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23 魂離る
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褒美を貰った職人達はとても嬉しそうにしていた。
「…長い間会えていなかった家族にも、これでやっと美味しい物が食べさせられる…」
職人の口から溢れ出た言葉にみんなが暖かい視線を送る。
貴人の方もちゃっかり蓬莱の玉の枝を手に入れて、表情は変わらないが心なしが嬉しそうに見えた。
「……」
爺さんはすっかりシュンとして静かになってしまった。
あの冒険譚が嘘だった事がそんなにショックだったのだろうか…。
すると、爺さんを心配する俺を見かねた婆さんがコッソリと教えてくれた。
「…お爺さんはあんな話を信じてしまった事が恥ずかしいのですよ」
…どうも、車持皇子の作り話を本気にして感心していたのが恥ずかしいらしい。
「…そういえば、車持皇子…殿は?」
俺の疑問には婆さんが苦笑いで答えてくれた。
「…気まずかったのか、すぐに帰っていきましたよ」
言い訳も挨拶もなしか…まぁ、しょうがないか。
言い訳しようにも材料を買った相手も作った職人も揃っているんだもんな…。
せめて褒美をきちんと与えていればまた違った形になっていただろうに…。
職人達に改めてお礼を伝え、蓬莱の玉の枝を鑑賞したり車持皇子の冒険譚について語り合ったりと少しの間楽しい時間を過ごした。
「…ご側室ではなかったのに、このような褒美まで頂いて…」
職人達にお礼ついでに今回の事を説明したところひどく恐縮されたが、悪いのは全て車持皇子だ。
「気になさらないで下さい」
「…なんと、見た目だけでなく心までお美しい…」
俺の言葉に感動する職人達。
ちょっと大袈裟じゃないか…?
「そうなのじゃ。とても美しくて優しい子なのじゃ」
爺さんはすっかり元気を取り戻したようで職人達の言葉に相槌を打っている。
「…では、私供はそろそろ失礼致します」
日も暮れ、職人達も貴人の方も帰っていった。
爺さん婆さんも疲れたのか早めに部屋へと戻ったので俺も部屋へと戻る。
「あの職人達大丈夫かな?」
『…なにがですか?』
俺は部屋に着くとふと心配になった。
「あんな金目の物をこんな暗い時間に持ち運んでたら狙われたりしないのかな…?」
こんな電灯もない暗い帰り道なんて危なくないか?
『下界はそんなに危険な所なのですか?』
不安そうなお姫様の声に思わず考える。
「…いや、そんな事ない…ことも…ないような…?」
しまった。
ここの危険性とかよく知らない…
『…どっちなのですか…』
既に聞き慣れた、呆れたようなお姫様の声が聞こえた。
『…そんなに心配ならば、見にいけば良いのでは…?』
確かに。
影の移動なら早いし。
「そうだな。まぁ、大丈夫だとは思うけど念の為見てくるか…」
…。
襲われてた…
心配は的中し、職人達はまさに暴漢に襲われ褒美を奪われた所だった。
「ちょ、お姫様、やばい。襲われてる」
俺は影の中で焦りながらお姫様に声をかける
『…っ。
…職人達、…職人達は無事なのですか…?』
お姫様の少し震えた声に何故か頭の中がスッと冷える。
「…確認しよう」
既に地面に伏している職人達に影から近寄り脈と呼吸を順番に確認する。
抵抗したようで服は乱れ殴打されたような打撲傷はあるが、出血が特別酷い者やおかしな呼吸の者はいないようだ。
顔には殴られた跡があるが、頭から血を流してる者もいない。
恐怖と痛みで朦朧としているが見た感じ命に別状はなさそうだった。
「…とりあえずは皆生きてる」
『…そう…ですか。…良かった』
お姫様の安心したようなホッとした声が聞こえて俺も少しだけ肩の力が抜けた。
