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43それでも恵まれています。
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俺は、事務所に息を荒くして戻った。
当然ながら、高木さんは驚いているし、陰キャラ女子は、チラッと見て興味はなさげだ。
「…なんの話だったの?」
心配そうに近づいてくる高木さん。
隠すこともできるわけもいかず、正直に答える。
「…母が亡くなりまして。
そのことについて話をしていました。
たぶん、色々な処理をするかと思うので、有休を一日使ってもいいですか?」
俺は、なるべく深く考えないように淡々と尋ねた。
「え、それは、大変だわ。
ご家族は、どちらに?遠方なら、向かうだけでも時間がかかるわ。
今は、仕上げでしょ?
上に上がってゲンタに事情を説明して。
たぶん、すぐ帰らせてくれるわ」
「あと、ご相談が…」
俺は頷き、一礼する。
セキュリティを解除してエレベーターに乗り込んだ。
機械の動く音が、俺の心をまたざわざわと動き出す。
事情を説明すると、一緒に帰る手順などを確認してくれた。
実は、何も頭の中に入ってこなかった俺は、とても助かった。
でも、手元の書類を見た時、顔を曇らせた。
「…あるのか?」
俺は頷く。
「なんとかなります」
それ以上、何も言われることなく会社を出た。
葬儀は、東京だった。
元々、東京出身の母は、地方で父の結婚をし、誰も知らない場所で生きてきた。
俺を生む前にも、何度か精神的に疲れていた時期があったらしい。
それでも、俺が生まれてきてからは安定していた。
でも、俺が二十歳の時、全てを壊れてしまった。
父に言われたこと。
「母さんに会え」「自分の目で確かめろ」
そして、渡された請求書。
俺は、一人で暮らしていた時から、CD以外の娯楽はしていない。
酒も控えて食事も自炊を心がけていた。
蓄えはそれなりにあった。
でも、請求書の金額は、ちょっとばかり足りなかった。
マンションに戻り、自分のキャリーバッグを開く。
集めていた数多くのBLCDを詰め込む。
―!
『EMOTION』
これは、入れることができなかった。
自分の仕事用の鞄に入れる。
気が付けば、ミハルさんの作品は、自分の手元に残していた。
それでも、数は多く、おさまりきらないものは、段ボールに入れた。
タクシーを呼び、BLCDを持って、会社に戻った。
入り口には、高木の姿が、横には陰キャラ女子がいた。
「会社からは、一部を出せるらしいんだけど、全部は無理なの…
でも、彼女が計算してくれるわ」
そう高木さんが言って、横の彼女を見る。
彼女は、ずっとスマホを操作している。
「本当は、私が貰いたいんですけど、そんなお金はありません。
で、今、ちょっと声をかけたんですけど。
あっ!部長!
これ、全てBLCDなんですけど、こんなに揃っているのって、今は珍しいんですよ。
コレクターは手元から離さないし、基本、腐は集めるために必死です。
BL向上委員会部として、どうです?
それでも、これだけのものを誰かに渡しますか?」
キラリン
と光った眼鏡が、気になる。
要は、その啖呵の切り方にある意味、感動した。
「ふふふ、君、言うじゃないか…」
委員会部の部長さんも、人相の悪そうな笑みを浮かべている。
とりあえず、会社のロビー横にある部屋にみんなが集まる。
CDを持った俺、委員会部の部長さん、高木さん、陰キャラ女子。
濃い過ぎる。
「大体見させてもらったところ、うちのレーベルの作品を抜いたとしてもざっと、50万。
いいですか、たかがCDを舐めては困るんです。
絶版物なんか、十万単位でネットでやり取りされてるんです。
しかも、これ、全部めちゃくちゃ保存状態がいい。
これ全部を眺めながら、私、ご飯が4杯食べれます。
さっき、タイトルをざっと写した写真を皆様に流しました」
―!!
その言葉に、委員会部の部長さんが顔を真っ青にする。
「…えっ!
‥‥ちなみに、なんと返事が‥‥」
「各連合から、必要であれば、メンバー一式の嘆願書を用意するとのことです。
どうします?
