嫁にまつわるエトセトラ

香野ジャスミン

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弟ポジション16

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新学期が始まる前、央は一度、一人で実家の藤咲家に戻った。
この時、朔はストーカーの報告を聞いているだろう。

藤咲家に戻って、とりあえず、今後について話をする。
「新学期が始まって次の休みに荷物をこっちに持って帰ろうと思ってるんだけど」
妹が、
「でも、ちょくちょくあっちの家に行ったり泊まったりするんでしょ」

…そうだけど、それじゃ、節度がないような。
ずっと話を聞いていた父が静かに言う。
「受験の年になるのだから、桐嶋君の邪魔にならないように央が気を付けるべきだ。
 いくら優秀な人でも、受験前は神経質になるものだ。
 友達を思いやるのも優しさだ」

そうだね。
「それじゃ、相談をしながら計画的に付き合うようにするよ」

「「!?!?!付き合う?」」
央はしまった!と、思い、
「親しい友人と付き合うって意味だから…」

「つきあう…」

父がブツブツと言っている。妹は、ニマニマしている。
母は、
「仲良くするって意味でしょう」

笑っているが、なんとなくバレている気もする。

このやり取りの話を朔にしたら、笑ってた。
「央はどうして頭がいいのに、この微妙な違いを感じれないんでしょうね。
 しかも、家族のみですよね」

この日の朔は少し機嫌がいい。
マンションに戻ったら朔からたくさんのキスを貰った。
いつももらってはいるが、唇がひりひりとするほどではない。
最後には
「さ、さくぅ。唇がヒリヒリする…もうできないよ…」

と、央を困らせることとなった。

ヒリヒリする唇のまま、央は朔の膝の上で、向かい合って座っている。

朔の膝の上に手を置いて朔の太ももを無意識に触っている。
「今度は朔の話を聞かせて欲しい」

央は朔の目を見て、まだ明るい日差しの入る場所で瞳の黒い色が少し変わるのを眺めていた。
「私の方もいい話ができますよ。

 例の女性ですが、他の人にも同様のことをしているようです。
 内容証明を出されているようで、その情報が一部、会社にも広まっているようです。
 そして、ついこの前、マンションの前で会った日、あの日は彼女が引っ越す日だったようです。
 噂が広まり、地方の部署に飛ばされたようです。
 会社でもこういう行為は嫌われますからね」

央は思わず、朔に抱き着いた。
「よかった…
 本当に。よかった。
 …お兄さんはこのことを知ってるの?
 朔を心配しているでしょう。
 知らせてね」

涙を浮かべながら央はたずねる。
「これは兄からの情報です。兄も知ってますよ。安心したと書いてありました」

朔はじっと央を見て、少し意地悪そうな顔をする。
「ところで、ずっと太ももを触られるとゾクゾクとしてしまうんですが、わざとですか?」

「は?えっ?」

バッと手を上に上げて続けないことをアピールした。
朔はニマニマと
「てっきり央が誘っているのかと思っていました。
 もう、私はこんなになりました…」

そう言って、朔は央の色白の手を持ち、自分のデニムの上の張っている部分に持っていく。
あ、熱い…それに固くなっている…
「熱くなってるよ?それに固い。
 …朔?
 …気持ちいいことする?」

恥ずかしさで耳まで赤くなるが、困らせていた事案が片付き嬉しいのは央も同じである。
素直に朔の目を見れないが、少し顔を背けて今、出来る誘い方をする。
「どうしましょうね。央から誘ってくれるなんて。
 …嫌らしいですね」
そう言って、朔は央の首元と鎖骨の辺りに唇を落とす。
そして、スーッと央の匂いを嗅ごうとする。
「え、やだ。朔!匂うだなんて、変態さんだ!」

両手で顔を隠し、横に顔を振る。
央は色気を纏う朔を目の前にすると、どうしても受け身になってしまう。

自分のすることに過敏に反応する央を好ましく思う朔は、次にどう彼を自分のものにしようかと企む。
央も朔が目の前で自分を見つめながら想いを巡らせているのは、気づく。

この沈黙、慣れない…
まるで、料理をされる前の食材の気分…
ハッとして、自分の思考が受け身なのに央は気づく。

央は、必死に持っているBL脳をフルに動かした。
…えっと、喜びそうで、ハードルも高くないもの…えっと…
ダメだ。焦るほど浮かんでこない…
「朔は何かしてほしいこと、ある?」

