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それからの日々は、本当につまらない物に変わっていった。
何度か篤紀から連絡を貰った。
けれど、出ても、はぐらかすようにした。
『ちょっとだけでも、会う?』
篤紀の言葉が、俺を揺るがせる。
―少しならいいのかも…
そう思う自分がいた。
けれど、それは、ダメだと改める。
「今日は、親が見張っているから出れそうにない。
ごめん」
言い訳は変えても、会いたい気持ちは変わらない。
だけど、閉じ込めた想いを蓋をするように毎日を送っていた。
大学に進学した篤紀は、違う電車に乗るようになるだろう。
ニュースで大学の入学式が放送される頃、俺は高校最後の学年を過ごしていた。
会うかもしれないという予感はあった。
だから、しばらく親に頼んで車での送迎をすることにした。
週に2度あった篤紀の着信が、週一に。
週一だった物が、徐々に間を伸ばしていき、夏には途切れた。
―これでいいんだよ。
自分では思っても、心の中に閉じ込めた感情は諦めていない。
スマホに残る篤紀の連絡先は、何度も何度も、俺を揺るがした。
けれど、消すことはできず、ずっとそのままだった。
高校生の時の留年は、人により事情は様々だ。
就職の面接では当然、聞かれる。
体調の事も、包み隠さずに話をした。
たぶん、何度か休むことになるだろう。
それを理解してもらう環境を俺は微かな希望を持っていた。
篤紀と離れた俺は、語学を死ぬほど勉強した。
今は、ネットで多くのツールがあるおかげで俺は、他の奴より優位になっていた。
「よっしゃぁ!!」
通知の紙を手にした俺は、喜びに溢れていた。
親は、就職をすると決めた俺を全力で止めた。
少しでも手元で様子を見ておきたかったのが強いんだろう。
でも、それは俺にとって苦しいだけだ。
何度か篤紀から連絡を貰った。
けれど、出ても、はぐらかすようにした。
『ちょっとだけでも、会う?』
篤紀の言葉が、俺を揺るがせる。
―少しならいいのかも…
そう思う自分がいた。
けれど、それは、ダメだと改める。
「今日は、親が見張っているから出れそうにない。
ごめん」
言い訳は変えても、会いたい気持ちは変わらない。
だけど、閉じ込めた想いを蓋をするように毎日を送っていた。
大学に進学した篤紀は、違う電車に乗るようになるだろう。
ニュースで大学の入学式が放送される頃、俺は高校最後の学年を過ごしていた。
会うかもしれないという予感はあった。
だから、しばらく親に頼んで車での送迎をすることにした。
週に2度あった篤紀の着信が、週一に。
週一だった物が、徐々に間を伸ばしていき、夏には途切れた。
―これでいいんだよ。
自分では思っても、心の中に閉じ込めた感情は諦めていない。
スマホに残る篤紀の連絡先は、何度も何度も、俺を揺るがした。
けれど、消すことはできず、ずっとそのままだった。
高校生の時の留年は、人により事情は様々だ。
就職の面接では当然、聞かれる。
体調の事も、包み隠さずに話をした。
たぶん、何度か休むことになるだろう。
それを理解してもらう環境を俺は微かな希望を持っていた。
篤紀と離れた俺は、語学を死ぬほど勉強した。
今は、ネットで多くのツールがあるおかげで俺は、他の奴より優位になっていた。
「よっしゃぁ!!」
通知の紙を手にした俺は、喜びに溢れていた。
親は、就職をすると決めた俺を全力で止めた。
少しでも手元で様子を見ておきたかったのが強いんだろう。
でも、それは俺にとって苦しいだけだ。
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