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転移→エルディーン王国編
決勝戦の審査結果
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今回は気持ちが軽い。
正直もう優勝は貰ったようなものである。
元審査員のファイナが、試食の段階で泣き崩れている。
さらに、近寄ってきて試食していく審査員たちも
次々に泣き崩れだした。
俺とバムには分からないが
どうやら泣くほど旨いらしい。
どうせ余ったら捨てるし、今回は一応
俺たち基準で食べられるようには
作っているので、作った分を全て
興味を示して近寄ってきた審判員たちにも
惜しみなくさらに小分けして食べて貰っていく。
彼らも食べると旨すぎたらしく
泣き崩れていく。
バムが小さな声で
「もらいましたね」
「そうだな。勝ったわ」
これで、この街の西だか東だかの次の国へと行く
切符が手に入るはずだ。二人でホッとしていると
ようやく立ち上がったファイナが
「お、おめでとうございます。
優勝は頂きましたね」
俺たち二人の手を握ってくる。
三人で早くも勝利の喜びをかみしめていると
「審査時間終了!これより審議に入る!
結果は一時間後に!」
という審判員たちの大きな声が
コロシアム中に響き渡り、そして一旦休憩となった。
ファイナリストである俺たち専用の控室の
ソファで寝転がって休む。
ファイナは友達に挨拶があるとかで
外へと歩いて行った。
バムが早くも帰る準備を始めながら
「出国の準備が出来たら、直ちに次の国に向かいますよ」
「表彰式で、出国の許可くれるのか?」
「はい、武道や魔法なども含めると
大会自体がかなりの回数ありますから
王家の方々も、授賞式はその場で官僚たちに……」
「ちょっと待て。魔法大会まであるの!?」
「はい。ご存じなかったですか?」
「知らなかった……時間できたら見学していい?」
「もちろん」
バムは嬉しそうに頷いた。
一時間後、すっかり片付いたコロシアムの
舞台に立った俺たち三人は
優勝する瞬間を待っていた。
向こうに立つ、相手チームは早くも
敗戦を悟ったらしくうな垂れている。
舞台の中心に審判員から集められた俺たちは
胸を張って、広げた紙を読み上げる
恰幅の良い蝶ネクタイの審判員の言葉を聞こうとする。
「三の月の料理大会、勝者は……」
審判員は一瞬、信じられないといった顔をした後に
気を取り直して
「優勝者!チームバビロモッサ!」
なんと向こうのチームの名前を読み上げた。
三人で絶句して固まっていると
審判員は厳粛な表情で俺たちを指さして
「チームゴルダブルは、重大な違反があった!
よって大会参加資格を未来永劫取り消すことにする!
これは、我が国の法令に則った処置である!」
慌てて
「違反って何を……」
審判員に尋ねると
「従者ファイナの審査員への買収行為が確認された!
よって!失格とする!以上だ!
衛兵!こいつらを摘まみだせ!」
はああああああああああああああ!?
