私が猫又族のお姫様！？

3章 マジョルカ学園編

抽選した意味があまりないようです

宝探しに参加しなかった者、参加したが手に入れられなかった者達のほとんどが現地解散になったにもかかわらず大講堂から退出することなく食い入るように新作氷菓を食べる者達から徐々に私に視線を向けてくる者達が多かったあの日のことを思い出し根負けした私は今現在食堂の厨房を借りて氷菓作りに勤しんでいる。

私は、既に前世の高校生まで記憶のおかげもあって難なく初等教育は習得済みである為学園長も快く一定期間食堂内の一部を私が借りて購買部を運営することを認めてくれた。

既に食堂前の氷菓の為に用意されたクジ引きに設置された空箱は、既に入りきれないほどに溢れてしまった為まだ11時にもなりきらない内に回収され初日の抽選を待つだけになった。

初日は、交流会の時よりも多い50食を作り終えトッピング類などの調理や用意をしていると少し早めに日本にいた時の校内放送特有のピンポンパンポンという電子音とともに学園長のトリック先生の放送が聞こえてきた。


<みんなごきげんいかがお過ごしですか？1年を通して熱帯な気候なので水分補給を十分に行ってくださいね！とまぁ前置きはこれくらいにして早速皆さんが気になっているナツメ嬢の新作氷菓の当選者を発表します…>

と初日の50名の名前が読み上げられ最後の1人まで発表されるといつもなら休み時間の少しのガヤガヤした雰囲気が発表され始めてから水を打ったように静かになり50名発表後は悲喜こもごもににわかに騒がしくなった。大抵は需要と供給のバランスが成り立っておらず供給量に対して需要過多になっているため当選しなかった生徒が多く悲鳴をあげている声がここまで聞こえてきたのだった。


12時になりお昼休みのチャイムと同時に食堂まで距離があるはずにもかかわらず、バタバタと走り寄る生徒達の足音と声が聞こえてきたと思ったら一斉に当選した50名の生徒達が食堂に駆け込んできた為私は驚いて机に並べる為に手に持っていたスプーンを取り落としたのだった。