異世界に落ちたら魔人に嫁認定されました。

おはぎ

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番外編

15☆

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スマホのアラートがなった。
俺はアパートにいて、シングルの狭いベットで目を覚ます。

ふと、隣をみて口を開きかけて、、、閉じた。

「……?」

なんてことない、真っ白な壁とシーツだけが広がる。
それだけしかないはずなのに。

床には服が脱ぎ捨てられ、外では電車の音がなった。
ガタガタと相変わらず騒がしい音に若干顔を顰めて、ベットを抜け出す。

線路は近いしうるさく、あまり良いアパートではなかったが駅までが近いのでそこまで不満はなかった。
とはいえ、うるさいものはうるさいのだ。

まだ寝起きでぼーっとした頭で、大学に行く準備をした。

黒のリュックに適当に荷物を突っ込んで、鍵を持って狭い玄関を出る。
雨の匂いが鼻について、玄関に戻って傘を手に取った。

ガタガタと電車に揺られて、イヤホンをしたにもかかわらず、なぜか音楽を聴く気にもなれずに外を眺めた。

夢もなく、なんとなく進学した大学。
それでもって、職を手につけるよりかは、学生というキャンパスライフを選んだ、お子様気分の自分。

頭が良く、運動もできて進学校へ進学した弟にしか関心を向けない両親。
俺を気にもとめない弟。

そこそこの付き合いの、馬鹿騒ぎするだけの浅い友人。
何となく付き合って、なんとなく別れた過去の彼女たち。

かと言って、両親が俺を除け者にしたり、同級生に虐められたりだとかそういったことはなく。

辛い過去があるわけでも明るい未来を夢見る訳でもない俺に、嫌気がさしていた。

「ほんと俺って、なんもないなぁ」








体が異様に熱く、腹の奥がぐずぐずに溶けてしまいそうな、そしてもどかしい感覚に意識が戻った。

「ぁっ、ぁ、あっ……ぁあ、っぅ、」
「っは……」

ゆさゆさと揺れる視界には、異様に綺麗に整った顔が、ぐっと眉の間をよせた顔がうつった。

「あっ……」

どくどくと自分の中に吐き出されたであろう熱に、体が震える。
ガクガクと体が痙攣して、内側の筋肉がぴくぴくと動いた。

熱い……!!!!!

「っ、ぅあ……」

ずるっと俺の中から抜けていくそれを、無意識に締め付けて喘ぐ。

ぎゅっと瞑っていたまぶたを開いて、上を仰ぎみると、やはり汗だくのジルが俺を見下ろしていて、俺も色んな体液でベトベトだった。

「……ジ、る」

思ったよりもかすれて出た声に少しびっくりしたが、「ユウ……」とそれよりも小さいジルの声と、一瞬泣きそうに歪んだ顔に戸惑った。

「ぁ……俺……」

生きてる

触手に種付けされそうになって、必死でもがいたのを最後に、記憶がない。

意識を失ってしまったのか、なんなのか知らないが、あの女の人の二の舞にはならなかったようである。
……ジルのおかげだろう。

手を伸ばしてジルの頬を撫で、そのまま長い髪の毛に手を絡める。
スルッとこぼれていく髪の毛が肌を撫でる感触に息をついた。

良かった、しっかりと触感がある。

どうやら、向こうの世界の夢を見ていたらしい。

夢で見た大学生の自分が、遠い昔のように思える。
そして、自分が異世界にいることに、この男の腕の中にいることに、心底安心していた。

「ジル、ありが……」
「ごめん、守れなかった」 

グッっと握りしめられたジルの手が、白くなっていた。
ジルは、俺を守ると約束したのに守れなかったことを悔いているのだろう。

俺と目を合わせずに、じっと下をみつめていた。

あの、そこ俺の股間だから……、あんま見ないで欲しいって言うか、、とちゃかそうかとも思ったが。

「……っ?」
 
ジルは急に眉間を指で弾かれたことに、目を白黒させた。

「助けてくれてありがとう。ジルは悪くないよ、俺生きてるし。元はと言えば、俺が戦えなかったのが悪かったから、ジルは【どういたしまして】っていえばいいんだよ」

俺の言葉にジルは、少し虚をつかれたような顔をしてから、改めて納得する訳もなくさらに眉間にシワを寄せた。

「……言わないぞ」
「変なとこで意地はるなよ」
「俺が約束を守れなかったのが悪かったんだ」
「ちゃんとまもってくれたじゃん」
「1度守れなかっただろうが」
「それは結果オーライってやつでしょ!ジルの意地っ張り」
「うるせえ」

