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とうとう、本物の魔女が出現?5
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祝言というほどの格式もなく、指輪の交換と食事でこの日は御開きになった。
「もう遅いから、泊まったら?」
お母さんのご厚意も、ミハルさんがストレートにかわしていく。
「...明日も仕事があるから...」
それ以上、みんな何も言わない。
俺は、一人一人と言葉を交わした。
お父さんは、
「また、いつでも遊びにおいで」
お母さんは、
「こんど、お父さんの所にも、いきましょうね」
お兄さん(長男)は
「住んでいて改善がある所があれば教えて欲しい」
お兄さん(次男)は
「また、ゆっくりお話をしましょうね」
と、言ってくれた。
ミハルさんの優しさは、このあたたかい家族がいるからなのだと思った。
そうしてマンションに帰宅する頃には、日にちが変わろうとしていた。
疲れた...
明日も、ミハルさんは仕事がつまっている。
2人の指には、新しい指輪。
でも、俺は前の物もつけている。
ミハルさんは、外せっていうけれど、落ち着くし愛着がある。
そんな俺をミハルさんもほっとけないようで、ダブルでリングをしている。
先程までの時間が夢を見ているようだ。
いつもの部屋に、いつもの匂い。
「奥さん、今日はもう休もうか」
たぶん、ミハルさんも照れてるんだろう。
...でも、俺がやはり奥さんって。
2人、何を話をするわけでもない、一人の時間を過ごしている。
ベッドで過ごしていたら、ミハルさんが俺を抱きしめてくれた。
「ほんとうは、初夜なんだけど...問題が落ち着くまで、待っていて。」
最後の言葉で、抱きしめる力の強さが増した。
―!
そうか...
ミハルさんは、この 待っていて と言う言葉を警戒していたんだ。
「ミハルさん、俺はミハルさんが好きだよ?
それに、今の俺は、ミハルさんと離れると後悔する。
俺の事を大切にしてくれているのは、本当によくわかった。
だから、俺もミハルさんを大切にしたい。
そばにいるよ」
まっすぐ見て、少しでも信じてもらえたらと思っている。
こうして、ミハルさんは翌日、ダブルの指輪をつけて仕事にむかった。
PRRRRRR
仕事の合間に電話が鳴った。
スマホの表示には、ゲンタさんの名前がある。
「はい」
『お前たち、結婚したのか?』
?!
今はまだミハルさんが家を出て一時間だ。
『あいつ、いつもはSNSを使わないのに、今朝は朝の挨拶をしたんだけど...』
フムフムと聴いていたが、そのとんでもない方法で公表したから大騒ぎになっているらしい。
今度、載るという雑誌を見ているミハルさん。
しっかりと指輪も写っている。
しかも、一緒に見ているのは、白木 はる らしい。
ゲンタさんが言うには、白木 はる には 仕事の顔と、プライベートの顔があると言っていた。
俺はあまりそういうことに関心はないけれど、ミハルさんのオフは、眼鏡をかけていることもあるし、ベランダで面白い恰好をしている。
だから、プライベートの顔って言われたら、素なんだって思った。
でも、世間は違っていたようだ。
『メディアが、大型新人声優、本当の魔女って掲げてたから、みんな女だと思う。
でも、白鳥とうつっている写真は、男の姿だ。
みんな、すごい反応をしている』
そうか、仕事じゃないって言うことを見せているんだ。
俺は、ゲンタさんからの情報だけで終わったけれど、たぶん反響は大きいのかもしれない。
ミハルさんの覚悟を知ることができたし、それを見つめている俺にはなにができるのだろう。
疲れてい帰ってくるのなら、寛げれるようにしてあげたい。
―!!
そうだ、ベランダの野菜を使って一緒にご飯を作ろう。
大体の物は俺が準備して、サラダの仕上げをミハルさんにお願いする。
それだけでも、美味しさは倍増だっ!
そう思ったら、俺は、心の中に一瞬浮かんだ不安を消すことができていた。
ピコン!
スマホの音が鳴り、メッセージを見る。
『今日は荷物が多いからタクシーで帰る』
?
今日はイベントとかあったのかなぁ?
ま、返信をしておこう。
「わかりました。
マンションの下に降りて運ぶ手伝いをしますね、送信っと!」
ピコン!
―はやっ!?
ん?
『要は下に降りてこないで。兄さんに運ばせる。はってるかもしれない』
―!!!?
えぇぇぇっ!
俺は、スマホを片手に驚いていたら、打ち合わせの終わった後輩が事務所に戻ってきた。
「いや~っ!白鳥さん、スゴイっすね!!
もう、マンションの前、何人かいたっすよ!!」
―!!!?
うそだっ!?
「どうしよう、やっぱり報告しておこうか…」
俺の不安そうな顔を見た後輩が
「あ、さっき俺がしておいたっす。
いや…人気者ってすごいっすね!
あ、白鳥さんから、買い物はしばらくお兄さんにって言ってたんすよ」
―!!!
そうか、こうして乗り切る時を考えていたんだ、ミハルさん。
どうしよう…俺、愛されてるのかも…
そう思ったら、顔が赤くなるのを自覚した。
カァァァ
―!!
「え?
先輩、なんで顔が赤いんすか?
あ、想い出し笑いっすか?」
もう、耐えられない…
顔を手で押さえて落ち着かせようとする。
パシャリ!
ん?
「送信完了!」
後輩の言葉に、俺は反応をすることもできず、見守る。
その時の俺、その行動を後で、後悔するぜっ!!
