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その9、漫画イベント再襲来っ!からの、ハメ...

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それは、忘れた頃にやってきた。

2人で俺の部屋でダラダラとゴロゴロとしているときだった。

バン!っと、ノックという合図を知らない姉、夏がいきなり扉をあけてこう言った。



「...啓太。あんた、もっと物を注文するなら、それなりに配慮と言うものを考えなさいっ!!」



バタンと扉は閉まり、静まり返った部屋には俺と勇士が扉を見たまま固まっていた。



「...今回は、何買ったの?」



勇士の質問に、俺の動揺は曝け出されたのだった。



「えっ、ちょっ、うーン、そんな、えっ、なんの、話...かなー...。はい、サーセン。また、買ってしまいました。

 漫画...」



俺はベッドの上から降り、クローゼットの扉を開けて、しまってある一冊の本を取りだした。

そこには、『なんで?男子高校生、初めての恋は幼馴染。「今夜のご希望はなんですか」2』と書かれている。

そして、ちなみにではあるが、参考までにS気のある男が差し出す足を蕩け捲った舌を出してうっとりとした表情で舐めようとしている可愛らしい男。

えっ、もはや幼馴染の枠を超えて、ただのエロ漫画じゃねーか?あー、そうですねー。

BL漫画って、エロ漫画みたいに描いている作家さんもいて、「らめぇ」「パチュンパチュン」とかめちゃくちゃエロイ。

え、こんなの腐女子という淑女たちは、澄ました顔で読んでるのか―と思った。俺らなんか、そういうシーンがあっただけでこっそりと読むか、さっきまでの速さとは明らかに早くなってんじゃね?って思うぐらい、特別モードで読む習性が身についてるっていうのに、ずるいっ!!



ただ、気になったのだ。

S気の男は見ての通り、可愛い男の方を責め立ていく側。かわいい男の方は、その男を受け入れる側。

受け入れる側が本当にエロエロな言葉を言っているのかとか、「パチュン」と聞こえているのかとかがすごく気になった。

言い訳を考えて



「...この前の漫画の続き。...話がまだ終わってないし…」



俺の差し出した漫画をペラペラと捲ってしばらく読みはじめパタンとページを閉じて勇士はこういった。



「じゃー、録音と録画をしてみよーね、啓太♡」



はぁ?

俺、そんな願望、出してなかったよな?



それから、10分後。俺の部屋は、とてもおかしな状況になっていた。



「...勇士くーん、どうして...カメラとか持ってんの?」



何故、どうして?意味がわからない。

あの漫画の事をばらして10分で、即席撮影会場へと様変わり。

ベッドの4方向には小さな小型カメラが置かれ、傍に置いている机にはノートパソコンが立ちあがり、4つの画面でベッドにいる俺と勇士の姿を映していた。あ、動画サイトで見たことある撮影風景。



「いやー、なんか急にね、撮りたくなっちゃうんだよねー」



用意しているときの勇士はとても楽しそうだった。いつもは手ぶらで来るか、過ごし方にあったものを持ち込んで家にやってくる。なのに、今日は真っ黒な箱型のバッグを持っているのをみて、やけに重そうだなとは思った。



あまりにもタイミングが良くね?

突撃してくる姉に、用意周到な勇士。

―!



「え、勇士とねーさんって、連絡先を交換してるの?」



勇士の答えは「YES」だった。



「ま、まさか...漫画の事も...」



勇士はふふふと意味深な笑みでカバンから本を取りだした。



「うん、一緒のやつを買ったよー、で、どこが啓太の気に合った場所かなーって思ったんだけど、今回は、話的にもちょっとパッとしなかったというか、エロがメインすぎて逆に萎えるというか...」



勇士の厳しいコメントに思わず同感だと思った俺、そこじゃないだろっ。



「で、よく考えたら、啓太って自分がどんな風に俺に抱かれてるのかを知らないよなーって思って。漫画が今回、エロばっかりだろ?あ、こういう話の内容に啓太が関心あるんだって思った。

 ついでに自分のも見て、研究でもする?...みたいなー」



お、幼馴染という全て知られている存在って、マジでこえー。

人は、「以心伝心だねっ♡」って言ってくるかもしれないが、このレベルは、寒気対策が必要だ。

それよりもなによりも、何気に勇士の発言、おかしくないか?



...世の中の抱かれている側の人間に尋ねたい。この際、性別に拘りはない。

自分が抱かれている姿を録画してみたことがある人ってどのくらいいるんだろう。

別にコレクションとかじゃなく、ただ、興味があってというなら今の俺と同じだ。

だけど、秘蔵とかって言って、後で出してこられたらどんなことよりも先に、この世から排除させたい物なのだが。



動揺する俺に近付き勇士は笑いながら、



「悩んでても始まらないだろう、だからな、啓太。一緒に、お勉強、しような?」



こんなお勉強は...嫌だぁ。



『やぁぁん、腰をうごかさないでぇ...』『パチュン、パチュン、じゅるじゅる...』

『もうやらぁ、ら、らめらのぉ...』

気だるい身体のまま俺は勇士に身体を抱かれた状態で見せられてます、俺の...画像。

もうね、俺は手で隠して視界を遮ることしかできないの。耳からは音が聞こえて自分がまさに勇士に抱かれているんじゃないかって錯覚してしまいそう。身体がむずむずとするし、耐えれないから振り向いて勇士に異議を唱えようとするけれど、

「あ、見て啓太。ここのときね。俺はもう、また、ブチって理性がキレたね。キレ過ぎよー」



身体には力が入っておらず恥じらいもなく大きく足を広げられて下の方からは「じゅぼじゅぼ」と音を立てているシーン。

俺の口からは「ゆうし...ゆうし...」って言ってるし、顔は涙を溜めながらも嫌がってない。むしろ喜んでるー。

「しゅごいぃ...」「だめっ、あっ...もっと...」...どっち?

