208 / 218
3章 マジョルカ学園編
閑話 次期国王の嘆き
しおりを挟む
私はこの魔界ではなく元はこのマタタビ王国の美姫としてやってきたナツメ様の祖父にあたるランベルトの双子の弟であったが、お互いがお互いを認識する前に異世界神に懇願されてこちらの世界で、いずれ来る次代の王を支えてやってほしいと言われ、宰相職に就き日々を過ごしていた。
異世界神によれば猫又種には他種族にはない不思議な力を持つことが多く、古来より規格外の力を持ったり世界に文明や文化を発達させてきた神や魔女の遣いとして度々神話の書物にも出てきており、双子の猫又は吉兆であるとされ、互いに王になれる器を持つとされていた為、異世界神は双子が生まれる度に、本人に会い本人の意思を尊重した上で異世界の王やその配下として統治してもらっていた。
だが、そのままでは王位継承者を誘拐したことに変わりないので、本人の了承を得た上で両親やその存在を知る者の記憶を改竄し、次回もし相見えることがあれば、相手の記憶が戻るという仕組みである。
残念ながら私の場合は、異世界神から既にナツメ様にとっては祖父であり私にとっては兄であるランベルトは奥さんであるルーシィ様と共に逝去していると聞かされていたため、対面することができなかったことだけが心残りであったが…亡くなってしまったものはどうしようもないという暗い気持ちで日々過ごしていたが…ある時異世界神より次代の王が来ると告げられ、その者が兄ランベルトの双子の子である弟だと告げられその子の容姿や話し方を見て、生前のうちに対面できなかったランベルトの面影を見て、歓喜した。
自分の甥であるアゼリアは、人柄が良く、政治においても差別社会をなくし賢王と民達から讃えられており自身もそんなアゼリアを支えるべく日々研鑽に励んでおり、自身にワガママを言わない子であるのを若干寂しく思っていたが…ナツメ様の帰省とともに最初で最後の爆弾を落とされるとは思わなかったのだ。
<アルベルト叔父さん、最初で最後の俺からのお願いを聞いてほしい。俺達一家は、ナツメ様と共にマタタビ王国に帰ろうと思う。だから清廉潔白な人柄である宰相であるアルベルト叔父さんに次の王になってほしいんだ。>
「……はぁ、意思は固いようだね。分かった。私に民達が付いてきてくれるか分からないが…な。」
<大丈夫さ。俺でさえ民達が付いてきてくれたんだから。今までありがとう叔父さん。またいつか会えるといいな。>
若干寂しげな雰囲気をお互いに醸し出してしまったが最後に握手して互いの健康を祈ったのだった。
異世界神によれば猫又種には他種族にはない不思議な力を持つことが多く、古来より規格外の力を持ったり世界に文明や文化を発達させてきた神や魔女の遣いとして度々神話の書物にも出てきており、双子の猫又は吉兆であるとされ、互いに王になれる器を持つとされていた為、異世界神は双子が生まれる度に、本人に会い本人の意思を尊重した上で異世界の王やその配下として統治してもらっていた。
だが、そのままでは王位継承者を誘拐したことに変わりないので、本人の了承を得た上で両親やその存在を知る者の記憶を改竄し、次回もし相見えることがあれば、相手の記憶が戻るという仕組みである。
残念ながら私の場合は、異世界神から既にナツメ様にとっては祖父であり私にとっては兄であるランベルトは奥さんであるルーシィ様と共に逝去していると聞かされていたため、対面することができなかったことだけが心残りであったが…亡くなってしまったものはどうしようもないという暗い気持ちで日々過ごしていたが…ある時異世界神より次代の王が来ると告げられ、その者が兄ランベルトの双子の子である弟だと告げられその子の容姿や話し方を見て、生前のうちに対面できなかったランベルトの面影を見て、歓喜した。
自分の甥であるアゼリアは、人柄が良く、政治においても差別社会をなくし賢王と民達から讃えられており自身もそんなアゼリアを支えるべく日々研鑽に励んでおり、自身にワガママを言わない子であるのを若干寂しく思っていたが…ナツメ様の帰省とともに最初で最後の爆弾を落とされるとは思わなかったのだ。
<アルベルト叔父さん、最初で最後の俺からのお願いを聞いてほしい。俺達一家は、ナツメ様と共にマタタビ王国に帰ろうと思う。だから清廉潔白な人柄である宰相であるアルベルト叔父さんに次の王になってほしいんだ。>
「……はぁ、意思は固いようだね。分かった。私に民達が付いてきてくれるか分からないが…な。」
<大丈夫さ。俺でさえ民達が付いてきてくれたんだから。今までありがとう叔父さん。またいつか会えるといいな。>
若干寂しげな雰囲気をお互いに醸し出してしまったが最後に握手して互いの健康を祈ったのだった。
0
お気に入りに追加
190
あなたにおすすめの小説
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
5人の旦那様と365日の蜜日【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
気が付いたら、前と後に入ってる!
そんな夢を見た日、それが現実になってしまった、メリッサ。
ゲーデル国の田舎町の商人の娘として育てられたメリッサは12歳になった。しかし、ゲーデル国の軍人により、メリッサは夢を見た日連れ去られてしまった。連れて来られて入った部屋には、自分そっくりな少女の肖像画。そして、その肖像画の大人になった女性は、ゲーデル国の女王、メリベルその人だった。
対面して初めて気付くメリッサ。「この人は母だ」と………。
※♡が付く話はHシーンです
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
【R18】聖女のお役目【完結済】
ワシ蔵
恋愛
平凡なOLの加賀美紗香は、ある日入浴中に、突然異世界へ転移してしまう。
その国には、聖女が騎士たちに祝福を与えるという伝説があった。
紗香は、その聖女として召喚されたのだと言う。
祭壇に捧げられた聖女は、今日も騎士達に祝福を与える。
※性描写有りは★マークです。
※肉体的に複数と触れ合うため「逆ハーレム」タグをつけていますが、精神的にはほとんど1対1です。
前世変態学生が転生し美麗令嬢に~4人の王族兄弟に淫乱メス化させられる
KUMA
恋愛
変態学生の立花律は交通事故にあい気付くと幼女になっていた。
城からは逃げ出せず次々と自分の事が好きだと言う王太子と王子達の4人兄弟に襲われ続け次第に男だった律は女の子の快感にはまる。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる