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これから⑥
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ルージュに魔法のカーテンを発動してもらい、ルームを開ける。
「お腹減ったね、何にする?」
熊がいい額で売れたので、お昼は異世界のメニューにすることで。
私は壁の液晶画面を取る。
ルーム
レベル 20
HP 3755
残金 19193
ルームスキル パッシブ 換気 電気 ガス 上水道 下水道
アクティブ 清掃(ゴミ破棄 トイレ掃除 配管掃除 従魔の足拭き)
異世界への扉 ディレックス
手芸ショップ ぺんたごん
ペットショップ チーズクリーム
ベーカリー 麦美ちゃん
銀の槌
もへじ生活
異世界のメニュー JOY-P
CAFE&sandwich 蒼空
お弁当屋 サンサンサン
和食処 さくら庵
ん? あら? HPが上がっている。一気に3000くらい上がっている。なんで?
ビアンカとルージュが気ままに寝転んでいる。
多分、ビアンカやルージュ達がルームで過ごしたからかな。たった1日で3000、いい、結構いい。私が液晶画面を示すと、父も母も晃太も悪い顔する。
「毎日、ルームに入れようね」
ぐふふ。ポイントポイント。
「まず、入金と」
黒い鯰のがま口が出てくる。金貨を10枚入れる。
さて、お昼どうするかね?
テーブルの上に液晶画面を置く。
花はゲージ、元気達は従魔の部屋。
『これはなんなのですか?』
ビアンカが興味深く聞いてくる。
「これね、ルームのスキルを使うための道具。これはね『異世界のメニュー』っていってね。ここを開いて」
JOY-Pのメニューを開く。
『すごいのです』
『こんな小さい中に食べ物があるわ』
「これは写真、えっとね、描いてあるの。見て分かりやすいように。美味しそうでしょう? これで、何にするか選んでタップ」
JOY-Pの日替わりランチをタップ。本日はハンバーグと白身魚のフライ。
テーブルに出た。
『すごいのですッ』
『ぱくっ』
「あ、なんばしようとねっ」
あっという間にハンバーグと白身魚のフライ、ご飯がなくなる。
『足りないのですッ』
『もっと欲しいわ』
目をキラキラさせながら迫る、鼻息、半端ない。
私はデカイ鼻面を押し返す。
「あのねえ、もう。お父さん、食べても大丈夫ね?」
「大丈夫や」
「もう、しょうがないね。ちょっとよ」
結局、一緒にランチすることに。
私と母はJOY-Pの日替わりランチ。晃太はカツ丼。父はさくら庵の鴨南蛮蕎麦。ビアンカとルージュは日替わりランチをそれぞれ合計5人前とカツ丼2人前食べた。
合計12000超えました。ランチなのに。ランチ安いのに。
まあ、嬉しそうに食べている姿見て、ほっこりするからよかか。
『足りないのです』
『これがもう少し食べたいわ』
「まだ、言うかね」
カツ丼のお皿を咥えて訴える2匹に、私は思わずツッコミをした。
「じゃあ、行ってくるね」
私はバンダナを外した花を抱っこして、扉を開ける。
そう、念願のシャンプーとカットだ。
何かを察知したのか花は私の肩越しに、母を見ている。
でも、残念。
私は異世界への扉、ペットショップ チーズクリームの扉を開けた。
いつも行く、店内。品数は半分以下だね。帰りにおもちゃと花のドックフードを買おう。無人の店内は寂しいが、私はレジに向かう。
「シャンプーとカットお願いします」
レジの値段が表示されるところにOKが浮かぶ。
「低刺激シャンプー、マイクロバブルシャワー、毛の長さは5mm」
いつものメニューを告げると、ぽん、と音がする。
早っ。
「きゃあ、花ちゃん、ツルツルになったねえ」
かわいかあぁぁぁぁぁぁっ。
モコモコボディがきれいにサマーカットされている。首にはイチゴ柄のバンダナ。そう我が家の花は年中サマーカットなのだ。はい、人間の勝手です。でも、こっちが断然かわいかあ。
花はよくわからない様子だが、私のテンション上がった声に興奮して、ペロペロ。特に疲れた様子はない。良かった良かった。
レジに値段が表示されるが、私が買い物しますと言うと、OKが浮かぶ。私は花を片手におもちゃを出来るだけ入れる。大型犬用のおもちゃだ。花用も入れる。ドッグフードも入れてお会計を済ませる。全部で12540なり。おもちゃが結構した。
必要経費や。
「出ます」
景色が変わり、ルームの中に。
「ただいま」
「おかえり、花ちゃん、ツルツルになったねえ」
母に花をバトンタッチ。
「花ちゃんツルツルやねえ」
晃太もでれでれと撫でる。
「さて、みんなおいで、おもちゃ、げふうっ」
しゃがんでビニール袋の中身を出そうとして、元気の強烈なアタックをくらってしまう。
引っくり返る私。まだ、お乳が必要な仔犬に引っくり返された。これが大人になったらどうなるん?
