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IEWⅢ DISC‐1
72 二人
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ルルリアナは左手の甲の上をぷよぷよと動いている火の大精霊を、激しく火を噴く山火事へと向ける。
ビー玉くらいの大きさだった火の大精霊は、息を吸いウズラの卵大まで大きく膨らむ。次に大きく息を吸い、周囲で燃えていた火を吸収し始める。半径一メートル程度の火を吸収し、鶏卵大の大きさまで成長した火の大精霊は一旦、火を吸収するのを止める。火の大精霊の口から「ゲフッ」というゲップ音が聞こえ小さな火を噴く。そして、短い手を伸ばしてお腹らしき部分を撫でている。その仕草はまるでオヤジで、ゴロゴロと昼寝まで始めている。
「おい!どうした?これで終わりなのか?」
ロークが休んでいる火の大精霊を問い詰める。
火の大精霊は不服そうにロークを睨みつけ、寝ころびながら飛んでくる小さな火の粉をスナック菓子のようにつまんでいる。
「もしかして、お腹いっぱいなのですか?」
ルルリアナの言葉に火の大精霊はコクコクと頷く。
「おい!ちょっと、待てよ!お前はあの山よりも大きかっただろうが!それがちょっと成長しただけでもうお腹いっぱいなのか?そんなはずはないだろう?さっさとここにある火を全て平らげろよ!」
ロークにアッカンベーをすると、ルルリアナの左手の火傷に潜ってしまった。
ルルリアナの体を熱が走り、ズキズキと火傷がうずく。でもそれは、ほんの一瞬で治まったのだった。
「本当に役に立たなかったな」
ロークは自分たちへと襲い掛かる火を、水で消化していくが焼け石に水で火の勢いを弱めるだけに過ぎなかった。ロークはぐるりと火に囲まれている絶望的な状況に、顔を曇らせる。
ここにある火は山火事の本体から飛び火して燃え上がった火だ。デビルマ山脈の木々を燃え尽くし熱を蓄えてた山火事の本体は、この火よりもさらに強力なのだ。こんな状態で、ルルリアナと俺が生き残れるわけがない。せめてもの救いは山火事の火が高温のため、一瞬にして周りの木々を焼き尽くすことだ。
ルルリアナも結界をはって火を防ごうとするが、雪木を守るために強力な結界で魔力のほとんどを使い果たしていて、まだ魔力が戻っていない状況だった。そのため、プラスチックのような強度の結界しかはることができなかった。
リースが魔法を使えないがために、魔力回復ポーションの必要性を理解していなかったのだ。ルルリアナもこれほど深刻な状況がすぐに来るとは思わず、リースに魔力回復ポーションが必要だと伝えなかったのだ。
ルルリアナの結界はすでにドロドロと溶け始めていて、この山火事から生き残れそうにない。
パチパチと燃え上がる炎は山の中に取り残された二人をあざ笑うように、ダンスを踊っているかのようだった。
徐々に山火事の先頭が近づいてきて、熱と轟音が近づいてくる。
「ルルリアナ、もうすぐ山火事の本体がここにやって来る。俺の水魔法や君の結界ではとても生き残れないだろう。俺たちが生き残る確率はかなり少ないけれど、やらないよりはマシだ」
ロークは鞄から銀色の不燃耐火シートを取り出す。そのシートは一人用の寝袋を半分に切ったような形をしていて、ルルリアナにはどのように使うかわからなかった。
ロークは時間がないため、ルルリアナへの説明を省く。地面を平らにならし、地面に生えている草を取り除いていく。
「ローク?」
ロークはルルリアナの手を引き、体制を崩されたルルリアナはロークに覆いかぶさられる。ドキドキするルルリアナに気が付かないロークは、全身をすっぽりと覆うように銀色のシートを被る。
「もうすぐここにやってくる山火事の本体は、今囲んでいる火がマッチ棒の火と感じるほど段違いの火だ。肌に感じる暑さも、耳にこだまする轟音も倍増するだろう。でも、パニックにならずにこのシートの中で大人しく耐えてくれ。このシートは火属性の魔物の皮でできているんだ。頭ガチガチの専門家はこの皮の中にいれば、山火事に巻き込まれても生き残れると言っている。でも、俺はそこまで確信はしていない。ルルリアナ、助かったら食事にでも行こう。生き残った祝杯をあげるんだ。俺の合図で名一杯、肺に酸素を入れて息を止めろよ!」
「ローク?」
「いまだ!」
ロークの言葉の意味も分からず、もともと素直のルルリアナは言われたとおりに肺一杯に息を吸いこむ。
ロークはルルリアナがしっかり息を吸いこんだことを確認し、自分も大きく息を吸って自分たちの体とシートを魔法で出した水で覆う。
