私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

アゼリア家主催のファンションショー③

カトレア様お手製のワンピースとクロム様、アゼリア様共同制作の髪飾りをそれぞれ身につけた私は、クロム様にエスコートされ、ファッションショーの会場となる大広間の入り口前の閉まった扉の前で先に会場入りした主催のアゼリア様とカトレア様に呼ばれるまでしばらく待つことになった。



<ナツメ様すごく綺麗で可愛いよ！今までお父様と一緒に作ってきた髪飾りをつけてあげたいと思ったのは、ナツメ様が初めてだ。>




「そ、そうでしたか。今までどなたかにプレゼントしたことはないんですか？」




<アゼリア商会の商品としてなら販売したことはあるけれど……特に上手く出来たもの以外しか売らないんだよね。

ナツメ様が見て分かるように、繊細な作りでなおかつ成形時に１つとして同じ色合いのものや形はできないから一点ものな分、値段もやはり通常の髪飾りより高価だから、原価が高い分安くもあまりできなくてなかなか貴族にしか買えないし、買ったら買ったで貴族は、ものを大事にしないから、特に上手く出来たものは、俺やお父様が許可した人にしか身につけて欲しくないんだ。


誰だって、大切なものを蔑ろにする相手には渡したくないだろう？だから俺の容姿や地位目当てに近寄ってくる令嬢は多数いるけれど…髪飾りをプレゼントしたのはナツメ様が初めてなんだ。>



「その気持ち分かりますわ。私も自分の作った手作りお菓子を地位や容姿目当てに近寄る人にはあげたくないですから。


幸いなことに友人達がそういう輩を排除してくれているのか、あまり出くわしたことはありませんが…。


クロム様とアゼリア様に気に入られたようで光栄です。ただ、公式の場での社交界にデビューはまだまだ先ですので会場内での作法やマナーに問題があったら申し訳ありませんと先にお伝えしておきます。」



<大丈夫ですよ。ナツメ様はありのままでいてくれれば。ふふっ、それでは参りましょうかナツメ様お父様お母様がお呼びです。>


腰に優しく手を当てられ私は正装したクロム様にエスコートされファッションショー会場に入場した。