放課後高速騎兵隊クラブ

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五. 奇妙キテレツ支離滅裂国家の選んだ道

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 とにかく、沖田という男の動きは早かった。というより、それまでの政権の動きがあまりにも遅すぎたのかもしれなかった。政治には、ある意味議論よりも時間軸の方が大切な局面がある。しかし、それは60才以上の政治家には関係ない話だ。なぜなら20年後30年後に、自分は存在しないのだから、その間多少の不都合があっても、もっと議論が必要だとか言って時間稼ぎをしていれば、どうにでも墓場へ逃げ込むことができるからである。
 でも、それが続きすぎたため比較論として老人優遇・若者負担が増大する社会構造を念頭においた「将来性」より「現状(既得権益)保守」重視のバランス的志向社会を政治とマスコミがグルになって作り上げていってくれた。国力が下がっていくのは自明のことであった。
 沖田は、記者会見が終わった後、まず全閣僚と党本部に対して、1週間以内に2020年CO2・25%削減の対策素案を提出するよう呼びかけた。
「条件としては、日本人的モラルで許されるのなら憲法や法を逸脱してもよい。法律がこうだから、できないという不毛な議論はやめよう。日本人的モラルが守られるのであれば、私が責任を持って法律は変えてみせるから」と言い切った。
 それから、わずか1週間後の2016年4月16日、日本が、いや世界を揺るがす会議の第一幕が開かれた。
 そもそも、日本国内でのCO2排出の構図は、大雑把な言い方をすると化石燃料エネルギー20%、交通排出量20%、産業排出量20%、家庭排出量20%、その他20%となっている。すでに産業排出量や交通排出量の削減は、かなりの努力が積み重ねられており、これ以上目に見える削減は期待できない。家庭でのCO2削減は、あまりにも家庭による状況差が大きすぎて、これを法令などで規制をかけようとすれば、それこそ老人政治の繰り返しになってしまう。
 まず、沖田が口火を切った。
 「経済産業大臣、意見をお願いします」
 「経産省は、これまでも努力を続け産業部門では5%の削減を図ってきました。産業界でこれ以上は1~2%なら削減できるかもしれないという程度です。エネルギーは、総理もご存知のように2011年の原発事故以来、再生可能エネルギーもがんばっていますがその貢献度は微々たるものです。やはり、火力発電に大幅に頼らざるを得なくなり、CO2削減の足をひっぱる結果となっています。結果的に、経産省的な見方をすれば全体で5%増となっています」
 「次、総務大臣お願いします」
 「総務省は、いかに家庭でのCO2削減を図るかにつきるのですが、こればかりは家庭生活の不公平感ということを客観視することは、不可能です。やはり、産業界に対する省エネ製品の期待と、省エネ製品の優遇措置くらいで、1~2%くらいしか期待できません」
「ちょっと待ってください。まさかそのあたりの削減数値は、経産省の削減量とかぶっているんじゃないでしょうね」
「大丈夫だと思いますが、そのあたり精査します」
「次、国土交通省お願いします」
「国土交通省では、やはり自動車の排ガスが中心的問題になります。ハイブリッド車や電気自動車などの省エネ車もかなり普及しましたが、これも既得権益というより、従来車の仕様で動く車に関係して生活している人々が多すぎて急激な転換は期待できません。がんばっても、後1%か、2%か、3%かその程度です」
「次、防衛省お願いします。オブザーバー的意見でも結構ですから」
「はい。やはり、軍備に省エネという概念はありません。人件費を、削ることは絶対できません。強いて言うなら、少ないエネルギーでどこまで武器の能力を発揮できるかなのですが、これは世界的競争の中での話なので、節約した分のエネルギーをどこまでも有効活用していくことを考えなければなりません。皆さんも認識されているように、武器というのは、ほんの少しでも劣ったものはただのオモチャと言っても、過言ではありません。逆に、オモチャと知らずに本物の武器と戦うことの悲劇を第二次世界大戦で日本は味わっているはずです。しかし、自衛隊員は2011年の東日本大震災でも頑張ってもらいましたが、この国難に対して協力できることは何でもやります。もちろん、最低限、国境警備や他国の攻撃防御などは怠らない範囲ではありますが」
「次、文部科学省お願いします」
