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番外編

9☆

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本当に、ユウはあざといという言葉を理解した方がいいと思う。

普段、俺に対してあっけらかんとしたような、強かな対応をする男だが、かと思ったら急に頬を染めて可愛いことを言う。

俺のために選んでくれただろう、青い髪紐を鏡越しに見て、思わずユウを膝に引き上げていた。

さっきも、「離れてらんない」なんて、そんなふうに言われて喜ばない男はいないだろう。

ユウは自分に対して価値を見いだしていないようだが、俺を受け入れられるくらいの可能魔力保有量に、あの容姿。

光を受けると茶色く透けるふわりとした黒髪に、同じ色の淡い黒をまとった瞳。
一見、15歳くらいにもみえる幼さを残した顔だが、ふわっと笑みを浮かべると急に大人っぽくなって色気がます様は、変態共を引きつけるに十分だ。

迷宮の下層で眠りから目覚めた時、優しい俺とは違った黒に惹かれた。
欲しいと思った。

初めての感情に突っ走って、ユウの意見もなんにも聞かずに契約したのは悪かったと思うが、許して欲しい。
俺はもう一度あの時間に戻っても、お前とこうなれるならば、迷わず同じ行動をとるだろう。



荒い息をついて、放心状態で俺にしがみついているユウから、1度俺のものを引き抜いて、ベットにうつ伏せで寝かせた。

「んぁ……、」

抜く間際にも、ぎゅうっと中を閉められて、まるで抜かないでというような動きに、口の端が持ち上がった。

時折ピクっと動く臀の奥から、俺の出したものがこぼれてシーツに染み込む様は、とても卑猥で背徳的なものだ。
こうしたのが俺だと思うと、たまらない感覚に心が震える。

ぐっと形のいい臀を持ち上げて、蓋をするようにまた中にねじ込むと、可愛い声で鳴く。

ゆるゆるとしたスピードから、バチュバチュと音がなるほど激しくついてやると、ガクガクと震えて出すものもなくいってしまう。

「ぁっ、あ゛ひゅっ……ぁあァァァあーー……!!!!!」

逃げを打つ腰をベットに縫い付けて、その背中にキスを落とす。

「そんなに気持ちいいか?」

俺の問に対して、こくこくと無意識に首をふって、「イイ、キモチいい、……!」と何回もつぶやく。

前に腕を回して、強めに乳首を根元から擦りあげると、また鳴いてシーツをかきまぜる。

固くたった乳首は、ここからは見えないが赤く焦れてぽってりとその存在を主張しているのだろう。

可愛いくて、可愛いくてたまらない。

「ぁ゛!ぁ、……ぁぅ、っひ、、ふぁ゛」
「っ、はぁ……」

白い背中から腰のラインがくねるたびに、もっともっとというふうに中もうねって俺から子種を絞り出そうとする。

それに逆らって、最奥の奥を叩きつけるようにしてえぐると、さらに奥に俺の先端がめり込んだ。

一際大きく海老反りにのぞけかえって、口をパクパクと喘ぐようにしてユウが何かを出そうとするが、声も何も出せずに体を固くする。

さらに奥にグリグリと腰を押し付けると、壊れたように涙をボロボロと流した。

「ひぐ、ぅぁ、ぁ、ーー~、ああああ゛!ぁ、ーーァぁ゛ーー~!!!!!」

プシャっとユウのものから透明な液体が、蛇口が壊れたように吹き出す。

息を吸うために大きく上下する肩に歯を立てて最奥にぶちまえると、痙攣しっぱなしの体からついに電池が切れたかのように、パタリとシーツに沈んでしまった。

「……っは、、…」

ずるりとそこから引き抜くと、コポップデュっとなんとも言えない音を出して、俺の出したものがさっきよりも多く流れ出す。

その光景を眺めて、やってしまったと少し戻ってきた理性で頭を抱えた。

明日は迷宮に行くはずなのに、抱き潰してしまった。

あまり体の疲れに治癒魔法を使うのは宜しくないのだが、仕方なしに魔法をかけた。

そして、魔力として精液は体に吸収されるはずなので、色んな液体でベトベトのユウの体を清める。

「、んぅ」

触る度に身じろぐ体を抱き起こして、シーツも綺麗にして寝かせた。

ベットで眠るユウのふわふわした癖毛を撫でるために屈んで、いつもは流れてくる横髪がないことに気づく。

そうか……ユウに髪をゆってもらったことを思い出した。

丁寧に髪をまとめている紐を引き抜いて、窓から差し込む月明かりに照らすと、それはキラキラと輝いた。

人から何かを貰うことなんて、あっただろうか。

母親からすら、何かを奪われた記憶はあれど、何かを貰った記憶はなかった。

老いる体に、一向に老いない息子。
人形のようにそこにあるだけで、本当に自分の血を引いているかも分からない、得体の知れない力を持つ化け物との生活。

今考えれば、あんなふうになるのも仕方ないと思えるが。

母親が死んだあとは色んな場所を転々として、同じ時を生きれない人間との関わりを絶ってきた。

俺を理解出来るわけはないと、どうせ化け物と罵るだけだと。
勇者に封印された時も、何もしてない俺を悪と決めつける人間から遠ざかって、眠りにつくことができると安堵したくらいだった。

だが、今なら俺を産んでくれた母親に感謝できる気がする。

今ではもう、顔も鮮明に思い出せないが……それでも次の生を楽しく生きられていることを、目を瞑って月に願った。

ぎゅっと握りしめた髪紐を、それを今度は腕にまきつけて、ベットで眠るユウの横に滑り込んだ。













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