なんじゃそりゃあああああああああああ……。
反論する間も与えられない速度で
屈強な軽鎧を着た衛兵たちに抱えられて
俺たちは荷物ごと、コロシアムの外へと放り出される。
衛兵たちが去った後に、地べたに寝そべったまま
無言でバムと共にファイナを見つめると
「ば、買収なんてしていませんわ。
別れ際にお世話になった証に
ちょ、ちょっとキラゴネスの指輪を
審査員をしているお知り合いの方々にプレゼントを……」
どうやら、先ほどの待合室で居なかったのは
別れの餞別を知り合いたちに
配りまわっていたらしい。
「……渡すタイミング、間違えましたね」
バムが大きくため息を吐いて立ち上がる。
「ど、どうするんだ?」
「まだ手はあります。王族であるファイナ様の人脈を使うのです」
「わ、わたくしのですか?なっ、何に?」
ファイナは不思議そうな表情で俺たちを見てくる。
もちろん国外へ行くための手段を得るためである。
正直もう優勝は貰ったようなものである。
元審査員のファイナが、試食の段階で泣き崩れている。
さらに、近寄ってきて試食していく審査員たちも
次々に泣き崩れだした。
俺とバムには分からないが
どうやら泣くほど旨いらしい。
どうせ余ったら捨てるし、今回は一応
俺たち基準で食べられるようには
作っているので、作った分を全て
興味を示して近寄ってきた審判員たちにも
惜しみなくさらに小分けして食べて貰っていく。
彼らも食べると旨すぎたらしく
泣き崩れていく。
バムが小さな声で
「もらいましたね」
「そうだな。勝ったわ」
これで、この街の西だか東だかの次の国へと行く
切符が手に入るはずだ。二人でホッとしていると
ようやく立ち上がったファイナが
「お、おめでとうございます。
優勝は頂きましたね」
俺たち二人の手を握ってくる。
三人で早くも勝利の喜びをかみしめていると
「審査時間終了!これより審議に入る!
結果は一時間後に!」
という審判員たちの大きな声が
コロシアム中に響き渡り、そして一旦休憩となった。
ファイナリストである俺たち専用の控室の
ソファで寝転がって休む。
ファイナは友達に挨拶があるとかで
外へと歩いて行った。
バムが早くも帰る準備を始めながら
「出国の準備が出来たら、直ちに次の国に向かいますよ」
「表彰式で、出国の許可くれるのか?」
「はい、武道や魔法なども含めると
大会自体がかなりの回数ありますから
王家の方々も、授賞式はその場で官僚たちに……」
「ちょっと待て。魔法大会まであるの!?」
「はい。ご存じなかったですか?」
「知らなかった……時間できたら見学していい?」
「もちろん」
バムは嬉しそうに頷いた。
一時間後、すっかり片付いたコロシアムの
舞台に立った俺たち三人は
優勝する瞬間を待っていた。
向こうに立つ、相手チームは早くも
敗戦を悟ったらしくうな垂れている。
舞台の中心に審判員から集められた俺たちは
胸を張って、広げた紙を読み上げる
恰幅の良い蝶ネクタイの審判員の言葉を聞こうとする。
「三の月の料理大会、勝者は……」
審判員は一瞬、信じられないといった顔をした後に
気を取り直して
「優勝者!チームバビロモッサ!」
なんと向こうのチームの名前を読み上げた。
三人で絶句して固まっていると
審判員は厳粛な表情で俺たちを指さして
「チームゴルダブルは、重大な違反があった!
よって大会参加資格を未来永劫取り消すことにする!
これは、我が国の法令に則った処置である!」
慌てて
「違反って何を……」
審判員に尋ねると
「従者ファイナの審査員への買収行為が確認された!
よって!失格とする!以上だ!
衛兵!こいつらを摘まみだせ!」
はああああああああああああああ!?
なんじゃそりゃあああああああああああ……。
反論する間も与えられない速度で
屈強な軽鎧を着た衛兵たちに抱えられて
俺たちは荷物ごと、コロシアムの外へと放り出される。
衛兵たちが去った後に、地べたに寝そべったまま
無言でバムと共にファイナを見つめると
「ば、買収なんてしていませんわ。
別れ際にお世話になった証に
ちょ、ちょっとキラゴネスの指輪を
審査員をしているお知り合いの方々にプレゼントを……」
どうやら、先ほどの待合室で居なかったのは
別れの餞別を知り合いたちに
配りまわっていたらしい。
「……渡すタイミング、間違えましたね」
バムが大きくため息を吐いて立ち上がる。
「ど、どうするんだ?」
「まだ手はあります。王族であるファイナ様の人脈を使うのです」
「わ、わたくしのですか?なっ、何に?」
ファイナは不思議そうな表情で俺たちを見てくる。
もちろん国外へ行くための手段を得るためである。
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