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物語のはじまり
9 脅迫
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やばい!やばい!やばい!やばあああい!
女だとバレてしまったリースは、どうしてこうなったのか考えたが…。うん、わからないと考えるのを放置する。
まぁ、ルルリアナ様が私のせいで不貞を疑われてしまったのなら、どうせ自分からばらすつもりでいたので、どっちにしろこの忌々しい二人には女だと知られていただろう。
女性である私は騎士科にいられないため、この王立学院から退学させられてしまうかもしれないが、ルルリアナ様の側から離れるつもりはなかった。
絶対、ルルリアナ様から離れないぞ!という気持ちを込め、二人を睨みつける。
二人は言葉を失ったようで、ぽかんと間抜け面でリースを眺めていた。
ふと、ルルリアナにリースが目を向けると、ルルリアナはぶるぶると寒そうに体を震わせている。
具合の悪そうなルルリアナを見た瞬間、リースは他のことなどどうでもよくなってしまった。特に言葉を失ったように呆然としているイケメン二人が。
「大変!ルルリアナ様!うわぁ、体が冷え切っているじゃないですか!そうだ!一緒にお風呂に入りましょう!」
「お風呂?」
「そうです、お風呂です。侍女たちにお風呂を用意させましょう!お風呂に入れば疲れもとれるし、リラックスできますよ」
「でも…お風呂なんて、彼女たちに悪い…」
「侍女たちはそのためにいるんだし、それが彼女たちの仕事です。ですよね、殿下?」
「……あぁ」
レオザルトの一言で、唖然として状況見守っていた侍女たちが素早く入浴の準備をしていく。カロルは苦々しくリースを睨みつけていた。
護衛の騎士たちが白い美しい曲線のバスタブを運び、木の桶で侍女たちがお湯を運びバスタブに貯めていく。
その様子を満足そうに見ていたリースは、ルルリアナの入浴の手伝いをすると申し出て侍女たちを部屋から閉め出す。
こんな冷たい侍女たちにルルリアナを任せてはいられないとばかりに。
空気も読まず、部屋に居座る男たちにリースは視線で部屋から出るように伝える。
「おい、待て!お前、ルルリアナの入浴を本気で手伝うつもりか?」
「そうですけど?」
「性別を偽り、学院に紛れ込んだ輩と雪の華様を二人きりにできるわけがないだろうが!」
「はぁ、確かに性別を偽りましたが、私はどうしても騎士になりたかったです。それに、実力で騎士科の試験に受かりました。女だからと言って、男に劣ると考えるのは古すぎる考えだと思います。」
「魔法科や治療科の試験を受ければよかっただろ」
「私は魔法を使えませんし、騎士に、大切なので二度言いますね。私は騎士になりたかったんです。ルルリアナ様を守る忠誠高い騎士に。理解しましたか?」
その足りない頭でと、暗にリースは二人にほのめかす。
「だからと言って、お前をルルリアナと一緒にするわけにはいかない。衛兵に言って、お前を捕える」
「へぇ~、素っ裸の女がルルリアナ様の部屋から気がふれたように出てきたら皆なんていいますかね?」
「私を脅しているのか?」
「いいえ、事実です。私はルルリアナ様の側から絶対離れないし、もし逮捕されるというなら恥も醜聞も気にせずに実行するでしょうね?しかも大声でレオザルト殿下とフィア侯爵に乱痴気騒ぎに誘われて、断ったらこんな目にあったと大声で叫んでやるんだから!」
「脅しですよ、殿下!」
「本当にそう思う?」
リースは二人の前で、平然と服を脱ぐ。ジャケット、ベスト、ワイシャツにズボン。リースは次々と脱いでいき、とうとう実用性重視の灰色のボクサーとスポーツブラの下着姿になる。
「ちょっと、リース…」
