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3章 マジョルカ学園編
親バカな父様
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無事にお菓子作りに必要な材料を買い、金物屋で調理器具も買い揃えた私は、ウキウキ顔で3匹と一緒に店を出ると、道路の向かい側のカフェテリアから視線を感じ、そちらを見るとある一角を除いて人垣いやこの場合獣垣ができ3人に話しかけているようだった。
ある1組の男女と貴族なのであろうそのお付きの侍女だろうか…の3人がいるなぁと他人事のように眺めていると獣垣の隙間からその3人の顔が見えた。
「なんでお父様、お母様、レオナがいるのよ!?」
と私の声がこだましたのだった。
お父様とお母様、レオナの3人はテヘペロと効果音がつきそうな表情をしたかと思えばこちらにやって来た。
<我が愛しのナツメ、学園生活はどうだい?元気にしているかい?父様がいなくて寂しくないかい?>
と黙っていればイケメンなのにこういう子煩悩な部分が残念なお父様には矢継ぎ早に質問され、お母様には
《あらアナタ知らないの?猿の国の英雄で知られるスタンピードをほぼたった1人で収縮させた現在騎士団長として活躍している仁(ジン)様のご子息の颯(ハヤテ)
様にもこの子は一目惚れされたらしいわよ!》
と私や綿飴、レオしか知らない颯からの告白をどこかから聞かれていたのかと…気分がどんよりした。
<何!?そんな話は聞いていないぞ、俺は。>
とジト目でレオナを父様が見るがレオナは涼しい顔で
[聞かれておりませんので、答える必要はないかと思いまして…王妃様にのみお伝えしました!]
と何か問題ありまして?という顔で返答し父様は何か弱みを握られているのかぐうの音も出ない様子であった。
<またボソッ…(ナツメを好きな男が現れただと!?)父さんは認めないぞ、ナツメはまだまだ俺だけの姫でいてもらうぞ!ナツメを嫁にするなんて100万年早いわ。>
《あらアナタそんなこと言って、ナツメが行き遅れて社交界の恥さらしになったり(もちろんそんな輩がいたら私が潰しますが…)、好きな相手ができた時無理やり引き離してナツメが不幸になったらどうするの?
(私も昔、初恋の幼馴染のお兄さんから無理やり引き離されて王妃教育を受けさせられたことお忘れなくて?)》
今では社交界1のおしどり夫婦と呼ばれている両親だが、なぜか副音声込みの口とアイコンタクトで会話しているように見えるわ…
副音声は聞こえないけれど…お母様の周囲の温度が2.3度下がって父様の顔色が青白くなっているわと傍観者の1人に徹するナツメなのであった。
ある1組の男女と貴族なのであろうそのお付きの侍女だろうか…の3人がいるなぁと他人事のように眺めていると獣垣の隙間からその3人の顔が見えた。
「なんでお父様、お母様、レオナがいるのよ!?」
と私の声がこだましたのだった。
お父様とお母様、レオナの3人はテヘペロと効果音がつきそうな表情をしたかと思えばこちらにやって来た。
<我が愛しのナツメ、学園生活はどうだい?元気にしているかい?父様がいなくて寂しくないかい?>
と黙っていればイケメンなのにこういう子煩悩な部分が残念なお父様には矢継ぎ早に質問され、お母様には
《あらアナタ知らないの?猿の国の英雄で知られるスタンピードをほぼたった1人で収縮させた現在騎士団長として活躍している仁(ジン)様のご子息の颯(ハヤテ)
様にもこの子は一目惚れされたらしいわよ!》
と私や綿飴、レオしか知らない颯からの告白をどこかから聞かれていたのかと…気分がどんよりした。
<何!?そんな話は聞いていないぞ、俺は。>
とジト目でレオナを父様が見るがレオナは涼しい顔で
[聞かれておりませんので、答える必要はないかと思いまして…王妃様にのみお伝えしました!]
と何か問題ありまして?という顔で返答し父様は何か弱みを握られているのかぐうの音も出ない様子であった。
<またボソッ…(ナツメを好きな男が現れただと!?)父さんは認めないぞ、ナツメはまだまだ俺だけの姫でいてもらうぞ!ナツメを嫁にするなんて100万年早いわ。>
《あらアナタそんなこと言って、ナツメが行き遅れて社交界の恥さらしになったり(もちろんそんな輩がいたら私が潰しますが…)、好きな相手ができた時無理やり引き離してナツメが不幸になったらどうするの?
(私も昔、初恋の幼馴染のお兄さんから無理やり引き離されて王妃教育を受けさせられたことお忘れなくて?)》
今では社交界1のおしどり夫婦と呼ばれている両親だが、なぜか副音声込みの口とアイコンタクトで会話しているように見えるわ…
副音声は聞こえないけれど…お母様の周囲の温度が2.3度下がって父様の顔色が青白くなっているわと傍観者の1人に徹するナツメなのであった。
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