地道に、ネットで保存状態の悪いCDを探して金を払うか、今、この場で篠田さんにお金を払うか。
さぁ、決めてもらおうじゃないですかっ!!」
―!!!!
ひぃぃぃぃ
何これ、なんなの?
俺、普通に高木さんにCDを買い取ってもらおうと思ってたのに…
なんだか、大事になっているんですが…
高木さんを見ると、手を合わせている。
「ごめんね、彼女、嗅覚がすごいのよ。
最近は、フリマとかあるじゃない?
本当は、大切にしてほしいわ。
でも、事情で手放すんだったら、ちょうど、今、委員会部全体で集めてるのよ。
BLCDを。
BLCD部としては、お金が出せないんだけど、委員会部はとても大きいじゃない?
…それに、ねぇ…
連合の皆さんは、なんて思うのかしら…」
―!!!
一瞬、高木さんが、委員会部の部長さんをちらっとみた。
しかも、最後の言葉の方は、素に戻ってとても男らしい声だ。
「なんだか、すみません。
本当は言いたくないんですけど、給料を前借したいです」
俺は、大事になったことを少しでも収めようと、切り札を出す。
「無理です」「そんなことはさせません」「別に構わないんだけど…」
三人、色々な反応である。
陰キャラ女子の追及は、まだ終わらない。
「こんな状態のいいものを『あ、寄付?いい子だね…』
で済ませたら…かなりヤバいですよ。
…部長さん」
―陰キャラ女子、年下なのに、凄い…
部長さんは、
「…ヤバい…って?」
もう、恐怖に怯える小人のようだ。
「…しばらくは、会社の中、歩けませんよ」
!!!???
その瞬間、彼はスマホを取り出し、どこかにかけ始めた。
「至急!
振り込んで欲しいんだが…BL向上委員会、そう。
偶然にも、状態のいいものを見つけたのでね、一括で買い取る。
え?あ、えぇぇ?…あ、はい。…はい…
よろしくお願いします」
…
「篠田君、臨時ボーナスが入っていると思う。
今、完了したから」
―!?
「え?」
部長は、手の冷や汗を一生懸命、ズボンで拭っている。
「社長が、もう画像を確認して臨時ボーナスという形で口座に入れているって」
―!?
俺は、予想もしていなかった名前に思わず反応してしまった。
「…社長?」
部長は、頷く。
「さっきのは、金を管理する部署ね。
君、どこまで流したの!?」
陰キャラ女子に向けられた言葉は、彼女の相変わらずの笑みで答えられる。
「どこまでって?
そりゃ、腐男子連合にもす・べ・てです。
さて、話が終わりましたので、渡して頂きます。
これは全て、BLCD部が管理しますので」
そう言って、俺の持っていた段ボールを片手で持ち、スーツケースを運んでいく。
何だか、手早いからイマイチ飲み込めていない。
社長が出てきたよな?
こんなことって一般に有り?
ま、俺の周りの話って感じで深くは考えないようにする。
でも、これで父の元に向かうことができる。
高木さんと目が合う。
俺は一礼をして先に行った彼女を追いかける。
一時間後、空のスーツケースを持って俺は銀行に向かった。
残高を確認する。
良かった。
最近は、葬儀の支払いをカードで落とせるらしいので口座にあるか不安だった。
多分、現金でいくらかいると思うしどれぐらい臨時が入ったのか知りたかった。
「...でも、こんなに...」
ボーナスは破格だった。
ありがたいと思う。
集めようとしていて手間が省けるし、大切にしていた物だ。
全ての支払いを済ませたとしても、少しばかり余裕がある。
―大丈夫だ
俺は、手元にいくらか引き出しマンションに戻る。
葬儀で必要な物を全て揃えて家を出る。
もしかしたら、泊まることになるかもしれない。
親の葬儀など、もちろん経験はないが、ゲンタさんからの助言で用意をしておく。
彼の助言は自分に取って、とても支えになっていた。
都心から少し離れた場所で母の葬儀は、行われた。
とても小さい規模だった。
数回しか会ったことのない母方の親戚がいた。
じっと、俺が姿を見せた時から睨んでいる。
当然ながら、高木さんは驚いているし、陰キャラ女子は、チラッと見て興味はなさげだ。
「…なんの話だったの?」
心配そうに近づいてくる高木さん。
隠すこともできるわけもいかず、正直に答える。
「…母が亡くなりまして。
そのことについて話をしていました。
たぶん、色々な処理をするかと思うので、有休を一日使ってもいいですか?」
俺は、なるべく深く考えないように淡々と尋ねた。
「え、それは、大変だわ。
ご家族は、どちらに?遠方なら、向かうだけでも時間がかかるわ。
今は、仕上げでしょ?