「すでに、他の省庁でお話がありましたように、次世代エネルギーという意味では、残念ながら5%くらしか削減できません。しかも、文部科学省の資産は完全重複計上です」
「次、環境省お願いします」
「環境省は、この問題の解決を図る中心的存在でなくてはならないと認識しています。しかし、各省庁共、我々の指針や方策にしたがって、ここまでがんばってやってきて今の結果があるのです。まさか2011年の原発事故に遭遇した日本を、世界がここまで追い込んでくるとは想像すらできませんでした。日本は、着実にCO2削減策を推し進めています。
結果的に、あと20%の削減を図らねばならないのですが。あっ、各省庁を非難するつもりは毛頭ございませんが、重複削減計上や不慮のできごとを想定すると希望的観測の削減計画だけでは目標は達成できません。最低でもあと20%削減が必要です。ですので、なんとか期間延長を受け入れてもらうしかないと考えています」
沖田の表情は、苦みばしっていた。
「それが通用すればなぁー。海に沈む国があると行っているのに、それこそ日本的モラルでそれは、許されないとは思いませんか。仮に、金出して、海に沈む島を一個一個助けてどうなると思いますか。日本だけの責任でないのに。世界は、日本は素晴らしい国だと褒め称えながら、心の中ではこのお人好しのバカ国家と思って、何の協力もせず日本の衰退をほくそ笑むのがオチですよ。
それじゃあ、めぼしい策は全然じゃないですか。もちろん、あなたたちは政治家だから優秀な官僚から意見をかき集めてこられたとは思うのですが。何か突拍子もないようなことを考え出すような官僚はいなかったんでしょうか」

万策つきた子供の学級委員会よろしく、10秒ほど、沈黙が続いた。

「あのー」
「何ですか、あなたは、農水大臣。さっきから、皆真剣に考えているのに、うとうとしてアクビしてるだけじゃないですか。やる気がないんなら出ていってください」
 閣僚の一人が声を荒らげた。
「いや、その、私もその国難を乗り切るための策とやらを考えてきたのです。是非意見を聞いてください」
「なんだ、それならそうと早く言ってくださいよ」
「この国難は、絶対、縦割り省庁方式的な考え方では乗り切れません。それと、数値目標をかかげているからには、最もCO2排出量数値の高い方から順に考えて、それらが同時にうまく機能し、かつCO2削減できる方法を考える必要があります。具体的に言うと、化石燃料エネルギーと自動車社会をどうにかしないと根本的な解決は図れません。あと、我々にとってのアドバンテージは、2020年のたった1年25%の削減を達成すれば良いということです」
 原理原則論に、経産省大臣がブチ切れた。
「アンタらに何ができるんや。まどろっこしいぞ。ホントに策があるのか。総理もこんな奴に意見を求めるのは、やめましょう」
「いや、この際何でも聞きましょうや。ホームランでなくても、何かのヒントがあるかもしれません。経産省、国交省大臣も、気持ちはわかりますが、もう少しだけ話を聞こうじゃありませんか」
「ありがとうございます。総理。私どもが考えたのは、たったの1年だけなら車社会をストップしようというものであります」
「アンタは、アホか。ホンマに選挙で投票されて議員になったんか」と、国交省大臣がブチキレた。
「ホラ、ホラ、もう少し意見を聞きましょうや」
 国交省大臣は、沖田の一言に渋々、首を引っ込めた。
「当然、車がなくなれば、困ることは、いくらなんでも認識しています。また、代わりの乗り物があったとしても、そのエネルギー問題が発生します。しかし、そもそも我々は車社会が到来する前にどうしていたのでしょうか?わずか100年前、いや普及を考えると5、60年前のことですよ」
文科省大臣の顔から血の気が引いていた。
「まさか、馬?」
「そのまさかです。2020年までに自動車関連産業を全て、2020年の1年間馬社会を創出ることに振り向けてしまうのです。そうすれば、その1年間は自動車産業からのCO2削減と、化石燃料削減との一石二鳥で楽々CO2・25%削減という数値目標はクリアできます」
「いや、この文明社会にそれを誰が国民に説明するんだ」
総務大臣が苦り切った表情を浮かべた。
「いや、それはいい考えかもしれない」と、環境大臣がまず1票を投じた。
「コンクリートジャングル、建物の中で土や泥は嫌われ者、ジャングルジム、砂場、ブランコ、子供が暴れることが出来るのはマットの敷かれた建物の中。沖田総理が進めてきた老人中心社会からの脱却総仕上げには、上策の1つかも。実現すれば、この奇想天外なイベントが終わったら、この日本で自然と動物が本当の意味で調和のとれた文化を作り上げることができているかもしれない。動物園のような客寄せパンダ的発想から脱却して。
