私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

閑話 作戦会議

ナツメが月夜城を探索している頃、マジョルカ学園のあるマタタビ王国に朝日が昇っていた。




男系王家での待望の女児で魔法も頭脳もハイスペックなナツメを狙った魔界の王族が関係しているとにらんだ雹達は、綿飴、レオ、朱雀にそれぞれナツメの両親、学園長であるトリック先生、ナツメと同じ班であると共にこの場にいないザクロにこの件を書いた手紙を運んでもらった。ちなみにアルカンシエルには別件を依頼しておりただいま不在である。


ナツメの両親であるシエル国王とルーナ王妃はすぐさま今日の公務を放り出し、ポーカーフェイスをしながらも足早に学園に辿り着きトリック先生の待つ応接室までやって来たのを皮切りに雹、霙、雅、蕾や同じ班であるロウ会長、新、柚達、最後にザクロが月狐族の雪白を肩に乗せてやって来て全員が集合したところで生徒会長であるロウ先輩が話を切り出した。



<皆さん集まっていただきありがとうございます！手紙に書いたように何者かの手によってナツメさんが拐われました。

ナツメさんの従魔の朱雀の推測ですがおそらく心の綺麗な者ほど魔族に好かれる為ナツメさんは魔界の王族に連れ去られたのではないか？という結論に至りました。


ナツメさんの従魔である彼らに彼女がいる場所まで案内していただければ良かったんですが彼女の現在地が分からないと彼らがナツメさんの元に行くことも彼女が僕達の住む獣人界に転移することも座標軸が大幅にずれるそうでできないそうです。


そこで皆さんの知恵を貸していただきたいのです。>


とロウ会長はお辞儀をして熱意のこもった協力要請に皆快く頷いた。



《ロウ君と言ったね？頭をあげてくれ。私達の大切な1人娘の為に本当にありがとう。

皆も苦労をかけるだろうがどうかよろしく頼む。》



『私からもお願いしますわ。』


国王と王妃揃って綺麗に腰を折って頭を下げるので皆今すぐ顔を上げるよう進言したが……


『『今はただの父親(母親)としての願いだ(ですわ)。』』


と言われてしまい更に皆良い意味で気合いを入れ直したのであった。