俺がわざと意地悪く笑うと、ぷいっとジルは顔を背けた。

それは拗ねてるとかではなくて、いつもの調子に戻った合図のようで、心が軽くなるのを感じた。

本当にジルは自分が悪いと思っているだろうし、俺はジルが悪いなんて微塵も思っていない。

お互いが理解してればそれでいいのだろう。

改めてジルから目を離すと、木漏れ日ならぬヒカリゴケ?的な迷宮のあかりが木の隙間から降り注いでいた。
それに加えて、やはりマッパの俺とマッパのジル。

……どうやら、俺は野外でジルに毒ぬき的なあれをされていたのだろうと容易に想像がついた。

どこのエロゲ?

腹を撫でると、ジュクッと内側がうねるような、ザワザワと胸の内が高ぶるような感じがして、アツイ吐息を履いた。

「まだ、苦しいか?」

俺を心配するように、ジルは俺の腹を撫でた。
ピリッとしたような刺激が走って、思わず声がもれる。

「んっ……いや、、大丈夫……って、やる気じゃん」
「万が一があるといけないからな」

俺の腹を撫でていた手が、そのまま俺の腰を引き寄せた。

逃げることや、拒否するような選択肢もあるにはあるのに、そんなことをしようとも思わない俺も大概だが。

それに、まだ少し内側が熱く、寂しいような苦しさを感じてしまうのも事実だったし、俺だって求められれば嬉しくなってしまう。

俺の片足を自分の肩にかけたジルが、まだ柔らかいそこにいきなり突き入れてきた。

「……ん、ぁ」
「っ、ユウ」

既にグズグズだったそこは、根元までしっかりと咥えこんで、奥へと誘う。
圧迫感に耐えていると、おれのしりたぶにジルの腰骨が当たるのがわかった。

そのまま奥でグリグリと押し付けられるように動かれて、嬌声をあげる。

「っは、ぁ、あ゛!」

ユルリと遅く焦らされるストロークは、もっと、もっと強く激しくして欲しいと俺に言わせたいかのように、ジリジリと蝕んでくる。
腹の奥が物足りないと叫んでくるが、歯をかみ締めて耐えた。

だがそんな俺を知ってか、知らずか。

俺の耳たぶをガジッと齧り、ジルは耳に囁いてくる。

「ユウ、どうして欲しい?」
「、んっん、……ぁ、は」

もどかしい、奥への鈍い刺激だけではいくことが出来ない。

「奥か?」
「ぁ、っぁう、!」
「入口?……それとも」

「っんぅ、……ぁ、いっ!」

ギュッと乳首を摘まれて、ビリビリと快感が下半身までを駆け巡った。

「ユウ」

「ぁッ、全部!!!!!、全部して!!!!!……、ねぇっあぁ!!!!!」

ガツンっと奥をえぐられて、チカチカと目の奥が点滅した。

腕を伸ばして逃げようにも、さらに深く引き寄せられるだけで意味をなさない。

「ぁっ、あ、ぁあ゛っーーーっ、!んぁ、」

強すぎる快楽に怖くなって、必死にジルの腕にすがりついてしまうが、ジルに俺の手を逆に握りしめられ、それと同時に奥がカッと熱くなって、高みへ上り詰める。
ガクガクと全体が痙攣にて、内側を締め付けたのかジルが低く唸った。






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しばらく更新できず申し訳なかったです。( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
今までのペースでは更新出来ないと思いますが、よろしくお願いいたします。

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