暴漢達は褒美の品を職人達から奪ってちょうど立ち去ったばかりだ。
「…追いかけよう」
追いかけて何が出来るかわからないが、このまま奪われるだけなのは我慢出来ない。
怪我をした職人の人たちを暫く放置する形になって申し訳ないが出来れば職人達の褒美を取り返すか、もし出来なくても奴らの住処だけは確認しておきたい。
急いで後を追うと影の移動ですぐに追いつく事が出来た。
少し離れた場所に10人程の人が集まっている。
アイツらだな…。
-「お前たち、よくやったな」-
男達の中心から聞こえて来た声に聞き覚えがある。
「あいつ…」
『あの者…』
…車持皇子だ。
-「…恥をかかせやがって…
本当なら私が自ら制裁を与えたかったが…」-
聞こえて来た内容に思わず頭に血が昇る。
-「当然の報いだ」-
…コイツ。
「…お姫様、ちょっとゴメン」
俺は一言そう言うと、念の為着ていた婆さんの着物を一枚脱ぎ捨て市女笠を外し髪を乱す。
『なっ…なにをっ…』
これで、白地の着物に髪の乱れた美しい女の出来上がり。
そして影で素早く移動する。
-「うわっ…なんだ!」-
-「…っ!おいっ!」-
男達の驚きの声が上がった。
俺は影の移動で奴らの足元に移動すると手で影へと引っ張り込む。
身体を半分程影へ落とすとそこに置き去りにして次の奴を引っ張り込む。
影に引っ張り込んで手を離すとその場に固定されたようになるのだ。
『…貴方、いつの間にそんな事を出来るように…』
お姫様の呆れたような声が聞こえた。
いや、なんとなくやってみたら出来たのだ。
-「なんだこれっ!」-
-「ひっ、て、手が…」-
-「なっ…!」-
-「うわぁ!」-
俺は次々と男達を固定し、動けないようにする。
男達は未知の現象に反撃など思いも付かないようで驚き逃げようと必死だ。
急いで逃げ出した者も影の移動で一瞬で追いつき足を引きずり込む。
-「お、お前たち、いったい…何が…?」-
車持皇子は何が起きているのかよくわかっていないらしい。
手下供を順番に影へと半身落とし、動けなくする。
-「…ひぃっ!」-
俺は奴の前で影から手と頭だけ出し引きずり込む様子を見せつける。
首だけになって気を失った男を固定し、ゆっくりと車持皇子へと頭を向け這いずって近づく。
そう、かの有名なホラー映画のようにズルズルと這いずってゆっくりと近づく。
-「う…わぁっ!」-
逃げようとするが、どうも腰が抜けて立てないようだ。
-「ヒィ…」-
一度目の前でゆっくり影の中に入り消えたように見せかけて…
ドキドキはらはらともしかしたら助かったのかもしれないという淡い期待をした所で…
「うわぁァァッッッ…」
…後ろから急に現れワシっと頭を掴んでみた。
お化け屋敷のドキドキ感をイメージして驚かせたところ予想以上に効果があったらしく…車持皇子は失禁して気絶していた。
…。
そう、気絶してしまった…。
出来ればもう少し恐怖を味わって貰いたかったのに…。
『情けない上に根性もないのですね』
お姫様も少し不服そうだ。
…しょうがないので一度影の中へと車持皇子を片付けてみた。
それを見ていた他の者には車持皇子が影へと飲み込まれてしまったようにでも見えたのだろう。
今までよりも更に逃げようと必死になっている。
…まぁ、こんなもんか。
俺は奪われた褒美を回収すると散々恐怖を煽りつつ順番に解放してやった。
そして、いち早く気絶してしまった車持皇子は都の通りの真ん中にソッとそのまま置いてきたので明日になれば誰か発見してくれるだろう。
翌日、車持皇子は無事発見されたようだが、その時の姿と職人達によって真実が知れ渡り大変な事となったようだ。
元々冒険に出て無事に帰ってきたという英雄的な噂が流れていた為余計に、実は全て演技だったとしてあっという間世間に広がってしまった。