直接聞くしか結局思いつかず、恥ずかし気に見る。
「央は何かありますか?」

…またも、この質問返し。
「じゃぁ、恥ずかしいから目を閉じるか、目隠しをしてくれる?」

驚く朔の表情は、まさかこんな要求されるとは思わなかったようだ。
朔は返事をし、近くにあったアイマスクをしている。
「どうでしょう。これなら、見えませんよ」

どうしよう…このビジュアル、ちょっと好きかも。
目元を隠されるのは嫌だけど、形のいい、鼻と口が強調されているように見える。
その唇はいつも、央を翻弄する。

央は、その唇にゆっくりと自分の唇を近づけ、舌を入れる。
いつもは朔に主導権を握られている。
でも、今日は僕も朔を溶かしたい。
少し舌を吸って追いかけて…
あ、でもやっぱり朔の舌って気持ちいい…
ゆっくりと味わうように唇もまた吸われる。
「やぁん。キスで力が抜けちゃうようになってきちゃった…」

朔はクスクスと笑い、
「これだけですか?」

少し揶揄われたように言われる。
「まだ…」

さっきのキスで、央は自分が興奮しているのに気づいた。
央は朔の首、項、耳元、そして首筋と、口づけを落としながら服を緩めていく。
今日の朔は、シャツを着ているからボタンをはずしていく。
開いていく場所から唇を置き、舐めたり、吸ったりする。
央の刺激で朔も身体をぴくッと震わせる時が出てきた。
朔の膝の上からは流石に続けづらいのでソファの下の床に座る。
すべてボタンをはずし、デニムの腰の部分が見える。
央がベルトに手をかけると朔が慌てる。
「央、どこを触っているんです」

「朔は何も言わないで。見たらだめだよ。腰を浮かして」

央はシャツの間から見える朔の腹を口づけしながら朔のデニムを足元に脱がした。
!!!!
ソファに座る朔は目隠しをされ、央の与える刺激を受けて身体を震わせる。
ただ、央がいつもされるように、感じている声をだしていなのが、央は少し納得いかなかった。
朔にたずねる。
「朔、声があまり出ないね。気持ちよくない?」

「気持ちがいいというのもありますが、こそばゆいっていうのでしょうね」
感じ方は一緒ではないようである。残念。

央はズボンを脱がして朔の履いているローライズボクサーパンツを見る。
シンプルなものを好む朔は黒を履いている。
ただ、前の方は興奮をしているようで、張り詰めている。
布の上から朔はゆっくり撫でる。
今までの中では一番に朔の身体が揺れ、
「…っつ!」

と感じている声が聞こえる。
いつもされてばかりだから、反応をみて喜んでいる朔もこんな感じなんだと思う。
嬉しい…
もっとしたくなる…
「さく、きもちいい?」

手を動かしたまま、央は朔の耳元に口を近づけて尋ねる。
近くで央の声がして、朔は身体をビクッと振るわす。
央は返事を待つことなく、一人で進めていく。
「きもちいいよね。これ、ゾクゾクするよね。
 じゃぁ、これはどう?」

そう言って、朔の大きくなっている物を履いている下着から取り出す。
…すごい。熱い。
あまりじっくりと見ないからこんなに大きいなんてびっくり。
央の小さめの手では全部、持つことができない。
直接、敏感になっている物を朔は握られ、また口から声が出る。
「っく。央。私に尋ねたのに、央が応えてどうするんで…!!はぁ」


朔の大きく反り立つ物を央はゆっくりと手で刺激する。
上下に動かしたり、先の方をクニクニと指で優しくなぞったり。
その動きに合わせて、朔の腰が動き出している。
央は、もっと…
そして、自分の口を朔の物に近づけ、口からツーっと唾液を垂らす。
朔は、見えていないこともあり、この熱くなっているところに、垂らされたものに身体が大きく反応したのを自分でも感じた。
「朔はやらしいね。腰が動いてるよ」

そう言って、垂らした物を指で掬い取り、そして敏感に感じる先端に塗り付けた。
この刺激は、大きかった。
ソファの朔の身体が全体で跳ねるように思ったぐらいである。

央は膝だちになり、朔の足の間に入り、両手で朔の物をゆっくり動かしていく。
くちゅ、くちゅっと水気を含む音が部屋に響く。
朔の徐々に余裕のない表情に央は喜ぶ。
持っている知識を徐々に活用しているように央は気づいてない。
今の央は、ただ、朔に快楽を与えようとしているのだった。
手の刺激で口からは朔の声が聞こえる。
「ぁぁ。央、気持ちがいいです。
 …もう!!」

そう言って、朔が身体を起こしてアイマスクを取ろうとしたら滑りの他に温かいものに包まれた。
アイマスクを取った朔は、自分の物を手で握り、口に入れようとしている央だった。
キスで赤みの増した唇を朔の物に合わせて口を開けている。
これだけでも卑猥な光景なのに、舌を伸ばし朔の物を舐めようとしている。
目線は朔の物を潤んだ目で見つめている。
朔はそれだけで限界が一気に近づいてきた。
「央、離して。でっ!!!」

「えっ!?」
央は、目の前の物が急に大きくなり、そして弾けたのを見た。
ただ、朔の声で一瞬、視線を外し、朔と視線が合う。
と、同時に自分の顔に熱いものがトロッとかかる。

