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アップデート要因4
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ヨシキの行動も驚いたけど彼のお兄さんの雰囲気に飲み込まれていた僕は、玄関で立ち尽くしたままだった。
「一葉…入って来いよ」
念のため、鍵をかけて部屋に入る。
この慣れつつある空間に、僕はホッとしていた。
「お兄さん…だよね、さっきの」
僕の言葉にヨシキが小さく頷く。
「一応、ネットでこんなことをしたいって話をしたら、協力できることはするって言ってくれて…」
「優しいお兄さんだね」
仲が悪いのかと思ったけれど、どうも違うようだ。
ヨシキがお兄さんに心を許せてないという状況なんだろう。
「…一葉にも会ってみたいっていったから、ここまで来たけど…」
ちらっと僕をみた彼は僕の肩を掴んで
「一葉も、隙を見せんなよな?」
―?!
「え?ちょっと、待って!どういうこと?僕、状況がわからなかったから、邪魔しないようにって…」
なのに、そんな風にヨシキに言われるとは、心外だ。
痛む胸がまたズキズキと疼きだす。
「あーもう、だから、嫌だったんだよ、あの人。本当に、嫌。笑ってるけど、なんか腹では違うことを考えてるんだろうなって思ってしまうんだよ…」
独り言のように本音を話すヨシキに、「僕も同じだ」とは、言えなかった。
だって、2人は、兄弟だから。
関係を悪くはさせれない。
「綺麗な人だったから、その大人の雰囲気とか、そういうのに僕は驚いた…かな。ハハハ」
誤魔化した僕に、仕方がないかと諦めたヨシキは
「もう、隙を見せんなよ」
って言ってきた。
「うん」
その言葉だけで、ヨシキの特別になれたんじゃないかと思えて、嬉しかった。
ヨシキはBLを知るためにいろんなものを用意していた。
実は、僕自身、スマホでよく読んでいる。
読んでいるからこそ、漫画や小説での世界は作り話であると気づく。
でも、ヨシキにとっては、男同士の恋愛を知る第一歩がBLだったんだ。
本当は教えたい。
BLでは可能でも、自分の気持ちを伝えるのは思ったよりもできない物だと。
気持ちが繋がったとしても、身体を重ねるには、すぐにはできないということも、あやふやに省かれていることが多く詳細をリアルに描かれていることなどほとんどないのだ。まるで対等だと扱われているけれど、受け入れる側はそれなりに準備が必要だし、お互い傷つかずに身体を合わすことをするには、共通理解も必要であるということ。女の人のように妊娠をしたりする可能性はないけれど、一時の雰囲気だけで無防備な接触は、その後、後悔を招くということ。
そして、一番、僕自身が持っている不安。
それは、身体を重ねた後、態度を変えられたとしたら…それは、恐ろしいことだと思う。
けれど、今、ヨシキはそこまで考えているつもりはないようだ。
BLの世界をリアルで録りたいと打ち明けられた時、確かめたこと。
「音声だけ?」
「うん、音声だけ」
「音声だけで、どうやって、動画サイトにあげるの?」
「えっと、文字とかで…」
という会話をした。
何度も、音声だけと確かめた。
だから、
「なら、僕の身体とかに触れたり僕がヨシキの身体に触れたりすることは?」
「‥‥ない…と、思う」
?
「いや、ない!」
一つ一つ確かめた。
大丈夫。
ちょっと、そういう雰囲気だけを出せばいいんだし。
自分に言い聞かせる僕は、たぶん、卑怯なんだと思う。
こうやって、他人の興味を引き出してお小遣いを稼ごうとしているヨシキの傍で、自分の叶うことのない片想いに一時でも幸福な擬似体験を望んでいる僕。
正直、後ろめたい気持ちもなかったわけではない。
「まずはさ、自分の声を録音してみて聞いてみないか」
BLの本を二人で読んでいたけれど、何かを確かめたくて僕はそう切り出していた。
「お、そうだな。録音するっていう作業も慣れておかないといけないからな」
ヨシキはベッドで寝転んでみていたのを起き上がってベッドサイドに置いてあった段ボールの中からいくつかの機械を出してきた。
詳しくはないけれど、ノートパソコンとたぶん、マイク…付きのヘッドフォン。
それらをヨシキは器用に設置しすぐに練習をすることになった。
「試しにさ、ここの本の中からセリフを言ってみようぜ」
ヨシキの提案に僕はとりあえず合わせることにした。
『キス…してもいいか?』
僕の読み上げに、ヨシキが微妙な顔をする。
「…一葉は、そっちの役じゃない方のセリフ」
?
