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お母さんからの贈り物
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浩介君は野球が大好きでした。テレビで野球の試合を見たり友達と草野球をやったりしていました。
その日はお父さんとキャッチボールをしていました。
お父さんがボールを投げながら言いました。
「もうちょっとしたらお前の誕生日だな。プレゼントは何が欲しい?」
「じゃあ、新しいグローブとボール!」
「グローブもボールも持ってるだろう?」
「新しいのが欲しいんだ。ニューモデルが出たんだよ」
「分かった分かった。プレゼントに買ってくるからな」
「買ってくれるの? 約束だよ」
浩介君はお父さんと約束すると大喜びしました。お父さんに向かって力一杯ボールを投げました。スパン!
「お! 良い球だ」
その数日後の事です。浩介君とお母さんは夕ご飯の支度を終えてお父さんの帰りを待っていました。しかしいつまで経ってもお父さんは帰ってきませんでした。
「お父さん遅いね」
「そうね、どうしたのかね」
その時不意に電話が鳴りました。お母さんが電話に出ました。
「え? 病院?」
その電話は病院からだったのです。すぐに病院に来て欲しいという事でした。お父さんが交通事故に遭い運び込まれたのです。
お母さんと浩介君は取るものもとりあえず病院へ急ぎました。
病院へ着くとお母さんはお父さんのいる所を聞きました。緊急手術をしているので手術室の前で待っていて下さいと言われました。
手術室の前でお母さんと浩介君は不安になりながら待ちました。
暫くすると手術中と言う赤いランプがふと消えました。そしてお医者様が中から出てきて言いました。
「残念ながら」
浩介君はその言葉の意味も、何故お母さんが床に崩れ落ちて泣き出したのかも分かりませんでした。
「お母さんどうしたの? 大丈夫? お父さんはどこにいるの?」
「お父さんは天国に行ってしまったのよ」
「それはお父さんが死んじゃったって事?」
お母さんは力なく頷きました。
浩介君には信じられませんでした。何でお父さんが死んでしまわなければならないのか、分かりませんでした。
そして悲しくてお母さんにすがって泣きました。お母さんと一緒に泣きました。
その日から浩介君はすっかり元気を無くし学校へ行く以外、家から出ずにふさぎ込んでいました。毎日お父さんの事を想いながら過ごしていました。
そんな浩介君を見てお母さんは心配になりました。
「浩介。元気を出して」
しかし浩介君はどうしても元気が出せませんでした。
そして気が付けば浩介君の誕生日の朝がやってきました。
浩介君が目を覚ますと枕元に大きなプレゼントの箱が置いてありました。
「そうか。今日は僕の誕生日だったよな」
浩介君はその箱をお母さんの所へ持っていきました。
「お母さんおはよう。これはお母さんからの誕生日プレゼント?」
「違うわよ。お母さんからの誕生日プレゼントはこれよ」
そう言うとお母さんは小さな箱を出して浩介君に渡しました。
「浩介。お前が持ってるその大きな箱は?」
「それが良く分からないんだ。目が覚めたら枕元に置いてあったんだよ」
「開けてみたら?」
浩介君は言われるままに箱の包みを取って開けてみました。
すると中には新しいグローブと野球のボールが入っていました。
「お父さんと約束したグローブとボールだ!」
「お父さんとそんな約束してたんだね。じゃあお父さんが覚えててくれて、贈ってくれたんだね」
箱の中には手紙も添えられていました。浩介君は声に出して読みました。
「浩介へ。お誕生日おめでとう。約束のグローブとボールを贈ります。これで友達といっぱい遊びなさい。お父さんはいつもお前を見ているよ。これからも母さんを支えて強い男の子になるんだぞ。父より」
浩介君は少し涙を流しましたが、すぐに洋服の袖で涙をぬぐいました。
「僕、強くなるよ。そしてお母さんを支えて行けるように頑張るよ」
見るとお母さんも少し泣いていました。
それからと言うもの浩介君はお父さんに貰ったグローブとボールを使い友達とたくさん遊びました。
その日はお父さんとキャッチボールをしていました。
お父さんがボールを投げながら言いました。
「もうちょっとしたらお前の誕生日だな。プレゼントは何が欲しい?」
「じゃあ、新しいグローブとボール!」
「グローブもボールも持ってるだろう?」
「新しいのが欲しいんだ。ニューモデルが出たんだよ」
「分かった分かった。プレゼントに買ってくるからな」
「買ってくれるの? 約束だよ」
浩介君はお父さんと約束すると大喜びしました。お父さんに向かって力一杯ボールを投げました。スパン!
