私が猫又族のお姫様!?

モルガナ

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2章 各国の王子たちとの出会い

生誕パレード開幕

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12王家の王子と姫である私の全員がパレード衣装に着替え終わり、パレード開始時間まで各々思い思いに寛いでいると

突然雹と霙が私の近くまでやってきて

"なぁ、ナツメ!お前ってしゅきな奴とかいにゃいの?"と雹が


[ナツメは僕たちのことどう思ってる?]と霙が

それぞれ質問してきた。


「急にど~したの?2人は私にとってチキューにいた頃からたいせつちゅな幼馴染だよ!」


雹と霙が少し私から離れ後ろを向いて話し合いを始めた…

"霙、にゃかにゃか進展しないな俺たち"


[兄貴…しょれはドーカンだけど、他のオージよりはユーリだよきっと]


"だな!アイツは誰にも渡さねぇ"



[当たりみゃえだよ!]と


耳のいい私さえも感知できないくらいの小声でお互い会話した後、地球にいた頃から2人が約束や誓いを立てる際にする片手で握り拳同士をお互いに軽くぶつけ合っていた。


(何だろう?男同士の友情?みたいな感じかな)と2人を見ていると


〔いっ…痛い…もうど~したりゃいいの?〕と羊の紬が涙目になっており傍にはオロオロしているメイドさんがいた。


「ど~したの?にゃんで泣きそうににゃってるの?」




と紬(つむぎ)とメイドさんに近寄ると、どうやらふわふわの羊毛が衣装についているボタンと青色のリボンタイについたサファイアの宝石に絡まってしまったらしく、衣装を着付けてくれたメイドさんが直そうとしてくれたのだが、パニックになった紬が動き余計に複雑に絡まってしまったそうだ。


(そういう時は、空間魔法の下位である"時属性魔法"が利用できないかしら…試してみようと涙目の紬の目の前に立ち、呪文は分からなかったが…思いつきで唱えてみた

「だいじょ~ぶだよ!そのみゃま、動かにゃいでね!

と紬を安心させるように微笑んだ。



〔う…ん。わかった!〕とナツメの笑顔を見て安心した紬は、大人しくしていた。

「Return by time(時間よ戻れ),recovery(回復)」と唱えるとあれほど複雑に絡みつき、もはやメイドの手に負えず、ふわふわの綺麗な羊毛をハサミで切るしかないと思っていた状態が綺麗サッパリ元の状態にシュルシュルと毛が元いた位置に戻り、毛を引っ張っていた痛みも治癒魔法によりなくなった。

[姫様、凄いですわ!!]と紬にどうすることもできずに困っていたメイドから褒められた。


若干照れ臭くなりながら、紬に声を掛けた。
「良かった!上手くいったわ。もう痛くにゃい?」と

紬に聞くと、涙目だった紬は一瞬何が起こったのか分からなかったが…痛みと毛の絡まりがなくなり目の前で微笑むナツメのおかげだと分かり瞬時に瞳に涙ではなく、憧れを抱いたようにキラキラとした星を浮かばせナツメにお礼を言った。


〔ど~もありがとう!もう全然痛くにゃいよ!君凄いんだね。憧れちゃうよ!………うわっ突然ど~したの?お礼に抱きしめさせて?うん!そんなことでいいならど~ぞ。〕


と鼻息荒く言われ、同い年なのにすごくつぶらな瞳で見てくるから、思わず助けたお礼という名目で黒羊のふわふわの紬を抱きしめさせてもらったわ…紬は牧草のような良い香りがするわ!うん役得!


「なんだか眠ゅくなってきたわ…」


"時属性魔法と治癒魔法の併用で身体からその分の魔力が使われたからだよ"と傍を飛んでいた綿飴が教えてくれた。


雹と霙はナツメから目を離した隙にナツメを恋愛対象として少なくともまだ見てなかった紬がナツメに助けられたことで憧憬の眼差しでナツメを見ていることに気付き、舌打ちした。
"チッ……あのバカっまた"と雹が


[あの天然タラシっ…]と霙がボヤいたのだった。

ナツメは地球にいた頃から無自覚な優しさと無意識な正義感があり美少女なのも相まって、老若男女を良くも悪くも虜にしてきた。ナツメが地球にいた頃から好きな雹と霙はいつナツメが悪い輩に襲われたり、誘拐されるんじゃないか日々気が気じゃなかった…


ナツメは露ほども知らないが、ナツメが日々1人にならないように雹、霙、凛の誰かが一緒にいるよう気を配ってきた為、大事に至ることはなかった。


この世界に来て種族は変わってもナツメはナツメなのだなと思う2人なのであった。


雹と霙がナツメの元に近づいてくると共に、ナツメに抱きしめられた紬に嫉妬して、楪(ユズリハ)、雲雀(ヒバリ)、大和(ヤマト)、凪(ナギ)、椛(モミジ)、紅(クレナイ)、周(アマネ)達もやって来た…

"にゃに俺を差し置いて紬を抱きしめてんだよ"

[紬もにゃに抱きしめられてんだよ!]と双方が文句を言われた。またよく分からんが解せぬ。



(………あ!分かった。ピンと来たわ。みんなをモフる口実にもなるし…我ながら良い考えだわ)


「みんにゃも仲良くしたかったんだね!しょれならしょうと早く言ってくれればいいにょに!みんにゃも抱きしめしゃせてくれりゅ?」


"…す、好きにしろ"

'だ、抱かせてやらんこともにゃい'

[うん!君のしゅきなだけ抱きしめて]

など反応は様々だったが、みんな断ることはしなかったので、遠慮なく抱きしめさせてもらった。

「みんにゃ温かくて、触り心地はそれぞれだけどかえってしょれがいいわ」

(動物好きな私にとって動物園の飼育員でもないのに赤ちゃんたちを触れるなんて最高だわ…)
と1人ご満悦なナツメなのであった。


一方ナツメに抱きつかれた王子たちはそれぞれ抱きしめられたことを思い返して頬を染めていた。

"凄く良い香りがした"

'身体柔らかくて小さくて力を入れたら折れしょうだった'

また一方12王家の王子の両親に城内を案内して帰ってきたシエル一行は、愛しの娘と12王家の王子たちが抱きしめ合っている姿を見て石化した…かと思えば自分に気づいて駆け寄って来た娘を抱きしめた。

「父様!お帰りなさい!12王家の王子しゃまと仲良く待っておりましゅた!」

【あぁ!ただいまナツメ!いいことだけれど、仲良くしすぎじゃないかい?】と可愛くて大事な1人娘であるナツメに好きな人ができ自分から離れて行くんじゃないかと心配なシエルは言ったが…

近寄って来た愛妻 ルーナは
[あら、アナタそんなことはありませんわよ?ナツメのことを初対面から気に入った王子たちもいたようですし、それを邪魔するのは野暮というものですわ。

アナタだって私と初めて会った時から、熱烈なアプローチをしていたじゃない。もちろんナツメの意志が1番大事だけれど、この子は鈍感だから今から王子たちにアプローチしてもらうのがいいのよ]



幸いナツメは先ほど魔法を使った為その分の魔力を使用した反動で睡魔が襲い話を聞いていなかった。



とルーナに痛いところを突かれ反論できなかった…。



『パレード開始時刻になりました!12王家の王子様と姫様は、パレード用に装飾されたフロート車にお乗りくださいませ』とレオナが言った。


【では私たちは、生誕パレードの挨拶をする為にフロート車の後続車両に乗ってついて行くとしよう。また、後でなナツメ!12王家の王子たちナツメをよろしく頼む!】と告げた。

12王家の王子たちは、真剣な眼差しで将来的に義父なるかもしれないシエルの顔を見て

"はい!お任せを"と応えたのだった。




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