『ちょ、ちょっと…いきなりキスって?!』
ちらりと読み上げた後、ヨシキの反応を見る。
!!!
なんだか合格ラインのようだ。
『ねぇ…好きって言ってくれないの?』
僕が次々と読み上げるごとに、「うん、いい。いいねぇ」と、おかしな反応をしているヨシキ。
『さっきから、僕ばかりが言ってるけど、ヨシキは言わないの?』
―!!
ガバっとヘッドフォンを外してこっちを見る彼。
「だって、一葉の声、可愛いんだから聞いていて飽きない」
首にブラリブラリとかけられたヘッドフォンがまるで僕を笑っているようだった。
「っていうか、僕の声は合わないんじゃ…」
「いいや。あう。めっちゃあう」
うーんと唸って微妙な反応をする僕にヨシキは少し自信をくれる。
「だって、俺が一葉がいいって思ったんだからな」
!
ドキッと胸が鳴ってしまった。
「…うん、仕方がないなぁ…」
何度か練習してみて思ったことを二人で言い合った。
結果、漫画の世界は、自分たちにはハードルが高いから声だけを再現するのは、難しいということだった。
「じゃぁ、もうあきらめるの?」
僕の問いにヨシキが
「いや、再現はしない。けど、案はある」
?
全く僕は思い浮かばないから彼の言う言葉を想像していなかった。
「俺と一葉の二人でいるこの部屋だけ。俺と一葉は恋人でいよう」
―!!?
「え…」
今まで、少し余裕をもって話を聞いていた僕も、それはちょっと冗談では済ますことができない話だった。
「何を言ってるの?ヨシキ…」
ヨシキの願いは叶えたい。
だって、好きだもん。
困ったことがあれば助けれくれるし、助け合ったりもする。
お互い、たくさん話をして信頼を深めてきた。
風邪をひいたと聞けばすぐに駆け付けて看病だってしあった。
苦じゃなかったし、それはヨシキも同じだと思っていた。
けれど、それは恋愛感情を含ませていないからできたことだ。
「…いいか、一葉。さすがに本名で呼び合うのは、まずいから、そうだな…」
と、勝手に話をすすめるヨシキ。
「そうだ。俺は、王子。で、一葉が姫な」
?
「僕が姫?嫌だ。なんで女みたいな…」
「気にするな、所詮、名前なんて借りなんだよ。自分の名前をばらさないためにするだけなんだから何でもいいんだよ。さすがに、萎えそうな動物系と食べ物を省いたら初めに浮かんだのは王子と姫だった」
・・・・
「何?もしかして、恋人ごっこをしている様子を録音しておくとか?」
ちょっと雑な感じで言ってみたけれど、これが当たっていた。
「そう!!とりあえず、この部屋にいる時は俺の事を一葉は王子って呼んで俺は一葉のことを姫って呼ぶから」
僕は、大変なことを言い当ててしまったようだ。
おかげで断る雰囲気ではなく
「で、ずっと録音しておくから。後で、使えそうな所だけ抜き取って動画を作ってみようかと思ってる」
・・・・
「僕は、何をすればいいの?」
「姫は、何もしないで。ただ、俺の恋人役をしてくれたらいいから」
「?」
いきなり姫と言われて怪しんでいるとヨシキが口パクで機械を指さしてる。
つまり、録音をしているということだ。
「お、王子の事を恋人だって思ってたらいいんだよね」
確かめるように合わせるとヨシキが喜んでいた。
それからは週2回のバイトの日以外、ヨシキと一緒に過ごすことが多くなっていった。
彼の玄関の前で一呼吸する。
そう、これからが僕にとって幸福な時間であり、残酷な時間の始まりなのだから。
「一葉…入って来いよ」
念のため、鍵をかけて部屋に入る。
この慣れつつある空間に、僕はホッとしていた。
「お兄さん…だよね、さっきの」
僕の言葉にヨシキが小さく頷く。
「一応、ネットでこんなことをしたいって話をしたら、協力できることはするって言ってくれて…」
「優しいお兄さんだね」
仲が悪いのかと思ったけれど、どうも違うようだ。
ヨシキがお兄さんに心を許せてないという状況なんだろう。
「…一葉にも会ってみたいっていったから、ここまで来たけど…」
ちらっと僕をみた彼は僕の肩を掴んで
「一葉も、隙を見せんなよな?」
―?!
