夫かな。あ、ハムの塊もある。これも入れてと。
なめ茸も信州産を入れて、バターも入れて。魚を受け取り、レジへ。
晃太がカートいっぱいに品物を入れている。
お会計、65200なり。
うん、今日はお腹一杯食べさせよう。
私と晃太は両手にビニール袋を下げて、ディレックスを出る。
近くにいたルリとクリスが、尻尾を振ってお出迎えしてくれる。
かわいかあ、ルリとクリスは目の色が違うけど、そっくり。しかも動きがシンクロしてるから、とってもかわいかあ。
「お帰り、大丈夫ね?」
母がダイニングキッチンから出てくる。
「ただいま。これだけあれば足りるかね?」
「大丈夫やない」
ビニール袋をダイニングに運ぶ。
「あら、ビアンカ、ルージュ、どうしたん?」
いつもならキッチンに入ってくるのに、ルームとの境目の前にピタッと並んで入ってこない。元気もルリ、クリス、コハク、ヒスイも入ってこない。花は平気な様子で、ダイニングキッチンに入っている。
『入れないのです』
『そうね』
あ、もしかしたら神様が来たからかな。
まあ、いいかな、食事の準備がゆっくりできる。
足の低いテーブルに品物を出す。
「ねえ、お母さん、ボーナスオプションどうするん?」
「それね。中庭の中と八畳間にしたよ。移動の時に、花や元気を遊ばせられるしね」
「分かった」
ある程度品物を処理をして、液晶画面からボーナスオプションをタップする。
まずは中庭(中)をタップ。
ぼわん、と音がして新しいドアが出る。ガラスのはまったドアだ。ビアンカでもゆっくり通り抜けられるドアだ。早速元気達を出して遊ばせる。草原みたいな感じだけど、柵があるから、あそこが境界線かな。うん、問題なし。水呑場もある。中庭側の壁には液晶画面あり。
中庭
残金 83260
スキル パッシブ 換気
アクティブ 清掃
ビアンカとルージュも出てきて、寝そべる。
「ご飯の準備するけん、よか?」
『分かったのです』
『ええ、ふわあ』
ビアンカが尻尾をパタパタ。ルージュはあくびしている。うわあ、すごい牙。
ドアは開けたままにして、私は続けてタップ。八畳間(エアコン付き)をタップ。ぼわん、と新しいドアが出る。
中を確認。フローリングの八畳間だ。
よし、大丈夫だ。
「お母さん、できたよ」
「ありがとう」
「ここはどうするん?」
「寝室たい。なあ、ベッドとか手に入るかね?」
「もへじ生活にあると思うよ」
「後でよかけん、買ってきてん」
「分かった」
花と寝るためやね。なら、花がベッドに上がるために階段が必要だね。
それから総出で焼き肉準備だ。
私はピーラーで大根の皮むきして大まかに切る。それを父がフードプロセッサーで大根おろしにしていく。父はあまり料理をしないので、作業はこれだけ。
母は野菜を切り、晃太はエビの殻むき、魚介類のホイル焼きの準備だ。
大根おろしになめ茸を入れる。まぜて出来上がり。大量にできた。これが我が家の焼き肉必須アイテム、禁断アイテムだ。これがあると、お肉が無限に入るんだよねえ。
ある程度できた。大皿にお肉、ウインナーやホイル焼き、野菜が並ぶ。
魔力回復したし、さて、いざもへじ生活へ。
もへじ生活には店内に希望するベッドがないので、注文する。セミダブルのベッドだ。配達してくれるので、ルームと書いたら大丈夫だった。配達は明後日だ。次にチーズクリームで花の階段を購入した。
そのうち、ラグや家具を母の希望を聞きながら揃えよう。
「優衣、焼き肉始めるよ」
「はーい」
さあ、焼き肉パーティーだ。
まだ、たくさん聞きたいことがあったけど、聞けなかったし、きちんとお礼が言えなかった。
スキル『ルーム』のお礼が。
時間の許す限りなんて言ってたけど、そう簡単には来れないだろうから、神棚に毎日お供えすることになった。
それから、これからの行き先だ。
結局、マーファを目指すことになった。数少ない知り合いのパーカーさんがいる町だ。それに豊かな食糧事情もあった。聞いた時から気になっていたしね。アルブレンから馬車で約20日かかるらしい。
だが、今回は護衛を雇う必要はない。なんせビアンカとルージュがいますからね。
あの緑のゴブリンや可愛くないウルフは、2人に恐れをなして基本的には近づいてこないと。頼もしい。
「さて、ボーナスオプションは、と」
私は液晶画面をタップ。
追加ボーナスオプション
中庭(小)
中庭(中)
廊下
8畳間(エアコン付き)
6畳間(エアコン付き)
ウォーターサーバー
中庭って。
父の鑑定発動。
ルームと同じ別の空間だが、ルームを開けた場所の天候と連動している。つまりルームを開けた場所が雨なら、中庭も雨みたいな感じだ。だけど、馬車で移動するなら必要だ、いくら馬車内を広くしたといえ、多分元気達にはストレスのはずだからね。