「お! 良い球だ」
その数日後の事です。浩介君とお母さんは夕ご飯の支度を終えてお父さんの帰りを待っていました。しかしいつまで経ってもお父さんは帰ってきませんでした。
「お父さん遅いね」
「そうね、どうしたのかね」
その時不意に電話が鳴りました。お母さんが電話に出ました。
「え? 病院?」
その電話は病院からだったのです。すぐに病院に来て欲しいという事でした。お父さんが交通事故に遭い運び込まれたのです。
お母さんと浩介君は取るものもとりあえず病院へ急ぎました。
病院へ着くとお母さんはお父さんのいる所を聞きました。緊急手術をしているので手術室の前で待っていて下さいと言われました。
手術室の前でお母さんと浩介君は不安になりながら待ちました。
暫くすると手術中と言う赤いランプがふと消えました。そしてお医者様が中から出てきて言いました。
「残念ながら」
浩介君はその言葉の意味も、何故お母さんが床に崩れ落ちて泣き出したのかも分かりませんでした。
「お母さんどうしたの? 大丈夫? お父さんはどこにいるの?」
「お父さんは天国に行ってしまったのよ」
「それはお父さんが死んじゃったって事?」
お母さんは力なく頷きました。
浩介君には信じられませんでした。何でお父さんが死んでしまわなければならないのか、分かりませんでした。
そして悲しくてお母さんにすがって泣きました。お母さんと一緒に泣きました。
その日から浩介君はすっかり元気を無くし学校へ行く以外、家から出ずにふさぎ込んでいました。毎日お父さんの事を想いながら過ごしていました。
そんな浩介君を見てお母さんは心配になりました。
「浩介。元気を出して」
しかし浩介君はどうしても元気が出せませんでした。
そして気が付けば浩介君の誕生日の朝がやってきました。
浩介君が目を覚ますと枕元に大きなプレゼントの箱が置いてありました。
「そうか。今日は僕の誕生日だったよな」
浩介君はその箱をお母さんの所へ持っていきました。
「お母さんおはよう。これはお母さんからの誕生日プレゼント?」
「違うわよ。お母さんからの誕生日プレゼントはこれよ」
そう言うとお母さんは小さな箱を出して浩介君に渡しました。
「浩介。お前が持ってるその大きな箱は?」
「それが良く分からないんだ。目が覚めたら枕元に置いてあったんだよ」
「開けてみたら?」
浩介君は言われるままに箱の包みを取って開けてみました。
すると中には新しいグローブと野球のボールが入っていました。
「お父さんと約束したグローブとボールだ!」
「お父さんとそんな約束してたんだね。じゃあお父さんが覚えててくれて、贈ってくれたんだね」
箱の中には手紙も添えられていました。浩介君は声に出して読みました。
「浩介へ。お誕生日おめでとう。約束のグローブとボールを贈ります。これで友達といっぱい遊びなさい。お父さんはいつもお前を見ているよ。これからも母さんを支えて強い男の子になるんだぞ。父より」
浩介君は少し涙を流しましたが、すぐに洋服の袖で涙をぬぐいました。
「僕、強くなるよ。そしてお母さんを支えて行けるように頑張るよ」
見るとお母さんも少し泣いていました。
それからと言うもの浩介君はお父さんに貰ったグローブとボールを使い友達とたくさん遊びました。
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