『元気、やめるのです』
ビアンカが前肢で元気を押さえる。
なんとか起き上がるも、他の仔達もわらわら寄ってくる。かわいいのだが、これでペロペロ攻撃されたら窒息やねん。
「まあ、まちい」
私はおもちゃを固定しているビニール紐や画用紙を外して渡すと、一斉に遊び出す。うん、大型犬用にして良かった。縄のおもちゃを振り回して遊び出す。うん、かわいかあ。これでしばらくおもちゃに夢中なはず。花にも、新しいおもちゃだ。花は最近ようやく、ルリやクリス、ヒスイとは仲良くじゃれている事があるが、元気やコハクは苦手なようで、近づくと逃げている。まあ、雄と雌の差かもしれないが。
私はドッグフードを母に渡す。
『ユイ、ユイ』
「何ビアンカ?」
『どうして、毛を短くしたのですか?』
「ああ、サマーカットね。花はね、あの姿が慣れてるから2ヶ月おきくらいに、シャンプーと一緒にしてるの」
『そうなのですか。なんだか、艶々しているのです』
「そうねえ、ビアンカもやってみる?」
『短くするのは嫌なのです』
「シャンプーだけでもできるよ」
『そうなのですか』
ビアンカの毛は母の浄化で、まずまずきれいになってはいるが、やはりあちこち絡まったり、埃が張り付いている。ブラッシングしているが、なんせ体積が半端ないから進まない。一回シャンプーしてもいいかも。
念のため、父の鑑定発動。
「大丈夫や」
「よし、行ってみらん?」
『そうなのですね、行ってみるのです』
私はチーズクリームの扉を開けて、ビアンカと中に。
『不思議の空間なのです。外の気配が全く分からないのです』
ビアンカはキョロキョロ。しれっとワンコのおやつの袋を咥えようとするので、慌てて止める。さすがの巨体、ギリギリ通り抜けてレジカウンターに。
「シャンプーお願いします」
レジにOKが表示される。カウンターの上に用紙が出る。
あ、初回のあれね。
まず名前、水澤ビアンカ。種類、フォレストガーディアンウルフ。歳は。
「ねえビアンカっていくつ?」
『いくつとは?』
「歳たい、生きた年数」
『生きた年数なのですか。288なのです』
「に、288ッ? 結構な歳やね」
魔物の生態分からない。
『失礼なのです。まだ、私は若いのです』
「あ、ごめんごめん。よく分からなくて」
きっと長命な種族なんだね。て、ことはルージュもそんな感じかな。
私は必要事項を記入する。
「ビアンカ、花と同じシャンプーでよか?」
『いいのです』
「じゃあ、低刺激シャンプー、マイクロバブルシャワーで」
ぽん。
……………
『気持ちがいいのです』
す、すごかあああぁぁぁぁぁぁぁぁッ。
白い毛並みが、ふわっふわっとなって、輝いている。うわあ、すごかあ、すごかあ、すごかあ。ふわっふわっのふわっふわっだ。さっきまでの毛並みが記憶の彼方に吹っ飛んでいく。見た目が体積が増えた感じだけど、いやあ、素晴らしい毛並み。
「ビ、ビアンカさん、ちょっともふもふしていい?」
『? いいのですよ』