上に上がってゲンタに事情を説明して。
たぶん、すぐ帰らせてくれるわ」
「あと、ご相談が…」
俺は頷き、一礼する。
セキュリティを解除してエレベーターに乗り込んだ。
機械の動く音が、俺の心をまたざわざわと動き出す。
事情を説明すると、一緒に帰る手順などを確認してくれた。
実は、何も頭の中に入ってこなかった俺は、とても助かった。
でも、手元の書類を見た時、顔を曇らせた。
「…あるのか?」
俺は頷く。
「なんとかなります」
それ以上、何も言われることなく会社を出た。
葬儀は、東京だった。
元々、東京出身の母は、地方で父の結婚をし、誰も知らない場所で生きてきた。
俺を生む前にも、何度か精神的に疲れていた時期があったらしい。
それでも、俺が生まれてきてからは安定していた。
でも、俺が二十歳の時、全てを壊れてしまった。
父に言われたこと。
「母さんに会え」「自分の目で確かめろ」
そして、渡された請求書。
俺は、一人で暮らしていた時から、CD以外の娯楽はしていない。
酒も控えて食事も自炊を心がけていた。
蓄えはそれなりにあった。
でも、請求書の金額は、ちょっとばかり足りなかった。
マンションに戻り、自分のキャリーバッグを開く。
集めていた数多くのBLCDを詰め込む。
―!
『EMOTION』
これは、入れることができなかった。
自分の仕事用の鞄に入れる。
気が付けば、ミハルさんの作品は、自分の手元に残していた。
それでも、数は多く、おさまりきらないものは、段ボールに入れた。
タクシーを呼び、BLCDを持って、会社に戻った。
入り口には、高木の姿が、横には陰キャラ女子がいた。
「会社からは、一部を出せるらしいんだけど、全部は無理なの…
でも、彼女が計算してくれるわ」
そう高木さんが言って、横の彼女を見る。
彼女は、ずっとスマホを操作している。
「本当は、私が貰いたいんですけど、そんなお金はありません。
で、今、ちょっと声をかけたんですけど。
あっ!部長!
これ、全てBLCDなんですけど、こんなに揃っているのって、今は珍しいんですよ。
コレクターは手元から離さないし、基本、腐は集めるために必死です。
BL向上委員会部として、どうです?
それでも、これだけのものを誰かに渡しますか?」
キラリン
と光った眼鏡が、気になる。
要は、その啖呵の切り方にある意味、感動した。
「ふふふ、君、言うじゃないか…」
委員会部の部長さんも、人相の悪そうな笑みを浮かべている。
とりあえず、会社のロビー横にある部屋にみんなが集まる。
CDを持った俺、委員会部の部長さん、高木さん、陰キャラ女子。
濃い過ぎる。
「大体見させてもらったところ、うちのレーベルの作品を抜いたとしてもざっと、50万。
いいですか、たかがCDを舐めては困るんです。
絶版物なんか、十万単位でネットでやり取りされてるんです。
しかも、これ、全部めちゃくちゃ保存状態がいい。
これ全部を眺めながら、私、ご飯が4杯食べれます。
さっき、タイトルをざっと写した写真を皆様に流しました」
―!!
その言葉に、委員会部の部長さんが顔を真っ青にする。
「…えっ!
‥‥ちなみに、なんと返事が‥‥」
「各連合から、必要であれば、メンバー一式の嘆願書を用意するとのことです。
どうします?
