私が猫又族のお姫様!?

モルガナ

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3章 マジョルカ学園編

なんでいるの?

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人型に変身した学園長である茶プラキツネ種のトリックさんの手を取り壇上に現れた私に新入生だけでなく上級生である生徒会メンバーや新入生の親達も一様に頬を赤らめていた。
(うぅ~そんなに凝視しないでよ。反応に困るじゃない)と若干困惑しながら私は新入生総代として挨拶をした。


「本日は、天候にも恵まれ晴れ晴れしい日となりました。1日でも早く上級生の皆さんに追いつけるように部活、魔法勉学に励み精進していく次第です。

新入生総代  ナツメ=スコティッシュ」とお辞儀をすると私を見て頬を染めてボーっとしていた面々は一様に拍手した。

総代としての役割を終えた私は壇上から降り自分の席として用意されていた木製の椅子に座った。壇上から降りてくる私を皆が一様に見る為いたたまれず私は誰とも視線を合わせることはなかった…。ナツメを食い入るように見る10人の視線に気づくこともなく…


つつがなく入学式は終わり両親に入学式の晴れ姿を見せてしばし会話をした後マジョルカ学園に併設されたステラ寮に行くため両親と別れた。


マジョルカ学園は、生徒全員の自主性を重んじ、身分問わず自分のことは自分でするをモットーにしている

その為寮の個室は2人部屋になっているが身分差がほぼない&同じ種族にならないようになっているそうだ。

理由はその昔、同じ国の種族の上位貴族の子息と平民、公爵令嬢と庶民などが同室になった際、幼少期から平民たちは親の家事を手伝うことが主流だが、貴族の子息や令嬢は自分で家事や洗濯などをやったことがなく同じ国同士の種族であることで権力をふりかざして庶民、平民達に自分達の家事をやらせたり、ワイロを渡して家事代行をさせることが横行した。


結果として貴族の親は子の贅沢などを正す為入学させたが学園の身分制度をなくしたにも関わらず貴族達は家事などをせず自主性が育たず、貴族の子息や令嬢は自身の権力に奢り、贅沢に慣れてきっている為性格などは改善されなかったそうだ…



今では、家事代行などを同室の相手にしてもらえることがないよう部屋割りは考慮されている。
その為異文化交流を築く場にもなっており、卒業前に異種族間で恋人になり、そのまま結婚する人も多いそうだ。



「恋人とかはともかく、いろんな国いろんな種族の人達と友達になれるかなぁ?」

と私の傍を飛ぶ綿飴に話しかけた。


"大丈夫だよ!ナツメならすぐにできるよ!可愛いし、優しいから…仮にナツメが友達づくりに動かなくても周りが大人しくしてないよ"




最後ボソっとしてよく聞こえなかった…が綿飴の言葉で元気が出てきた。


ステラ寮に行くには、学園内の2階にある寮と学園を繋ぐ通路を通らなければならない為、私と綿飴は2階に向かって歩いていると何かに群がる女生徒の群れを見つけた。



"きゃぁぁぁ雹様~こっち向いて"

"霙様と今日から同じ学園だなんて嬉しい"

"紅様の女にしてくださ~い"などとどこかで聞き覚えのありすぎる名前の羅列が聞こえた…



面倒ごとに巻き込まれることなく平穏無事に過ごしたい私はナニモミテイナイ、キイテイナイと人だかりの群れから視線を外そうとしたが、群れに囲まれた張本人達がそうはさせなかった…


<やっと見つけたナツメ!どうして無言で離れようとするんだよ!俺はもうお前から離れないからな>と怒られた後になぜか抱きつかれ宣言された。


雹の抱擁から解放した霙は
[ナツメやっとまた会えたね、待ち遠しかったよ!もう絶対離さないからね]と抱きしめられた。


『お前達2人で誰の許可を得て抱きしめているんだ
!?俺にもナツメを抱かせてくれ…』


と許可を3人とも出してもいないのに順番に抱きしめられた…

「ところでみんなはなぜこのマジョルカ学園にいるの



と何気なく質問した私は次の雹からの一言に驚愕した。

<言っておくが、俺たちだけじゃなく他の9人の王子も全員マジョルカ学園入学したぞ>


「………はい!?」
ナツメはまたもや石化したのだった。
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