私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

閑話 嫉妬石

もう1人の自分と名乗るメドゥーとステンノーとのことが嘘または夢だったのかと思ったがあの時彼女に化けたステンノーに触れた時の感触は紛れもなく身体が覚えており現実であったのだと知らしめていた。



夢の世界から現実世界に戻ったその日は、通常の予定通り、午前は公爵家を継ぐために必要な次期領主教育を受け午後は剣の実技授業を行い就寝するとステンノーのお告げ通り夢の中にまたしても妖艶な美女ステンノーが現れた。




<昨夜ぶりじゃの。ソナタに昨夜言った嫉妬石集めについて詳細を教えてやろう。



昨夜も言ったと思うが妾の糧はソナタ達生き物の嫉妬心が凝固してできた嫉妬石じゃ。


嫉妬石は、簡単にできるわけではなくある程度の嫉妬心を持つ者でなければならずなおかつ純度の高い嫉妬石でなければ妾の糧にならぬのじゃ。


ここまで言えば分かるじゃろうが、ソナタには強大な嫉妬心を持つ者を探し出し、願いを叶えてやると唆し妾の元に連れてきて欲しいのじゃ。



ただし、ただ連れてくればいいわけではなく、その者の失敗、成功にかかわらず願いが叶うように実行させてからじゃ。



妾の元に連れて来る方法は、その嫉妬心を持つ者に願い叶えるように実行させた後、この女蛇のシンボルが刻印された指輪を相手のうなじにスタンプのように押し付けるだけでよい。


どうじゃ、思ったよりも簡単じゃろう？>






「協力の内容は分かった。だが、1つだけ約束してもらおう。」




<なんじゃ、聞くだけ聞いてやろう？>





「依頼が失敗したからといって俺にはペナルティまたは命にかかわる罰は与えないと約束しろ。


どちらにしろこの条件が飲めなければ、俺はいずれ死ぬ。遅いか早いかの違いだろう。だが１つだけ言っておくぞ、俺が死にそうな時はお前に必ず一矢報いてやるからな覚悟しておけ。」



<ほう、……いいじゃろう。じゃあこんなのはどうじゃ？ペナルティは与えぬが、代わりに成功すれば妾の叶えられる望みであれば叶えてやろう。>



とステンノーは妖艶に笑った。