家を訪ねて三千里

Lam

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22.メンドクサイ…

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ご飯の話で、平行線を辿った私達だけど、ずっとそこにいるわけにはいかなかったので、少し前に再スタートしました。
しかし…馬車の中も外も雰囲気が暗いこと暗いこと…
全く…ちゃんとヒルダやお兄ちゃんを鍛えて味の向上をはかるからって言ってるのにー!
それで良いじゃないの!
は?ダメ?なんでよ?
え?

『俺たちは、君の事が忘れられない!君が必要なんだ!一生側にいてくれ!!』

熱烈なプロポーズありがとう!!
あのね?言葉は正しく使おうね?
正しくは…

『俺たちは、君の(ご飯の)事が忘れられない!君(の料理スキル)が必要なんだ!一生側にいて(ご飯を作って)くれ!!』

だよね?
文中の()の中の言葉が抜けてるよ?
そこが一番重要なんでしょ?
だいたい4人とも幼児に言う言葉じゃないよね?



全くもう…食べ物の恨みは忘れない…って事なのかな?
鬱陶しいーー!もう放っておこう!
はあ…せっかくテーブルを出したので、この間マップ情報を元に自分で描いた地図を眺めることにした。
貰った家までの地図なんだけど、色々地図に情報を記入していったら…何故かな?世界地図になった…どれだけ遠いのよー! 
そう言えば、はじめに聞いた神さま情報では地球で言うロシアを横切って東から西へ…カムチャッカ半島からスカンジナビア半島へ行くくらいの距離があるって言われてるからね!この大陸でだって端から端まで行くようなもんだわ…かなりの国を通り抜けるわね…
今は、元サリレーヌ国を抜けて帝国本国に入る道を辿っているんだけど…直接はちょっと行けない…だって子供だけだけど滅ぼされた元サリレーヌ国の貴族だし…バレたら捕まっちゃう!
それだとマズイので一度違う国に出て、そちらの国から帝国に入るつもりなの!
元サリレーヌ国も結構広かったので、帝国に向かうには大きく3つ東・北・中央の大街道が直通街道として通っている。でもそこは今は軍隊が駐屯しているから通りづらいらしい。
それに、私達は初め東側にある隣国に向かっていたので、大街道を使うともう一度首都に戻る事になる。それにはリスクが高くなるので、途中で道を修正して東の大街道から少し南にある国を目指しているの!
だけど、今向かっている国はあまり行き来のない国だったらしく、街道は凸凹であまり整備されてないんだよね…
でも、これがこの世界の標準の道だって知ったのは、2日前の大暴走の時だった…
ああ~地図見てたら到着地点が遠すぎて涙出て来た…

もう、空飛んで行きたいよ…
え?ダメ?空飛んだら飛竜に喰われる?
よし私の行く手を阻む悪は、逆に倒して竜田揚げにして喰ってやるぅ!!
え?竜田揚げってなんだって?
ああ、唐揚げのような物よ!味付けと油で揚げる時につける粉が違う…やつ…
は?ぜひ作ってくれ?
だから、ヤダって!!自分達で作ってよ!

「ヤダ!ベルのご飯が食べたい」

とごねるお兄ちゃん達…
そんなしょーもない話で喧々轟々してると、この旅に出てから初めての魔物の襲撃が!!
ん?あれって…ワイルドボアの集団!!
危ないよ!でも道の正面から来るし逃げられないわ!周りは林だから馬車を停めるしかない!
って思って、とりあえずバリア張ったんだけど…

何ぃーー!?私以外の4人がワイルドボアに向かって走って行く!

『待ってー!危ないよ!!ダメお兄ちゃんまでーーー!』

って私が言う前に…

お兄ちゃんが…風魔法で

「えーい!八つ当たりカッタートルネードォー!!」

ヒルダが…土魔法で

「くらえっ!八つ当たり落とし穴&短剣乱れ打ち!!」

ハリーが…斧で

「死ねっ!八つ当たり眉間割り!!」

ジークが…双剣で

「トドメだっ!八つ当たり双剣乱舞!!」

って言って一気に倒しちゃった!?
え?ワイルドボアの集団だよ?
強くて危険なんだよ?
それに八つ当たりって何?
このワイルドボア達って今初めて会ったのに、なぜか八つ当たりで倒されちゃったの?
そんなこんなで、あっさりワイルドボアを倒しちゃったけど、4人は何故かその場に膝をついて崩れ落ちた!


なんか  ○| ̄|_  ←こんな感じ?


どこか怪我したのかと思って慌てて近寄ったら、泣いてる?なんで?

「う、う、う、ワイルドボア…」

「倒したのに…こんなにたくさん倒したのに…」

「ベルの…ベルのトンカツが…」

「食べられないなんて…」

アホかー!!
しょーもない事で心配させんなやー!!(怒)


怪我してないなら、早くワイルドボア回収して道開けてよ!
は?動けないほど傷がある?
どこによ?心に大きな傷が付いてる?
えーい!!私がその傷を大きく開いてやるぅ!!(激怒)


「もう4人ともここに捨ててくから!」


叫んで、邪魔なワイルドボアをアイテムボックスに収納しながら走って行こうとしたら、みんなに土下座で謝られた…


「「「「お願い捨てないでー!」」」」


こんな大人…メンドクサイよ!




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