「ボーナスオプションは任せるばい。晃太、買い物に行こう」
「ん」
私は晃太とディレックスへ。
「晃太、野菜となめ茸と飲み物と明日のパンよろしく」
「なめ茸のあるとこしらんばい」
「じゃあ、私が行くかね」
手分けしてカートを押して店内へ。
私はまっすぐ魚コーナーへ。
お、立派な鯵と鯛がある。鮭と鱈の切り身もあるし、イカとエビ、小さなホタテもある。イサキもある。鯵と鯛は三枚卸、イサキは内臓出してもらう。蒸し焼きにしたら美味しいもんね。あ、バターは、あっちね。
お肉コーナーでは、運良く焼き肉コーナーあり。味付けのかしわや豚肉をあるだけ入れる。多分、トンカツ用だろうけど、豚のロースやフィレも入れて、牛肉もステーキやサガリ、カルビを入れる。ウインナーも入れて、あ、高そうなウインナー、真空パックの大きなウインナーも入れる。チョリソーみたいだけど、無理なら父がピリ辛ウインナー好きだから大丈夫かな。あ、ハムの塊もある。これも入れてと。
なめ茸も信州産を入れて、バターも入れて。魚を受け取り、レジへ。
晃太がカートいっぱいに品物を入れている。
お会計、65200なり。
うん、今日はお腹一杯食べさせよう。
私と晃太は両手にビニール袋を下げて、ディレックスを出る。
近くにいたルリとクリスが、尻尾を振ってお出迎えしてくれる。
かわいかあ、ルリとクリスは目の色が違うけど、そっくり。しかも動きがシンクロしてるから、とってもかわいかあ。
「お帰り、大丈夫ね?」
母がダイニングキッチンから出てくる。
「ただいま。これだけあれば足りるかね?」
「大丈夫やない」
ビニール袋をダイニングに運ぶ。
「あら、ビアンカ、ルージュ、どうしたん?」
いつもならキッチンに入ってくるのに、ルームとの境目の前にピタッと並んで入ってこない。元気もルリ、クリス、コハク、ヒスイも入ってこない。花は平気な様子で、ダイニングキッチンに入っている。
『入れないのです』
『そうね』
あ、もしかしたら神様が来たからかな。
まあ、いいかな、食事の準備がゆっくりできる。
足の低いテーブルに品物を出す。
「ねえ、お母さん、ボーナスオプションどうするん?」
「それね。中庭の中と八畳間にしたよ。移動の時に、花や元気を遊ばせられるしね」
「分かった」
ある程度品物を処理をして、液晶画面からボーナスオプションをタップする。
まずは中庭(中)をタップ。
ぼわん、と音がして新しいドアが出る。ガラスのはまったドアだ。ビアンカでもゆっくり通り抜けられるドアだ。早速元気達を出して遊ばせる。草原みたいな感じだけど、柵があるから、あそこが境界線かな。うん、問題なし。水呑場もある。中庭側の壁には液晶画面あり。
中庭
残金 83260
スキル パッシブ 換気
アクティブ 清掃
ビアンカとルージュも出てきて、寝そべる。
「ご飯の準備するけん、よか?」
『分かったのです』
『ええ、ふわあ』
ビアンカが尻尾をパタパタ。ルージュはあくびしている。うわあ、すごい牙。
ドアは開けたままにして、私は続けてタップ。八畳間(エアコン付き)をタップ。ぼわん、と新しいドアが出る。
中を確認。フローリングの八畳間だ。
よし、大丈夫だ。
「お母さん、できたよ」
「ありがとう」
「ここはどうするん?」
「寝室たい。なあ、ベッドとか手に入るかね?」
「もへじ生活にあると思うよ」
「後でよかけん、買ってきてん」
「分かった」
花と寝るためやね。なら、花がベッドに上がるために階段が必要だね。
それから総出で焼き肉準備だ。
私はピーラーで大根の皮むきして大まかに切る。それを父がフードプロセッサーで大根おろしにしていく。父はあまり料理をしないので、作業はこれだけ。
母は野菜を切り、晃太はエビの殻むき、魚介類のホイル焼きの準備だ。
大根おろしになめ茸を入れる。まぜて出来上がり。大量にできた。これが我が家の焼き肉必須アイテム、禁断アイテムだ。これがあると、お肉が無限に入るんだよねえ。
ある程度できた。大皿にお肉、ウインナーやホイル焼き、野菜が並ぶ。
魔力回復したし、さて、いざもへじ生活へ。
もへじ生活には店内に希望するベッドがないので、注文する。セミダブルのベッドだ。配達してくれるので、ルームと書いたら大丈夫だった。配達は明後日だ。次にチーズクリームで花の階段を購入した。
そのうち、ラグや家具を母の希望を聞きながら揃えよう。
「優衣、焼き肉始めるよ」
「はーい」
さあ、焼き肉パーティーだ。
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