地道に、ネットで保存状態の悪いCDを探して金を払うか、今、この場で篠田さんにお金を払うか。
さぁ、決めてもらおうじゃないですかっ!!」
―!!!!
ひぃぃぃぃ
何これ、なんなの?
俺、普通に高木さんにCDを買い取ってもらおうと思ってたのに…
なんだか、大事になっているんですが…
高木さんを見ると、手を合わせている。
「ごめんね、彼女、嗅覚がすごいのよ。
最近は、フリマとかあるじゃない?
本当は、大切にしてほしいわ。
でも、事情で手放すんだったら、ちょうど、今、委員会部全体で集めてるのよ。
BLCDを。
BLCD部としては、お金が出せないんだけど、委員会部はとても大きいじゃない?
…それに、ねぇ…
連合の皆さんは、なんて思うのかしら…」
―!!!
一瞬、高木さんが、委員会部の部長さんをちらっとみた。
しかも、最後の言葉の方は、素に戻ってとても男らしい声だ。
「なんだか、すみません。
本当は言いたくないんですけど、給料を前借したいです」
俺は、大事になったことを少しでも収めようと、切り札を出す。
「無理です」「そんなことはさせません」「別に構わないんだけど…」
三人、色々な反応である。
陰キャラ女子の追及は、まだ終わらない。
「こんな状態のいいものを『あ、寄付?いい子だね…』
で済ませたら…かなりヤバいですよ。
…部長さん」
―陰キャラ女子、年下なのに、凄い…
部長さんは、
「…ヤバい…って?」
もう、恐怖に怯える小人のようだ。
「…しばらくは、会社の中、歩けませんよ」
!!!???
その瞬間、彼はスマホを取り出し、どこかにかけ始めた。
「至急!
振り込んで欲しいんだが…BL向上委員会、そう。
偶然にも、状態のいいものを見つけたのでね、一括で買い取る。
え?あ、えぇぇ?…あ、はい。…はい…
よろしくお願いします」
…
「篠田君、臨時ボーナスが入っていると思う。
今、完了したから」
―!?
「え?」
部長は、手の冷や汗を一生懸命、ズボンで拭っている。
「社長が、もう画像を確認して臨時ボーナスという形で口座に入れているって」
―!?
俺は、予想もしていなかった名前に思わず反応してしまった。
「…社長?」
部長は、頷く。
「さっきのは、金を管理する部署ね。
君、どこまで流したの!?」
陰キャラ女子に向けられた言葉は、彼女の相変わらずの笑みで答えられる。
「どこまでって?
そりゃ、腐男子連合にもす・べ・てです。
さて、話が終わりましたので、渡して頂きます。
これは全て、BLCD部が管理しますので」
そう言って、俺の持っていた段ボールを片手で持ち、スーツケースを運んでいく。
何だか、手早いからイマイチ飲み込めていない。
社長が出てきたよな?
こんなことって一般に有り?
ま、俺の周りの話って感じで深くは考えないようにする。
でも、これで父の元に向かうことができる。
高木さんと目が合う。
俺は一礼をして先に行った彼女を追いかける。
一時間後、空のスーツケースを持って俺は銀行に向かった。
残高を確認する。
良かった。
最近は、葬儀の支払いをカードで落とせるらしいので口座にあるか不安だった。
多分、現金でいくらかいると思うしどれぐらい臨時が入ったのか知りたかった。
「...でも、こんなに...」
ボーナスは破格だった。
ありがたいと思う。
集めようとしていて手間が省けるし、大切にしていた物だ。
全ての支払いを済ませたとしても、少しばかり余裕がある。
―大丈夫だ
俺は、手元にいくらか引き出しマンションに戻る。
葬儀で必要な物を全て揃えて家を出る。
もしかしたら、泊まることになるかもしれない。
親の葬儀など、もちろん経験はないが、ゲンタさんからの助言で用意をしておく。
彼の助言は自分に取って、とても支えになっていた。
都心から少し離れた場所で母の葬儀は、行われた。
とても小さい規模だった。
数回しか会ったことのない母方の親戚がいた。
じっと、俺が姿を見せた時から睨んでいる。
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