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プロローグ

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私の人生はとても恵まれていると思っていた。

世界を支配する権利を生まれながらに手にし、神によって選ばれた絶世の美少女である雪の華を婚約者に持つ。

 神に一番愛されている人間はこの自分、レオザルト・ロッケ・マズベルファだと少しも疑うことなく思っていた。

 自分の人生は神が作った芸術品の様に完璧だと信じていたのだ。

運命をしっかりとこの手に握っているという自信もあった。

 そう、彼女に出会うまでは。

 彼女と出会い、彼女を手に入れることができない運命なのだと知った時、自分の人生が急に神によって作られた張りぼての様に感じられたのだ。

 中身のない、外側だけは立派な飾りのついた壺のように。一度落ちたら、簡単に壊れてしまう芸術品にそっくりだと気が付いてしまったのだ。

 きっと私は婚約者と人生を共にしても満たされず、幸せになることはないだろう。

 なぜなら、私の心は運命ルルリアナではなく彼女を選んでしまったのだから。

 私が愛したのは婚約者の妹、ベルリアナ・マル・フィア・ソルティキアなのだから。


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