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転移→エルディーン王国編
魔法大会二日目への準備等
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途中でバムが市場に寄ろうと言い出して
三人で食料の買い出しをする。
「この黒いバナナとかどうでしょうか?」
殆ど腐っている食材を、次々に差し出してくる
ファイナに対して、二人で巧妙に断りながら
買い出しを済ませ、そして宮殿へと向かう。
ファイナの部屋へと無事に辿り着き
ホッとしてバムと二人で長椅子に座っていると
「入るぞ!」
聞き覚えのある豪快な声が聞こえてくる。
サッとバムが立ちあがり床に膝を立てて座ったので
俺も慌てて似た体勢で床に座った。
ファイナが部屋へと入ってきた大男に
いきなり飛びつく。
「国王様!いえ、お父様!三回戦まで行きましたわ!」
王冠を被り、赤いローブを着た大男は
ファイナを片手で軽々と抱き上げて
「よろしい!夜中には、全員分の通行証を届けよう!」
豪快な大男は、よく見ると国王である。
彼は俺を見下ろしながら
「ゴルダブル君、不肖の娘を宜しく頼む」
なんと頭を下げてきた。
俺も頭を深く下げ返すしかない。
「お父様!まだファイナは国を出ません!
ファイナは!今度こそ魔法大会で優勝しますわ!
そして華麗に世界に旅立つのです!」
国王に抱きかかえられたまま、ファイナは
自信満々に宣言する。国王はまた豪快に笑いだして
「あまり、ご迷惑をかけてはいかんぞ」
そう言うと、ファイナを降ろして去って行った。
ファイナは鼻高々で
「またお父様から褒められてしまいましたわ!
さ、バムさん、お風呂へ行きましょう!」
バムと共に部屋を出て行った。
俺は父親とは言え、よくあのファイナに笑って付き合えるなと
国王をちょっと尊敬しつつある。
風呂から上がってすぐにファイナは
夕食を食べに行き、バムと俺は予め作っておいた分の最後の
ストックを食べる。旨いサンドイッチを食べているとバムが
「夜中に厨房に、忍び込まないといけませんね……」
もちろん買い出しした食材の調理のためである。
「だな。一緒に行くよ」
「いえ、私に任せて、寝ていてください」
バムが真面目な顔で言ってくる。
「……分かった。気をつけてな」
魔法大会でのあの強さと抜け目なさも見たので
俺はもう、バムは全面的に信頼している。
この子はできる子だ。しかも相当に。
夜中にメイドから届けられた
木片の通行証を三枚受け取って、
丁寧にバムは荷物の中へと詰める。
俺はファイナの寝室の床で寝袋に入り
目を閉じた。
ファイナも自分のベッドに入り
スヤスヤと寝始める。
「では、行って来ます」
バムは俺に声をかけると
荷物をリュックに入れて静かに部屋から出て行った。
翌朝、目が覚めるとバムが何事も無かったかのように
隣に寝袋を敷いて寝ていて、ホッとする。
その後、全員で起きだして、今日の魔法大会への
打ち合わせと、それぞれで朝食をとったりなどの準備を始める。
なんと魔法大会は、今日で決勝までいくのだ。
敷居が高く、参加者が料理大会と比べて
圧倒的に少ないかららしい。
バムは三回戦までは毎回同じやり方で
簡単に勝てたが、強者の残った四回戦からは恐らく
ワンパターンでは勝てないだろうと
ある一つの様々な事態に対応可能な
作戦を提案してきた。
その内容を聞いて唖然とする。
「……それ、できるの?」
「私の力なら可能ですね」
「それなら、私の出番もたくさんありそうですわ!」
ファイナは嬉しそうな顔をして俺を見つめてくる。
「わ、分かった。じゃあ、今日の作戦はそれで」
どうやら今日も俺は、大変なようである。
三人で食料の買い出しをする。
「この黒いバナナとかどうでしょうか?」
殆ど腐っている食材を、次々に差し出してくる
ファイナに対して、二人で巧妙に断りながら
買い出しを済ませ、そして宮殿へと向かう。
ファイナの部屋へと無事に辿り着き
ホッとしてバムと二人で長椅子に座っていると
「入るぞ!」
聞き覚えのある豪快な声が聞こえてくる。
サッとバムが立ちあがり床に膝を立てて座ったので
俺も慌てて似た体勢で床に座った。
ファイナが部屋へと入ってきた大男に
いきなり飛びつく。
「国王様!いえ、お父様!三回戦まで行きましたわ!」
王冠を被り、赤いローブを着た大男は
ファイナを片手で軽々と抱き上げて
「よろしい!夜中には、全員分の通行証を届けよう!」
豪快な大男は、よく見ると国王である。
彼は俺を見下ろしながら
「ゴルダブル君、不肖の娘を宜しく頼む」
なんと頭を下げてきた。
俺も頭を深く下げ返すしかない。
「お父様!まだファイナは国を出ません!
ファイナは!今度こそ魔法大会で優勝しますわ!
そして華麗に世界に旅立つのです!」
国王に抱きかかえられたまま、ファイナは
自信満々に宣言する。国王はまた豪快に笑いだして
「あまり、ご迷惑をかけてはいかんぞ」
そう言うと、ファイナを降ろして去って行った。
ファイナは鼻高々で
「またお父様から褒められてしまいましたわ!
さ、バムさん、お風呂へ行きましょう!」
バムと共に部屋を出て行った。
俺は父親とは言え、よくあのファイナに笑って付き合えるなと
国王をちょっと尊敬しつつある。
風呂から上がってすぐにファイナは
夕食を食べに行き、バムと俺は予め作っておいた分の最後の
ストックを食べる。旨いサンドイッチを食べているとバムが
「夜中に厨房に、忍び込まないといけませんね……」
もちろん買い出しした食材の調理のためである。
「だな。一緒に行くよ」
「いえ、私に任せて、寝ていてください」
バムが真面目な顔で言ってくる。
「……分かった。気をつけてな」
魔法大会でのあの強さと抜け目なさも見たので
俺はもう、バムは全面的に信頼している。
この子はできる子だ。しかも相当に。
夜中にメイドから届けられた
木片の通行証を三枚受け取って、
丁寧にバムは荷物の中へと詰める。
俺はファイナの寝室の床で寝袋に入り
目を閉じた。
ファイナも自分のベッドに入り
スヤスヤと寝始める。
「では、行って来ます」
バムは俺に声をかけると
荷物をリュックに入れて静かに部屋から出て行った。
翌朝、目が覚めるとバムが何事も無かったかのように
隣に寝袋を敷いて寝ていて、ホッとする。
その後、全員で起きだして、今日の魔法大会への
打ち合わせと、それぞれで朝食をとったりなどの準備を始める。
なんと魔法大会は、今日で決勝までいくのだ。
敷居が高く、参加者が料理大会と比べて
圧倒的に少ないかららしい。
バムは三回戦までは毎回同じやり方で
簡単に勝てたが、強者の残った四回戦からは恐らく
ワンパターンでは勝てないだろうと
ある一つの様々な事態に対応可能な
作戦を提案してきた。
その内容を聞いて唖然とする。
「……それ、できるの?」
「私の力なら可能ですね」
「それなら、私の出番もたくさんありそうですわ!」
ファイナは嬉しそうな顔をして俺を見つめてくる。
「わ、分かった。じゃあ、今日の作戦はそれで」
どうやら今日も俺は、大変なようである。
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