私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

逃亡ミッションスタート

あれから身体の痺れが取れた私は人型よりも猫又の姿の方が狭いところにも入り込めることもできるし他者からの目も誤魔化せると思いビースト(獣人化)になりベッド下に身を隠し、扉が開くまで息を潜めた。


本来なら、人型の姿のままドアノブをひねって逃げ出せばいいのだが……扉の近くまで行って罠が張ってあると気づいた。


しかも室内にいるこちら側から開けると即座に反応するような厄介な罠である。


この罠の盲点は、室内側から開けると即座にバレるが扉の外から開けられた際は、罠が発動しない点だ。



その為私は今現在ベッド下に潜んでいるのだ。幸い狭いと思ったベッド下は猫又状態だとなんなく潜り込むことができ安心した。


しばらくするとこちらに向かって、コツコツと足早に歩いてくる靴音が聞こえ私は息を潜めた。



コツコツコツコツ……ガチャキィィという部屋の入り口の扉の音と共に部屋に入ってきた者は、先ほど私に迫っていた男性だったようで私の姿が消えたことに慌てていた。


<なっ…ナツメがいないだと！？おい、ジーク、ジークはいないのか？>



《こちらにおります、クロム様。いかがなさいました？》



<これを見ろ！俺の姫がいなくなってしまった…どこに行ったんだ。>


《落ち着いてください！！クロム様。まだそう遠くには言ってないはずですから。》




と2人が室内であーだこーだ言っているうちに私は隙を見てベッド下から抜け出し彼らの背後をそっと忍者のように駆け抜け未だに開いたままになっている入り口の扉から逃げ出そうとしたが、あろうことか先ほど私に迫っていた煌びやかな衣装を身に纏った男性に姿を見られたらしく背後から"おいっ、待てっ！！



という声が聞こえたが、待てと言われて素直に待つバカはいないと相場が決まっているので私はもちろん脱兎のごとく逃げ出しましたとも。



そこが魔界の王族の住む月夜城とは知らずに……