ルルリアナは本当に脱ぎだしたリースを留めようとするが、リースは誰にも止められない。
スポーツタイプのブラに短パン姿のリースは、水着よりは露出が少ないだろうと言い聞かせて顔が赤くなっていないようにと願う。
リースがブラを脱ごうとすると、顔をゆで蛸の様に赤くしたディランが止める。
「おい、本気で脱ぐつもりなのか?」
「えぇ、そうよ!だって、これからルルリアナ様とお風呂に入らなきゃいけないんだから。お湯が冷めちゃうしね。ルルリアナ様も早く服を脱いでください」
「えっ?」
「はぁ?」
急に話を振られたルルリアナと、不機嫌なレオザルトの声が重なる。
不機嫌なレオザルトにリースは悪魔の微笑みを浮かべる。
「あ~、殿下はルルリアナ様の婚約者ですものね~。ルルリアナ様の入浴を手伝って差し上げたいんでしょう?いいですよ?なんなら三人でお風呂に入りますか?乱痴気騒ぎ実行します?」
今ここで?その言葉に顔を真っ赤にしたルルリアナは、もう寒そうに体を震わせてはいなかった。
見つめあうルルリアナとレオザルトは互いに顔を真っ赤にし、チラチラと互いを見つめあっている。
リースがわざとらしく咳をすると、レオザルトは慌ててドアへと向かう。
「ルルリアナ、ゆっくりお風呂に入るといい…。私は…その、そうだ!外で待っているから」
勢いよく閉じられた扉をリースは満足そうに見つめ、まだ残っているディランに顎で扉を示し「さっさとてめーも出ていけと」と伝える。
ディランは梃でも動かんと腕を組み、足を肩幅に広げてリースを睨みつける。
リースはわざとらしく様をつける。
「ディラン様はルルリアナ様の兄弟ですもんね…。やましい気持ちなしにルルリアナ様の入浴手伝えますよね…」
「フン、私はこの衝立の裏で待っている。お前を逃がすわけにはいかないからな」
「お好きにどうぞ~」
そう言ってリースは、ルルリアナの背中を押し衝立の後ろに隠れる。ディランに向かってスポーツブラを投げることも忘れなかった。
ディランの深いため息が耳にうるさかった。
女だとバレてしまったリースは、どうしてこうなったのか考えたが…。うん、わからないと考えるのを放置する。
まぁ、ルルリアナ様が私のせいで不貞を疑われてしまったのなら、どうせ自分からばらすつもりでいたので、どっちにしろこの忌々しい二人には女だと知られていただろう。
女性である私は騎士科にいられないため、この王立学院から退学させられてしまうかもしれないが、ルルリアナ様の側から離れるつもりはなかった。
絶対、ルルリアナ様から離れないぞ!という気持ちを込め、二人を睨みつける。
二人は言葉を失ったようで、ぽかんと間抜け面でリースを眺めていた。
ふと、ルルリアナにリースが目を向けると、ルルリアナはぶるぶると寒そうに体を震わせている。
具合の悪そうなルルリアナを見た瞬間、リースは他のことなどどうでもよくなってしまった。特に言葉を失ったように呆然としているイケメン二人が。
「大変!ルルリアナ様!うわぁ、体が冷え切っているじゃないですか!そうだ!一緒にお風呂に入りましょう!」
「お風呂?」
「そうです、お風呂です。侍女たちにお風呂を用意させましょう!お風呂に入れば疲れもとれるし、リラックスできますよ」
「でも…お風呂なんて、彼女たちに悪い…」
「侍女たちはそのためにいるんだし、それが彼女たちの仕事です。ですよね、殿下?」
「……あぁ」
レオザルトの一言で、唖然として状況見守っていた侍女たちが素早く入浴の準備をしていく。カロルは苦々しくリースを睨みつけていた。
護衛の騎士たちが白い美しい曲線のバスタブを運び、木の桶で侍女たちがお湯を運びバスタブに貯めていく。
その様子を満足そうに見ていたリースは、ルルリアナの入浴の手伝いをすると申し出て侍女たちを部屋から閉め出す。
こんな冷たい侍女たちにルルリアナを任せてはいられないとばかりに。