その瞬間、鼓膜を破りそうなほどの轟音が鳴り響く。そして、自分たちを纏っている水が急激に熱せられ熱湯へと変わる。ロークも必死で追い水をやり熱を冷まそうとするが、追い付いていない。
ルルリアナはパニックになり、生存本能からシートと水から出ようともがき始める。ルルリアナの肺から空気が漏れ、息苦しさからさらにルルリアナはパニックに追いやられる。
その瞬間、ルルリアナの唇をロークの唇が覆い、ルルリアナに呼吸するための酸素を分け与える。人工呼吸に過ぎなかった唇の接触は、徐々に熱のこもった口づけに変わっていた。
二人が息苦しくて唇を離すころには、山火事の本体はとっくに通り過ぎた後だった。
「やった!ルルリアナ!俺たち生き残ったぞ!」
ぎゅっとロークに抱きしめられ、ルルリアナも生き残れた喜びに浸る。しかし次の瞬間、ロークの腕の中で彼の唇に夢中になっていたことを思いだす。
顔を真っ赤に染め、自分を抱きしめる手の力を緩めたルルリアナに、ロークは気まずそうに顔を拭う。手に付いていた煤がロークの顔に広がり、暗闇にロークの目が浮かんでいるように見える。
ようやく太陽も登り、山火事から発生した煙が空を覆う。
「…ルルリアナ。さっきのは人工呼吸みたいなもので、生きるために必要なものだったんだ。だから…、あれはキスじゃない」
ローク自身も、自分の口からでた言葉が白々しい虚言だとわかっていた。二人は生死など全く関係なく、互いに夢中になっていたのだから。
ルルリアナもロークに齧られた唇がひりひりと痛み、思わずその場所を指でなぞる。その瞬間、その場所に触れたことを後悔した。なぜなら、ロークの青い瞳が自分の唇へと向けられたからだ。慌てて唇から手を離し、上ずった声でロークに同意する。
「そうですよね。さっきのは人工呼吸みたいなものですよね…」
はぁとため息を吐くルルリアナに、ロークは伸ばしかけた手を狼狽えて拳を握る。俺は彼女に今、何をするつもりだったんだ?
「ルルリアナ!ローク!」
自分たちの邪魔となる存在に、ロークが感謝したのは初めてだった。
アスタリアの背中に乗ったリースは、飛び降りるようにルルリアナを抱きしめる。
「ルルリアナ!生きてて良かった!良かったよ~~~」
自分の生存を泣いて喜ぶリースの存在に、ルルリアナの心はほんのりと温かくなる。
次々と空からアインス、ツヴァイ、フィーアが舞い降りる。三人の魔女にはそれぞれ、ルルリアナに再び会えた喜びに満ちていた。
私はもう、一人ではないのだ。
ルルリアナの灰色の瞳は、隠れるようにロークへと向けられていた。
ビー玉くらいの大きさだった火の大精霊は、息を吸いウズラの卵大まで大きく膨らむ。次に大きく息を吸い、周囲で燃えていた火を吸収し始める。半径一メートル程度の火を吸収し、鶏卵大の大きさまで成長した火の大精霊は一旦、火を吸収するのを止める。火の大精霊の口から「ゲフッ」というゲップ音が聞こえ小さな火を噴く。そして、短い手を伸ばしてお腹らしき部分を撫でている。その仕草はまるでオヤジで、ゴロゴロと昼寝まで始めている。
「おい!どうした?これで終わりなのか?」
ロークが休んでいる火の大精霊を問い詰める。
火の大精霊は不服そうにロークを睨みつけ、寝ころびながら飛んでくる小さな火の粉をスナック菓子のようにつまんでいる。
「もしかして、お腹いっぱいなのですか?」
ルルリアナの言葉に火の大精霊はコクコクと頷く。
「おい!ちょっと、待てよ!お前はあの山よりも大きかっただろうが!それがちょっと成長しただけでもうお腹いっぱいなのか?そんなはずはないだろう?さっさとここにある火を全て平らげろよ!」
ロークにアッカンベーをすると、ルルリアナの左手の火傷に潜ってしまった。
ルルリアナの体を熱が走り、ズキズキと火傷がうずく。でもそれは、ほんの一瞬で治まったのだった。
「本当に役に立たなかったな」
ロークは自分たちへと襲い掛かる火を、水で消化していくが焼け石に水で火の勢いを弱めるだけに過ぎなかった。ロークはぐるりと火に囲まれている絶望的な状況に、顔を曇らせる。
ここにある火は山火事の本体から飛び火して燃え上がった火だ。デビルマ山脈の木々を燃え尽くし熱を蓄えてた山火事の本体は、この火よりもさらに強力なのだ。こんな状態で、ルルリアナと俺が生き残れるわけがない。せめてもの救いは山火事の火が高温のため、一瞬にして周りの木々を焼き尽くすことだ。
ルルリアナも結界をはって火を防ごうとするが、雪木を守るために強力な結界で魔力のほとんどを使い果たしていて、まだ魔力が戻っていない状況だった。そのため、プラスチックのような強度の結界しかはることができなかった。
リースが魔法を使えないがために、魔力回復ポーションの必要性を理解していなかったのだ。ルルリアナもこれほど深刻な状況がすぐに来るとは思わず、リースに魔力回復ポーションが必要だと伝えなかったのだ。