アイマスクをしていた朔がどうしてこちらを見ているのだろう
・・と、思った一瞬だった。
手の中の物に目を向けると、まだ、ドクドクと白濁をこぼしていた。
手を続けて動かそうとする央を、朔は流石に慌てる。
「央!!あぁ、なんてことを。えっと…動かさないで!」

朔は央の容赦ない刺激に身体を震わす。

朔の反応より央は、気になっていたことがあった。
指で朔の出した物を少し掬い、なんと自分の舌に乗せたのだった。
「央!!」

「うぅぅ…朔のでもこんな味なんだ…」

朔は急いで近くにあったティッシュの箱を取り、央の顔を拭き、口元にも持っていく。
「央。出しなさい。唾液も一緒に。飲み込んではいけませんよ」

朔が言い切る前に央の喉は上下した。
「…のんじゃった。ちょっとだけだから…」

朔は自分の身体に残っている物をふき取り、そして、央を抱えた。
「!!!えっ!!!!」

そして朔は浴室に入り、すごい勢いで央の服を脱がす。

自分の身体に残っている服を脱ぎすて、浴槽に入る。
まだ、何も入ってない浴槽に央は入れられ、朔を見る。
「お湯のシャワーをかけますよ」

朔の表情が見えない…

頭からお湯をかけられ、顔にも重点的にかけられる。
容赦なく朔の手で顔をごしごしと洗われる。

何も言ってくれない朔を、央は考える。
自分の行動が招いたことである。
そして、寂しくなり、涙が出てきた。
「…ひっく。…ひっく」

朔は央の顔を覗き込み、ため息をつく。
「…央。泣かないでください。すみません…」

央の身体を抱きしめ首元に顔を埋める。
「はぁ…
 ‥‥央がテクニシャンで困る…」

!!!!!!
ぼふっと顔を真っ赤にして央は顔を見られないように朔に抱き着いた。

「…ワスレテクダサイ」

朔は央の顔を見て、
「あんなエロエロ央さん、忘れません」

「…ワスレテクダサイ…」

額と額を合わせて瞳を合わせる。
そして、笑いながらキスをした。




新学期が始まり、無事に目の完治も病院で言われる。

僕、藤咲 央は普段の学校の生活を再開することができた。
ずっと冬休みの間、お世話になっていた桐嶋 朔のマンションからは一応、時々泊まったりするようになった。
登下校時の悩まされていた痴漢や見ず知らずの人からの声かけも落ち着いてきた。

利用する時間を少し変えるだけでこんなにも違うのだと思った。

朔とは、あれからも、学校では同級生、そして同じ生徒会役員として友人として過ごしていた。
朔の家のみ恋人同士で過ごす。
朔は僕を甘やかし、時に翻弄するが、まだ本当に身体を合わせたことはない。

僕は、もういつでも朔の物になってもいいように思っている。


時はすぎ、3年になり、央の予想通り、桐嶋朔が生徒会長。

藤咲 央はなんと、副会長兼、会長補佐という朔の助けを前面にしているような位置にいる。

後輩への指導や役職の分担など、3年間で経験したことを振り分けていった。

受験の時期になり、みんな神経質になりがちな時も、朔と央は穏やかに過ごしていた。

クリスマスは一緒に過ごすことに。
そして藤咲 央は桐嶋 朔に身体も心も全て渡したのだった。

優しく、そして限界まで上り詰め、央の目は涙で濡れている。
口元は朔からの唾液と自分の涎、そして体中、キスマークがついていた。
いくら優しくても朔の物を受け入れたことで央の身体に負担がある。
薬を塗り、健気に世話をして央が、また、朔のことを好きになった瞬間だった。

相変わらず、央もBL脳のおかげで教えなくていい知識を活用してしまい、その都度、朔からの反動が返ってくるということをやってしまうのだった。

BL脳、時と場合により使用上の注意がいることを央は実体験で学んだのだった。


無事に高校も卒業し希望していた大学も無事に合格した。
朔は、改めて藤咲家に報告し、央と自分の住むマンションに一緒に住むことを申し出た。

家賃も兄たちに負担をしてもらったものを自分たちで補うようにした。
央は彩色の仕事、朔は家庭教師や央と一緒に出身高の図書館の補助をしていった。

大学生の半ば、衝撃の移住発表を受け、両親から家の管理及びBL貯蔵品の維持の申し出。
そして央の作業場としてその後、朔と共に移り住むこととなる。

央はデザインの知識も生かし、彩色をメインとするアニメーター兼着色師。
朔は大学を首席で卒業し、院に進む。
修士課程修了後、試験に合格し科学捜査研究所研究員。

社会人になっても、2人はとても仲睦まじい。
出張の多い、朔を央は自宅で帰りを待つ。
そしてともに過ごすときには、新婚の夫婦のように過ごすのだった。
この二人の続きは・・・また、機会があったらご紹介しましょう。
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