突き上げられるたびに見える部分と上がる俺のオレ。

ふえーーん。もう、ムリ......

でも、ちらっ!すごく気持ちがよさそう...。

実際に、勇士に抱かれているときってすごく気持ちがいい。

自分だけが気持ちよくなるのは嫌だから、俺も頑張ってみるけど、こういうことに積極的なのが勇士の方が上回っているので、いつも気付けば流されてるんだよな。

キュゥゥンっと、胸の中が熱くなり、身体も火照ってくるようなこの状況...もう、勘弁っ!

目を閉じて耳を手でふさいだ。

あ、これをすればよかったんじゃん、俺のバカっ!

でもね、気付かなかったんだよ。

頭の上で「それじゃー、啓太。おさらいだな」って言っている勇士がいることを。



ン?勇士が何か言ってる。えっ、少し腰をあげろって?



俺は耳に手を当てたまま言われたようにベッドの上で膝立ちになった。

すると、勇士の手が身体を弄ってきた。



「...えっ」



驚いて手を離すとクスクス笑う勇士。



「耳を塞いでいたら俺の声が聞こえないよ、恥ずかしいのは分かるけどね」



俺の後ろから勇士の手が身体を弄りながら首の後ろや耳に口づけを落とす。

それが...嬉しい。気づいたら、腰が勇士の方に行ってしまう。



「啓太は日焼けしてもすぐに真っ赤になるけど、こうやって何回もエッチすると、ここも赤くなるんだな」



ふぇ?勇士がいつの間にか俺の後ろを開いて先ほどまで入っていた場所を覗き込んでいた。



「...お、お前、どこを...あっ、指を...」



身体の中で今、一番敏感な場所を再び勇士が刺激をする。

さっきまで快感で喜んでいた場所は、ちょっとの刺激で静まりかけていた快感を起こし、身体に鈍いしびれが走るようでガクッと腰をおとしてしまった。



「ひやぁっ!」



勇士の指が後孔に入り、その驚きで俺は身体を震わせた。思わず身体に衝撃が走ったように身体を強張背てしまった。



「あれー、啓太も欲しかったんじゃん。積極的な啓太も好きー」



クチュクチュと音がなるように指を動かす勇士。



「あっ、ン...やぁ...音が...」



「音?啓太は音が気になるの?でも、これは仕方がないでしょ?啓太の中で言ってるんだしー」



意地悪な勇士の言葉に反論したいのにできない。気持ちがいい...。

気付けば俺はベッドに手を置いて、腰だけを上下に動かし勇士の指で気持ちがよくなっていた。

勇士はその様子を見てすごく嬉しそう...あっ。

手をついたまま覗き込むと足を開いた俺の中に入っていく勇士の指のその向こうに、勇士のモノを見つけてしまった。

もう何回も出してるのに、ビクビクと震えている。

身体の向きを変えて、ちらりと勇士を見た。

「?」

ゆっくりと屈んで、手をそこの伸ばして俺はシゴキ始めた。



「ちょっ、...えー、啓太っ、手で?」



手じゃない方がいいみたいだ。



「...うん、欲しい...」



OKっというように傍に置いていたスキンを素早くつけてそこにヌルヌルのローションを絡めている勇士。

その手早さが、俺を求めるためにしてると思うと、嬉しいという気持ちが溢れてくる。

胡坐をかいたままの勇士に俺が背を向けたまま腰を落とし、ゆっくりと挿入してみた。

「くッ」と勇士の声が聞こえそのまま腰を落としていく。



「はぁぁん」



身体を落とす瞬間が好き。ジワリと生理的な涙が湧くけど、これは嬉しい涙。

身体がビクビクと反応して中の勇士がズンって大きくなる。

...トンと勇士の身体に触れて全部が収まったのが分かった。

後ろには自分を受け入れてくれる勇士がいる。

それだけで俺は満たされ、一気に快感だけを求める身体になっていく。

ゆっくりと上下に動かすとエッチな音が耳に入るけど、それよりもハァハァと乱れる呼吸の勇士を見ると、もっと、もっとと思ってしまう。



ガチャガチャっと音がし、勇士を見ると片手にはビデオが。

レンズを自分が繋がっている場所に焦点を合わせているのに気づき、身体の奥がぞくりとする。



「...そんな場所、撮って...」



「...啓太、続けて。エロイ。エロ過ぎる。これだけで、俺、平日頑張るから」



意味が分からないけど、勇士が喜んでくれているからそのままでいた。



で...その時の映像は...もう、自分の何かを失ったようで...少し複雑な涙がでた。

え、見せてもらったのか?

さすがに内容が内容だけに学校とか外は見ていないけど、俺と一緒にいる時間、勉強していて横で手が止まってんなーって見たら、ニマニマしながら見てた。うん、見てた。

で、俺が言いたいことがつまりにつまった視線をとばしてて気が付いて一言。



「ん?なーに、啓太」



ニコニコと笑みを浮かべ、どこかすっきりとした顔の勇士。

好きなんだけど、こういう所がなんというか...でも、許している自分がいた。



『ゆーし、イクっ、いっちゃう、ねーぇっ!イッちゃうからぁぁぁぁ。

 啓太、いけっ。

 んぁぁぁぁぁん。』





「はぁ、この啓太、マジで最高。俺、昨日だけでも5回イケた。これ、保存級」

ブツブツと画面を見ながらひとりで言ってる勇士をみて思う。



だって、気持ちよさそうにしている俺とそれを喜んでいる勇士が映っているのを見て、気分は悪くない。

そうだろ?

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