数日後、ひどく何かに怯える様子と世間での評判も酷い事に耐えきれず車持皇子は何処かへと姿を消してしまったらしい。
「…長い間会えていなかった家族にも、これでやっと美味しい物が食べさせられる…」
職人の口から溢れ出た言葉にみんなが暖かい視線を送る。
貴人の方もちゃっかり蓬莱の玉の枝を手に入れて、表情は変わらないが心なしが嬉しそうに見えた。
「……」
爺さんはすっかりシュンとして静かになってしまった。
あの冒険譚が嘘だった事がそんなにショックだったのだろうか…。
すると、爺さんを心配する俺を見かねた婆さんがコッソリと教えてくれた。
「…お爺さんはあんな話を信じてしまった事が恥ずかしいのですよ」
…どうも、車持皇子の作り話を本気にして感心していたのが恥ずかしいらしい。
「…そういえば、車持皇子…殿は?」
俺の疑問には婆さんが苦笑いで答えてくれた。
「…気まずかったのか、すぐに帰っていきましたよ」
言い訳も挨拶もなしか…まぁ、しょうがないか。
言い訳しようにも材料を買った相手も作った職人も揃っているんだもんな…。
せめて褒美をきちんと与えていればまた違った形になっていただろうに…。
職人達に改めてお礼を伝え、蓬莱の玉の枝を鑑賞したり車持皇子の冒険譚について語り合ったりと少しの間楽しい時間を過ごした。
「…ご側室ではなかったのに、このような褒美まで頂いて…」
職人達にお礼ついでに今回の事を説明したところひどく恐縮されたが、悪いのは全て車持皇子だ。
「気になさらないで下さい」
「…なんと、見た目だけでなく心までお美しい…」
俺の言葉に感動する職人達。
ちょっと大袈裟じゃないか…?
「そうなのじゃ。とても美しくて優しい子なのじゃ」
爺さんはすっかり元気を取り戻したようで職人達の言葉に相槌を打っている。
「…では、私供はそろそろ失礼致します」
日も暮れ、職人達も貴人の方も帰っていった。
爺さん婆さんも疲れたのか早めに部屋へと戻ったので俺も部屋へと戻る。
「あの職人達大丈夫かな?」
『…なにがですか?』
俺は部屋に着くとふと心配になった。
「あんな金目の物をこんな暗い時間に持ち運んでたら狙われたりしないのかな…?」
こんな電灯もない暗い帰り道なんて危なくないか?
『下界はそんなに危険な所なのですか?』
不安そうなお姫様の声に思わず考える。
「…いや、そんな事ない…ことも…ないような…?」
しまった。
ここの危険性とかよく知らない…
『…どっちなのですか…』
既に聞き慣れた、呆れたようなお姫様の声が聞こえた。
『…そんなに心配ならば、見にいけば良いのでは…?』
確かに。
影の移動なら早いし。
「そうだな。まぁ、大丈夫だとは思うけど念の為見てくるか…」
…。
襲われてた…
心配は的中し、職人達はまさに暴漢に襲われ褒美を奪われた所だった。
「ちょ、お姫様、やばい。襲われてる」
俺は影の中で焦りながらお姫様に声をかける
『…っ。
…職人達、…職人達は無事なのですか…?』
お姫様の少し震えた声に何故か頭の中がスッと冷える。
「…確認しよう」
既に地面に伏している職人達に影から近寄り脈と呼吸を順番に確認する。
抵抗したようで服は乱れ殴打されたような打撲傷はあるが、出血が特別酷い者やおかしな呼吸の者はいないようだ。
顔には殴られた跡があるが、頭から血を流してる者もいない。
恐怖と痛みで朦朧としているが見た感じ命に別状はなさそうだった。
「…とりあえずは皆生きてる」
『…そう…ですか。…良かった』
お姫様の安心したようなホッとした声が聞こえて俺も少しだけ肩の力が抜けた。
暴漢達は褒美の品を職人達から奪ってちょうど立ち去ったばかりだ。
「…追いかけよう」
追いかけて何が出来るかわからないが、このまま奪われるだけなのは我慢出来ない。
