私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

閑話 モデルになれなかった少女

ごきげんようグリム公爵家の1人娘ヴァイオレットですわ。



ある時、貴族や平民に関わらず貰えることは一種の一流の女性ステータスにもなっている(アゼリア様達は容姿に関わらず心が綺麗だと思った女性にしか渡さない為)アゼリア様達が作る髪飾りやドレスを1度も貰えたことのない私は日々鬱々とし、物やメイド達に当たり散らすのが日課になっていた頃、どこからともなく見目のいい同い年か少し年上くらいの少年が現れ私に囁いた。




"願いを叶えてやろうか？"と。




私を溺愛する両親に頼めば獣人でも物でもなんでも手に入ったが、アゼリア様達が作る髪飾りやドレス、クロム様の婚約者の座は権力やお金では手に入らなかった為私はその念願のものが手に入ると聞き、すぐさまお願いした。




彼は私の願いが叶った暁には俺にも欲しいものがあるから協力しろと言われ私は即了承した。




だが私は今日から1週間後にアゼリア家主催のファッションショーがあると聞いて密かに期待していたのだ。



貴族、平民の子の中で私が1番可愛くて美人なのだから、願いを叶えてもらわなくてもファッションショー当日までにファッションモデルをお願いされて髪飾りやドレスもモデルを引き受けたお礼に貰えるのでは？と思っていたが現実は残酷だった。


結局何度も当日まで両親やメイド達に問いただしたが…1度として王家からモデルの依頼はやって来ず、招待を受けて王城の大広間に入れば、麗しいアゼリア様一家に混じり、大層可愛いらしい猫又の少女がクロム様にエスコートされ入場し、招待された貴族の子息だけでなく令嬢達までも、ホゥと頬を染め彼女を見つめており私はしばらく呆然としていたが…彼女にモデルの座を奪われ歯ぎしりしたのだった。