「ありがとうッ」
もふうっ。
うわあ、ふわっふわっだ、ふわっふわっだあ。あれだ、高級な化粧筆みたいな感じだ。あああぁぁぁぁぁぁ、ずーっともふっていられる。
あ、いかん、私だけが堪能してはいけない。
お会計しよう。
レジに表示されてる。
2050000。花の約40倍ね。それくらいかかると思ってましたよ。小銭入れ一杯に金貨いれてきました。
………………………………………
あら、あら、桁、1、10、100、1000、えーっと。えーっと。
「に、二百万?」
足りないのです。全く足りないのです。頭から血の気が引く。
私はカタカタしながら、レジに向かって言う。
「あの、足りないので、一旦取りに行っていいですか?」
レジは一瞬間を置き、OKを出す。
あざっす。
どうしたのです? と聞くビアンカを押してルームに戻る。
ビアンカの美しくなった毛並みは大好評だが、値段を聞いて父と母と晃太は沈黙。無表情に沈黙。
母から大金貨を受けとると、後ろにいいようのない圧迫感。
「なんね、ルージュ?」
『私もきれいにしたいわ』
「いや、猫よね。水駄目やないと?」
無理でしょ猫だよね。てか、懐がね。
『ずるいわ、ビアンカばっかり』
すりすりと私にすり寄って来る。きれいな赤い目で、ごろにゃんとしてくる。ビアンカより小さいけど、十分巨体なルージュのごろにゃん。
ごろにゃん。
ごろにゃーん。
はい、陥落します、行きます、連れていきます。
ルージュは110万でした。最高級の絨毯みたいだ。
満足そうなルージュ。
『水浴びなんかと比べ物にならないのです』
『ええ、肌がとても気持ちいいわ』
満足していただいて良かったです。
カシャカシャ。カシャカシャ。カシャカシャ。
『次は2か月後なのですね』
『そうね』
私は魔力枯渇寸前まで、ディレックスに通い、胡椒等を買いに走った。
「お腹減ったね、何にする?」
熊がいい額で売れたので、お昼は異世界のメニューにすることで。
私は壁の液晶画面を取る。
ルーム
レベル 20
HP 3755
残金 19193
ルームスキル パッシブ 換気 電気 ガス 上水道 下水道
アクティブ 清掃(ゴミ破棄 トイレ掃除 配管掃除 従魔の足拭き)
異世界への扉 ディレックス
手芸ショップ ぺんたごん
ペットショップ チーズクリーム
ベーカリー 麦美ちゃん
銀の槌
もへじ生活
異世界のメニュー JOY-P
CAFE&sandwich 蒼空
お弁当屋 サンサンサン
和食処 さくら庵
ん? あら? HPが上がっている。一気に3000くらい上がっている。なんで?
ビアンカとルージュが気ままに寝転んでいる。
多分、ビアンカやルージュ達がルームで過ごしたからかな。たった1日で3000、いい、結構いい。私が液晶画面を示すと、父も母も晃太も悪い顔する。
「毎日、ルームに入れようね」
ぐふふ。ポイントポイント。
「まず、入金と」
黒い鯰のがま口が出てくる。金貨を10枚入れる。
さて、お昼どうするかね?
