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48後輩は心配しますよ

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ある日、先輩がいなくなった。
白鳥さんたち、日本の声優一団が、大々的にアジアでキャンペーン活動をしている頃、先輩が仕事を休み始めたんッス。
基本的に真面目な先輩なんっすよね。
だから、みんな先輩を知っている人間はその行動に驚いてるんっす。

そして、突然、社長宛てに辞表とお礼が届いたらしいんッス。
いや、辞表はいいんすよ。
辞めるってアピールができますから。
…でも、お礼って…!
律義に、書いてるんす。
先輩らしいっす。
本当に、曲がったことが嫌なんすね。

仕事の方は、いいッスよ。
年明けやこの時期は、喉に負担がかかるんっすから、収録のペース落とすらしいんすよ。

高木さんが言っていたんっす。
先輩の家族が亡くなったらしく、纏まったお金が必要になったとか。
心配で何度か連絡しても繋がらず、ある日、解約アナウンスが流れたんッスよ。

白鳥さんのマンションにも何度か訪ねたんッスが、反応はなく、俺は心配になり、白鳥さんに連絡をとったんっす。
驚いてたんっすが、帰国したら詳しく教えたんっす。
そしたら、白鳥さんは静かに聞いてるだけなんっす。

普通、慌てたりしますよ?
同居してたり同棲していた人が、自分の知らない間に、姿を消したんっすから。
でも、それをしないっすよ。

…もう、俺、どうしたら…

住所を調べたくても、個人情報が…
って探せないっすよ。
探し人でもSNSであげてやろうかなって思ったんすよ?
でも、高木さんはやめておけって言うし…

もう、どうしたらいいっすか…

やっと先輩が魔法使いから人間界に留まることができるようになったっていうのに…
安心してたのに…

俺、しばらくいろんなところに飲みに行って発散するっス!!
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