怪我をした職人の人たちを暫く放置する形になって申し訳ないが出来れば職人達の褒美を取り返すか、もし出来なくても奴らの住処だけは確認しておきたい。
急いで後を追うと影の移動ですぐに追いつく事が出来た。
少し離れた場所に10人程の人が集まっている。
アイツらだな…。
-「お前たち、よくやったな」-
男達の中心から聞こえて来た声に聞き覚えがある。
「あいつ…」
『あの者…』
…車持皇子だ。
-「…恥をかかせやがって…
本当なら私が自ら制裁を与えたかったが…」-
聞こえて来た内容に思わず頭に血が昇る。
-「当然の報いだ」-
…コイツ。
「…お姫様、ちょっとゴメン」
俺は一言そう言うと、念の為着ていた婆さんの着物を一枚脱ぎ捨て市女笠を外し髪を乱す。
『なっ…なにをっ…』
これで、白地の着物に髪の乱れた美しい女の出来上がり。
そして影で素早く移動する。
-「うわっ…なんだ!」-
-「…っ!おいっ!」-
男達の驚きの声が上がった。
俺は影の移動で奴らの足元に移動すると手で影へと引っ張り込む。
身体を半分程影へ落とすとそこに置き去りにして次の奴を引っ張り込む。
影に引っ張り込んで手を離すとその場に固定されたようになるのだ。
『…貴方、いつの間にそんな事を出来るように…』
お姫様の呆れたような声が聞こえた。
いや、なんとなくやってみたら出来たのだ。
-「なんだこれっ!」-
-「ひっ、て、手が…」-
-「なっ…!」-
-「うわぁ!」-
俺は次々と男達を固定し、動けないようにする。
男達は未知の現象に反撃など思いも付かないようで驚き逃げようと必死だ。
急いで逃げ出した者も影の移動で一瞬で追いつき足を引きずり込む。
-「お、お前たち、いったい…何が…?」-
車持皇子は何が起きているのかよくわかっていないらしい。
手下供を順番に影へと半身落とし、動けなくする。
-「…ひぃっ!」-
俺は奴の前で影から手と頭だけ出し引きずり込む様子を見せつける。
首だけになって気を失った男を固定し、ゆっくりと車持皇子へと頭を向け這いずって近づく。
そう、かの有名なホラー映画のようにズルズルと這いずってゆっくりと近づく。
-「う…わぁっ!」-
逃げようとするが、どうも腰が抜けて立てないようだ。
-「ヒィ…」-
一度目の前でゆっくり影の中に入り消えたように見せかけて…
ドキドキはらはらともしかしたら助かったのかもしれないという淡い期待をした所で…
「うわぁァァッッッ…」
…後ろから急に現れワシっと頭を掴んでみた。
お化け屋敷のドキドキ感をイメージして驚かせたところ予想以上に効果があったらしく…車持皇子は失禁して気絶していた。
…。
そう、気絶してしまった…。
出来ればもう少し恐怖を味わって貰いたかったのに…。
『情けない上に根性もないのですね』
お姫様も少し不服そうだ。
…しょうがないので一度影の中へと車持皇子を片付けてみた。
それを見ていた他の者には車持皇子が影へと飲み込まれてしまったようにでも見えたのだろう。
今までよりも更に逃げようと必死になっている。
…まぁ、こんなもんか。
俺は奪われた褒美を回収すると散々恐怖を煽りつつ順番に解放してやった。
そして、いち早く気絶してしまった車持皇子は都の通りの真ん中にソッとそのまま置いてきたので明日になれば誰か発見してくれるだろう。
翌日、車持皇子は無事発見されたようだが、その時の姿と職人達によって真実が知れ渡り大変な事となったようだ。
元々冒険に出て無事に帰ってきたという英雄的な噂が流れていた為余計に、実は全て演技だったとしてあっという間世間に広がってしまった。
数日後、ひどく何かに怯える様子と世間での評判も酷い事に耐えきれず車持皇子は何処かへと姿を消してしまったらしい。
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