テーブルの上に液晶画面を置く。
花はゲージ、元気達は従魔の部屋。
『これはなんなのですか?』
ビアンカが興味深く聞いてくる。
「これね、ルームのスキルを使うための道具。これはね『異世界のメニュー』っていってね。ここを開いて」
JOY-Pのメニューを開く。
『すごいのです』
『こんな小さい中に食べ物があるわ』
「これは写真、えっとね、描いてあるの。見て分かりやすいように。美味しそうでしょう? これで、何にするか選んでタップ」
JOY-Pの日替わりランチをタップ。本日はハンバーグと白身魚のフライ。
テーブルに出た。
『すごいのですッ』
『ぱくっ』
「あ、なんばしようとねっ」
あっという間にハンバーグと白身魚のフライ、ご飯がなくなる。
『足りないのですッ』
『もっと欲しいわ』
目をキラキラさせながら迫る、鼻息、半端ない。
私はデカイ鼻面を押し返す。
「あのねえ、もう。お父さん、食べても大丈夫ね?」
「大丈夫や」
「もう、しょうがないね。ちょっとよ」
結局、一緒にランチすることに。
私と母はJOY-Pの日替わりランチ。晃太はカツ丼。父はさくら庵の鴨南蛮蕎麦。ビアンカとルージュは日替わりランチをそれぞれ合計5人前とカツ丼2人前食べた。
合計12000超えました。ランチなのに。ランチ安いのに。
まあ、嬉しそうに食べている姿見て、ほっこりするからよかか。
『足りないのです』
『これがもう少し食べたいわ』
「まだ、言うかね」
カツ丼のお皿を咥えて訴える2匹に、私は思わずツッコミをした。
「じゃあ、行ってくるね」
私はバンダナを外した花を抱っこして、扉を開ける。
そう、念願のシャンプーとカットだ。
何かを察知したのか花は私の肩越しに、母を見ている。
でも、残念。
私は異世界への扉、ペットショップ チーズクリームの扉を開けた。
いつも行く、店内。品数は半分以下だね。帰りにおもちゃと花のドックフードを買おう。無人の店内は寂しいが、私はレジに向かう。
「シャンプーとカットお願いします」
レジの値段が表示されるところにOKが浮かぶ。
「低刺激シャンプー、マイクロバブルシャワー、毛の長さは5mm」
いつものメニューを告げると、ぽん、と音がする。
早っ。
「きゃあ、花ちゃん、ツルツルになったねえ」
かわいかあぁぁぁぁぁぁっ。
モコモコボディがきれいにサマーカットされている。首にはイチゴ柄のバンダナ。そう我が家の花は年中サマーカットなのだ。はい、人間の勝手です。でも、こっちが断然かわいかあ。
花はよくわからない様子だが、私のテンション上がった声に興奮して、ペロペロ。特に疲れた様子はない。良かった良かった。
レジに値段が表示されるが、私が買い物しますと言うと、OKが浮かぶ。私は花を片手におもちゃを出来るだけ入れる。大型犬用のおもちゃだ。花用も入れる。ドッグフードも入れてお会計を済ませる。全部で12540なり。おもちゃが結構した。
必要経費や。
「出ます」
景色が変わり、ルームの中に。
「ただいま」
「おかえり、花ちゃん、ツルツルになったねえ」
母に花をバトンタッチ。
「花ちゃんツルツルやねえ」
晃太もでれでれと撫でる。
「さて、みんなおいで、おもちゃ、げふうっ」
しゃがんでビニール袋の中身を出そうとして、元気の強烈なアタックをくらってしまう。
引っくり返る私。まだ、お乳が必要な仔犬に引っくり返された。これが大人になったらどうなるん?