馬は、非常に賢い動物です。きっと、人間が忘れかけていたものを新たな形で創出するのに役立ちます」
 国交大臣が、反論の口火を切った。
「そんなこと言っても、緊急車両や重機車両はどうするんですか。流通、運送、高速道路はどうするんですか」
「国交省大臣、そこは目的を忘れずに条件付けすれば良いのです。馬車が走ったり、馬が重機車両の代わりをしていたりしていた時代をできる限り再現し、どうしても車が必要な部分を規定してしまえば、それらのCO2排出量は無視できるはずです。高速道路は、自転車と馬専用にするのです。馬車も含めて」
「馬糞はどうするんですか。馬には厩舎も道路も関係ないんですよ」
「もちろん自前で馬のお尻に袋をつけるとかも考えられますが、高速道路ではそういうわけにはいかないでしょうね。しかし、そもそも昔馬糞はどうしていたのでしょうかねぇ」
「馬糞自体、産業的に考えれば価値があるもので、需要と供給バランスが取れるのではないでしょうか。昔、馬糞は肥料に優良で、現代は燃料にも使えるかもしれません。ゴミにスポットライトを当てるなら江戸時代のことを考えれば、今よりはるかに家庭ゴミ問題の方が大変だったかもしれませんね」
 ここにいる政治のプロたちは皆、わずかな沖田の顔つきの変化を見逃さなかった。
「皆さん、農水省大臣の意見も策の1つとして、成り立つ可能性があるように思えるのですが、どうでしょうか。しかし、あまりにも多くの問題があり過ぎるでしょう。産業構造シフトと車社会復元方法とそのスケジュール。馬の調達・餌の確保や育成・運用場所の確保とそこへ携わる人の問題。現保有自動車の保存方法等々」
農水省大臣が、不敵な笑を浮かべた。沖田内閣最高齢の居眠りオヤジの表情ではなくなっていた。いたずら好きのやんちゃ小僧の表情に変わっていた。
「まさに、総理の心配していること以外にも、ごまんと問題があります。農水省で議論をつくして推奨するこの案は、3夜ぶっ続けで話し合い決定しました。しかし、それから我々がプロジェクトを作ったり、方針を決めたり、本当に間に合うのか調査するのには、あまりにも時間が無さ過ぎると考え、中心人物となれる人材探しに注力しました。今日、この場に呼んで待機してもらっておりますが、話を聞いてみますか」
もはや、経産省大臣と国交省大臣の顔つきも変わっていた。
「面白いじゃないか。本当にそんなことができるのか。聞かせてもらおうじゃないか。時間がないぞ」
 すぐに、農水省大臣が携帯電話をかけ始めた。
「正田さん、楠瀬さん、来てもらえますか」
「はい、わかりました」
農水省大臣の電話からも、その返事の声がハッキリ聞き取ることができた。
「正田さんと、楠瀬さんは、それぞれ大学で動物学を専攻し、今は大学で教鞭をとったり、JRAで仕事をされたりしています。正田さんは、もう80才を過ぎでお歳を召されていますが、逆に馬社会のことを覚えておられるので、馬社会における必要事項も抑えておられます。楠瀬さんは、現在世界で馬がどのように分布し、馬の生態学や心理学を抑えておられます。正直、楠瀬さんからは、そりゃ絶対ムリな相談だと開口一番言われました。しかし、楠瀬さんの問題提起に対して正田さんが一つ一つその対策について語り、それを農水官僚が議事録化しました。会議終了後、農水官僚たちが正田氏の策の実現性について精査し、昼夜を忘れ、三日三晩議論して、まとめた「2020年馬社会実現プラン」の第一校を皆様へ配布します。ここで、勘違いしないでほしいのは、我々の目標を失わないことです。それは、あくまでもCO2削減を達成することなのです。その目標以外のことでムダな努力であれば、それは排除すべきです」
ここで、2人のキーマンが、閣僚会議室のドアをノックし、まず正田氏が語りだした。
「正田です。まず、今回の騒動について、私に一言言わせて下さい。私は1927年生まれで見た目通りの老人ではありますが、日本がCO2削減を巡って世界に喧嘩を売ったという総理のまさかの男気に敬意を表します。もし、今回の農水省案が採用されるのなら、私は残りのわずかな人生の全てをかけて協力することを誓います。お察しの通り私は、数少ない戦前の馬社会を知る動物学者です。一例をあげると、馬糞の処理などどうしていたかというと、意外や意外で、現在、犬の散歩時に皆さんが糞をお持ち帰りいただいているように、昔、馬を利用していた人達もちゃんと馬糞をお持ち帰りされていたのです」
もう、既に閣僚たちの顔つきは変わり、言葉を失っていた。天皇家にゆかりがありかつ東大を卒業し、東大でも教鞭をとり、現在は日本の動物学の重鎮とも言える正田氏が本気でこの半狂乱プロジェクトに取り組もうとしているのである。