「え?ちょっと、待って!どういうこと?僕、状況がわからなかったから、邪魔しないようにって…」
なのに、そんな風にヨシキに言われるとは、心外だ。
痛む胸がまたズキズキと疼きだす。
「あーもう、だから、嫌だったんだよ、あの人。本当に、嫌。笑ってるけど、なんか腹では違うことを考えてるんだろうなって思ってしまうんだよ…」
独り言のように本音を話すヨシキに、「僕も同じだ」とは、言えなかった。
だって、2人は、兄弟だから。
関係を悪くはさせれない。
「綺麗な人だったから、その大人の雰囲気とか、そういうのに僕は驚いた…かな。ハハハ」
誤魔化した僕に、仕方がないかと諦めたヨシキは
「もう、隙を見せんなよ」
って言ってきた。
「うん」
その言葉だけで、ヨシキの特別になれたんじゃないかと思えて、嬉しかった。
ヨシキはBLを知るためにいろんなものを用意していた。
実は、僕自身、スマホでよく読んでいる。
読んでいるからこそ、漫画や小説での世界は作り話であると気づく。
でも、ヨシキにとっては、男同士の恋愛を知る第一歩がBLだったんだ。
本当は教えたい。
BLでは可能でも、自分の気持ちを伝えるのは思ったよりもできない物だと。
気持ちが繋がったとしても、身体を重ねるには、すぐにはできないということも、あやふやに省かれていることが多く詳細をリアルに描かれていることなどほとんどないのだ。まるで対等だと扱われているけれど、受け入れる側はそれなりに準備が必要だし、お互い傷つかずに身体を合わすことをするには、共通理解も必要であるということ。女の人のように妊娠をしたりする可能性はないけれど、一時の雰囲気だけで無防備な接触は、その後、後悔を招くということ。
そして、一番、僕自身が持っている不安。
それは、身体を重ねた後、態度を変えられたとしたら…それは、恐ろしいことだと思う。
けれど、今、ヨシキはそこまで考えているつもりはないようだ。
BLの世界をリアルで録りたいと打ち明けられた時、確かめたこと。
「音声だけ?」
「うん、音声だけ」
「音声だけで、どうやって、動画サイトにあげるの?」
「えっと、文字とかで…」
という会話をした。
何度も、音声だけと確かめた。
だから、
「なら、僕の身体とかに触れたり僕がヨシキの身体に触れたりすることは?」
「‥‥ない…と、思う」
?
「いや、ない!」
一つ一つ確かめた。
大丈夫。
ちょっと、そういう雰囲気だけを出せばいいんだし。
自分に言い聞かせる僕は、たぶん、卑怯なんだと思う。
こうやって、他人の興味を引き出してお小遣いを稼ごうとしているヨシキの傍で、自分の叶うことのない片想いに一時でも幸福な擬似体験を望んでいる僕。
正直、後ろめたい気持ちもなかったわけではない。
「まずはさ、自分の声を録音してみて聞いてみないか」
BLの本を二人で読んでいたけれど、何かを確かめたくて僕はそう切り出していた。
「お、そうだな。録音するっていう作業も慣れておかないといけないからな」
ヨシキはベッドで寝転んでみていたのを起き上がってベッドサイドに置いてあった段ボールの中からいくつかの機械を出してきた。
詳しくはないけれど、ノートパソコンとたぶん、マイク…付きのヘッドフォン。
それらをヨシキは器用に設置しすぐに練習をすることになった。
「試しにさ、ここの本の中からセリフを言ってみようぜ」
ヨシキの提案に僕はとりあえず合わせることにした。
『キス…してもいいか?』
僕の読み上げに、ヨシキが微妙な顔をする。
「…一葉は、そっちの役じゃない方のセリフ」
?
