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温かい照明の光の元、俺は、恥ずかしい気持ちで、すでに立っていられなかった。
お湯を溜めながら、篤紀によって身体を隅々まで洗われてしまった。
微かに残る注射の跡。
怪我の跡。
それを一つ一つ篤紀は指で触れて確かめていた。
何を思ってしているんだろう。
彼の瞳は、何も感情を帯びていない。
どこか真剣に何かを考えている。
俺は、篤紀の身体を見る。
自分とは違い、ほど良い筋肉がついている。
健康には気を付けているようで、暴飲暴食はせず、比較的和食がすきなところも体に表れている。
―あ、腹筋…割れている。
そう思って俺は、何気なく彼の腹筋に触れた。
―!!
「ん?」
俺の手が、思いもよらない所に伸びていることに気付いた彼は、じっと熱い目で俺を見る。
―あっ、なんだか、大きく…
足の付け根の方に見えるもの。
直視できないけど、人のは、少し気になる。
ちらりと見ると、それは、俺の物より大きい。
そして、太い…
俺は、どちらかというと、小ぶり?
あまり自慰もしないせいか、色は肌色に近い。
篤紀は…なんだか赤くて黒い…
「気になる?」
―?!
篤紀が少し笑っている。
頷くと
「いいよ…触って?」
思わず、ごくりと息を飲み込んでしまった。
じっと目が離せない。
俺の手を取って、篤紀が自分の方に寄せる。
お互い濡れた肌の感触と、篤紀の普段と違う雰囲気。
すごく色っぽい。
篤紀のものは、硬くなりつつあった。
怖気ついてしまいそうな自分と、これからどうなるかという期待を持っている自分。
お互いのモノをお互いの手で挟む。
その光景があまりにも、卑猥で思わず篤紀を見る。
そんな様子を、嬉しそうに見ている。
「…ん…」
鼻から息を吐きながら、快感を身体の一部で感じる。
ぞくぞくと這い上がってくる感覚は、いつもより違う。
自分だけではない人の体温、息遣い。
しかもそれが、お互い、惹かれあっている者だとしたら…
それは、どんなに魅力的な物だとしても、敵うものはないだろう。
お互い、この瞬間までの間を考えると、全て吐き出した時、自然と涙が溢れていた。
「ハハ、…篤紀まで泣いてんの?」
お互い、放った物で汚れている。
けれど、それを今は、愛おしいとさえ思えてくる。
俺の言葉に、
「ぅうん、だって…色々と考えたら…」
すごく男らしいこの男だが、どこまでも自分の前では、可愛いことを言う。
それは、始めの頃と何も変わらない。
この先、これから先の事をするのは、たぶん、すぐだと思う。
篤紀は、俺の事を大切にしてくれる。
けれど、そんな彼を俺も誰よりも大切だと思っている。
だからこそ、俺は、彼に身をゆだねるだろう。
そこまで心を許せて、身体を許せれる存在と言うものに、これから先で会うことはまずない。
色んな人生が待ち受ける中で、彼と一緒なら、彼の傍なら、自分らしく、そして彼らしく。
足りない所を足せるような存在でありたいと思っているのは、まだ、秘密だ。
お湯を溜めながら、篤紀によって身体を隅々まで洗われてしまった。
微かに残る注射の跡。
怪我の跡。
それを一つ一つ篤紀は指で触れて確かめていた。
何を思ってしているんだろう。
彼の瞳は、何も感情を帯びていない。
どこか真剣に何かを考えている。
俺は、篤紀の身体を見る。
自分とは違い、ほど良い筋肉がついている。
健康には気を付けているようで、暴飲暴食はせず、比較的和食がすきなところも体に表れている。
―あ、腹筋…割れている。
そう思って俺は、何気なく彼の腹筋に触れた。
―!!
「ん?」
俺の手が、思いもよらない所に伸びていることに気付いた彼は、じっと熱い目で俺を見る。
―あっ、なんだか、大きく…
足の付け根の方に見えるもの。
直視できないけど、人のは、少し気になる。
ちらりと見ると、それは、俺の物より大きい。
そして、太い…
俺は、どちらかというと、小ぶり?
あまり自慰もしないせいか、色は肌色に近い。
篤紀は…なんだか赤くて黒い…
「気になる?」
―?!
篤紀が少し笑っている。
頷くと
「いいよ…触って?」
思わず、ごくりと息を飲み込んでしまった。
じっと目が離せない。
俺の手を取って、篤紀が自分の方に寄せる。
お互い濡れた肌の感触と、篤紀の普段と違う雰囲気。
すごく色っぽい。
篤紀のものは、硬くなりつつあった。
怖気ついてしまいそうな自分と、これからどうなるかという期待を持っている自分。
お互いのモノをお互いの手で挟む。
その光景があまりにも、卑猥で思わず篤紀を見る。
そんな様子を、嬉しそうに見ている。
「…ん…」
鼻から息を吐きながら、快感を身体の一部で感じる。
ぞくぞくと這い上がってくる感覚は、いつもより違う。
自分だけではない人の体温、息遣い。
しかもそれが、お互い、惹かれあっている者だとしたら…
それは、どんなに魅力的な物だとしても、敵うものはないだろう。
お互い、この瞬間までの間を考えると、全て吐き出した時、自然と涙が溢れていた。
「ハハ、…篤紀まで泣いてんの?」
お互い、放った物で汚れている。
けれど、それを今は、愛おしいとさえ思えてくる。
俺の言葉に、
「ぅうん、だって…色々と考えたら…」
すごく男らしいこの男だが、どこまでも自分の前では、可愛いことを言う。
それは、始めの頃と何も変わらない。
この先、これから先の事をするのは、たぶん、すぐだと思う。
篤紀は、俺の事を大切にしてくれる。
けれど、そんな彼を俺も誰よりも大切だと思っている。
だからこそ、俺は、彼に身をゆだねるだろう。
そこまで心を許せて、身体を許せれる存在と言うものに、これから先で会うことはまずない。
色んな人生が待ち受ける中で、彼と一緒なら、彼の傍なら、自分らしく、そして彼らしく。
足りない所を足せるような存在でありたいと思っているのは、まだ、秘密だ。
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