「楠瀬くん、キミにも基本的な考えがあるだろうから、それはみなさんに冒頭お伝えしておきなさい」
「私は1951年生まれで、正田先生と同じように東大で動物学を学びましたが、ほとんど馬に特化した形で、研究を続け、現在はJRAに務めています。私は、せっかく農水大臣に、こんな名誉ある席に呼んでいただきながら、現在の日本でこんなバカげたことができるとは、当事者でありながら、半信半疑でございます。正田先生に背中を押されてノコノコやってきましたが、一つだけ言わせてもらうなら、たった一つ日本が一枚岩でこのプロジェクトを乗り切る気持ちがあるのなら、実現可能とだけ言わせてもらいましょう。もちろん、このプロジェクトに疑いを持った政争が起こったり、マスコミが敵にまわるようなことがあったりすれば、実現不可能でしょう。大きな視野で考えるなら、短期間での産業構造変革と元の構造への復元をやるということでしょう。そして、この変革の価値を日本全国民が理解することでしょう。
もう1つだけ、私の考えをお伝えするなら、このプロジェクトが成功しても最終的に日本は自国の国益のためでなく、世界のために日本的大上段モラルで次世代の世の中をどうするのかを世界へ突きつけるべきでしょう。あるいは、突きつけられるチャンスなのです。世界は、ほとんど自国の国益のためだけに動いている。日本が、CO2削減目標を達成した条件として、日本の国益を世界に突きつけるなら、地球温暖化などの世界的問題を抜本的に解決するチャンスを失うことになるでしょう。この話の意味を、沖田さんならひょっとしたらわかっていただけるかもしれないと思ったのも、今日この場に立ち会わせていただいた1つの理由です」
 「楠瀬さん、JRAに務めるあなたが、そこまで考えているなんて、あなたのことを見縊っていました。私の考えや行動の根底にあるのはそこなんですが、その心の奥底にある人類への危機感と希望なぞお首にでも出そうものなら、マスコミを含めて・・・。おっと、危ない危ない、ごめんなさい。皆さん、今の話は忘れてください。今は、この国難を回避するための方策に傾注しなければなりません。楠瀬さん、続きをお願いします」
「はい、わかりました。細かい実務的な話は、私と正田先生と農水省の方で基本計画ならびに問題対応策の基本的な考え方をまとめました。しかしながら、皆さんにもおわかりのように、このプロジェクトは縦割り官僚組織では完遂できません。例えば、馬を交通手段にするのであるから、これまでの道路交通法、道路設備や高速など道路の概念を大きく変えねばなりません。国交省の官僚からすると、通常なら一笑にふし、議論の余地はないと門前払いするべき内容でしょう。経産省ならびに経団連からすれば、自動車メーカーに馬の生産販売をさせるなんて、正気の沙汰ではないと主張されるでしょう。また、物流という観点でとらえると、一度に運搬する物資の量ならびにそのスピードは明らかに低下します。最初に、この案にご賛同いただきました環境省ですら、全国の国立公園や自然公園を馬の育成や調教に使うなど公園破壊も甚だしいと真面目にこの話を議論してくれないかもしれません。
 もう1度原点に戻って、車両禁止によるCO2の削減を目標として、許されること許されないことを整理してみると、鉄道、航空機、船舶、自転車は利用可能とし、特殊車両でどうしても必要なものを細かく規定するのです。もちろん、現代の世の中では防衛面での国境警備に必要な設備を削減するようなことはあってはなりません。
 ここまで、話せば政治家の皆さんならお気づきと思いますが、横断的な組織・プロジェクト作りが重要でかつ急務になってきます。
 しかし、この国家プロジェクトが成功すれば失うもの以上に大きなものを得らることができると想いませんか。それは、揺るぎない自信です。例え、失敗して、世界を相手に失うものがあったとしても、きっと何か違った形で取り返せるのではないでしょうか」
いつも、冷静な楠瀬が柄にもなく、まくし立てた。
再び、閣議室内が静まり返った。
「やって、やってみませんか」
沖田が静かに語りかけた。
「今、この場で、反対者がいないのなら、やってみようと思います。しかも、すぐに解散総選挙です。馬社会法案解散です。法案作成は2週間です。各省庁のキーマンを1人ずつ出してください。おそらく、この法案に全てがかかっています」
2016年4月、日本は大変革を迎えようとしていた。
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