『ちょ、ちょっと…いきなりキスって?!』
ちらりと読み上げた後、ヨシキの反応を見る。
!!!
なんだか合格ラインのようだ。
『ねぇ…好きって言ってくれないの?』
僕が次々と読み上げるごとに、「うん、いい。いいねぇ」と、おかしな反応をしているヨシキ。
『さっきから、僕ばかりが言ってるけど、ヨシキは言わないの?』
―!!
ガバっとヘッドフォンを外してこっちを見る彼。
「だって、一葉の声、可愛いんだから聞いていて飽きない」
首にブラリブラリとかけられたヘッドフォンがまるで僕を笑っているようだった。
「っていうか、僕の声は合わないんじゃ…」
「いいや。あう。めっちゃあう」
うーんと唸って微妙な反応をする僕にヨシキは少し自信をくれる。
「だって、俺が一葉がいいって思ったんだからな」
!
ドキッと胸が鳴ってしまった。
「…うん、仕方がないなぁ…」
何度か練習してみて思ったことを二人で言い合った。
結果、漫画の世界は、自分たちにはハードルが高いから声だけを再現するのは、難しいということだった。
「じゃぁ、もうあきらめるの?」
僕の問いにヨシキが
「いや、再現はしない。けど、案はある」
?
全く僕は思い浮かばないから彼の言う言葉を想像していなかった。
「俺と一葉の二人でいるこの部屋だけ。俺と一葉は恋人でいよう」
―!!?
「え…」
今まで、少し余裕をもって話を聞いていた僕も、それはちょっと冗談では済ますことができない話だった。
「何を言ってるの?ヨシキ…」
ヨシキの願いは叶えたい。
だって、好きだもん。
困ったことがあれば助けれくれるし、助け合ったりもする。
お互い、たくさん話をして信頼を深めてきた。
風邪をひいたと聞けばすぐに駆け付けて看病だってしあった。
苦じゃなかったし、それはヨシキも同じだと思っていた。
けれど、それは恋愛感情を含ませていないからできたことだ。
「…いいか、一葉。さすがに本名で呼び合うのは、まずいから、そうだな…」
と、勝手に話をすすめるヨシキ。
「そうだ。俺は、王子。で、一葉が姫な」
?
「僕が姫?嫌だ。なんで女みたいな…」
「気にするな、所詮、名前なんて借りなんだよ。自分の名前をばらさないためにするだけなんだから何でもいいんだよ。さすがに、萎えそうな動物系と食べ物を省いたら初めに浮かんだのは王子と姫だった」
・・・・
「何?もしかして、恋人ごっこをしている様子を録音しておくとか?」
ちょっと雑な感じで言ってみたけれど、これが当たっていた。
「そう!!とりあえず、この部屋にいる時は俺の事を一葉は王子って呼んで俺は一葉のことを姫って呼ぶから」
僕は、大変なことを言い当ててしまったようだ。
おかげで断る雰囲気ではなく
「で、ずっと録音しておくから。後で、使えそうな所だけ抜き取って動画を作ってみようかと思ってる」
・・・・
「僕は、何をすればいいの?」
「姫は、何もしないで。ただ、俺の恋人役をしてくれたらいいから」
「?」
いきなり姫と言われて怪しんでいるとヨシキが口パクで機械を指さしてる。
つまり、録音をしているということだ。
「お、王子の事を恋人だって思ってたらいいんだよね」
確かめるように合わせるとヨシキが喜んでいた。
それからは週2回のバイトの日以外、ヨシキと一緒に過ごすことが多くなっていった。
彼の玄関の前で一呼吸する。
そう、これからが僕にとって幸福な時間であり、残酷な時間の始まりなのだから。
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