『元気、やめるのです』
ビアンカが前肢で元気を押さえる。
なんとか起き上がるも、他の仔達もわらわら寄ってくる。かわいいのだが、これでペロペロ攻撃されたら窒息やねん。
「まあ、まちい」
私はおもちゃを固定しているビニール紐や画用紙を外して渡すと、一斉に遊び出す。うん、大型犬用にして良かった。縄のおもちゃを振り回して遊び出す。うん、かわいかあ。これでしばらくおもちゃに夢中なはず。花にも、新しいおもちゃだ。花は最近ようやく、ルリやクリス、ヒスイとは仲良くじゃれている事があるが、元気やコハクは苦手なようで、近づくと逃げている。まあ、雄と雌の差かもしれないが。
私はドッグフードを母に渡す。
『ユイ、ユイ』
「何ビアンカ?」
『どうして、毛を短くしたのですか?』
「ああ、サマーカットね。花はね、あの姿が慣れてるから2ヶ月おきくらいに、シャンプーと一緒にしてるの」
『そうなのですか。なんだか、艶々しているのです』
「そうねえ、ビアンカもやってみる?」
『短くするのは嫌なのです』
「シャンプーだけでもできるよ」
『そうなのですか』
ビアンカの毛は母の浄化で、まずまずきれいになってはいるが、やはりあちこち絡まったり、埃が張り付いている。ブラッシングしているが、なんせ体積が半端ないから進まない。一回シャンプーしてもいいかも。
念のため、父の鑑定発動。
「大丈夫や」
「よし、行ってみらん?」
『そうなのですね、行ってみるのです』
私はチーズクリームの扉を開けて、ビアンカと中に。
『不思議の空間なのです。外の気配が全く分からないのです』
ビアンカはキョロキョロ。しれっとワンコのおやつの袋を咥えようとするので、慌てて止める。さすがの巨体、ギリギリ通り抜けてレジカウンターに。
「シャンプーお願いします」
レジにOKが表示される。カウンターの上に用紙が出る。
あ、初回のあれね。
まず名前、水澤ビアンカ。種類、フォレストガーディアンウルフ。歳は。
「ねえビアンカっていくつ?」
『いくつとは?』
「歳たい、生きた年数」
『生きた年数なのですか。288なのです』
「に、288ッ? 結構な歳やね」
魔物の生態分からない。
『失礼なのです。まだ、私は若いのです』
「あ、ごめんごめん。よく分からなくて」
きっと長命な種族なんだね。て、ことはルージュもそんな感じかな。
私は必要事項を記入する。
「ビアンカ、花と同じシャンプーでよか?」
『いいのです』
「じゃあ、低刺激シャンプー、マイクロバブルシャワーで」
ぽん。
……………
『気持ちがいいのです』
す、すごかあああぁぁぁぁぁぁぁぁッ。
白い毛並みが、ふわっふわっとなって、輝いている。うわあ、すごかあ、すごかあ、すごかあ。ふわっふわっのふわっふわっだ。さっきまでの毛並みが記憶の彼方に吹っ飛んでいく。見た目が体積が増えた感じだけど、いやあ、素晴らしい毛並み。
「ビ、ビアンカさん、ちょっともふもふしていい?」
『? いいのですよ』
「ありがとうッ」
もふうっ。
うわあ、ふわっふわっだ、ふわっふわっだあ。あれだ、高級な化粧筆みたいな感じだ。あああぁぁぁぁぁぁ、ずーっともふっていられる。
あ、いかん、私だけが堪能してはいけない。
お会計しよう。
レジに表示されてる。
2050000。花の約40倍ね。それくらいかかると思ってましたよ。小銭入れ一杯に金貨いれてきました。
………………………………………
あら、あら、桁、1、10、100、1000、えーっと。えーっと。
「に、二百万?」
足りないのです。全く足りないのです。頭から血の気が引く。
私はカタカタしながら、レジに向かって言う。
「あの、足りないので、一旦取りに行っていいですか?」
レジは一瞬間を置き、OKを出す。
あざっす。
どうしたのです? と聞くビアンカを押してルームに戻る。
ビアンカの美しくなった毛並みは大好評だが、値段を聞いて父と母と晃太は沈黙。無表情に沈黙。
母から大金貨を受けとると、後ろにいいようのない圧迫感。
「なんね、ルージュ?」
『私もきれいにしたいわ』
「いや、猫よね。水駄目やないと?」
無理でしょ猫だよね。てか、懐がね。
『ずるいわ、ビアンカばっかり』
すりすりと私にすり寄って来る。きれいな赤い目で、ごろにゃんとしてくる。ビアンカより小さいけど、十分巨体なルージュのごろにゃん。
ごろにゃん。
ごろにゃーん。
はい、陥落します、行きます、連れていきます。
ルージュは110万でした。最高級の絨毯みたいだ。
満足そうなルージュ。
『水浴びなんかと比べ物にならないのです』
『ええ、肌がとても気持ちいいわ』
満足していただいて良かったです。
カシャカシャ。カシャカシャ。カシャカシャ。
『次は2か月後なのですね』
『そうね』
私は魔力枯渇寸前まで、ディレックスに通い、胡椒等を買いに走った。
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