私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

閑話 長年欲した女 ⑧

あれから女にかかれば百戦錬磨の自信があった俺は、気になる彼女に悉く恋愛フラグを折られ落胆した。




落胆した理由はそれだけではない……2年に進級してますます彼女の美しさと可愛さに磨きがかかり同学年はもちろんのこと上級生である3年生や新入生挙げ句の果てには、他校にまで彼女を狙うオオカミ達が現れますます龍虎兄弟と三枝さんの彼女へのガードは堅くなり、易々と彼女に近づくことさえ彼女に好意を持つ男子には叶わなかった。





スポーツ万能、成績優秀な龍虎兄弟は新入生の頃からさまざまな運動部からスカウトの声が後を絶たなかったが、彼らは部活に入らず中学の頃から通っている自宅近くの空手道場と剣道場を日替わりで通い、メキメキと実力をつけ武道大会になれば、1.2フィニッシュでトロフィーを総取りするほどであり、三枝さん曰く意中の彼女を守る為に強くなりたくて通っているらしい……





一時は、三枝さんに彼女への仲介役を、頼もうと思って三枝さんに近づいてお願いしたのだが、その願いは一蹴された。




「あの三枝さん、御子柴さんと付き合いたいんだけど仲介役を頼めないかな？」




<あはは、残念。私は、龍虎兄弟の味方なの。ナツメの相手がどちらになるか楽しみに毎日見てるの。



それにさ…あんまり言いたくないんだけど四月一日君てさ中学の頃女性関係派手で、来るもの拒まず去る者追わずだったでしょ？



ナツメには、浮気する心配のない龍虎兄弟しかふさわしくないの。


私にもナツメにも友達はいっぱいいるけど、お互い親友は1人だけだし、ナツメを傷つける輩は誰であろうと許さないわ。だから私は、絶対にナツメを傷つけるかもしれないアナタには協力しないわ。じゃあね。>




と頼りになりそうだった三枝さんに中学での女性関係を知られ、冷酷な笑顔で走り去る彼女を呼び止める資格が俺にはなかった。