空気も読まず、部屋に居座る男たちにリースは視線で部屋から出るように伝える。
「おい、待て!お前、ルルリアナの入浴を本気で手伝うつもりか?」
「そうですけど?」
「性別を偽り、学院に紛れ込んだ輩と雪の華様を二人きりにできるわけがないだろうが!」
「はぁ、確かに性別を偽りましたが、私はどうしても騎士になりたかったです。それに、実力で騎士科の試験に受かりました。女だからと言って、男に劣ると考えるのは古すぎる考えだと思います。」
「魔法科や治療科の試験を受ければよかっただろ」
「私は魔法を使えませんし、騎士に、大切なので二度言いますね。私は騎士になりたかったんです。ルルリアナ様を守る忠誠高い騎士に。理解しましたか?」
その足りない頭でと、暗にリースは二人にほのめかす。
「だからと言って、お前をルルリアナと一緒にするわけにはいかない。衛兵に言って、お前を捕える」
「へぇ~、素っ裸の女がルルリアナ様の部屋から気がふれたように出てきたら皆なんていいますかね?」
「私を脅しているのか?」
「いいえ、事実です。私はルルリアナ様の側から絶対離れないし、もし逮捕されるというなら恥も醜聞も気にせずに実行するでしょうね?しかも大声でレオザルト殿下とフィア侯爵に乱痴気騒ぎに誘われて、断ったらこんな目にあったと大声で叫んでやるんだから!」
「脅しですよ、殿下!」
「本当にそう思う?」
リースは二人の前で、平然と服を脱ぐ。ジャケット、ベスト、ワイシャツにズボン。リースは次々と脱いでいき、とうとう実用性重視の灰色のボクサーとスポーツブラの下着姿になる。
「ちょっと、リース…」
ルルリアナは本当に脱ぎだしたリースを留めようとするが、リースは誰にも止められない。
スポーツタイプのブラに短パン姿のリースは、水着よりは露出が少ないだろうと言い聞かせて顔が赤くなっていないようにと願う。
リースがブラを脱ごうとすると、顔をゆで蛸の様に赤くしたディランが止める。
「おい、本気で脱ぐつもりなのか?」
「えぇ、そうよ!だって、これからルルリアナ様とお風呂に入らなきゃいけないんだから。お湯が冷めちゃうしね。ルルリアナ様も早く服を脱いでください」
「えっ?」
「はぁ?」
急に話を振られたルルリアナと、不機嫌なレオザルトの声が重なる。
不機嫌なレオザルトにリースは悪魔の微笑みを浮かべる。
「あ~、殿下はルルリアナ様の婚約者ですものね~。ルルリアナ様の入浴を手伝って差し上げたいんでしょう?いいですよ?なんなら三人でお風呂に入りますか?乱痴気騒ぎ実行します?」
今ここで?その言葉に顔を真っ赤にしたルルリアナは、もう寒そうに体を震わせてはいなかった。
見つめあうルルリアナとレオザルトは互いに顔を真っ赤にし、チラチラと互いを見つめあっている。
リースがわざとらしく咳をすると、レオザルトは慌ててドアへと向かう。
「ルルリアナ、ゆっくりお風呂に入るといい…。私は…その、そうだ!外で待っているから」
勢いよく閉じられた扉をリースは満足そうに見つめ、まだ残っているディランに顎で扉を示し「さっさとてめーも出ていけと」と伝える。
ディランは梃でも動かんと腕を組み、足を肩幅に広げてリースを睨みつける。
リースはわざとらしく様をつける。
「ディラン様はルルリアナ様の兄弟ですもんね…。やましい気持ちなしにルルリアナ様の入浴手伝えますよね…」
「フン、私はこの衝立の裏で待っている。お前を逃がすわけにはいかないからな」
「お好きにどうぞ~」
そう言ってリースは、ルルリアナの背中を押し衝立の後ろに隠れる。ディランに向かってスポーツブラを投げることも忘れなかった。
ディランの深いため息が耳にうるさかった。
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