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女達のはじまり
26 不安
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ギルドでシルビアと話したリースは、アインスたちに「始まりの村」に戻ることを告げた。
アインスたちははじまりの村に戻るのをとても嫌がった。特にアインスの嫌がりは尋常ではなかった。ツヴァイだけは始まりの村にS級の魔物が出たと聞いた後は、乗る気になっていたが。
仕方ないのでリースはアインスに洋服を一着買ってやったのだった。
そのためアインスははじまりの村に戻るのを渋々だが納得したのだった。
リースたちは今、ギルドが経営している賃貸の集合住宅で暮らしていた。その集合住宅を明日、出ることにし五人は王都での最後の夜を過ごしていた。
家事ができるのもリースだけで、家事全般はリース一人でこなす。
アインスとツヴァイはそもそも家事に興味はないし、やらせる気もなかった。ルルリアナはリースに教えられ家事を覚えている最中だ。フィーアはリースとルルリアナを真似て家事をしている。拙いながら一生懸命に家事をする二人はとても愛らしい。
前世の月菜は里紗よりも料理や家事が得意だった。しかし、今不器用に洗濯物を畳んでいるルルリアナは月菜と似ても似つかない。
月菜が嫌いだった苺だって好きなのだ。
リースはルルリアナを一目見て、月菜の生まれ変わりだと確信したが、本当にルルリアナは月菜の生まれ変わりなのだろうかと疑う自分がいるのも本当だった。
ルルリアナは月菜と違いすぎるのだ。
共通点が一つ見つからない。
月菜はルルリアナに生まれ変わったとしても、やはり月菜とは違うのだと突きつけられる。
あの悪魔が言っていた「月菜が私に助けを求めている」というのも嘘なのだろう。
だって、ルルリアナは私を見て里紗だとわからなかったのだから。自分が月菜だったという記憶もないのだ。
たとえ性格が違っても、好みが違ってもルルリアナは月菜の魂を持っているのだし、不器用で優しいルルリアナのことをリースは愛おしいと思っていることには変わりない。
でも、里紗は…里紗は寂しいと感じてしまうのだ。
それはリースにはどうもできないことだった。
―――――――――――――――――
リースは王都を去る前にアインスのゲートを使用し、ルルリアナが軟禁されていた神殿を調査しに戻った。
しかし、いくら神殿を探してもアインスたちが話した「黒が魔女」は見つからなかった。痕跡すらない。
誰かほかの人に取られてしまったのだろうか?
再びアインスのゲートを使用し、リースはやり残したことをしたのである。
それはレオザルトに会うことである。
レオザルト殿下の弟であるマキシミリアンを脅し協力させ、レオザルトが出席しているパーティーに潜りこんだのだ。
レオザルト殿下は何とルルリアナの実妹であるベルリアナの十六歳の誕生日パーティーに参加していた。婚約者が行方不明になったにも関わらず、自分が愛する人の誕生日会に参加していたというわけだ。
「アイス・エンド・ワールド」に登場するレオザルトはゲームが進むにつれ、ベルリアナと恋人同士となる。
オープニングムービーから二人は相思相愛で、二人の障害となっているのがルルリアナだったのだ。互いにルルリアナにバレないように視線を交わす二人の姿が描かれているのだ。ルルリアナが生贄となった後、二人にはなんの障害もなくなり二人はエンディングでハッピーエンドを迎える。
ゲームの通りにレオザルトは既にベルリアナに惹かれている。
婚約者がいるというのに最低な人間だと、これ以上下がりようのなかったレオザルトの評価がリースの中で再び大幅に下げられる。
マキシミリアンを伴い、アインスのゲートで姿を現したリースたちにパーティは騒然となった。
ルルリアナの家族にルルリアナを戻すように脅されたが、リースはそれを鼻で笑い拒否したのだった。
「ルルリアナが行方不明になったっていうのに、こんな盛大なパーティを開いてベルリアナの誕生日を祝っている家族に帰せというの?」と言うと、ソルティキア公爵家の人々は悔しそうに黙ったのだった。
レオザルト殿下にルルリアナを探さないように念を押し、そして自分の手配書を撤収するように言ったのである。
…つい、手を出してしまったけれども。
最後にソルティキア公爵夫人から夫人の死因となる、負のペンダントを奪うのも忘れなかった。
ゲームの中で、ソルティキア公爵夫人はペンダントに込められた呪いで亡くなるのだ。どうしようもないルルリアナの母親だが、その死因がルルリアナだと騒がれるエピソードを見逃すことなどできない。
ソルティキア公爵夫人の首に下げられているペンダントは、雪の結晶を模したたくさんのダイヤモンドできている。
そのペンダントをルルリアナに見せたが、ルルリアナにはやはり見覚えがないものだった。それがどうしてルルリアナの呪いと言われるようになったのかゲーム内では語られなかったが、リースはフラグを一つ折ることに成功したのだった。
リースとアインスが家に戻った時には、ルルリアナたちは引っ越す準備を終え、仲良く三人で絡まるように寝ていた。
ツヴァイの右腕を枕にルルリアナが、ルルリアナのふくらはぎにはフィーアの頭がのっていて、フィーアの足はツヴァイのお腹の上にのっている。
三角を描くように寝ている三人はとても愛らしい。それを見てすり減ったリースの精神が回復する。
ルルリアナは本当に幸せそうだ。
日々の新しい経験にまるで子供の様にはしゃいでいる。それは他の三人にもいることで、アインス、ツヴァイ、フィーアは閉じ込められていた日々を取り戻すように毎日を楽しんでいた。
「今度は賃貸じゃなくて、私たちの家が欲しいね」
「そうね。自分たちの家だったらステキなクローゼットが持てるし」
「アインスの頭にあるのは服のことだけなの?」
「あら?服だけじゃなくて、ステキな宝石のことも考えているわ。そのペンダントも私なら呪いを受けずに済むんだけど?」
妖艶におねだりするアインスに、リースは笑う。
「もう、本当に困った魔女ね」
「でもステキなクローゼットは女の子の憧れだわ。リースも憧れてるでしょ?認めなさいよね」
「えぇ、認めるわ。でも、借金だけは勘弁してね」
それにアインスは返事をしないため、リースは苦笑いする。
「あなたは妹のためならエギザベリア神国ですら敵に回すのね」
「でも、エギザベリア神国はルルリアナを真剣にさがしていないと思わない?きっと、あの女たらしの王子はルルリアナが消えてベルリアナと一緒にいられることを喜んでいるにちがいないわ」
神がレオザルトの花嫁はルルリアナだと指名しても、レオザルトの愛する花嫁はベルリアナなのだ。
「…ルルリアナは本当にレオザルトのこと好きだと思う?」
アインスが冷静な輝きを放つ赤い瞳でルルリアナを見つめる。
「それはどうかしらね。ルルリアナがレオザルトのこと好きだとは思うけれど、それは洗脳みたいなものでしょ?神が告げたあなたの運命の相手はあの王子様だって言われて育てば、誰でも好きになると思うけど?あの王子はロクストシティリの子孫だけあって本当にハンサムだもの」
「でも、ルルリアナにはその恋を諦めてもらわなきゃ…」
「あなたはロクストシティリに逆らう気なの?」
「この世界の神様がルルリアナを害そうとする運命にルルリアナを押し込もうとするなら、私はたとえ神を殺すことも厭わない」
きっぱりと宣言するリースをアインスは少し懐かしそうな、そうまるで遠い過去を思い出すかのように見つめる。
「あなたは私たちにとても似ているわ。ほしい物のためなら神にすら喧嘩を売った私たちに…」
「ねぇ、アインス?あなたはどうして冥府の門を開けようと思ったの?」
「……私も妹のためだったとだけ言っておくわ。でも…後悔しているの。死ぬべき人を死なせたままにしなかったことを」
だからね、とリースにアインスは囁く。
「あなたを待ち受けている運命はとても過酷なものになると思うわ。それこそルルリアナ以外の大切なものを犠牲にする覚悟じゃないと、ルルリアナですら守れない。もしもルルリアナを守りたいなら、迷わずルルリアナを選びなさいね」
アインスの言葉はいつまでもリースの心に残っていた。
ルルリアナ以外の大切なものを犠牲にする覚悟―――。
確かに私にはその覚悟が必要だ。
でも、この世界にルルリアナ以上に大切なものなどないのだから、私はまだその覚悟をしなくていい。
アインスたちははじまりの村に戻るのをとても嫌がった。特にアインスの嫌がりは尋常ではなかった。ツヴァイだけは始まりの村にS級の魔物が出たと聞いた後は、乗る気になっていたが。
仕方ないのでリースはアインスに洋服を一着買ってやったのだった。
そのためアインスははじまりの村に戻るのを渋々だが納得したのだった。
リースたちは今、ギルドが経営している賃貸の集合住宅で暮らしていた。その集合住宅を明日、出ることにし五人は王都での最後の夜を過ごしていた。
家事ができるのもリースだけで、家事全般はリース一人でこなす。
アインスとツヴァイはそもそも家事に興味はないし、やらせる気もなかった。ルルリアナはリースに教えられ家事を覚えている最中だ。フィーアはリースとルルリアナを真似て家事をしている。拙いながら一生懸命に家事をする二人はとても愛らしい。
前世の月菜は里紗よりも料理や家事が得意だった。しかし、今不器用に洗濯物を畳んでいるルルリアナは月菜と似ても似つかない。
月菜が嫌いだった苺だって好きなのだ。
リースはルルリアナを一目見て、月菜の生まれ変わりだと確信したが、本当にルルリアナは月菜の生まれ変わりなのだろうかと疑う自分がいるのも本当だった。
ルルリアナは月菜と違いすぎるのだ。
共通点が一つ見つからない。
月菜はルルリアナに生まれ変わったとしても、やはり月菜とは違うのだと突きつけられる。
あの悪魔が言っていた「月菜が私に助けを求めている」というのも嘘なのだろう。
だって、ルルリアナは私を見て里紗だとわからなかったのだから。自分が月菜だったという記憶もないのだ。
たとえ性格が違っても、好みが違ってもルルリアナは月菜の魂を持っているのだし、不器用で優しいルルリアナのことをリースは愛おしいと思っていることには変わりない。
でも、里紗は…里紗は寂しいと感じてしまうのだ。
それはリースにはどうもできないことだった。
―――――――――――――――――
リースは王都を去る前にアインスのゲートを使用し、ルルリアナが軟禁されていた神殿を調査しに戻った。
しかし、いくら神殿を探してもアインスたちが話した「黒が魔女」は見つからなかった。痕跡すらない。
誰かほかの人に取られてしまったのだろうか?
再びアインスのゲートを使用し、リースはやり残したことをしたのである。
それはレオザルトに会うことである。
レオザルト殿下の弟であるマキシミリアンを脅し協力させ、レオザルトが出席しているパーティーに潜りこんだのだ。
レオザルト殿下は何とルルリアナの実妹であるベルリアナの十六歳の誕生日パーティーに参加していた。婚約者が行方不明になったにも関わらず、自分が愛する人の誕生日会に参加していたというわけだ。
「アイス・エンド・ワールド」に登場するレオザルトはゲームが進むにつれ、ベルリアナと恋人同士となる。
オープニングムービーから二人は相思相愛で、二人の障害となっているのがルルリアナだったのだ。互いにルルリアナにバレないように視線を交わす二人の姿が描かれているのだ。ルルリアナが生贄となった後、二人にはなんの障害もなくなり二人はエンディングでハッピーエンドを迎える。
ゲームの通りにレオザルトは既にベルリアナに惹かれている。
婚約者がいるというのに最低な人間だと、これ以上下がりようのなかったレオザルトの評価がリースの中で再び大幅に下げられる。
マキシミリアンを伴い、アインスのゲートで姿を現したリースたちにパーティは騒然となった。
ルルリアナの家族にルルリアナを戻すように脅されたが、リースはそれを鼻で笑い拒否したのだった。
「ルルリアナが行方不明になったっていうのに、こんな盛大なパーティを開いてベルリアナの誕生日を祝っている家族に帰せというの?」と言うと、ソルティキア公爵家の人々は悔しそうに黙ったのだった。
レオザルト殿下にルルリアナを探さないように念を押し、そして自分の手配書を撤収するように言ったのである。
…つい、手を出してしまったけれども。
最後にソルティキア公爵夫人から夫人の死因となる、負のペンダントを奪うのも忘れなかった。
ゲームの中で、ソルティキア公爵夫人はペンダントに込められた呪いで亡くなるのだ。どうしようもないルルリアナの母親だが、その死因がルルリアナだと騒がれるエピソードを見逃すことなどできない。
ソルティキア公爵夫人の首に下げられているペンダントは、雪の結晶を模したたくさんのダイヤモンドできている。
そのペンダントをルルリアナに見せたが、ルルリアナにはやはり見覚えがないものだった。それがどうしてルルリアナの呪いと言われるようになったのかゲーム内では語られなかったが、リースはフラグを一つ折ることに成功したのだった。
リースとアインスが家に戻った時には、ルルリアナたちは引っ越す準備を終え、仲良く三人で絡まるように寝ていた。
ツヴァイの右腕を枕にルルリアナが、ルルリアナのふくらはぎにはフィーアの頭がのっていて、フィーアの足はツヴァイのお腹の上にのっている。
三角を描くように寝ている三人はとても愛らしい。それを見てすり減ったリースの精神が回復する。
ルルリアナは本当に幸せそうだ。
日々の新しい経験にまるで子供の様にはしゃいでいる。それは他の三人にもいることで、アインス、ツヴァイ、フィーアは閉じ込められていた日々を取り戻すように毎日を楽しんでいた。
「今度は賃貸じゃなくて、私たちの家が欲しいね」
「そうね。自分たちの家だったらステキなクローゼットが持てるし」
「アインスの頭にあるのは服のことだけなの?」
「あら?服だけじゃなくて、ステキな宝石のことも考えているわ。そのペンダントも私なら呪いを受けずに済むんだけど?」
妖艶におねだりするアインスに、リースは笑う。
「もう、本当に困った魔女ね」
「でもステキなクローゼットは女の子の憧れだわ。リースも憧れてるでしょ?認めなさいよね」
「えぇ、認めるわ。でも、借金だけは勘弁してね」
それにアインスは返事をしないため、リースは苦笑いする。
「あなたは妹のためならエギザベリア神国ですら敵に回すのね」
「でも、エギザベリア神国はルルリアナを真剣にさがしていないと思わない?きっと、あの女たらしの王子はルルリアナが消えてベルリアナと一緒にいられることを喜んでいるにちがいないわ」
神がレオザルトの花嫁はルルリアナだと指名しても、レオザルトの愛する花嫁はベルリアナなのだ。
「…ルルリアナは本当にレオザルトのこと好きだと思う?」
アインスが冷静な輝きを放つ赤い瞳でルルリアナを見つめる。
「それはどうかしらね。ルルリアナがレオザルトのこと好きだとは思うけれど、それは洗脳みたいなものでしょ?神が告げたあなたの運命の相手はあの王子様だって言われて育てば、誰でも好きになると思うけど?あの王子はロクストシティリの子孫だけあって本当にハンサムだもの」
「でも、ルルリアナにはその恋を諦めてもらわなきゃ…」
「あなたはロクストシティリに逆らう気なの?」
「この世界の神様がルルリアナを害そうとする運命にルルリアナを押し込もうとするなら、私はたとえ神を殺すことも厭わない」
きっぱりと宣言するリースをアインスは少し懐かしそうな、そうまるで遠い過去を思い出すかのように見つめる。
「あなたは私たちにとても似ているわ。ほしい物のためなら神にすら喧嘩を売った私たちに…」
「ねぇ、アインス?あなたはどうして冥府の門を開けようと思ったの?」
「……私も妹のためだったとだけ言っておくわ。でも…後悔しているの。死ぬべき人を死なせたままにしなかったことを」
だからね、とリースにアインスは囁く。
「あなたを待ち受けている運命はとても過酷なものになると思うわ。それこそルルリアナ以外の大切なものを犠牲にする覚悟じゃないと、ルルリアナですら守れない。もしもルルリアナを守りたいなら、迷わずルルリアナを選びなさいね」
アインスの言葉はいつまでもリースの心に残っていた。
ルルリアナ以外の大切なものを犠牲にする覚悟―――。
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