ルルリアナの結界はすでにドロドロと溶け始めていて、この山火事から生き残れそうにない。
パチパチと燃え上がる炎は山の中に取り残された二人をあざ笑うように、ダンスを踊っているかのようだった。
徐々に山火事の先頭が近づいてきて、熱と轟音が近づいてくる。
「ルルリアナ、もうすぐ山火事の本体がここにやって来る。俺の水魔法や君の結界ではとても生き残れないだろう。俺たちが生き残る確率はかなり少ないけれど、やらないよりはマシだ」
ロークは鞄から銀色の不燃耐火シートを取り出す。そのシートは一人用の寝袋を半分に切ったような形をしていて、ルルリアナにはどのように使うかわからなかった。
ロークは時間がないため、ルルリアナへの説明を省く。地面を平らにならし、地面に生えている草を取り除いていく。
「ローク?」
ロークはルルリアナの手を引き、体制を崩されたルルリアナはロークに覆いかぶさられる。ドキドキするルルリアナに気が付かないロークは、全身をすっぽりと覆うように銀色のシートを被る。
「もうすぐここにやってくる山火事の本体は、今囲んでいる火がマッチ棒の火と感じるほど段違いの火だ。肌に感じる暑さも、耳にこだまする轟音も倍増するだろう。でも、パニックにならずにこのシートの中で大人しく耐えてくれ。このシートは火属性の魔物の皮でできているんだ。頭ガチガチの専門家はこの皮の中にいれば、山火事に巻き込まれても生き残れると言っている。でも、俺はそこまで確信はしていない。ルルリアナ、助かったら食事にでも行こう。生き残った祝杯をあげるんだ。俺の合図で名一杯、肺に酸素を入れて息を止めろよ!」
「ローク?」
「いまだ!」
ロークの言葉の意味も分からず、もともと素直のルルリアナは言われたとおりに肺一杯に息を吸いこむ。
ロークはルルリアナがしっかり息を吸いこんだことを確認し、自分も大きく息を吸って自分たちの体とシートを魔法で出した水で覆う。
その瞬間、鼓膜を破りそうなほどの轟音が鳴り響く。そして、自分たちを纏っている水が急激に熱せられ熱湯へと変わる。ロークも必死で追い水をやり熱を冷まそうとするが、追い付いていない。
ルルリアナはパニックになり、生存本能からシートと水から出ようともがき始める。ルルリアナの肺から空気が漏れ、息苦しさからさらにルルリアナはパニックに追いやられる。
その瞬間、ルルリアナの唇をロークの唇が覆い、ルルリアナに呼吸するための酸素を分け与える。人工呼吸に過ぎなかった唇の接触は、徐々に熱のこもった口づけに変わっていた。
二人が息苦しくて唇を離すころには、山火事の本体はとっくに通り過ぎた後だった。
「やった!ルルリアナ!俺たち生き残ったぞ!」
ぎゅっとロークに抱きしめられ、ルルリアナも生き残れた喜びに浸る。しかし次の瞬間、ロークの腕の中で彼の唇に夢中になっていたことを思いだす。
顔を真っ赤に染め、自分を抱きしめる手の力を緩めたルルリアナに、ロークは気まずそうに顔を拭う。手に付いていた煤がロークの顔に広がり、暗闇にロークの目が浮かんでいるように見える。
ようやく太陽も登り、山火事から発生した煙が空を覆う。
「…ルルリアナ。さっきのは人工呼吸みたいなもので、生きるために必要なものだったんだ。だから…、あれはキスじゃない」
ローク自身も、自分の口からでた言葉が白々しい虚言だとわかっていた。二人は生死など全く関係なく、互いに夢中になっていたのだから。
ルルリアナもロークに齧られた唇がひりひりと痛み、思わずその場所を指でなぞる。その瞬間、その場所に触れたことを後悔した。なぜなら、ロークの青い瞳が自分の唇へと向けられたからだ。慌てて唇から手を離し、上ずった声でロークに同意する。
「そうですよね。さっきのは人工呼吸みたいなものですよね…」
はぁとため息を吐くルルリアナに、ロークは伸ばしかけた手を狼狽えて拳を握る。俺は彼女に今、何をするつもりだったんだ?
「ルルリアナ!ローク!」
自分たちの邪魔となる存在に、ロークが感謝したのは初めてだった。
アスタリアの背中に乗ったリースは、飛び降りるようにルルリアナを抱きしめる。
「ルルリアナ!生きてて良かった!良かったよ~~~」
自分の生存を泣いて喜ぶリースの存在に、ルルリアナの心はほんのりと温かくなる。
次々と空からアインス、ツヴァイ、フィーアが舞い降りる。三人の魔女にはそれぞれ、ルルリアナに再び会えた喜びに満ちていた。
私はもう、一人ではないのだ。
ルルリアナの灰色の瞳は、隠れるようにロークへと向けられていた。
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