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番外編

13☆

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「誰かっ……ん、ぐぅ!????!!!!!」

口からずるっと抜けて行った触手に、咄嗟に大声を出そうとするもすぐに別の触手が入り込んできて、口の中に甘ったるい液体を撒き散らした。

生暖かくて、少しトロットしている。

気持ち悪くてすぐに吐き出そうとしたが、鼻に触手が巻きついたあまりの苦しさに、ゴクッと喉が嫌な音を立てたのに血の気が引いた。

飲んじゃった……!?

「っうぇ、……ゲホッ、っう、ハッ……じる、!」

開放された口で必死に息をするも、何故か舌がビリビリと麻痺したように感覚が薄くなって、呂律が回らない。
そしてドクドクと血が巡る感覚がして、体の中心が熱くなりその熱が下腹部に溜まってゆく。

体からは汗が出始め、さらにヨダレが異常に分泌されて、必然と荒くなった呼吸に合わせて、口からダラっと垂れた。

その感覚に、ぶるっと身震いする。

まさか、飲まされたのは、媚薬……?

こんなことが自分の身に起ころうとは。
薄い本とかにありがちな展開だが、自分のみにふりかかったとなれば笑ってはいられない。

これからされるだろうことへの恐怖と、何故か湧き上がってくる期待と熱に、頭がぐちゃぐちゃと掻き回されるように意味がわからなくて、涙が零れた。

さっきから必死に紡ごうとしている恋人の名前も、回らない舌で音にならない。

「……っぁ、」

ぐいっ触手に脚を開かれ、体からばらっと下半身にかかっていた布切れが落ちて、下腹部が野外に晒された。

その中心は血色が良くなったのか、赤くなって立ち上がり、俺の意に反してダラダラと愛液を垂らしていた。
じくじくと痛いくらいに玉は張り詰め、腹の奥底から突いて欲しいという衝動が湧き上がって暴れる。

「ァ、、ぁ、っや、!」

スルスルと細い触手が体を這い上がり、俺の根元に巻きついて上下に擦った。

「ぁ、゛、ァあ、っあ、……!」 

途端に走った快感に、腰がビクビクとはね、あまりの衝撃に暴れ回る。
びちゃっと腹にオレの出したであろう精液がかかって、それすらも快楽変わった。

「っひぁ゛……!!!!!ぃっ、」

だが、触手は今だなお俺のものを擦り続け、俺の乳首にも触手が巻きついて引っ張られる。

痛い、気持ちいい、痛い、痛い、気持ちいい。

擦るように、グリグリと動き出した触手に乳首をなぶられ、もう何も考えられない。
乱暴にされているはずなのに、痛いはずなのに気持ちいい。

そんなことをされてもなお、熱がどんど溜まるばかりで、発散できずに苦しさばかりが募る。

下を扱き上げていた触手が、鈴口をえぐるように動きだして、喉を晒してあられもない嬌声をあげる。
弱い所を責められて、あっけなくいった。

「ぁ、はっ、ハッ……んっい……ーーーーーー、?!?!?」

不意に近づいてきた細い触手が、ありえないことに鈴口をこじ開けて、進み始めた。
絶対に入れるところでは無いはずの場所、さっきまで雑に扱われて敏感になっていたそこに感じる強すぎる刺激に、怖くて恐ろしくて子供のように泣きじゃくる。

「ぁ゛……!やっ、やめ、……いた、っぁ……ぃやぁ……やめで、ぐだざ……!……ぁ、ぁ、ぁ゛、あ゛、ーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」

半分ほど進んで、ズリュン!っと奥の奥までいっきに入り込んできた。

全身がガクガクと痙攣を起こして止められない。

内側から筋肉がぴくぴくと動いて、頭が真っ白にとんだ。

「……ぁ、ァひ、……!!!!!」

ぐにゅぐにゅと、ありえない場所で蠢くそれにハグハグと息を吸い込んで耐える。
決して気持ちいい訳では無いのに、何故かゆらりと腰が揺らめいて、刺激を求め始める。

「ぁ、ぁ、ぁ、゛……」

扱きが再開して、中の触手と同時に中と外から刺激されると、気持ちいいのか痛いのかもわからないが、刺激の強さに恐怖しか出てこなくなった。

全身をくまなく触手に弄ばれて、俺は抵抗も出来ず泣くことしか出来ない。

いき続けすぎた体が、悲鳴を上げている。

もうヤダ、もう無理。

助けて、死んじゃう。

頭を振り乱して、いっその事気絶したいと願う俺の穴に、嫌な感触がはしった。

「ぁ、やだ……」

一際大きな触手が、ぬらぬらとヌメった液体を擦りつけながら、ピタリと後に宛てがわれた。

「やだ、やだ……やめて、」

拒絶で固まる体を無視して、ぐりゅっと、解されてもいないそこに押し込まれてきた触手に、小さな穴が悲鳴をあげる。

もう、無理なのかもしれない。
このまま犯されて、あの女性のように苗床になるしかないのか……。

と考えたところで、俺と契約をしているジルも、俺が死んだら運命を共にしてしまうのだと思い出した。

それだけは、それだけはダメだ。

意識のある今のうちに、どうにか脱出しなければいけない、と俺は目の前の触手に噛み付いていた。

グジュッと言うなんとも言えないゼラチンのような感触がしたが、気持ち悪いと思う前に噛みちぎって捨てた。

「ギェェェエエエエ!!!!!」
「ゥぐァ、」

少しきいたのか、触手がしゅるしゅると巻き戻ったのかと思ったら、俺の胴を締め上げてきた。

意識を狩り取ろうとしているのか。

苦しい……!

骨が軋む嫌な音が聞こえてきそうなほどギチギチと締めあげられて、意識が朦朧としてくる。
涙でぼやけていた視界がさらに霞んで、でもそれでも何とか触手に噛み付いた時だった。

「ユウ……!!!!!」

幻聴かと思った。

けたたましい音がして、俺の体に巻きついていた触手がちぎれ飛んだのを視界に収めたら、その視界が反転して力強い腕に抱きしめられていた。

涙でぐちゃぐちゃの視界に、大好きな人のシルエットが朧気に浮かんで、助かったという現実と共に、先程の恐怖を思い出して、腕に縋り付く。

泣きじゃくってしがみつく俺を、しっかりと抱きしめて、あやすように背中をさすられた。

暖かい、よかった、ジルも死んじゃうかと思った。

あのまま犯されていたら、ほんとに何も考えられなくなって、衰弱死していただろう。
そしたら、俺と命の繋がっているジルも死んでいた。

だけど、今は世界一安心出来る腕の中にいる。

その安堵から、俺は今度こそ安心して意識を手放した。
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