「もう遅いから、泊まったら?」
お母さんのご厚意も、ミハルさんがストレートにかわしていく。
「...明日も仕事があるから...」
それ以上、みんな何も言わない。
俺は、一人一人と言葉を交わした。
お父さんは、
「また、いつでも遊びにおいで」
お母さんは、
「こんど、お父さんの所にも、いきましょうね」
お兄さん(長男)は
「住んでいて改善がある所があれば教えて欲しい」
お兄さん(次男)は
「また、ゆっくりお話をしましょうね」
と、言ってくれた。
ミハルさんの優しさは、このあたたかい家族がいるからなのだと思った。
そうしてマンションに帰宅する頃には、日にちが変わろうとしていた。
疲れた...
明日も、ミハルさんは仕事がつまっている。
2人の指には、新しい指輪。
でも、俺は前の物もつけている。
ミハルさんは、外せっていうけれど、落ち着くし愛着がある。
そんな俺をミハルさんもほっとけないようで、ダブルでリングをしている。
先程までの時間が夢を見ているようだ。
いつもの部屋に、いつもの匂い。
「奥さん、今日はもう休もうか」
たぶん、ミハルさんも照れてるんだろう。
...でも、俺がやはり奥さんって。
2人、何を話をするわけでもない、一人の時間を過ごしている。
ベッドで過ごしていたら、ミハルさんが俺を抱きしめてくれた。
「ほんとうは、初夜なんだけど...問題が落ち着くまで、待っていて。」
最後の言葉で、抱きしめる力の強さが増した。
―!
そうか...
ミハルさんは、この 待っていて と言う言葉を警戒していたんだ。
「ミハルさん、俺はミハルさんが好きだよ?
それに、今の俺は、ミハルさんと離れると後悔する。
俺の事を大切にしてくれているのは、本当によくわかった。
だから、俺もミハルさんを大切にしたい。
そばにいるよ」
まっすぐ見て、少しでも信じてもらえたらと思っている。
こうして、ミハルさんは翌日、ダブルの指輪をつけて仕事にむかった。
PRRRRRR
仕事の合間に電話が鳴った。
スマホの表示には、ゲンタさんの名前がある。
「はい」
『お前たち、結婚したのか?』
?!
今はまだミハルさんが家を出て一時間だ。
『あいつ、いつもはSNSを使わないのに、今朝は朝の挨拶をしたんだけど...』
フムフムと聴いていたが、そのとんでもない方法で公表したから大騒ぎになっているらしい。
今度、載るという雑誌を見ているミハルさん。
しっかりと指輪も写っている。
しかも、一緒に見ているのは、白木 はる らしい。
ゲンタさんが言うには、白木 はる には 仕事の顔と、プライベートの顔があると言っていた。
俺はあまりそういうことに関心はないけれど、ミハルさんのオフは、眼鏡をかけていることもあるし、ベランダで面白い恰好をしている。
だから、プライベートの顔って言われたら、素なんだって思った。
でも、世間は違っていたようだ。
『メディアが、大型新人声優、本当の魔女って掲げてたから、みんな女だと思う。
でも、白鳥とうつっている写真は、男の姿だ。
みんな、すごい反応をしている』
そうか、仕事じゃないって言うことを見せているんだ。
俺は、ゲンタさんからの情報だけで終わったけれど、たぶん反響は大きいのかもしれない。
ミハルさんの覚悟を知ることができたし、それを見つめている俺にはなにができるのだろう。
疲れてい帰ってくるのなら、寛げれるようにしてあげたい。
―!!
そうだ、ベランダの野菜を使って一緒にご飯を作ろう。
大体の物は俺が準備して、サラダの仕上げをミハルさんにお願いする。
それだけでも、美味しさは倍増だっ!
そう思ったら、俺は、心の中に一瞬浮かんだ不安を消すことができていた。
ピコン!
スマホの音が鳴り、メッセージを見る。
『今日は荷物が多いからタクシーで帰る』
?
今日はイベントとかあったのかなぁ?
ま、返信をしておこう。
「わかりました。
マンションの下に降りて運ぶ手伝いをしますね、送信っと!」
ピコン!
―はやっ!?
ん?
『要は下に降りてこないで。兄さんに運ばせる。はってるかもしれない』
―!!!?
えぇぇぇっ!
俺は、スマホを片手に驚いていたら、打ち合わせの終わった後輩が事務所に戻ってきた。
「いや~っ!白鳥さん、スゴイっすね!!
もう、マンションの前、何人かいたっすよ!!」
―!!!?
うそだっ!?
「どうしよう、やっぱり報告しておこうか…」
俺の不安そうな顔を見た後輩が
「あ、さっき俺がしておいたっす。
いや…人気者ってすごいっすね!
あ、白鳥さんから、買い物はしばらくお兄さんにって言ってたんすよ」
―!!!
そうか、こうして乗り切る時を考えていたんだ、ミハルさん。
どうしよう…俺、愛されてるのかも…
そう思ったら、顔が赤くなるのを自覚した。
カァァァ
―!!
「え?
先輩、なんで顔が赤いんすか?
あ、想い出し笑いっすか?」
もう、耐えられない…
顔を手で押さえて落ち着かせようとする。
パシャリ!
ん?
「送信完了!」
後輩の言葉に、俺は反応をすることもできず、見守る。
その時の俺、その行動を後で、後悔するぜっ!!
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