私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

閑話 姫に群がる羽虫ども

彼女に寄り添う2人を見て彼女と同時期に行方不明になった龍虎兄弟の転生体だと確証もないのに確信してしまった。



しばらく民達がゆっくり姫と王子を観れるように各地でフロート車が止まり、一人一人マイクに向かって自己紹介をしており彼女は最後のようで他の羽虫どもじゃなくて王子どもが自己紹介を始めた。




俺は男どもに全く興味はなかったがこれから立ちはだかる強敵になるかもしれないヴァイオレットとエメラルドの双眸を持つ王子の自己紹介を待っていた。




他の王子達の自己紹介が終わり、いよいよ残すところは天敵の2人になった。




彼らは地球にいた時と同じように、彼女を狙おうと企む俺のようなガキや賊のような風貌の者や貴族達を直感的に牽制の意味を込めて睨み、彼女や民衆達には蕩けるような笑顔を向けるという1歳にして(まぁ転生体だから当たり前なんだろうが)器用すぎる自己紹介をやってのけた。やはり名前も地球の時と同じ名前で俺の直感は当たっていた。





ついに彼女の番が来て他の王子達の過半数以上も彼女の自己紹介に頬を染めながら聞き入っていた。




彼女は、左右別れた民衆達に満遍なく可愛いらしいあどけない笑顔で手を振ると自国の猫又族だけでなく全ての種族の民衆を骨抜きにしており今回の1番の人気者であった。




彼女達の乗るフロート車が去った後、民衆達は余韻に浸っているようで、口々に彼女がいかに可愛らしかったか、今でさえあれだけ可愛らしいのに将来どれだけ美女になるのか、彼女の婿は誰になるのかなど俺だけが知っていればいい可愛い彼女の話題で持ちきりで俺はこの時から少しずつ嫉妬心を募らせていったのだった。